「噺家に話を聞こう!」ゲスト 大友浩
落語をはじめ、演芸全般に対する新鮮な論評で定評のある大友浩さん。
その大友さんは名うての聞き上手、名インタビュアーと言われています。「聞き」の極意について伺うと、柳家小三治師匠へのインタビュー経験などに触れながら、貴重なヒントをいくつも教えてくださいました。
このノウハウはビジネスパーソンなら必見。もちろん、若手噺家、三遊亭好二郎さんへの格別な期待など、落語ファンにも聞き逃せない内容です。
落語をはじめ、演芸全般に対する新鮮な論評で定評のある大友浩さん。
その大友さんは名うての聞き上手、名インタビュアーと言われています。「聞き」の極意について伺うと、柳家小三治師匠へのインタビュー経験などに触れながら、貴重なヒントをいくつも教えてくださいました。
このノウハウはビジネスパーソンなら必見。もちろん、若手噺家、三遊亭好二郎さんへの格別な期待など、落語ファンにも聞き逃せない内容です。
移籍・改名後、すぐに国立演芸場主催「花形演芸大賞」金賞を受賞するなど、何かと話題の三遊亭遊雀さんがゲスト。電車で無邪気な子供に席を譲られ、思わず年寄りのふりをしてしまったという何気ないエピソードをきっかけに、それが噺家に必要な「空気を読む」能力のせいだと持論を展開します。
その日の客が何を求めているかを敏感に察知して、その場で噺に肉付けしていく即興性が落語という芸能の醍醐味。また、古典に新しい解釈を加えて披露するのも、遊雀さんの得意とするところです。
大先輩の高座を見て「とてもかなわない」と思いつつ、自分なりのアイデアをいつも探し出す遊雀さん。斬新な役作りで古いファンから反発を買うことがあっても、そんなお客の反応を喜びと感じ、さらなる研究に余念がありません。
落語に究極の完成はなし。だから進化している途中を見てもらいたいと願う42歳。演ずる者によって、登場人物のキャラクターが異なってくるのもまた落語の楽しみだと教えてくれます。高座では独特の浮遊感でとことん笑わせてくれる噺家の、真摯な一面が垣間見られるひと時です。
詩人の覚和歌子さんは、流行歌の作詞を数多く手がけながら、絶えず朗読会や音楽活動を通じて詩を発表してきました。「千と千尋の神隠し」の主題歌「いつも何度でも」の作詞者としても知られています。
言葉と心と身体が一体化することこそ、詩人としての理想であると語る覚さん。まずは2007年に出版された詩集「海のような大人になる」より「こ・こ・から」という詩を朗読してくれます。同じ詩でも、目で文字を追うのと音で聞くのとでは、全く違う作品に感じられるもの。覚さんは、音楽性や身体性も言葉が持つ力の一部であると考え、朗読することを前提にした詩作を心がけています。
気持ちは、物理的なエネルギーと同じ。溜め込むと澱んでしまう。ケチケチしないで送り出してあげると、そこに運動が生まれて再び自分に戻ってくる。そんな覚さんの世界観は、朗読を聴いていると確かにしっかりと味わえるのです。
「わかりやすすぎることが氾濫している現代、わからないことって素晴らしい」とは、まさに詩人の言葉。番組のラストでは、再び前述の詩集より覚さんの死生観を詠った「ひとめぐり」を朗読し、スタジオは深い感動に包まれます。
若手の浪曲師、春野恵子さんがゲスト。東大を卒業し、出版社に2年勤めた後に芸能界入り。日本テレビ「進ぬ!電波少年」のケイコ先生として有名になりましたが、自分の人生を捧げる道を探し求め、ついに浪曲と出会ったいきさつを教えてくれます。
2003年、国立文楽劇場の楽屋に春野百合子さんを訪ねて弟子入り志願。「無理だからやめなさい」と断られたものの涙ながらに食い下がり、晴れて入門が叶いました。
番組の途中で、「番町皿屋敷 お菊と播磨」からの一節をアカペラで披露。「1人ミュージカル」といわれる浪曲の魅力が伝わってきます。恵子さん曰く、浪曲は声の説得力が命。荒唐無稽な話でも、ひとたび節が始まると、その迫力に圧倒されて納得してしまうのだとか。
浪曲師としての生活は貧しいものの、家電が無いと言ったら炊飯器が2個も3個も集まったという大阪らしいエピソードも。2007年には若手5人のユニット「新宣組」を結成し、クラブやカフェなどで浪曲を演じる機会も増えました。
浪曲がなければ、この先の人生もない。そんな言葉に、浪花節のパッションを感じる楽しいトークです。
1960年に大阪で生まれた本田久作さんは、2002年以来、毎年新作落語の賞に輝いている気鋭の落語作家です。
10歳の時に桂米朝一門会の寄席を観て上方落語に魅せられ、中学時代には毎朝友人たちに古典落語を披露していたという本田さん。当時すでに120席もの噺を諳んじることができたというから驚きです。
中学3年生にして敬愛する桂枝雀さんの門を叩き、目の前で「道具屋」を演じるものの入門は叶わず。その後、伝説的なパンクバンド「変身キリン」を結成してミュージシャンとして活躍しますが、そのかたわらでコツコツと落語のネタを書き留めていたそうです。
本田さんが理想とするのは「子ほめ」のような、落語の魅力を全て兼ね添えたわかりやすい噺。散歩中などに噺の設定をふいに思いつき、書いているうちに突然オチがわかるという創作秘話も実に興味津々です。
2008年に博品館劇場で行われる「源氏物語千年祭」のため、源氏物語を題材にした3作を書き上げたばかり。多彩な才能を持つ本田さんの飄々とした語りから、落語作家という興味深いお仕事の一端を知ることができる30分です。
三遊亭円丈さんの演目は、ほとんどが自作。そのネタは質量ともに日本一と言われ、後進の落語家にも多大な影響を与えています。
70年代に古典を封印して実験落語を始めた頃は、落語界を脅かす悪魔のように見られていたという円丈さん。古典に肉薄できるものを作ろうと、世相を反映させたユニークな新作落語を次々に発表してきました。
「僕は失敗だらけだからこそ、ここまで来れた」と語る反骨の師匠は、いつでも様々な人の意見を聞きながら自作の噺に改良を加えることを忘れません。小説は一度書くと完成だが、落語はバージョンアップできるから終わりがない。古典にしろ新作にしろ、大衆芸能である落語には常に「今」が必要だというのが、円丈さんの一貫した主張です。
先人の惚れ惚れするような芸を前にしても、それを冷静に俯瞰する目を持てば、他のやり方があることにも気づく。思想も上着のように取り替えて、とにかく前に進むしかない。そんな言葉の端々から、落語への情熱がひしひしと感じられます。
高座に上がるといつも頭が空になり、その場でしかできない噺が自然に口をついて出てくるという63歳。「落語は生きている」と実感させてくれる、エキサイティングなトークです。
作家、エッセイストとしても活躍する音楽評論家の松村雄策さん。ビートルズの熱烈なファンとしても知られ、1972年に雑誌「ロッキング・オン」を創刊して以来、音楽ファンを中心とする人々に多大な影響を与えてきました。
「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」の発売から40年、ビートルズは今でも北極星のように遠くにあって動かない特別な存在。何百光年もかけて星の光が地球に届くように、時代を越えて大切なものを思い出させてくれるのが彼らの音楽であると、詩的なビートルズ観を語ってくれます。 1980年12月にジョン・レノンの訃報を受けた日の様子を感慨深く振り返り、もしジョンが今でも生き続けていたらどんな音楽を作っていたのだろうと想いを巡らせるひととき。
松村さんがこよなく愛する3つのものといえば、落語、プロレス、そしてロックなのだとか。これらに共通するのは「ライブ」。何かを本当に好きになるには、最初から最上のものに直接触れるのが一番というのが持論です。1987年に青春小説「苺畑の午前五時」を上梓した時の裏話など、音楽に留まらない多彩なカルチャー談義に花が咲く30分間をお楽しみください。
京都最古の花街として知られる上七軒。お茶屋「梅乃」の店内から、店主の中路良枝さんが京都の花街文化をわかりやすく指南します。毎年4月に花柳流「北野をどり」が上演される上七軒は、室町時代、北野天満宮改築の時に余った材木で七軒の茶屋が建てられたのが街の始まり。豊臣秀吉が催した大茶会でお団子の美味しさが評判となり、京都に6つある花街のひとつとして発展しました。
「おおきに、おたのもうします」と登場した中路良枝さんは、舞妓や芸妓の時代を含めて40年以上この街で商売を続けてきた大ベテラン。花街とはいったいどんな場所なのか、なぜ一見さんはお断りなのか、「いけず」とはなにか、などの素朴な疑問に答えてくださいます。
「〜どす」という響きが優しいその口調は、一般的な京都弁とも異なる花街独特の廓(くるわ)言葉。中路さんは、東北や沖縄など全国からやってくる女性たちにもこの廓言葉を教え、美しい伝統を守ってきました。
「芸妓は女性にとって最高の職業」と語る中路さんの語り口に、はんなりとした花街の歴史と華やぎを感じてください。
大阪市住吉区小浜にある、土井信子さんのキッチン・ハウスからお届けします。
土井信子さんは、故土井勝さんとの結婚を機に料理学校を開設し、戦後の料理研究家の草分けとして活躍。
NHKの「きょうの料理」や連続テレビ小説「芋たこなんきん」の監修などを通じて紹介してきたのは、大阪の家庭料理の数々でした。
いざ料理談義が始まると、大阪ならではの言葉がたくさん飛び交います。海と山の幸が集まり、食の宝庫として知られる大阪は、味覚に関する語彙も実に豊富。よくいう「まったりした味」とはどんな味なのか、また残った食材を手早く「始末」して「ごっつおう」に変える大阪料理の神髄とはなにか。
番組では、余り物から作ったとは思えないほどに美味しい、大阪のご馳走を選りすぐってご紹介します。土井さん曰く、家庭料理は家族のひとりひとりを気遣って作るもの。手早く、手際よく、丁寧に、安い物を上手に使って美味しく作らなければいけません。
日本の台所、大阪の街から、日々の料理のヒントを楽しいトークで伝授。聞いているだけでお腹が空いてきて、思わず調理場に立ちたくなるような30分です。
伊藤文學さんは、1971年に日本で初めて同性愛者を対象にした専門誌「薔薇族」を創刊。2度の廃刊を経験しながらもその度に復刊、いまでも編集長を務めています。
同性愛者が社会的な認知を受けていない時代、「薔薇族」を流通に乗せて全国誌にまで押し上げたのは偉業でした。完全なマイノリティだった人々が、仲間を見つけるのは困難だった当時。創刊号で7人だった文通欄への投稿は、第3号で100人を超えました。
創刊5年目の1976年、美輪明宏さんの「クラブ巴里」の向かいに、伊藤文學の談話室「祭」をオープン。森鴎外の長女、森茉莉さんの自室に招かれたエピソードなど、各界著名人との交流の様子も楽しく聞かせてくれます。
同性愛者が格段に解放されたかのように見える現代。しかし今でも田舎で結婚してひっそりと暮らしている50歳以上の読者もいるので、まだまだ「薔薇族」には果たすべき役割があると伊藤さんは語ります。同性愛の男性は年長の姉を持つ末の弟に多く、母親がしっかりしていて、父親がおとなしい家に育ちやすいのだとか。
昭和7年生まれ、ご自身はノンケの伊藤さん。薔薇族を創刊してよかったのは、様々な人と出会い、豊かな美意識や感性を養ったこと。温かさと強さを感じさせるトークです。
医師であり、作家としても活躍する久坂部羊さんがゲスト。外科医として末期がんのターミナルケアに従事した後に、外務医務官として9年間海外で勤務。帰国後は老人医療に従事しながら、2003年に作家としてデビューしたユニークな経歴の持ち主です。
医療の闇にスポットを当てた、勇気ある著作が人気。2004年『破裂』が10万部を超えるヒットとなり、近作『日本人の死に時』も話題を呼んでいます。人にはちょうどよい死に時があり、それを逃すと後で苦しむことになる。長生きしたいという欲望が、苦しみを増やす根源となっている。そんな現実を久坂部さんは日々目撃しています。
ご自身も病院には滅多に行かないという52歳の医師。さんざん待たされて、あれこれ心配する暇があったら、美味しいものを食べたり旅を楽しんだりして、満ち足りた心で逝く準備をするほうがいいと主張します。延命治療が進んだ結果、苦しいけれど死ねない状況が多発しているのが現代という時代。医療はもう進みすぎているので、時にはその一部を捨てることも人間の知恵ではないか。
久坂部さんが説くのは、アンチエイジングの対極にある価値観。老いや死と潔く向き合う、自然な生き方がそこに見えてきます。
紛争地や辺境で撮影した、迫力ある写真作品で知られる桃井和馬さん。かつて1930年代に報道写真がアメリカの大恐慌を救った歴史を知り、学生時代からフォトジャーナリズムの世界に身を投じました。
フィリピンのゲリラ活動に潜入したのを皮切りに、世界史の現場を踏み続けること約130ヵ国。その過程で、戦争、飢餓、貧困など、あらゆる問題の根幹に環境問題があるという事実に桃井さんは気づきます。人種問題が原因とされるルワンダの大虐殺を取材すると、背後には継続的な環境破壊による貧しさがありました。アマゾンやボルネオの森林伐採も深刻。一度破壊された森が再生するのには数百年、数千年単位の時間が必要になります。
桃井さんが力説するのは「1日を愛し、1年を憂い、千年に想いを馳せる」という3つの視点。人間は地球以外の場所で生きられず、その地球の資源や自然環境にも限りがある。もう人間同士が憎しみあう余裕も、環境を破壊しながら利潤を追求する余地もないはずなのです。「千年の視点」を訴えるフォトジャーナリストの、熱いメッセージに耳を傾けてください。
圧倒的な独創力で、いつも新しい落語を聞かせてくれる三遊亭白鳥さん。大学時代は落研ではなく空手部と童話研究会に所属したという「落語知らず」でした。
モテたい一心で、面白い小話をいつも考えていたという貧しい学生時代。小説家に憧れたものの、古本屋で買った志ん生の『びんぼう自慢』に感銘を受け、三遊亭圓丈師匠の門を叩きました。
新潟出身で江戸弁が話せなかったので、最初から新作志向。作ったオリジナルの噺は150以上にものぼります。創作の源泉は、主に自分自身の体験から。空手部の練習や貧乏暮らしは辛いだけでしたが、下から上を見る落語特有の目線がしっかりと身に付いていました。
二つ目時代にはわずかな旅費で世界を放浪。期せずして外国での長屋暮らしを経験し、池の鯉を盗んで食べたというような破天荒なエピソードも多数あり。
新作落語の他にも、「火焔太鼓」を元にした「火炎太鼓」や、「初天神」を元にした「ハイパー初天神」などの自称「白鳥古典」も人気です。奇想天外だけどわかりやすい、白鳥落語の秘密に触れられる30分です。
神戸大学大学院で教鞭をとる金井壽宏さんは、リーダーシップ、モチベーション、キャリアなど、経営学の中でも、人間の問題に深く関わる研究に携わってきました。『踊る大捜査線に学ぶ組織論入門』『働くみんなのモティベーション論』などの著作における、わかりやすい論説が好評を博しています。
金井さんがとりわけ力を入れて取り組んできたのは「やる気とは何か」という難しい問題。「あなたは現在、やる気がありますか」という問いかけに、「さっきまで燃えてたのに、もう冷めた」と答えるのは人の常です。モチベーションがずっと高い人や、ずっと低い人はいないのに、ダイナミックに上下するやる気のメカニズムに対して既存の学説は説明不足だったと語る金井さん。
やる気を高めるために必要なのは、まず緊張感を持つこと、そして希望を持つこと、さらには他人のせいにせず自己調整すること。楽しさや達成感などの内発的な動機と、金銭を含む外発的報酬のバランスも無視できません。常にアップダウンするモチベーションをどう調整して維持するのか。自分の「やる気」を操縦するためのヒントを、金井さんが飄々とした語り口で教えてくれます。
ラジオの歴史を、ほぼ独学で研究してきた川崎隆章さん。6歳の頃にポケットラジオを手にし、すぐに短波ラジオの海外放送にも出会いました。14歳の時に宮城県沖地震の緊急警報放送を聴いたことがきっかけで、ラジオの多様な役割に関心を持ちはじめます。20歳の時にはヨーロッパのラジオ放送を独自調査し、BBCも訪問。4系統あるBBCラジオの変遷には、驚きの事実がありました。
番組後半は、日本のラジオ史をたどる旅へ。GHQの指示で娯楽番組が充実した戦後。公開録音や素人参加の芸能番組などでお茶の間を賑わせたラジオは、やがてトランジスタラジオの登場で深夜番組の黄金期に。台本無しで長時間フリートークをするスタイルは、当時様々な議論を呼びました。
阪神大震災の時に、倒壊寸前の局舎から放送を再開したラジオ関西のエピソードも。上空からの映像を流すだけのテレビに対し、地上から生々しい情報を伝えたのはラジオでした。
現在は演芸番組のディレクターを務めながら、2000年よりインターネットサイト「放送博物誌」の編集主幹。川崎さんが語るラジオの歴史は、目からウロコの連続です。
世界的なウイスキー・ブレンダー、輿水精一さんにお話をうかがいます。ウイスキー作りにおけるブレンダーの役割は、新製品の開発と、既存ブランドの味の保持。一樽ごとに違う原酒の味を組み合わせて一定の味を作る、いわばウイスキーの味の番人です。
樽のひとつひとつを吟味して、いま飲むべきか、将来に残すべきかを見極めるのには、豊かな経験とぶれない味覚が必要。原酒のテイスティングは、数百種類に及ぶ日もあるのだとか。輿水さんの職場であるサントリー山崎蒸留所は京都と大阪の府境近くにあり、古くは茶の湯に使われていた名水の地。四季の温度や湿度の変化が、お酒の味を深めていきます。
1973年にサントリーに入社、1999年よりチーフブレンダーを務める58歳。英国で行われる酒類国際コンペ「インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ」では、日本人初の審査員に指名されました。国際コンペで何度も世界最高賞を受賞しながら、ブレンダーの仕事に決して100点満点はないと語る輿水さん。ウイスキー好きには必聴の内容です。
最新作『養老訓』が大好評の養老孟司先生がスタジオに。高齢化がどんどん進む一方で、人々はアンチエイジングを追い求める現代日本。こんな時代における賢い老い方とは、一体どのようなものなのでしょうか。
新しさを競う自然科学の分野に身を置きながら、青年期より「太陽の下に新しいものなし」と考えてきた養老先生。最先端を追わず、あえて時流の最後尾を走ってきた70歳の言葉には、目の覚めるような透徹した理性と、穏やかな諦観とが同居しています。
不機嫌な爺さんにならない秘訣は、日々「仕方がない」と開き直ること。そんな養老節の根底には、仏教の「五蘊皆空」に対する科学者流の解釈も。「仕事は世間からの預かりものだから、手を広げすぎず適当にやって、時期が来たら世間に返すのがいい」「他人を信じないと、余計なコストがかかって高くつく」「大変なことや疲れることは、考えてみれば全部人間が決めたこと」。飄々とした言葉のひとつひとつに驚き、笑い、深く納得し、いつの間にかすっかり心が軽くなってしまう30分です。
記念すべき第50回の収録に、番組テーマの作曲者である坂根秀和さんがギターを弾きながら登場。ウェブサイト制作のディレクターでありながら、ミュージシャン、作曲家としても活動している多彩な才能の持ち主です。
番組前半では、この番組のテーマ曲として試作したというボツ曲のデモテープを披露。そのひとつひとつの魅力に、一同が驚かされます。拍子木のリズムで始まるボサノバ風の作品や、古いダンスホールミュージック風の作品も存在感は充分。しかし結局テーマ曲として採用されることになったのは、捨て曲のつもりで最後に作ったという、あのお馴染みの曲でした。主旋律の演奏を依頼したオーボエ奏者の女性と結婚することになったエピソードにも触れながら、このテーマ曲をボサノバギターで生演奏してくれます。
後半は、一転してお仕事の話に。坂根さんが制作の指揮をとるウェブサイトは、どれも出来上がってからが本当の勝負。1年後、5年後の目標を持って制作するところが、家造りにも似ているのだとか。不思議なマルチプレイヤーの魅力に迫る、楽しい30分です。
小学校1年生の時にテレビで見た落語に魅せられ、中学2年生の時に柳家小三治師匠に手紙で入門を願ったという早熟な柳家三三さん。高校卒業後に再度門を叩くと師匠は驚き、晴れて弟子入りが叶いました。
大学の落研などでの経験が一切なくプロとなったのも、現在の若手落語家としては変わり種。昨年、文化庁芸術祭大衆芸能部門の新人賞を受賞した時に演じたのは、畳み込むような講談の口上が登場する『五目講釈』でした。落語のみならず講談も大好きで、毎日のように稽古をしているという三三さん。青春映画『しゃべれどもしゃべれども』では、主演の落語家を演じたTOKIOの国分太一さんに稽古をつけ、準備期間1ヶ月で撮影にこぎ着けました。
古典落語を得意としながら、ゴーゴリーの短編『鼻』を江戸弁で朗読するなど、多彩な活動にもチャレンジ。目指すのは、気持ちはうんと入っているが、完全に脱力しているという名人の境地だとか。死ぬまでに一度、何も演じない落語をやってみるのが夢。飄々とした発言の端々にも、芸への一途なひたむきさが感じられる33歳です。
ソプラノ歌手の根來加奈さんが、スタジオに登場。3歳でピアノを始め、中学生時代に本格的に合唱に目覚めた根來さんは、東京芸大大学院修士課程オペラ科で本格的に歌劇を学び、さらにはザルツブルグのアカデミーを経てミラノでビアンカマリア・カゾーニに師事し、その実力を開花させました。
根來さんの歌唱法は、コロラトゥーラ・ソプラノという華やかなスタイル。コロラトゥーラの語源は色という通り、音程が軽快に上下するカラフルな歌い回しが身上です。声楽家はスポーツ選手と同様に、肉体の基礎工事が大事だと語る根來さん。訓練によって上半身に力が入らないようになり、全身がスピーカーとなって音を発するのが「歩く楽器」たる所以なのです。
番組では「アメイジング・グレイス」をアカペラで披露してくれるほか、CDに収録されたギターの伴奏による「竹田の子守唄」もしっとりと聴かせてくれます。クラシックに留まらず、日本の唄や、同時代の作曲家の唄にも意欲的に取り組んでいきたいと語る美しき歌姫。ソプラノ・ボーカル・アーティストを名乗る、本物の魅力をお楽しみください。
「表現よみ」という独自の観点から、朗読の分野に新境地を開いている渡辺知明さん。音声言語と文字言語の関係について、興味深い見識を聞かせてくれます。
どうしたら活き活きとした文学作品が書けるのだろうと、文体論を研究していた渡辺さんは、小説の語り手の感情に迫るには声に出して読むのが一番であることに気づきました。単に上手に読み上げることを目的とする既存の朗読と異なり、その朗読自体が表現作品となるような新しい朗読の世界を目指しています。
番組では「お話しPod&ラジオデイズ朗読賞」の応募作品の中から、優秀賞と最優秀賞の朗読を録音で視聴。言葉の表層的な意味を超えて、語り手の感情がひしひしと伝わってくる迫力に、言葉の生命力を改めて実感します。
きれいで軽い言葉を聞き流すのに慣れている私たち現代人。プロのアナウンサーのような職人芸を目指すのではなく、小説の語り手を再現することこそが渡辺流「表現よみ」の目的です。小説を集中して読み上げることによって、朗読者は心に沸き上がる感情を何度でも楽しむことができるのです。
4歳で『リボンの騎士』に夢中になって以来、マンガを読み続けているという藤本由香里さん。書籍編集者として働くかたわらフェミニズムやセクシュアリティなどを積極的に論じ、今年から明治大学の准教授になりました。代表作の『私の居場所はどこにあるの?』(1998年)は、恋愛、性、家族、仕事などにおける女性たちの考え方を、少女マンガを通じて分析した力作です。
戦後、一番大きく変わったのは女性の意識であり、それに合わせて世の中や男性の意識も変わってきたと語る藤本さん。かつては少女マンガに描かれる職業といえば女優やバレリーナでしたが、男女雇用機会均等法以降はそれも一気に多様化しました。時代の無意識を先取りして「こんな物語が読みたかった」と思わせてくれるのがマンガの魅力。近年の傑作『NANA』も、表面はファッショナブルでありながら、主人公たちは純粋さとひたむきさに溢れています。
妥協をおぼえた大人でも「良いものを信じたい」という気持ちが、マンガを読むことで全開になる。マンガの底力に改めて気づかせてくれる楽しいトークです。
20年以上にわたり、松下幸之助さんの執事を務めた高橋誠之助さんがゲスト。松下電器の営業マンだった高橋さんは、ある日、公私に多忙を極めた松下さんから家長としての役割を代行するよう依頼され、余人の経験できない人生を歩むことになります。
激務をこなしながら94歳まで生きた松下幸之助さんの日常は、興味深い逸話の宝庫。質素だった普段の暮らしぶりや、好きな食べ物、毎日の健康法、ユニークな情報収集法などを楽しく振り返っていただきます。
元々は大阪船場にある商店の丁稚小僧から身を立てた松下幸之助さん。「松下電器の真の使命は、楽土を建設することである」という社訓を掲げ、いつも生活の中から製品を発想する経営者でした。老いてなおPHP研究所や松下政経塾などを設立して社会貢献に力を注いだ人間・松下幸之助を、いつも家内から見つめていたのが高橋誠之助さんだったのです。
「目的を持って、それにすべてを捧げる生き方が素晴らしかった」——そんな元執事の言葉から、経営の神様の生き様を知り、昭和という時代を思い起こすことができる感動的なトークです。
滑稽噺や人情噺を得意とし、本格的な古典落語に長く取り組んできた入船亭扇辰さん。小学生時代からラジオの落語番組を録音して聴くような、落語好きの少年でした。国学院大学の落語研究会に所属し、卒業後すぐ九代目入船亭扇橋さんに入門志願。一度は断られたものの、2年間アルバイトをしながら入門を待ったいきさつなどをユーモアたっぷりに聞かせてくれます。
新聞はいつも書籍の広告欄を熟読するという扇辰さんは、その読書好きがきっかけで伴侶の覚和歌子さん(詩人)と出会うことに。近所の定食屋で知り合った落語家と詩人は、お互いに自由業ということもあって街でよく出会うようになりました。ある日どちらも本屋の帰りだと知り、買ったばかりの本を見せあったら同じ本が何冊もあったのだとか。
近頃、浦雅春さんが江戸弁に訳したゴーゴリの「外套」をラジオデイズのために朗読。趣味のギターを弾いてリサイタルを行うなど、落語の他にも多彩な活動を展開しています。声の良さと冴えた人物描写に定評のある実力派。その飾らない人柄に迫る楽しい30分です。
ロシア文学やロシアン・アバンギャルド芸術の研究を続けている浦雅春さん。大学を卒業後、一度就職してから本格的にロシア語を読み始め、チェーホフの奥深さに魅せられました。
冷戦構造の崩壊以降、社会が方向性を失っている現代の世相は、農奴解放が挫折した19世紀末のロシアに似ていると語る浦さん。明確な目標を持てず、ひょっとしたら無意味かもしれない人生を右往左往しながら生きるチェーホフ作品の登場人物が、現代人の心ともよく通じ合うようです。東京大学大学院では、ロシア文学の他に表象文化論が専門。芸術表現を政治的に検証するなど、さまざまな横断的研究ができる学問です。
番組後半は、浦さんが江戸弁に訳出したゴーゴリ作品が話題に。ラジオデイズのために柳家三三さんと入船亭扇辰さんが行った朗読会は、「ゴーゴリが声でよみがえった」と訳者自身が驚くほどの大成功。ロシアには文芸作品をサロンで朗読する伝統もあり、ゴーゴリ自身も朗読の名手でした。ユニークな視点の文学談義から、1世紀以上前のロシアがとても身近に感じられます。
徳山喜雄さんは、朝日新聞社のフォトディレクター。これまでに世界各地の政変、紛争、難民問題の多くを単身で取材してきました。写真集『千年紀へのメッセージ』では、群衆が主人公となった東欧革命とソ連崩壊の模様をダイナミックにまとめています。
番組前半は、そんな徳山さんが体験した興味深い取材秘話の数々を披露。さらに番組後半では、戦争と報道について議論が白熱します。太平洋戦争中に国策協力した報道写真の実例を、朝日新聞の連載で紹介した徳山さん。近年、湾岸戦争では米軍が選抜したカメラマンたちが合同取材を行い、またイラク戦争では部隊に随行したカメラマンたちが軍人の視点で戦争を報道した「メディアの敗北」がありました。
写真による戦争報道は、権力による操作が常に関与するもの。カメラマンも祖国の国益を損ねるような戦争報道をためらうのが事実です。そんな中、勝者に都合の良い写真だけが残って歴史歪曲に利用されるのを防ぐために、徳山さんは報道写真の理論化に力を入れています。ジャーナリズムの本質に迫る、刺激的なトークをどうぞ。
コント芸人、放送作家、DJ等を経て、実験的な一人コントを演じてきた楠美津香さん。2000年より一人芝居「Lonely Shakespeare Drama(LSD)」を始め、10年間でシェイクスピア全39作品の上演を目指して公演を重ねています。
自称「世界一わかりやすい格闘技系シェイクスピア」とはいかなるものなのか。「シェイクスピア劇はそもそも血湧き肉踊るエンターテインメント」と語る楠さん。いきなり『ロミオとジュリエット』のクライマックスを披露すると、あばずれ風のジュリエットに驚き、ぐいぐい引き込まれ、スタジオはやがて爆笑の渦に。坪内逍遙や小田島雄志の訳を参考にするという楠さんの台本は、登場人物がみな現代風のキャラクターに変貌しています。シェイクスピア劇は小難しくない、本来は気楽なものという信念から、公演時も「携帯電話オーケー」。
番組後半では『ハムレット』劇中に挿入する自作の「オフィーリアの歌」(パンク調)を絶唱する大サービス。1回の舞台で2キロ痩せるという、渾身のパフォーマンスの一端を垣間見せてくれます。息もつかせぬ、衝撃の30分をお楽しみください。
京都の錦市場で漬物屋を営みながら、酒場ライターとしても活動するバッキー・イノウエこと井上英男さん。ほとんど毎日のように馴染みの店を飲み歩き、ついつい取材に手間をかけてしまうのが悩みの種です。
そんな井上さんが、錦市場で漬物屋を始めたのは10年前。毎朝6時から八百屋さんとのやりとりがあり、7時には漬け物作りにとりかかります。場所柄、観光客と地元客が混在する錦市場。やや日が経って色の変わったぬか漬けを求めて来たり、部位による味の違いをちゃんと知っていたりするのが京都の年配客です。「今年のスグキはあかんな」「こんなもん、なんで200円もすんの」などといった手厳しい意見をもらうのも井上さんの喜び。親しくなりながらもプライベートには決して立ち入らない、京都らしい距離感を感じさせるエピソードもたくさん教えてくれます。
消費の作法が細かく丁寧で、ノウハウをはっきりと情報化ができないのが京文化の神髄。ざわざわとした街の賑わいが感じ取れるトークには、絶妙な「ええ加減」を愛する男の含蓄がたっぷりと詰まっています。
1985年に雑誌『SWITCH』を創刊、2003年まで編集長を務めた新井敏記さん。創刊号のサム・シェパードを皮切りに、一人の人物に焦点を当てるスタイルでカルチャー誌の一時代を築きました。
2004年には「旅する雑誌」というコンセプトで、『コヨーテ』を創刊。これまでの特集では、SWITCH時代より交流のあった星野道夫さん、沢木耕太郎さん、池澤夏樹さんら「旅と読書」を体現する人々が登場しています。
「自分が移動しながら、人に出会いたい。風景の中に自分がいることによって、見えてくるものをとらえたい」——そんな雑誌作りへの思いや、星野道夫さんと初めて会った時のエピソード、また旅に持っていくお薦めの本など、とっておきの話が次々と飛び出します。
雑誌は30年以上続けたらダメ、30万部を超えたらダメというのが新井さんの持論。編集業を退いたら、海洋学を勉強しなおしてどこか南の島に住むのが目標なのだとか。旅とは単に遠くに行くことではなく、未知のものを探すこと。だから旅と読書は、切っても切れない関係にあるのです。
ついに封切りされた、話題の映画『ヤーチャイカ』。動画の代わりに千枚のスチール写真を組み合わせたユニークな手法の作品で、監督は覚和歌子さん、谷川俊太郎さんという年の差30歳の詩人コンビです。原案は覚さん。
1963年6月、ロシア初の女性宇宙飛行士テレシコワが宇宙空間から送ってきた最初の言葉が、コールサインの
「ヤーチャイカ(こちらカモメ)」でした。当時この飛行に感動した谷川さんもテレシコワに捧げる詩を書いており、そんな縁も手伝って今回の共作が実現しました。
写真選びや編集の過程で意見の相違が鮮明になり、幾度となく激論を重ねたというお二人。その甲斐あって、作品は素晴らしい内容に仕上がっています。写真が動かない分、観客は映像を頭の中で繋ぎ、写真と言葉と音楽が三位一体となった忘れがたい体験を醸成。「ここは、とてもいいところです」——そんな言葉のひとつひとつが深く心に刻まれるのも、やはり詩人監督のなせる業でしょう。制作秘話を聞けば、映画鑑賞がいっそう楽しくなること請け合い。ファン必聴のディレクターズ・トークです。
世界的なインテリア・デザイナーの森田恭通さん。お洒落なレストランのみならず大学の食堂やお好み焼き屋さんなども手がけ、「どこでもやることは一緒」と国内外を飛び回っています。
その街にいま何が必要なのか、人々が何を求めているのかを検証し、お客さん代表として仕事に取りかかるのが森田流。15歳の時にアルバイトで担当したウインドウ・ディスプレイの失敗が逆に面白がられ、18歳の時にはひょんな出会いから三宮のバー「COOL」をデザイン。いつの間にか、日本一多忙なインテリア・デザイナーになっていました。
「店は子供」というのが森田さんの信条。デザイン完成時をゼロ歳と考え、客として通いながら、その成長の過程を見守るのが楽しいのだとか。「流行る店ではなく、繁盛する店を」「店が元気なら、街も元気になる」そんな言葉を証明するかのように、森田さんが手がけたお店はどこも息の長い繁盛店となり、街の賑わいを支えていきます。大阪人らしい爆笑エピソードも満載。自然体の言葉の端々に、真摯な職業観を感じることができる30分です。
人気エッセイストの山口文憲さんは、1947年生まれの団塊世代。ユーモアたっぷりの近作『団塊ひとりぼっち』(文春文庫)が笑いと共感を呼びました。
堺屋太一氏に「いずれ彼らが日本を食いつぶす」と予言されて三十余年。「ドント・トラスト・オーバー・サーティー」と叫んでいた人々も、今や還暦を迎えています。消費社会にどっぷりと漬かり、最新の電化製品に囲まれて過ごした青春時代。会社を辞め、フリーランスという生き方に身を投じたのも団塊世代が草分けでした。
「もう一人の団塊」である女性たちはどうでしょう。大学を出ても就職先が無かった時代、最後の専業主婦層として日本の経済成長を支えてきた彼女たちは、時に過剰に自己実現の夢を子供たちに託しました。そんな団塊世代の行く末を、山口さんは自らの未来に重ねて展望します。
今まだ新しい地平を追い求め、安らかな老いの境地を見つけられない悩ましさ。群れるのが嫌いなのに身を寄せあい、アメリカのベビーブーマーにも引け目を感じている悲哀。希代の話し上手・ブンケンさんの、笑いと涙の団塊論をお楽しみください。
2001年よりオリンパス株式会社を率いる菊川剛さん。同社がデジタルカメラ事業に参戦した時のプロジェクト・リーダーであり、他社に先駆けて100万画素超の高精度カメラを売り出した敏腕経営者です。
そんな菊川社長が、生来の趣味としているのは読書。中学時代から文学全集を読みあさり、社会人となってからは司馬遼太郎に傾倒。最近は、名作の読み直しも始めています。いつも新入社員全員に求めることは、いかなる専門職であってもリベラル・アーツを身につけること。江崎玲於奈さんや西澤潤一さんの言葉も借りながら、歴史、文学、音楽、美術に通じ、物を見る目を青年期に養うことの重要性を力説します。
番組終盤のリーダー論も必聴。リーダーは自分自身をマネージできなければ、職場をマネージできません。そしていつも原点に立ち返り、ただ利益を上げるのではなく、社会に有益な事業を考えて行うこと。1919年、初めての国産顕微鏡を生産するために創業したオリンパス。菊川社長が受け継ぐ企業理念は、社員一人一人の高い教養によって実践されているのです。
PHP総合研究所所長の江口克彦さんがゲストです。松下幸之助さんがPHPを創設した昭和21年11月は、敗戦直後の混乱期。日本を再び繁栄に導くべく、人々の知恵を集めて普及する拠点としてPHP総合研究所は生まれました。
PHPとは、ピース(平和)、ハピネス(幸福)、プロスペリティ(繁栄)の頭文字。シンクタンクとしての客観性を重視し、松下電器からの資金援助もありません。それゆえ独自に資金を稼ぐために出版に力を入れ、数々の良書を世に送り出しました。
自身を「理想主義的現実主義者」と評する江口さんは、浪人中に読んだ「政治心理学」の著者である中村菊男氏に師事するため慶大に入り、そこで松下幸之助が出資する雑誌「新政経」と出会って人生の目標を見出しました。何十年も先の未来を見据え、国民の一人として国の形を変えていくこと。中央集権を脱して、地域主権の国を作ること。そんな確固たる理念、具体的な目標、決断力を持ち、挑戦を続けている経営者。様々な活動に身を投じながら「まだまだヒマ」と話すその情熱に、脈々たる松下イズムが感じられます。
作家の西加奈子さんは1977年生まれ。2005年に発表した『さくら』が25万部を超えるベストセラーとなりました。リアルで切実な幸福感が詰まった物語の魅力に、様々な年代の読者が惹きつけられています。
大学卒業後、喫茶店の店番をしつつ書き上げた最初の小説『あおい』を携えて上京。アルバイトをしながら編集者と知り合い、デビューするまでのいきさつを、爆笑エピソードを交えて披露してくれます。テヘラン生まれのカイロ育ちで、青春時代を過ごしたのは大阪市玉造。2007年に『通天閣』で受賞した織田作之助賞の受賞式は、スピーチの最中に選考員の野次が飛び交う和やかなムードだったのだとか。
新しい小説の題材は、まず映像として浮かんでくるという西さん。それを文章化する力をつけるため、日々行っている訓練があるようです。「人間はひとりひとり違うから、親子でも決してわかりあえない。そんな諦念はあるけど、それでも信じあおうと思う愚かさが尊い」——そんな言葉に、大らかな感受性とクールな洞察力を感じさせる若き人気作家。全編大阪弁の元気なトークです。
院展などで活躍する日本画の旗手、手塚雄二さんがスタジオに。
父が友禅師という家庭で育ち、絵画に憧れた中学時代。高校で美術部に入り、画家になろうと決心しました。しかし、そこからが苦労の連続。5浪の末にようやく入学した東京芸大で、教授たちは基礎的な技法以外のことを何も教えてくれません。この芸大特有の「教えない教育」は、オリジナリティを育てるための方針だと後にわかりました。
宝石のように色鮮やかな石を砕いて膠で溶き、水で伸ばして描く日本画は、湿度の高い日本にぴったりの画法。高松塚古墳の壁画も日本画であり、千年前の源氏物語絵巻が当時の世界で最も優れた芸術であったという事実を、手塚さんは熱く語ります。
2006年に全国を巡回した回顧展「花月草星展」には10万人が来場。今年秋、ニューヨークのアートフェアでは、屏風を現代美術作品として出品する予定も。「描かれた花びらは、永遠に地面に落ちない。絵とは永遠を一瞬に止め、見えないものや聞こえないものを描くこと」——伝統技法とオリジナリティで勝負する画家の、真摯な創作の秘密が覗ける30分です。
コンパックコンピュータ株式会社の元社長として、日本の企業家に広くその名を知られた村井勝さん。カリフォルニア大学経営大学院を修了後、日米のIBMに勤務して要職を務め、1991年からはコンパック日本法人の創業社長として激戦市場に乗り出しました。
当時のコンパックは、シェアも知名度も「ゼロ」。ライバルとなる国内メーカーからの無言の圧力で苦戦を強いられますが、そこである秘策によって局面を打開した逸話を披露してくれます。
現在はグローバル・イノベーターズLLCの執行社員として、日本のベンチャー支援を推進する立場。思えばソニーも、松下電器も、本田技研も、創成期はみなベンチャー企業でした。しかし現在の日本は、ベンチャー企業育成のためのリソースが先進24カ国中で最低の状況。「米国では成功した人が次のベンチャー企業を育てている」と語る村井さんは、シリコンバレーの上位10社をすべて若いベンチャー企業が占める理由を解説してくれます。
豊富な知見と鋭い問題意識から日本のアントレプレナーの未来像を描く、ビジネスマン必聴の経営談義をどうぞ。
文藝春秋などへの寄稿で話題の経済ジャーナリスト、井上久男さん。九州大学を卒業後、NECの半導体工場で安全衛生を担当してから新聞記者になったという変わり種です。
朝日新聞の経済部に13年間在籍し、2004年よりフリー。バブル崩壊、デフレを経て変化した産業界の価値観に対応するため、新しい経済誌『ザ・ファクタ』の企画や編集で活躍しています。大手メディアの経済ジャーナリズムには、構造を捉えて書く力が不足だと語る井上さん。小さな問題の原因究明にも、大きな歴史観が必要であると力説します。
話題の近刊『トヨタ 愚直なる人づくり』(ダイヤモンド社)は、多数のトヨタ関係者への丹念な取材で書き上げられました。今やロシアの国家予算にも匹敵する順風満帆な経営力はどこから生まれるのか。トヨタには愚直な人が多く、失敗も多い。しかし問題や矛盾を常に抱えながら、それをみんなで揉みほぐしていく粘り強さに井上さんは注目しています。
現場主義の視点に、冷静な大局観が同居する平易な経済論。新聞の経済欄では読むことのできない、新鮮な驚きに満ちています。
漫才ブームを仕掛け、吉本興業を全国区に押し上げた功労者として知られる木村政雄さん。横山やすし・西川きよしのマネージャーに始まり、「宝島に入った少年のように過ごした」という33年間の吉本時代は逸話の宝庫です。
タレントの栄枯盛衰を見守ってきた木村さんは、平成14年に自分自身の「賞味期限切れ」を悟り、取締役だった吉本興業を退社。慣れ親しんだ芸能界からは距離を置き、ベンチャー事業家に転じました。
「人生には、学ぶ、稼ぐ、返すという3段階がある」と語る木村さんの提言は、日本社会の未来にも向けられます。世の中の意見が一辺倒に偏る危険な風潮は、日本が急激に近代化した副作用。これからは不況でも倒れない、百様の生き方が認められる大人の国を目指そうと訴えます。
目下の目標は、自らの世代でもある団塊世代を元気づけること。数年前には50歳からのフリーマガジン『5L.(ファイブエル)』を創刊しました。「近頃の若いもんは…」は禁句。年をとっても、ある種の軽薄さを持つことが大切。講演、執筆、地域活性などに駆け回る木村さんの「いい話」が満載です。
「南船場の赤い人」として知られる、アーティストの浜崎健さん。1997年、当時は地味なオフィス街だった南船場に『浜崎健立現代美術館』を開館したところ、周囲に飲食店やショップが多数進出。新しいトレンドを求める若者で賑わうエリアになりました。今や街のランドマークとなった浜崎健立現代美術館は、外観も内観もすべて真っ赤。まるで子宮の中にいるような不思議な空間には、様々な美術作品が展示されています。
浜崎さんの代表作は、迷路で人の顔を描く「迷宮の絵画」や、世界各地で行う野点(のだて)のパフォーマンス。行き当たりばったりの活動は、いつも多くの出会いをもたらします。パリでは来場したVIPのお宅にご招待。ネバダで行われる砂漠のフェスティバルでは、不思議なコミュニティとの出会いもありました。
アートと生活の隙間を埋めることを目標に走り続けてきた浜崎さんも、いまや不惑の年代。スキンヘッドで全身真っ赤なコスチュームに身を包みながら「世の中に合わせて変化すればしんどくなる」と切実に語る、そのユニークな自然体がなによりの魅力です。
なお、今回より江氏の回は、アシスタントに春野恵子さんを迎えての収録となりました。是非、ご期待ください。
夢を描いて社会人となった若者も、みな「勝ち残り」を目標とする価値観に染まってしまう今日。シンクタンク代表として「働く意義」を問い続けている田坂広志さんに、働く人々の未来を問います。
「要領よく成功したいと思う限り、本当の仕事の喜びは感じられない」と断言する田坂さん。「お金は大した報酬ではない。究極の報酬は自分の成長」——そう発想を変えることで、どんな職場も豊かな場所に変わることができると力説します。
IT革命後の未来予想も非常にユニーク。「ウェブ2.0革命がボランタリー経済を広げ、確実に資本主義のあり方を変えている。一般の人々からも広く知恵を集めることで新しい知が創発され、社会はもっと生命的なものに変わるはず。勝ち残りばかりを目指す価値観も、いつの日か過去のものとなるでしょう」——そんな夢のような青写真を裏付けるように、近年は企業のCSRが盛んになり、金儲けより社会貢献を志す起業家も増えています。
無類の理論家にして、真に知的なオプティミスト。田坂さんの言葉ひとつひとつが、未来からの涼風を呼ぶ30分です。
婦人公論を再興した名編集長として知られる河野通和さん。30年在籍した中央公論社から独立し、新しい一歩を踏み出す直前のトークです。
スポーツに没頭しながら、本に囲まれて育った少年時代。大学ではロシア文学を専攻するものの、自分の無知を恥じて休学し、自宅に籠って1日1冊のペースで本を読み耽ったというエピソードも。
中央公論編集長から古巣の婦人公論に戻ってきた河野さんは、男性誌で扱う「政治経済の大問題」と、婦人誌が扱う「生活者の小問題」が同根であると発見。新しい読者獲得のため、創刊83年目だった婦人公論の本格的なリニューアルを敢行します。これには年配の読者から「古い読者を切り捨てるのか」という抗議の声が届きますが、リニューアル3号目を発行した後には同じ読者から「これからも読んでいきます」という嬉しい手紙が。
「1人でできることは、たかが知れている。雑誌作りの喜びは、人との縁や共同作業の面白さ。色々な人の力の総和で作り上げる仕事をこれからも続けたい」——雑誌ひとすじの河野さんを囲み、素敵な編集談義が繰り広げられます。
北尾トロさんは、ユニークな裁判傍聴記でも知られる人気ライター。足しげく通った法廷で覗き見た、奇妙な人生劇場の数々を番組でも紹介してくれます。珍事件や迷判決にも「他人ごとじゃない」と感じてしまう――そんな等身大の目線が、笑いにペーソスを添えます。
現在50歳の北尾さんは、10年以上前よりインディーズ出版活動を開始し、1999年にはウェブ上に古本屋『杉並北尾堂』を開設。数年前より、英国のヘイ・オン・ワイのように古書店が軒を連ねる「本の町」を日本にも作ろうと決心し、長野県伊那市高遠町で『本の家』をオープンしました。
目下の成果は上々。本好きの客が名古屋や松本や首都圏から車でやってきては本をまとめ買いして帰るようになり、町には早くも2軒目の書店ができたそうです。いずれは書店も地元の人に任せ、発展した「本の町」を客として訪れるのが夢。
感性の赴くままに飄々と現代の事象を追いながらも、多数派に流されることのない価値観が北尾さんの世界を支えています。フリーライターという稼業の魅力が垣間見られる30分です。
整形外科医の島田永和さんは、イチローやオグシオなどの一流選手たちが信頼を寄せるスポーツ医学の専門家。「試合に出てなんぼ」という選手たちの立場を理解し、「動いて治せ」の治療方針で成果を上げています。
例えば、肩を壊してしまったものの試合に出たいと訴える高校野球の投手には、「試合はいつ?」「ピッチャーは何人?」「監督はどんな人?」などと聞いた上で、最善の策を検討。患者の状況を把握し、リスクを説明し、患者が自分で決めた治療法で行けるところまで行くのが島田流なのです。
この「動いて治す」治療法は、アスリートだけではなく、やはり身体が資本である家庭の主婦や、怪我をした高齢者の体力低下を防ぐのにも有効です。「安静にして痛みが消えても、また動かしたら痛むのでは無意味」と島田さん。「その人のやりたいこと、その人らしいことを実現させるのが我々の仕事。『患者にとって最もよいと思われることをする』というヒポクラテス以来の教えに従っているだけです」——熱っぽく語る言葉の端々には、温かい説得力が満ちています。
山本進さんは長くNHKに勤務しながら、落語関連の本を数多く著してきた芸能史研究家。戦時中だった小学校時代よりラジオを通じて三遊亭金馬さんや春風亭柳橋さんらの話芸に触れ、昭和25年に東京大学に入学すると「日本文化研究会」の一部門である「落語部」に入会しました。
学生時代は、第4次落語研究会(神田須田町「立花」)に通いつめ、高座を終えた憧れの三代目桂三木助さんに東大での寄席を直談判。温かく応じてくれた三木助さんの他、桂文楽、古今亭志ん生、三遊亭圓生、林家正蔵、柳家小さんといった錚々たる大看板の招致に成功した逸話を聞かせてくれます。
自分でも持ちネタが30以上はあるという山本さんは、他のアマチュア落語家たちと一緒に天狗連の発表会を開催したことも。メンバーにはあの篠山紀信さんもいたというから驚きです。昭和の名人たちの全盛期を知りながら「僕だって若い頃は古いファンに『君らは本当の名人を聞いていない』と馬鹿にされたよ」と話す、生涯現役の落語ファン。ラジオデイズの落語教室もあわせてお楽しみください。
オペラ歌手の森永一衣さんは、日本女子大学の国文学科を卒業してから東京藝大学の声楽科に入学し直したという変わり種。1994年にはミラノのスカラ座でソリスト・オーディションに合格した本物の実力を、CD収録の「宵待草」(竹久夢二作詞、多忠亮作曲)で披露してくれます。
イタリアのオペラに最適なベルカント唱法を基盤にしながら、日本の歌にも相応しい唱法を追求している森永さん。少女時代には連れて行かれたコンサートで居眠りばかり、クラシックよりもロックが好きだったというから意外です。
聴き手に「気持ちよさそうに歌っている」と感じさせるため、アスリートのように高度な技術や筋肉を使うのがプロのオペラ歌手。身体が楽器である故の、体調管理の秘策なども教えてくれます。
四万温泉の老舗旅館「たむら」が祖母の実家で、一族はみんなお医者さんという家庭環境。郷里の旅館で行われている「落語オペラ」などの風変わりなイベントの楽しい様子もご紹介。一流のオペラがぐっと身近に感じられる、楽しいトークをお楽しみください。
イタリアと日本を行き来しながら、精力的に活動する画家の山本浩二さん。子供の頃から「物をそっくりそのままに描くことができる」という自分の才能に気づき、13歳の時には大好きな先生が見せてくれた佐伯祐三の絵に感動。本格的に芸術家を志しました。家の事情で日本の美術大学への進学は断念するも、1973年にスペイン留学。その後は数々の国際展に出品しながら、独自の画業をじっくりと進めてきました。
「絵画は大きな存在に導かれて描く必要があり、前頭葉で考えて描くと小賢しくなる」と語る山本さん。バスケットボールを愛する自称体育系の画家であり、バッハを聴きながら心をひたすら平らにしてキャンバスに向かう毎日を送っています。生活のために開いたという画塾では、子供たちとの見事なコミュニケーション術も話題になりました。
番組後半、夫人であるオペラ歌手の森永一衣さんが合流し、2人の意外な馴れ初めを明かす一幕も。来年にはミラノの有名ギャラリーで壁面130メートルの大個展を開催予定。人気画家の飾らない人柄に触れる30分です。
良質な音楽評論を30年以上にわたり世に届けている北中正和さんがスタジオに。
大学時代を過ごした京都を後にし、就職先も決めずにふらりと東京にやって来たのは1969年のこと。安保闘争真っ只中の首都で北中さんが出会ったのは「ただの娯楽に留まらない音楽」――すなわちロックでした。
ニューミュージック・マガジン(現在のミュージック・マガジン)の配本を手伝い、やがて編集部員としてインタビューもこなすようになった北中さんは、中村とうようさんらとポピュラー音楽評論の一時代を築きます。
すべてが目まぐるしく移り変わった時代。少年たちがギターに群がり、教育委員会がエレキ禁止に乗り出した反逆の季節。「定説や権威をいったん疑え」という北中さんの姿勢が、奥行きのある音楽評論をコンスタントに生み出す力になりました。
新聞、雑誌、ラジオなどで活動を続け、近年はワールドミュージックに傾倒している北中さん。現在、音楽的に豊かな地域はどこかと聞かれて、真っ先に挙げたのは地中海周辺。ベテラン評論家は、今でも音楽を通じて世界の有り様を知覚しています。
ラジカルな現代文明批判で知られる哲学者の森岡正博さんが、近年注目しているのは「男子」。2005年の『感じない男』に続き、このたび刊行した『草食系男子の恋愛学』では、なよなよして押しが弱い現代の男子のための恋愛論を、自身の失敗談を踏まえながら展開しています。巷に溢れる「色々な女性にモテるテクニック」は不毛。女性の願いが「男性の愛情を独占すること」であるならば、「好きな相手の心に誠実さを届けること」こそが恋愛成就の鍵。
さらに森岡さんは男子特有の精神を深く考察し、萌え系キャラやコスプレ願望が「女子の体を内側から生きてみたい」という願いの現れであるという大胆な仮説を立てています。
若者の多くが「モテない現実」に壮絶な悩みを抱え込んでいる今日。大切なのは自分が本当はどう生きたいのかを意識し、目の前の刺激に振り回されずに生きること。内側から心の殻を破り、深いものの見方ができる自分に出会うため、哲学はいつも有効です。森岡さんは軽妙な「モテ論」を足がかりに、現代社会を読み直す重要なヒントを示してくれます。
ソーシャル・アントレプレナー、つまり社会起業家の普及に努める服部篤子さんがゲストです。社会起業家とは、ビジネスを通じて社会変革を行う実業家のこと。貧しい人々が自力で貧困から抜け出すための仕組み「マイクロファイナンス」を作ったムハマド・ユヌス氏(グラミン銀行総裁)がその一例です。
かつて服部さんは、阪神大震災の焼け跡で活動するNPOの人々に感動し、ロンドンでボランティア活動に明け暮れながらも、画期的な市民活動がなかなか影響力を広げられない現実を目の当たりにしてきました。寄付を主な活動資金源とするNPOと異なり、社会起業家は収益によって社会的ミッションを達成します。
高い志にビジネススキルが加わることで生まれる訴求力。徳島県上勝町で行われている「葉っぱビジネス」の成功例を紹介しながら、団塊世代や優秀なビジネスセンスを備えた人々がこのような事業に参入することの重要性を服部さんは熱弁します。個人と社会を力強く結びつける社会起業家たち。その世界的な潮流について、基礎から学べる30分です。
結成57年、世界屈指のキャリアを誇るジャズバンド「原信夫とシャープス&フラッツ」を率いる原信夫さんがゲストです。
音楽の先生にコルネットを手渡されて小学校5年生で吹奏楽に目覚め、昭和18年には海軍軍楽隊に入隊。戦後、東宝交響楽団の入団試験に合格するものの、偶然再会した軍楽隊の仲間に「クラシックじゃ食えない。これからはズージャだ」と誘われて19歳でジャズメンの仲間入りをしました。
ラジオの駐留米軍放送を聴いて猛勉強しながら黒人クラブで人気を博し、24歳にして自らのバンド「シャープス&フラッツ」を結成。日比谷公会堂で日本初のジャズリサイタルを開催するなど、ジャズの普及に貢献しました。ナット・キング・コール、江利チエミ、美空ひばりらスターとの共演も多く、作曲家としては美空ひばりの「真っ赤な太陽」が大ヒット。
そんな大御所もこのたび82歳で引退を決意し、現在は全国50カ所を回るファイナルツアーの最中。「ジャズの捨て石になろうと決めた人生。今でも神様のようにジャズを信じている」——その生き様がジャズそのものです。
古典落語の名手として人気の高い瀧川鯉昇さんは、演芸好きの祖父と一緒に聴いたラジオ番組で落語に魅了され、小学生時代から勉強そっちのけで落語全集を読み耽りました。おかげでいつも落第すれすれ。見かねた先生が小咄をやらせて及第点をくれた思い出もあります。
初めて師事した8代目春風亭小柳枝さんは、浮浪生活の末に落語をやめて出家した破天荒な人物。そんなかつての師匠の影響なのか、鯉昇さんの楽しみは自分の失敗談を自慢することです。電車で足を踏まれたら「大丈夫ですか?」と踏んだ当人に聞いてみるなど、日頃から落語的な状況を探求。曰く、「落語的な視点とは、すなわち物事を斜めに見ること」。物事を真正面から見て腹を立てたりしないのが肝要なのです。
「総入れ歯も1本欠けているぐらいがいい」と語る鯉昇さんの目標はいつも98点。完璧などありえないから、やるべきことを常に未来に残しておく。すべては途中経過に過ぎないので、動きながら進化する――飄々とした語りの中に、話芸の本質を伺い知ることのできる30分です。
古本に関する多数の著作で知られる岡崎武志さん。学生時代より安さにつられて古本屋に通ううちにその魅力の虜となり、今日も膨大な購入希望リストを心に本探しの散歩を楽しんでいます。
古本は、売れてしまうまでは店主の蔵書。個性的な店主との楽しい交流はもちろん、目当ての書物の隣に置かれた書物にまた新しい世界が広がっていることも古本屋巡りの醍醐味です。
このたび新作『昭和三十年代の匂い』を出版し、当時の生活に現代を生きるヒントを見出したと語る岡崎さん。長屋暮らしのような近所付き合いが街に残り、貧しくも活力があった日本社会は、東京オリンピックが開催された昭和39年を境に近代化へと加速します。最近「鉄腕アトム」を読み返した岡崎さんは、50年前に描かれた21世紀の予想図にも注目。空飛ぶクルマが発明されているのに、家庭には旧式電話と金魚鉢——そんな未来像に、作者手塚治虫はどんなメッセージを託したのでしょうか。
身近な事象を深く掘り下げ、独特の視点で読者を魅了する作家のトーク。懐かしさの中にも、新鮮な発見が溢れています。
著名な作詞家であり、児童教育にも造詣が深い片岡輝さん。親の反対を押し切りラジオの子供番組制作に携わって以来、若き谷川俊太郎さんや武満徹さんらと交流しながら数多くの楽曲の作詞や訳詞を手がけてきました。代表作「グリーングリーン」は、反戦歌である原曲の内容を踏まえつつ、さらに深淵で多義的な歌詞に昇華させた訳詞の傑作。番組では天安門事件の青年たちに片岡さんが捧げた詩「広場」を朗読で紹介しながら、その豊潤な言葉の世界に迫ります。
わらべ歌から校歌まで、2人の娘を持つ父親の視点から仕事の領域を広げてきたという片岡さん。子供の魅力は、自分が成長してきたプロセスを改めて見せてくれるところ。可愛いだけでなく、したたかでずるい部分も丸ごと受け止められてこそ本物の子育てです。スタジオに持参したお気に入りの絵本には、大人が驚くほどシビアな内容の物語も。死や離婚など、かつてはタブーだったテーマを隠さずに描く絵本が近年は増えています。子供と詩と音楽に人生を捧げてきた片岡さんの、透徹した心の中が覗ける30分です。
あの内田樹氏が師匠と仰ぐほど、切れ味の鋭いコラムが人気の小田嶋隆さん。会社務めを数ヶ月で諦めて以来、メインストリームから大きく外れた人生を歩んできました。コラムニストという肩書きは、エッセイストへの対抗心から。素敵な人生を送る人の身辺雑記がエッセイなら、生き方がダメでも成立するのがコラムであると持論を展開します。
アル中治療の経験から、お酒をやめて久しい小田嶋さん。その際、「お酒なしではあらゆることが退屈だ」という現実を乗り越えるため、野球ファンからサッカーファンに乗り換えたりしながら、全生活を意図的に変革したエピソードがユニークです。
月に十数本の連載を抱える文筆生活の実態や、大嫌いだったはずのテレビに出演した際の失敗談など、興味津々の話が続々。下ネタから世界情勢まで、駄洒落を交えて自在に論じる戦闘的コラムニスト。共著『9条どうでしょう』でも、驚くべき憲法改正案を披露して読者を喜ばせました。穏やかな語り口ながら、興に乗るに従いラジカルな本性が垣間見える刺激的なトークです。
歌手の石川セリさんがスタジオにやってきます。幼い頃から歌うことで元気になれる自分に気づき、高校時代には男女混成のコーラス・グループ「シング・アウト」で活動。1971年公開の映画「八月の濡れた砂」の主題歌でデビューしました。
しかしその後、弱冠二十歳でファーストアルバムを発表するものの、歌謡曲路線に難色を示したことからレコード会社と決裂。ひとりヨーロッパの旅へと赴きました。アイドル扱いが嫌だった当時の気持ちや、帰国後は茶道や華道を学んで花嫁修業をしていたという意外な過去も番組では明かしてくれます。
2008年、エミ・エレオノーラさんとのコラボで23年振りの新曲をリリース。「真面目に生きていればかならずご褒美が降ってくる」というポジティブな信念のもと、「いつも前向きに、工夫して、アンテナを張り、自分が主役でいること」が美しさの秘訣だとリスナーに語りかけます。ご主人は井上陽水さん。娘たちも音楽の道を歩み始め、公私ともにハッピーなセリさんと過ごす30分。溢れ出るような存在感は、あの頃のままです。
落語作家・演芸評論家として著名な小佐田定雄さんに、上方落語の魅力を伺います。
戦前には絶滅の危機に瀕した上方落語。米朝、松鶴、春團治、文枝ら四天王と、後継の仁鶴、三枝、可朝ら三羽烏が復興の立役者でした。最初は深夜放送で人気の仁鶴さん目当てで寄席を訪れた小佐田さん。1977年、自作落語を演ずる枝雀さんの「ネタ切れ」に気づき、初めての台本「幽霊の辻」を面識もない枝雀さん本人に送りつけました。当時はまだサラリーマン。枝雀さんからの電話、喫茶店での対面は感動の逸話です。
以来、書いた新作落語は200以上。古典の復活、改作、江戸落語の上方化なども推進してきました。江戸落語が装飾をそぎ落としていくのに対し、あくまでわかりやすく客に呼びかけるのが上方落語。文楽の会場でも、メモを取る熱心な東京の客に対し、おばちゃんが泣きながら観ているのが大阪の土地柄です。
近年は落語と狂言を融合させた「落言」を制作している小佐田さん。落語の途中で、狂言師が割って入る――こんなコラボで軽々と垣根を越えるのも、大阪ならではの楽しみなのです。
イノベーション行動科学の普及に努める野村恭彦さんに、企業におけるイノベーションについてうかがいます。
イノベーションという言葉で誰もが思い浮かべるのは、新しい市場を生み、産業構造を変えるような巨大な儲け話。しかし「イノベーションを起こせ」という会社の号令に萎縮して戸惑う社員たちを、野村さんは目の当たりにしてきました。企業の力は、働く人の力。コミュニケーション不全で活力のない会社は、イノベーションなど起こせません。ルーティンワークの社員でも、五感を使って潜在力を発揮できる環境を与えれば会社を元気にできるのです。
日本型マネジメントは没個性型。しかしその反面、よく思いつき、工夫するイノベイティブな性質も日本人は持っています。イノベーションは蛮勇を奮って行う大事業にあらず。「使いにくいな」と思ったら「変えられるかも」と思い、それを誰かに伝えることが変革への一歩になります。残業をせず、生活と仕事が繋がっている人の方がイノベーションを起こしやすいとの助言も。働く人の世界観を変える30分です。
映画ファンにはその名を知られた山崎剛太郎さん。外務省勤務の後、フランス映画の字幕翻訳に携わって半世紀以上という銀幕の生き字引です。1秒間に4文字という限定された文字数の中に、言葉の背後の深意までを込めるのが映画字幕の妙。ひとつの台詞に半日以上を費やすなど、苦労話も尽きません。
これまでに手がけた映画は実に700本以上。そんな山崎さんが選ぶ名画ベスト3は、この番組の聴きどころです。ジェラール・フィリップやジャン・コクトーと語らい、ジーン・セバーグと東京のホテルで密会したエピソードも素敵。日本映画の仏語訳でも知られ、『海と毒薬』の仏語字幕は文豪ガルシア・マルケスに絶賛されました。
監督や役者との信頼関係を宝として生きてきた山崎さん。映画への愛を語る、その言葉のひとつひとつが至言です。2008年には『モリエール・コレクション』(19作品)の字幕を監修したばかり。いまも現役で、いつも新しい話題に事欠かない91歳。ダンディーな語りを聴けば、またあの名画が観たくなること請け合いです。
古典落語の大胆な改作でファンを魅了する立川談笑さん。早大法学部を卒業し、かつては司法試験も受験したという変わり種の噺家です。困った人を助けようと法律家を志すものの、25歳で方針転換。落研出身でもないのに落語の世界へ身を投じたのは、杓子定規だけでは世の中をよくできないと悟ったから。情で絡めとる世界に惹かれたという動機が示す通り、現代社会への批判精神は旺盛です。
見ず知らずの他人に礼を持って接する「都会人のたしなみ」を大切にする談笑さん。狭い世間で人々が摩擦を起こしながら生きていく知恵が、落語の中にはたっぷりあると力説します。マニュアル化された過剰な接客や、それを自動販売機のように無視するのが苦手。温かな人情や倫理観を過激な爆笑ネタに盛り込むので、聞いていてギクリとするのが談笑さんの落語なのです。
大好きな神社に関する雑学も楽しく披露。今年の目標は、地方でたくさん落語を演じること。安心して笑える噺、考えさせた後で心温まるような噺を聞かせたい。真摯な心の内を、落語界きっての奇才が覗かせてくれます。
音楽プロデューサーのひのきしんじさんと、女優の本間千代子さん。お二人は幼なじみで、出会いから50年を超えるというおしどり夫婦です。
ひのきさんは、テレビ番組『怪人二十面相』で小林少年を演じた俳優としても有名。同番組は驚くべきことに生放送であり、テレビドラマ草創期の逸話をたっぷり聞かせてくれます。
一方の本間さんは、高2から芸能活動を開始。夜行列車で京都と東京を毎週のように往復する多忙な高校時代を送りました。その後は歌手としてもレコードを月に1枚ペースで発売し、録音時間もジャケット撮影込みで1時間という超多忙ぶり。結婚後は芸能活動を休止した本間さんですが、息子さんが義務教育を終えると慶大に入学し、猛勉強の末に卒業して長年の夢を叶えました。
番組後半には、現在ひのきさんが取り組むお仕事の一端をご紹介。ソプラノ歌手の雨谷麻世さんが歌う『僕にできること』を聴きながら、植樹を支援するチャリティ活動を紹介していただきます。「今が一番若い」と断言する夫婦の明るいトークから、たくさんの元気をもらえる30分です。
関西弁の声の主は、何とターバンを巻いたシーク教徒。インド系アメリカ人のキラン・セティさんは生粋の神戸っ子であるばかりではなく、神戸青年会議所の理事長も務めたユニークな実業家です。
今や世界のIT大国となったインド。バックオフィス機能をインドに置く銀行も出現するなど、日印の経済交流はかつてないほど盛んになっています。カースト制にも触れながら、インドの伝統やビジネスの未来について教えてくれるキランさん。異国文化を許容する神戸の気風を愛し、日本人の奥様との間には3人のお子様もいます。日本人との結婚で苦労したのは、厳格なシーク教徒である父親を説得すること。アメリカに住む兄の家庭に、奥様が単身ホームステイをした時期もありました。
「どんなに血が混ざっても人間はひとつ」と語るキランさんにとって、多文化の申し子であるオバマ大統領の登場は大歓迎。日本人はもっと自分の家族の歴史を深く理解して生きるべきだと熱弁します。不思議の国インドが、ますます身近に感じられるトークをどうぞ。
元ラグビー日本代表の名ウイング、増保輝則さんがゲスト。キャプテン翼に憧れるサッカー少年だった増穂さんは、中学時代に「ボールを持ってどこまでも走れる」というラグビーの魅力に目覚めました。高校時代は東京大会で敗退するも高校日本代表のスコットランド遠征に参加して本場のラグビー文化に触れ、エリート選手が集まる早大時代には戦後最年少で日本代表に選出されました。その後は神戸製鋼の主将として一時代を築き、ワールドカップの大敗でバッシングを浴びた苦い経験も。
多感な時期からラグビーと向き合い、ラグビーが自分の人格を培ってくれたとしみじみ語る増保さん。80分間の濃密な時間を15人の仲間と過ごせる喜びや、人間の性質を素早く見抜く眼力も、すべてラグビーからもらった宝物です。
2004年に現役を引退し、神戸製鋼コベルコスティーラーズ監督に。相手の戦力を分析し、試合運びを綿密に計画してゲームに臨む現代ラグビーは、ビジネスにも共通する部分が多々あります。人生への示唆に富んだ、楽しいラグビー談義をどうぞ。
ナレーターや朗読家としても知られる原きよさんは、大分放送でアナウンサーを務め、結婚と子育てを経て仕事を再開しました。米国留学で朗読に関心を持ち、太宰治の短編作品の面白さに気づきます。
原さん曰く「愛されたがり屋」だった太宰の語りかけるような文体は、ライブの朗読によく似合うのだとか。朗読のコツは、作者の気持ちを素直に受け入れること。黙読に時間をかけ、通り過ぎていた言葉の重さを噛み締め、しっかりと細部まで解釈してから音読に臨みます。
「普通なら秘めておきたいような気持ちでも正直に書いているのが太宰治。だからどんな登場人物にも共感できる点が見つけられる」と太宰作品の魅力を説明する原さん。他人に自分の弱みをさらすことができた太宰治は、実はとても強い人間だったのです。
番組では太宰治の短編小説『待つ』と『葉桜と魔笛』を原さんが実際に朗読。それぞれ3分ほどの濃密な時間の後には、上質な映画やお芝居を見たような余韻が残ります。長年の太宰治ファンの方にも、きっと驚くほど新鮮な魅力が語りかけてくるような30分です。
企業にフルタイムで雇われず、起業もしないインディペンデント・コントラクター(IC)。その草分けとして、日本での普及にも尽力している秋山進さんにお話をうかがいます。
ICとは、プロジェクト単位で複数の企業に技術を提供する専門家の総称。専門領域のキャリアを積んだ優秀なスペシャリストたちが、この新しい働き方で活躍しています。ICになりたい人は、独立前に業界をずらした転職を経験してみるのがいいというのが秋山さんのアドバイス。独立後は与し易い顧客だけでなく、投資も必要な「難しいクライアント」とも仕事をするのが、自分の能力を維持する秘訣です。
代役がいないので、病気や怪我などのリスクがICの不安。そのため秋山さんは互助組織であるインディペンデント・コントラクター協会を設立し、社会保険への加入や、会員同士の人的ネットワークの広がりを支援しています。何社も掛け持ちでバリバリ働くことも、家族のために勤務時間を減らすことも、ICだからこそできること。これから独立する人には、大きな選択肢のひとつとなるはずです。
日本を代表する中華街のひとつ、南京町は国際都市神戸の象徴。1915年創業の老祥記は、元祖「豚まんじゅう」を1日に1万3000個も販売する繁盛店です。
店主の曹英生さんは、お婆様、お母様、奥様がみな日本人という華僑3代目。外国人船員や水兵向けのバーに囲まれ、無銭飲食の酔客が屋根を走り回る猥雑な地域で育ちました。1977年、老朽化した南京町を再興するために地元商店主たちが南京町商店街振興組合を設立。それを機に曹さんたちが手弁当で始めた春節祭は、今や地域無形文化財として毎年40万人の来客を集めています。
1995年の大震災ではいち早く壊滅状態から復興し、旧正月に炊き出しを実施。「美味しい食事にありつけた自分たちは幸運」と語る被災者たちから、多額の義援金が寄せられた逸話は感動的です。
若者の流出を止めるため、常に新しい試みを欠かさない南京町。「景気は気のもん。できることを惜しまず実行することがマクロ経済を動かす」という曹さんの言葉は、逆境を生き抜く商人の知恵を教えてくれます。神戸の元気は、こんな街場の人々のパワーの集積なのです。
スポーツのみならず、様々な分野の専門家と激論を交わす二宮清純さん。生い立ち、業界の裏話などを皮切りに、各スポーツの現況批評が始まります。
大相撲における外国人力士の増加は自然な現象としつつも、底辺の枯渇や地方巡業軽視を危惧。野球の話題では、開催直前のWBCの行方を大胆かつ明晰に予測してくれます。
近年、二宮さんが主張しているのは地域住民を主体にしたスポーツクラブの創設。企業のスポーツ支援は円高不況で没落傾向にあり、横浜Fマリノスと日産野球部の違いが象徴的です。「ヨーロッパにはどんな小さな町でもオーケストラとスポーツクラブと教会がある」と語る二宮さんは、高度成長を遂げた日本が「心のインフラ造り」を怠ってきたと厳しく指摘。地域の経済効果だけでなく、健康増進による医療費削減にも寄与できるスポーツクラブは、少子高齢化の時代に向けて計り知れない恩恵をもたらす潜在力があるのです。
広範な見識と鋭い洞察による本格派のスポーツ談義。冷静な語り口の中に、テレビや雑誌では見られない二宮さんの熱血ぶりが伝わる30分です。
絵画修復の第一人者、吉村絵美留さんがゲストです。画家の息子として育ちながらも湯川秀樹に憧れ、学生運動の余波で物理学への道を諦めた折に天職と出会いました。
修復家の条件とは、芸術の価値や作家の意図が理解できること。そしてその上で、技術者として的確な判断を下せること。修復は、あくまで一時的な補足をするだけの謙虚な作業。後年に修復技術が進歩することも想定し、修復部分だけをいつでも除去できるようにしておくのが鉄則です。経過した長い時間も芸術の一要素なので、新作時の状態に戻すことが目的ではありません。
最近の大仕事といえば、東京の渋谷駅で展示されている岡本太郎の傑作『明日の神話』の修復。メキシコで無惨に放置されていたこの超大作を、吉村さんは発見から3年がかりで甦らせました。汚れを落とすたびに現れる本来の美しさ。剥落を補うだけで生き返る人物像。そんな喜びを知り得るのも修復家の特権です。現在、日本の修復家はおよそ50人。人類の遺産を後世に伝えるために日夜努力する、驚きの逸話をお楽しみください。
人情味あふれる時代小説で大人気の作家、山本一力さん。多額の借金を返済するため、40代半ばで作家に転身したという驚きの逸話から楽しいトークが始まります。
執筆開始から3年間は無名時代を経験。「やるしかない人間が、絶望するなんて贅沢だ」と自分自身に言い聞かせ、奥様の励ましを得ながら執筆を重ねました。2002年には『あかね空』で直木賞を受賞し、現在は25本の連載を抱えるという売れっ子。趣向の異なったいくつもの小説を同時進行する集中力は、まさに天性の作家と呼ぶべきものです。
古き日本の家族模様を描きながら、深みのある人間描写で読者を惹きつけるのが山本作品の魅力。人間の矛盾や多面性をさりげなく描くことで、時代背景を超えたリアリティが胸を打ちます。
毎日原稿を書き続けることこそ人生の目的と語る山本さん。予想外の方向に動きだした物語を、最初の読者として推敲する喜びが格別なのだとか。職人の生き様を題材とし、その背後の豊潤な世界を立ち上げる名手。創作秘話に散りばめられた温かな人間論が、人気の秘密を解き明かしてくれます。
京都錦市場にある包丁の老舗「有次」に40年間勤務し、15年前より店長を務める武田昇さんがゲストです。
有次の創業は1560年というから、何と桶狭間の合戦と同じ年。鍛冶屋、研ぎ師、柄や鞘を作る職人たちの技を結集させ、御用鍛冶として様々な刃物作りを受け継いできました。取り扱う包丁の種類は500種類以上。そのひとつひとつが調理人たちのこだわりに応えた本物のプロ仕様であり、日本全国の料理店、食材店、さらには欧州の一流料理人にも一目置かれる存在です。はがねの刃とホオノキの柄で作る和包丁は、「これぞ用の美」というべき美しさ。
番組後半では一般家庭の皆さんのために、武田さんが包丁の揃え方や手入れの方法をアドバイスしてくれます。はがねの包丁は毎日の汚れをきれいに落としていれば、一般家庭なら研ぐのは月に一度で十分。水を流しながら研がないこと、食器乾燥器には入れないことなど、包丁の正しいメンテナンス法は必聴です。伝統ある和包丁を通して、京都のものづくりの精神が楽しく学べる30分。
お茶の水女子大の名物教授、土屋賢二さんがゲスト。ユーモアあふれるエッセイが大人気の哲学者です。哲学を志したのは東大在学中。ドストエフスキーやハイデッガーと出会い、世間の価値観のすべてを疑うようになりました。
実験や観察では答えることができない問題を、まとめて引き受けるのが哲学という学問。「哲学の問題は、すべて設問自体が間違っている」というユニークな出発点から、やわらかな人間観を指南してくれます。「いかに生きるべきか」「自分とは何か」という問いかけ自体に無理があると考える土屋先生が、重要視するのは「笑い」。不幸な出来事をありのままに見るだけでも笑えるし、訓練次第では自分の不幸も笑えるようになるのが人間の潜在力です。
笑いの深遠さを信じ、わざと愚かなことをすることで窮屈な前提を解体していくのが土屋流の思考術。大仰な「生き甲斐」や「生きる意味」から一歩身を引くと、本当の生の意味が見えてきます。愉快で不謹慎な話をたっぷりと聞きながら、思い込みやこだわりから自由になる30分。哲学はこんなにも自由なのです。
作家の雨宮処凛さんは1975年生まれ。思春期にいじめや自殺未遂を経験し、美大受験にも敗れてフリーターになった異色の表現者です。レジ打ちやキャバ譲などの仕事を通じて「頑張っても報われない」状況を知り、原因を探るため右翼や左翼に接近。イラク戦争やオウム信者の取材などから、生のジャーナリズムを学んできました。
現在24歳の非正規雇用率は50%を超え、そのほとんどが月収20万円以下。正社員への道は遠く、結婚をして家庭を持つこともままなりません。近年、自殺者が16分に1人という日本の状況に驚愕し、生きるための連帯を呼びかけている雨宮さん。大企業を優遇する政策によって生活が破壊される現実に、若者たちはようやく気づき始めました。新しい貧困層の名はプレカリアート。不安定なプロレタリアートを意味するイタリアで生まれた新語です。
現在は世界中の若者と連携しながら、非正規雇用者たちのメーデーを計画中。格差社会は底辺から変えられるのか。かすかに、しかしはっきりと革命の匂いが感じられるトークです。
聞き手:平川克美
アシスタント:浜菜みやこ
内容:
内田樹さんが2週連続で登場する、ファン必聴のトーク。第1週は近刊でも論じている教育問題について語ります。教育改革に一貫して反対し、「教育には何もするな」「正しい教育なんて幻想だ」と主張している内田さん。昨今の女子大生にまつわる興味深い裏話を交えながら、教育に市場原理を持ち込む「実学」の空虚を暴き、一般教養の復権を力強く訴えます。
第2週は「内向きに生きよう」というキーワードから、様々な社会問題を解決する道を示唆。誤った外国のモデルを参考に悪戦苦闘しても詮無きこと。人口が多い日本はそもそも内向きに生きていける希有な国なのだから、そのアドバンテージを活用しようと持論を展開します。
ウェブサイトだけで公開されるコンテンツ「プラス1」では、クレージーキャッツの偉業を軸に、戦後文化を楽しく批評。テレビの歴史とともに歩んできた内田さんが「テレビの時代は完全に終わった」と断言するのはなぜ? 著書同様、全編に知的好奇心を満たす気づきが散りばめられています。
聞き手:平川克美
アシスタント:浜菜みやこ
内容:
内田樹さんが2週連続で登場する、ファン必聴のトーク。第2週は「内向きに生きよう」というキーワードから、様々な社会問題を解決する道を示唆。誤った外国のモデルを参考に悪戦苦闘しても詮無きこと。人口が多い日本はそもそも内向きに生きていける希有な国なのだから、そのアドバンテージを活用しようと持論を展開します。
ウェブサイトだけで公開されるコンテンツ「プラス1」では、クレージーキャッツの偉業を軸に、戦後文化を楽しく批評。テレビの歴史とともに歩んできた内田さんが「テレビの時代は完全に終わった」と断言するのはなぜ? 著書同様、全編に知的好奇心を満たす気づきが散りばめられています。
プラス1はこちら(http://www.radiodays.jp/item/show/200141)よりご試聴、及び、ご購入※できます
※ご購入時は、ラジオデイズ(http://www.radiodays.jp/)へのご入会が必要となります (入会金・月会費は不用です!)
聞き手:菊地史彦
アシスタント:五十川藍子
筑摩書房の編集者として活躍してきた松田哲夫さん。TBS系『王様のブランチ』で話題の本を紹介しながら、関根勉さんや優香さんら読書好きなタレントとの間に生まれた交流秘話を楽しく披露してくれます。
書評家とは異なり、読者の代表であることが一貫した立ち位置。身銭を切った読者目線で「お得感」を率直に語ることが、十数年に及ぶ信頼を勝ち取ってきました。視聴者を書店に走らせ、数々の爆発的セールスを生み出した魔法の言葉とは何だったのでしょう。
「プラス1」では、これまでの人生を振り返りながら、編集者という職業を徹底解剖。雑多な収集癖が高じて編集の面白さを知った少年時代。大学そっちのけでガロ編集部に入り浸り、赤瀬川原平さんらと交流を深めた無名時代。裏口入社、留置所勾留、会社の倒産、取締役就任など、編集者人生はまさに波乱万丈。周囲に反対されながらも古典に光を当てて成功した「ちくま文庫」の逸話など、本好きの心をくすぐる裏話が満載のトークをお楽しみください。
プラス1はこちら(http://www.radiodays.jp/item/show/200146)よりご試聴、及び、ご購入※できます
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聞き手:菊地史彦
アシスタント:五十川藍子
新作落語の奇才としてファンの熱烈な支持を受け、味わい深い古典落語にも定評がある柳家喬太郎さん。日本各地で、その日、その場所の観客に合わせた演目を選ぶ高座の面白さを教えてくれます。一筋縄ではいかない新作落語の世界を、自ら解題するトークは聴きどころ。「落語は、受け取った瞬間にもう聞き手のもの」「立派じゃない普通の人を、普通に描くと落語になる」。そんな言葉の端々に、話芸への真摯な哲学が感じられるファン必聴の内容です。
プラスワンでは、喬太郎ワールドへさらに深入り。創作の舞台となる街を散歩します。喬太郎さんが好きなのは、横浜なら関内よりも横浜駅西口の裏通り。池袋ならサンシャイン側ではなく、もちろん猥雑な北池袋です。時にどす黒いテーマを投げかけるネタの数々は、ストーリーこそ突飛でも等身大の登場人物が親近感たっぷり。「伝統の継承も必要だが、趣味人の芸術にはしたくない。落語は所詮、芸能だから」。時代と共に生きる噺家の矜持に、心を打たれます。
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聞き手:大森美知子
アシスタント:五十川藍子
西江さんが世界の性と婚姻の多様性を紹介。人間の男女は生物学的な雌雄とイコールではないという認識から、このジェンダー論は出発します。西洋よりも遥か以前より、事実上の同姓婚が行われてきた地域の存在。1970年頃までは、世界の半分以上が一夫多妻制だった事実。従兄弟との結婚が義務づけられる地域や、近親婚が当たり前の部族があること。愛と性と婚姻に関する驚くべき真実は、私たちの偏狭な人間観を大きく広げてくれます。
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聞き手:大森美知子
アシスタント:五十川藍子
独創的な新作落語で絶大な人気を誇る三遊亭円丈さん。小4で落語に魅せられ、入門前に20以上の噺を覚えたという早熟ぶりや、反対する両親を欺いて落語家になったいきさつを爆笑エピソードとともに披露してくれます。尊敬する圓生師匠にも惚れすぎてはならぬと自戒し、独自の芸風を磨いた修業時代。敢えて古典を封印し、落語の現代性を追求した本当の理由とは。長年研究を続けているという狛犬の知識量も無尽蔵。反骨の噺家が身近に感じられる楽しい30分です。
プラスワンでは、質量ともに日本一といわれる円丈さんの新作落語を解剖。荒唐無稽な笑いの中に、恐さ、優しさ、悲しさ、不条理なども感じさせるのが円丈作品の真骨頂。創作はまったくの独学で、映画の脚本、ギリシア悲劇、ショートショートなどをヒントに筋を練るのだとか。常識を打ち破った「実験落語」の伝説、再び古典を演じるようになった理由、自作の噺を弟子に伝授している近況など、聴きどころは満載。円丈さんにとって、落語はいつも「今」を語る話芸なのです。
「プラス1」シリーズはこちら(http://www.radiodays.jp/genre/index/17)よりご試聴、及び、ご購入※できます
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聞き手:伊藤 博
アシスタント:一色令子
内容:
講釈師の神田愛山さんが、楽しい講談の世界をご案内。結末を知っているのに何度も聞き入ってしまう講談独特の話法には、ダンディズムがあると魅力の秘密を語ります。20年以上古典を演じ続けた後に、オリジナルの講談作品で新境地を開いた愛山さん。推理小説や私小説のようなストーリーは、主に自分自身の体験から生まれているのだとか。アルコール依存や強迫神経症の原因となった、生い立ちの秘密にも興味津々。生きた話芸の一面に触れる楽しい30分です。
プラスワンでは、豊富な持ちネタの中から名場面を実演してくれる愛山さん。「三方原の合戦」の修羅場、武芸物の「笹野権三郎」、侠客伝の「清水次郎長」、そしてお家騒動の「赤穂義士伝」と、ジャンルごとに調子の違いを表現してくれる贅沢な内容です。演目に合った声と表現を使い分けるのが講釈師の真骨頂。アル中体験を題材にした講談私小説の制作秘話も聞き逃せません。講談に馴染みのない人でも、今すぐ高座に行きたくなることうけあいのトークです。
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聞き手:伊藤 博
アシスタント:一色令子
内容:
紛争地などの骨太な報道写真で知られる桃井和馬さんは、現在四国遍路に挑戦中。キリスト教徒の桃井さんがお遍路を始めた理由、歩きながら覚えた新鮮な感動などを軸に話が進みます。遥か遠くに見えた目標が、いつしか背後にあったこと。毎日の楽しみが、靴を脱ぐ瞬間であること。携える杖は、行き倒れた時のための卒塔婆。世界の様々な難問に取り組む桃井さんにとって、お遍路の旅は生きることのメタファーであり、無限の示唆を与えてくれる行為なのです。
プラスワンでは、桃井さんが人類の未来に目を向けます。限りある資源を収奪し続ける現代文明は、破綻への道をまっしぐら。宗教戦争や民族紛争を取材しながら、本当の原因が土地、食糧、水などの奪い合いであることを桃井さんは知りました。限られた資源を分かち合うことでしか争いは終えられないという現実。必要なのは国単位の利益追求をやめ、人類全体のことについて一人一人が思考すること。理想を決して捨てない、力のこもった発言の数々が心を打ちます。
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追記:音源に一部不具合がございましたので修正致しました。 (2009.06.04)
聞き手:平川克美
アシスタント:浜菜みやこ
日経ビジネスオンラインに連載中のコラム「ア・ピース・オブ・警句」での毒舌も好調な小田嶋隆さん。草なぎ剛を擁護し、森田健作をもてあそび、忌野清志郎の没後の扱いに異論をはさみながら、爆笑トークは進みます。意表をつく視点から世相を斬る小田嶋さんのポリシーといえば、右寄りの場では最も左側に立ち、左寄りの場では最も右側に立つこと。いつでも「その場にそぐわないこと」を引き受けるバランス感覚こそが、正論を言い続ける秘訣なのです。
プラスワンでは、小田嶋さんの来歴を追いながら、その類い稀な批評精神の源泉を探ります。ロックバンドに無数の詞を提供していたというニート時代。職業的に文章を書くようになってから、詩がまったく書けなくなった不思議。作文で褒められる子と詩で褒められる子は違うという考察から、刮目の文章論を展開させます。ボブ・ディラン、団塊の世代のお行儀の悪さなど、その話題は尽きるところを知りません。笑いと気づきでいっぱいの知的雑談をどうぞ。
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聞き手:平川克美
アシスタント:浜菜みやこ
ギターを抱えてスタジオにやってきた上野茂都さん。そのユニークな音楽の世界をじっくりとご堪能ください。
物心ついた頃からギターを爪弾き、お祖母さんの三味線を借りて独習した青年期。寄席や歌舞伎座に通って覚えた端唄や俗曲から想を得て、現代の「音曲(おんぎょく)」を生み出しました。番組では、忌野清志郎ら有名ミュージシャンたちにも愛されてきたレパートリーから『緑の人よ』と『ぬけた節』を弾き語り。深遠な歌詞の解説も聴きどころです。
プラスワンではさらに深く、上野さんのマルチな表現活動の実態に迫ります。美術家を志したものの、デザインや絵画は諦めて、彫刻ならいけると思った30年前。彫刻でお金を稼ぐつもりだったのに、作品が売れないという愚痴を歌にして、その歌も売れないので慰めに彫刻をやっている毎日なのだとか。
7月に発売する新作CDより、名曲『外食無情』を披露してくれる上野さん。「芸術は飯の支度と一緒」とはまさに至言。生きる速度を遅くする、脱力トークをお楽しみあれ。
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幅広い世代に支持される2人の大学教授を迎え、教育問題や医療問題など様々な世相を論じる座談会。
無能な「二十四の瞳」の大石先生がなぜ素晴らしい教師として記憶されるのかを内田さんが解明すると、共同体の活性化にはバルネラブルな存在が必要なのだと鷲田さんが応じます。データばかりを重視する最近の医療に背を向ける、鷲田さんの主治医(90歳)の逸話も聴きどころ。煙草をくゆらし問診をするだけの町医者が、なぜガンを発見できるのか。刮目の30分です。
プラスワンでは、岸和田生まれの名物編集者・江弘毅さんが加わり、白熱した関西文化論が展開。
新型インフルエンザへの対応が、南北でまったく異なる大阪の怪。「あなご」のアクセントで特定できる地域性や、全国の幼稚園児を一所に集めると全員が関西弁に感染するといったトリビアもたっぷり。どうやら標準語よりも豊潤な世界を持つ関西弁ですが、その弱点を指摘する鷲田さんの言葉も意味深長です。大阪人が住む大阪と、東京人が不在の東京。宿命的な相違が明らかになります。
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鷲田さんと内田さんに、「学びの極意」をうかがいます。
外形的な知識や資格を欲しがる反面、学びへの渇望が少ない最近の大学生。しかし高等教育の目的は、学びの「わくわく」や「ぞくぞく」を学生たちに与えること。手に余る巨大なテーマに対峙した時、内田さんの頭脳に起こった超常現象とは。友達に見栄を張ろうと猛烈に読書した鷲田さんが見出した、ありふれたグルントボルト(根源語)とは。とことん学ぶ者のみが、そんなアカデミックハイを体験するのです。
プラスワンは、前回に引き続き江弘毅さんを交えての言語論。関西人が関西弁で本を黙読している事実を発端に、土着語と標準語の潜在力に焦点を当てます。「兄ちゃん、これうまいで」の八百屋が、「いらっしゃいませ、こんにちは」のコンビニに置き換わる不気味。言葉を反復するだけで、正反対のニュアンスになる大阪弁の奥深さ。日本一セクシーな訛りを話す男はいったい何処に? 関西進出で物議をかもすミシュランの話題も。博覧強記な4人のトークは、留まるところを知りません。
「プラス1」シリーズはこちら(http://www.radiodays.jp/genre/index/17)よりご試聴、及び、ご購入※できます
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平野悠さんは、ライブハウス「ロフト」のオーナー。就職を諦めて荻窪に開店したジャズ喫茶で日本のロックに出会い、細野晴臣、シュガーベイブ、荒井由美ら錚々たる顔ぶれを出演させて文化を発信しました。
76年に新宿へ進出するも、80年代には音楽ビジネスに絶望して世界を放浪。 帰国して開店したトークライブハウス「ロフトプラスワン」の営業方針もまた、前例のないユニークなものです。その激動の半生と、現在の思いをじっくりお話しいただきます。
プラスワンでは、平野さんの驚くべき開拓者精神の秘密に迫ります。革命運動に身を投じた学生時代。ウッドストックに共鳴した胸の高まりや、高度成長で失われた古き日本への思慕。南北問題や激動の東欧情勢に触発されて始めた旅も、84ヶ国を訪れた挙げ句にドミニカで定住するという真の放浪でした。
あくまで反権力の一匹狼を貫き、自分に退場を宣告する若者の登場を待ち望んでいる平野さん。熱い言葉の端々には、反骨の人らしい優しさがにじんでいます。
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7月4日にニューアルバム「ペルソナ」を発表した歌手のカルメン・マキさん。「ワン・アンド・オンリーでなければ意味がない」とのこだわりから、今も新しい表現への挑戦を続けています。映画のようなドラマ性たっぷりのライブパフォーマンスは今も健在。
小説家や精神科医に憧れた少女時代や、出産を機に経験した3年間の主婦生活、さらには意外なほど静かな生活の様子など、他所では聴けない内容が盛りだくさん。デビュー40周年を迎えるカリスマの素顔に迫ります。
プラスワンでは、デビュー秘話から始まるマキさんの足跡を追います。ジャズ喫茶で見たポスターに誘われて天井桟敷に入団し、寺山修司さんと出会ったのが17歳の時。歌手としてデビューするものの「人形みたいに歌うのは嫌だ」とロックへと転向し、数々の伝説を残しました。
一度は引退を決めたマキさんが、再び歌い始めた本当の理由とは。20歳になる愛娘のこと、1993年の日本帰化で気づいた日本人の良さや弱さなど、人間カルメン・マキの心に触れる温かなトークです。
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柳家三三さんは、小学生の時に手にした本がきっかけで落語と出会い、中学2年で柳家小三治さんに入門を願ったという早熟の噺家。落語家となって16年、端正な古典落語を演じる本格派という定評に安住せず、新たな境地へ進化の途中です。
「きちんと演じるだけではなく、場の雰囲気に応じた柔軟な芸を見せたい」という高い理想。さらには得意料理、整頓が苦手な性癖、恐怖の胃カメラ体験など、高座とは違った人間味に触れられる等身大のトークです。
プラスワンでは、謎多き三三さんの秘密が次々と明かされます。実は人前で話すのが苦手であること。高校に行きたくなかった本当の理由。落語について語り合うことはないという小三治さんとの師弟関係や、お気に入りの演目のアレンジ術など、話芸の本質に関わる発言も聞き逃せません。
いまだに自分の落語に満足したことはないという、真摯な向上心を照れくさそうに話す三三さん。あちこち脱線しながら、脇道にそれるトークの面白さはさすがです。
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著書『悩む力』が大反響を呼んでいる姜尚中さん。野球での挫折や21歳の改名などの秘話を皮切りに、現代が抱える深刻な問題を静かに問いかけます。他人を信じられない人々の欲望で動くマーケットの原理と、その破綻の先にあるもの。マニュアルばかり詰め込まれ、実体験に乏しいエリートたち。人の絆がバラバラになり、隣人の幸福を喜べないゼロサムゲームの時代。そんな厳しい現状にも必ず救いがあると説く姜尚中さんの言葉には、しなやかな力が漲っています。
プラスワンでは、夏目漱石が生きた100年前と現代を重ねながら、私たちが今なすべきことを考えます。日露戦争後の社会の荒廃は、希望なき現代に酷似。政治の権威が失墜すると、社会がパロディ化して宗教が台頭するのは歴史の必然のようです。一人で叶える欲望ではなく、世の中の皆で描く希望を。安易なソリューションに飛びつかず、悩み抜くことこそがただひとつの鍵。燃えるような情熱を穏やかに語る、姜尚中さんの魅力がぎっしりと詰まったトークです。
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中学校の教諭をしながら詩作を進めてきた八木幹夫さんは、ひらすら平明な言葉を用いた表現で幅広く支持され、難解な戦後の現代詩とは一線を画してきました。
番組では、「声に出して意味が通らない詩は欠陥がある」と語る八木さん自身が、代表作「野菜畑のソクラテス」と最新刊「夜が来るので」から選りすぐりの詩を朗読。団塊世代の悲哀を描いた「のどが渇いた」が圧巻です。
言葉のひとつひとつに宿る優しさや、時代への静かなメッセージが心に響くトークです。
プラスワンでは、八木幹夫さんが著した「日本語で読むお経」の世界を詳しく紹介。原典のサンスクリット語にまで立ち返り、音韻性も上手く活かしながらあくまで平易に訳した仏典の言葉が新鮮です。
かつて欧州で宗教改革を促進したのは世俗語訳のバイブル。この労作のおかげで、日本でも一般市民が仏典を自分で読める時代が到来しました。
詩の言葉も最後には「空」に至るのが理想であると語る八木さん。ご自身による「懺悔文」の朗読もお聴き逃しなく。
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三遊亭円窓さんは、深川生まれの江戸っ子。膨大なレパートリーを誇る古典はもとより、独創的な現代落語の世界も開拓してきました。
曰く「ベートーベンの新曲が出ないなら、それに比肩するものを作らなきゃ」。その試みが単なる実験に終わらないのは、円窓さんの厳しい審美眼の賜物です。漱石の「坊ちゃん」は、女中のお清さんを主人公にした人情噺に。近年始めた、ピアノ演奏と落語のコラボも大好評。溌剌とした落語への情熱は、変わることがありません。
プラスワンは、三遊亭円窓さんの類い稀な創作意欲にズームイン。最晩年の春風亭柳枝さんに師事した美しい思い出。兄弟子の稽古を聞きながら噺を覚えた前座時代。500の噺を演じるという壮大な目標を立て、達成したのは2001年のことでした。
近年は、アマチュアの裾野を広げるべく学校で落語の授業を開始。おかげで日本には落語ができる国語教師も増えています。
グロは嫌いだという信条に基づいた「寿限無」の自作オチを披露するなど、聴きどころ満載。
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長野でワイナリーを営む玉村豊男さんに、人生の楽しみ方をご教授いただきます。
奨学金を手にパリへ渡り、貧乏旅行に明け暮れた学生時代。20代で人気エッセイストとなり軽井沢に転居するも、不摂生がたたって2年間の闘病生活。それを機に、画家としても出発しました。還暦目前、多額の借金をして作り始めたワインは洞爺湖サミットで各国首脳に供されるものの、不見識な福田首相に腹立たしい思いも。
笑いを交えた数々の逸話で、波瀾万丈の半生を語ります。
プラスワンは、玉村豊男さんの幸福論が全開。現実から目を背けて遠い夢を見るのではなく、そろそろ成熟した大人の世界を生きようと明るく語りかけます。
未来を案ずる心は不幸。「今日よりいい明日はない」と考え、目の前の食事を楽しむ幸せ。あらゆることに自分で手をかけるスローライフの本質が、過程を楽しむ点にあることを都会人は知りません。「ワインと女性は古いほどいい」「健康は病気の有無ではない」など、真に豊かな人生へのヒントが心を満たします。
綿密な政財界の調査で知られる作家の広瀬隆さん。最新作「資本主義崩壊の首謀者たち」では、米国の金融腐敗を解説しています。製造業を軽視し、他人が働いて手にした貯蓄を運用する強欲な投資家が崩壊させた資本主義。この人災を「百年に一度の金融危機」などと看做すエコノミストや政治家の無能。本当の経済崩壊が始まった米国で、オバマ政権は手をこまねくだけの無策ぶり。世界の経済危機を導いた、マスコミが報じない衝撃の事実を広瀬さんが次々と明かします。
プラスワンでは、広瀬隆さんがウォール街の黒幕を名指しで糾弾。傲慢、腐敗、強欲にまみれた彼らは、破綻した金融企業に税金を誘導し続けています。政府がドル札を増刷し、FRBが米国債を買うという壮大な詐欺。日本国民の財産である巨額の銀行預金はすでに持ち逃げされ、なけなしの300兆円をウォール街に差し出す郵政民営化も目前です。物作りを基盤にした自立経済を目指し、農業を復興して若者の職場を作れ。ますます熱を帯びた広瀬さんの正論は、切迫感に満ちています。
知識イノベーションの普及に努める紺野登さんが、世界経済の行方を示す刮目のトーク。グローバル資本主義の時代が終わり、やがて到来する「創造経済」の時代について大胆に自説を展開します。
途上国のGDPが世界の半分に届きそうな現代。インドの小型車「NANO」のように、貧しい市民の視点から生まれる製品が、市場に革新をもたらしています。供給者の都合よりも社会のニーズ。サイエンスよりもアート。創造経営を行う企業は、もう身近に存在するのです。
プラスワンでは、創造経営の思想をより詳細に解説します。日本を含む先進国では、自分が働く企業の社会貢献度を気にする若者が増加中。インターネットの普及で、贈与経済的な結びつきを持つ共同体が生まれている事実も見逃せません。
市場経済だけが経済活動にあらず。企業の歴史もわずか100年程度であり、まだまだ成長段階なのです。「社会貢献はコストがかかる」という常識は逆転し、真善美こそが成長の必須条件に。紺野さんの世界観が、力強く響きます。
落語家の柳家小ゑんさんは、小惑星の名付け親となるほどの天文ファン。知識とユーモアを交えた、星空にまつわる新作落語で異彩を放っています。
今年の話題といえば、やはり皆既日食。ふたつの天体がぴたりと重なり、世界が変容する奇跡の時間を、臨場感たっぷりに活写してくれます。
年に一度しか会えない織り姫と彦星の悲恋も、両人の寿命(百億年)を考えればまるで別の物語に。壮大な宇宙の摂理と下町感覚が出会う、小ゑんワールドをお楽しみあれ。
プラスワンでは、小ゑんさんの尋常ならざるオタクぶりが明らかになります。実家が電器屋だったことから、ハンダ付けなど朝飯前の子供に。無線、オーディオ、カメラなどを自作し、最近は浅草の古道具屋で入手した蓄音機で、SP盤を楽しんでいるのだとか。お気に入りのペットは、イソギンチャク。マイナーな事物を愛し、深く探求する喜びが、小ゑんさんの話芸にただならぬ知性の輝きを与えています。
二胡奏者のウェイウェイ・ウーさんが、素晴らしい演奏とトークをお届けします。中央アジアで発祥した二胡は、蛇革のボディと2本の弦が奏でる豊かな音色が特長。カタルーニャ民謡「鳥の歌」と、メンデルスゾーンの主題による「ティアーズ」の演奏にスタジオは恍惚となります。
上海の音楽一家に生まれ、バイオリンの英才教育を受けたウェイウェイさんが、二胡を弾き始めたのは中学生の時。2002年にソロデビューするまでの半生には、驚きの逸話が満載です。
山口昭男さんが、雑誌『世界』の編集長を務めたのは激動の8年間。天安門事件、東西ドイツ統一、ソ連崩壊が続けざまに起こり、昭和の総括を敢行した号の発売前日に天皇が崩御するというドラマも経験しました。大胆な政策提言の後では、右派と左派の双方に叩かれることも度々。『諸君!』や『現代』の廃刊で、論争相手を失った寂しさも感じています。
文学少年だった山口さんが、これまでに会った作家は1万人以上。大作家たちとの貴重なエピソードに花が咲きます。
プラスワンでは、書物の未来について山口さんが熱弁。教養人への近道は、様々な古典に触れて名文の滋養を得ること。好きなジャンルで読書に親しみ、青春時代のちょっとした背伸びが人生を豊かにします。
1913年の創業以来、岩波書店は約3万点に及ぶ書籍を出版。文庫や新書も、岩波が草分けでした。山口さんが世に遺したいのは、未来の古典となる良書。読み捨てる情報ならネットで充分。2千年前の作者と対話できるメディアは書物だけ。読書好きの心に響く言葉が満載です。
古典落語の名手である橘家文左衛門さんの原風景は、少年時代から慣れ親しんだ盛り場にあるようです。手品や曲芸を見ようと寄席に通い、「サーカスにさらわれたい」と期待して歩いた浅草界隈。中学卒業後に落語家を志すも家族に反対され、家出して職を転々とします。橘家文蔵さんを尾行して自宅を突き止め、いきなり弟子入り志願。
高座では無頼なイメージの文左衛門さんですが、噺家であることの喜びを細やかに感じさせてくれる、ファン必聴のトークです。
プラスワンでは、文左衛門さんの私生活に迫ります。寿司屋のアルバイトで培った料理の腕はプロ級。楽しいお酒のエピソードにも事欠きません。他の噺家の落語をよく聞き、日常をじっくり見つめる習慣が、定評ある役作りの秘密。古典は噺の“ヘソ”だけ決めて一度壊してしまうという流儀で、新しい魂を注入します。
現在は好きな山本周五郎の原作から噺を作ろうと思案中なのだとか。現代に通用する古典を追求する真摯な心が、懐の深い話芸を支えています。
文筆30年の立松和平さんが最新の小説で描いているのは、認知症と向き合う夫婦の姿。これから老年期に入る同世代に「今をしっかり生きないと、たちまち時は過ぎ去ってしまう」と語りかける言葉が切実です。
同じく近刊のエッセイ『禅語に生きる』は、自伝的なエピソードを織り込んだ禅語集。若き日の悪戯や失敗談、初めて見た海の忘れられない印象、仏教との縁を得たというインド旅行の様子など、心に沁み入るような逸話が番組でもしみじみと語られます。
プラスワンでは、仏教を軸に話題が展開。日常に寄り添う“スローな宗教心”を理想とする立松さんは、身を清めて神仏に出会うことを目的とする日本古来の登山を実践中です。
道元禅師が伝え聞いた金言を引きながら、どんな世俗の場所でも修行ができると説く立松さん。11年前に建立した知床の毘沙門堂には、宗教や宗派を越えた聖職者たちが訪ねてきます。執筆中の小説に関する予告も聴きどころ。恥多き人生を肯定する、自然体の言葉に勇気づけられます。
喘息で寝たきりの思春期を過ごし、21歳で作詞家になることを決意した山上路夫さんは、これまでに数えきれないほどの流行歌やCMソングを手がけてきました。その言葉の世界が、私たちの心にここまで深く染み込んでいるのはなぜでしょう。
「瀬戸の花嫁」を聴いた誰もが見たこともない段々畑をありありと思い浮かべ、「私鉄沿線」を聴いた誰もが、その舞台を身近な街になぞらえる不思議。番組では懐かしい山本コウタローの名曲「岬めぐり」をオンエアー。山上さんの言葉を通して、日本人は美しい原風景を共有してきたのです。
プラスワンでは、名曲の創作秘話を次々に公開。モデルの店はここだという諸説が全国各地にある「学生街の喫茶店」。ロードムービー的情景が美しい「岬めぐり」。「翼をください」は、ヒットが終わった後も学生たちに歌い継がれています。あの「瀬戸の花嫁」が、経済成長で失われた日本の情景を歌うプロテスト・ソングだったという山上さんの告白にスタジオは驚愕します。
時代を抱いた流行歌やCMソングに、身近で心を打つユートピアを描いてきた半生。山上さんの優しい詩情が、しみじみと伝わるトークをお楽しみください。
エッセイの名手としても知られる青山学院大学教授の福岡伸一さんは、長年に渡ってミクロの世界を見つめてきましたが、遺伝子の実態を知るほど生命の謎は深まるばかりです。近刊『世界は分けてもわからない』は、顕微鏡を覗き込む時の視野の狭まりを指摘しながら、自戒の念を込めて書いた傑作エッセイ。番組でもそのハイライトを披露してくれます。
私たちの常識を覆す細胞のふるまいや、その集合体である生命の不思議。知的興奮に溢れたトークが止まりません。
プラスワンは、生命の正体に迫る壮大な内容。地球上で38億年も営々と存在している生命現象の秘密は、破綻する前に自らが分解して作り直す「ゆるゆるのシステム」にありました。すべての生命体は、情報、物質、エネルギーの大きな流れの中にあり、個体が死を迎えてもその身体の分子は他の生命体に受け渡されて全体の生態系が保たれます。
極めて平易な言葉で、驚くべき世界観を描き出す福岡さん。聴き終えた後、周囲の風景が変わって見えること請け合いです。
「クローズアップ現代」のプロデューサーとして活躍する小堺正記さんは、NHKに入局以来、20年に渡って情報番組の制作に携わってきました。小さなアイデアを発端に作り上げられる番組制作の面白さを教えていただきます。地道な取材を重ねても、大半が割愛されることはテレビの常。しかし視聴者からの反響で、別の番組に発展することもあります。
「番組制作は瓦版屋のようなもの」とは小堺さんの弁。事実を声高に伝えるだけでなく、背景を検証する距離感も持ち、視聴者が自ら考えて行動できるような良質な情報を今日も発信しています。
人気コラムニストとして知られる町山智浩さんは、97年より米国に住み、ラジオや出版物で日米の興味深い文化や事象を解説しています。
パンタらのロック音楽に憧れ、宝島の編集者になったのは大学在学中の時。その宝島社を退社し、渡米を決意した理由は意外なものでした。映画やサブカルに関する事情通ぶりは驚くべきもの。とっておきのトリビアを縦横無尽に繰り出しながら世相を鋭く斬る町山さんの、知的アウトサイダーぶりをお楽しみください。
タレント業を通じて釣りと出会い、今ではプロの釣り師となった児島玲子さん。初めての渓流釣りで特大の岩魚を釣り上げて以来、あらゆるタイプの釣りを国内外で体験してきました。中でも丸2日かけて行ったモザンビークでの体験談は、まるで『老人と海』のような世界。手漕ぎの丸太舟で竿も持たずにカジキを釣り上げるという地元の漁師や、沖合まで泳いでくる素潜りの達人、海上のリーフを歩いて貝を拾う人々。釣りが与えてくれた出会いの物語に心が洗われます。
櫻井秀勲さんは、松本清張さんらの名作を世に出し、人気雑誌「女性自身」の一時代を築いた出版界の重鎮。その著作は20年で160冊以上を数え、78歳となる現在も朝5時まで働くバイタリティを失いません。「女学の神様」と呼ばれるほど女性を研究し、その実力はあの三島由紀夫さんに女性の描写について意見を求められるほど。女子社員を「OL」と呼び始めたのは櫻井さんでした。8人の女性を囲って情報収集をするなど、往事の型破りな仕事術も驚きの一言です。
馬場功淳さんが語る、コロプラファン必聴の裏話が満載。「ランダムの世界には神様が住む」と語る馬場さんは、いたずら者の「コロわらし」や隕石といった厄介な存在を織り交ぜながら仮想世界に深みを加えています。ゴールのないゲームにそれぞれの意義を見出し、成熟した社会を自発的に作り上げるユーザーたち。遊びながらライフログで記憶する日々の思い出。各地の隠れた名店と提携するビジネスの拡大。その世界観は、未来社会の理想像をはっきりと示しているのです。
中塚翠涛さんは「空間カリグラフィーデザイン」を実践する美貌の書道家。周囲の環境に相応しい文字表現を考え、生活を彩る新しい書のスタイルを提示しています。
幼少時から文字を書くことが大好きで、本格的な書道の素養を身につけながらも幅広いジャンルで活動。お店のインテリア、商品のラベルなどを独創的な文字で彩り、書の表現力に改めて気づかせてくれました。楽しい書道教室の様子や、ペン字練習に関するアドバイスなどもお聞き逃しなく。
プラスワンでは、創作の秘密にクローズアップ。先日のデザインイベントでは、空海の言葉をボディに書き付けた人形作品を発表して話題になったばかりです。文房四宝を携行するという海外旅行のお話も聴きどころ。イタリアでは食べ歩きや美術館めぐりを創作の糧にし、モルジブでは現地のディビヒ語を書いた後に不思議な体験が待っていました。国境を越える書道の魅力を信じ、自然体で文字の可能性を追い求める中塚さんの発言が新鮮です。
3歳で父に手ほどきを受けて以来、能ひとすじに約半世紀を生きてきた辰巳満次郎さん。演劇との相違などを足がかりに、能の魅力をユーモアたっぷりに解説してくれます。
微妙な所作から、演者の内面に充満する感情を想像するのが能の醍醐味。稽古した曲を演じるのが数十年後ということは珍しくなく、本番は一回限りであるのも歌舞伎などと異なるところ。「邯鄲」の一節を演じる辰巳さんの美声にスタジオはうっとり。幽玄の世界が身近に感じられる楽しいトークです。
プラスワンでは、能の鑑賞法をさらに手ほどき。「能を見て寝るのは日本人だけ」という事実が語るように、無理にわかろうとせず、自然体で向き合うのが理想的な楽しみ方であると辰巳さんは説きます。能舞台の構造や衣装の美しさ。茶、華、書にも通じる「序破急」の神髄。傾けるだけで表情を変える能面の不思議。シェークスピアも演目となる懐の深さ。神への捧げものとして始まった能は、いつしか人間も観賞する芸能に。その深遠さは、決して難解なものではないのです。
マルチな才人、南伸坊さんは糸井重里さんとの共著『黄昏』を出版したばかり。旅をしながら交わした雑談を収録したその内容は、馬鹿馬鹿しいほど呑気で贅沢。お互いを信頼しきった悪ふざけや阿吽の呼吸が、うらやましい限りです。
還暦を過ぎても老境に入れず、老いのモデルが見つけられないと語る伸坊さん。飄々と人生を切り開いてきた団塊世代の申し子は、まだまだ漂い続けます。好奇心を失わない少年のような感性に、ほのぼのとさせられるトークです。
プラスワンでは、昔話からスタート。69年に出会った師匠、赤瀬川原平さんとのエピソードは尽きることがありません。名編集者・松田哲夫さんとの馴れ初めや、青林堂の長井勝一社長の下で「ガロ」編集長を務めた時代の思い出にも爆笑の逸話が満載。チキンラーメンのCMでテレビに登場して以来、有名人の顔真似や扮装に邁進するなど、本気と冗談の区別がありません。「流れに身を任せていたらこうなった」。そんな無計画人生が、とことん爽やかです。
浪曲師の国本武春さんが、三味線を弾きながら新しい浪曲の魅力をたっぷりと伝えてくれるトーク。
浪曲師の両親を持ちながら洋楽に傾倒した武春さんは、ギターの感覚を活かした独自の奏法で浪曲の世界観を広げました。渡米して「アパラチアン三味線」なるスタイルを確立し、バンジョーと三味線が同根であると証明。また「浪曲師の数だけ浪曲がある」とは至言。とことん自由な表現力に脱帽です。
プラスワンでは、そのユニークな芸の秘密に迫ります。
新人が激減する浪曲界不毛の世代を背負う武春さんは、洋楽バラードを七五調に乗せたり、ロック調のオリジナル浪曲を演じたりしながら独特の表現を磨いてきました。ブルーグラスを取り入れた浪曲『バンジョーサム』など、ボーダーレスな世界は今や老若男女に人気を博しています。ゴキゲンな『堪忍ブギ』のグルーブに、スタジオも大興奮でした(歌唱部分は未収録です。予めご了承ください)。
雑誌ブルータスの黄金時代を築き、現在はソトコト編集長として活躍する小黒一三さん。スローフード、LOHASといった流行語の仕掛人としても知られ、出版界に多大な影響を与えてきました。
エコを先駆的に取り上げた雑誌ソトコトも、今ではすっかりメジャー誌。3年前から北京版を出版するなど、未来への舵取りも万全です。ケニアのマサイマラで経営するリゾートホテルも創設20年が目前。雑誌編集のダイナミズムを生きる、刺激的なトークをお楽しみください。
プラスワンでは、カリスマ編集長の素顔に肉迫。古典的な文芸派ながら、雑誌作りでこだわったのはページを繰る時に快感をもたらす意外さの演出でした。食べることが最大の快楽という江戸っ子で、ケチは嫌い。それでも高価な食事には興味なし。一歩家を出たら帰宅の予定は知れずという旅好きで、アフリカのテレビ局で相撲を放送するという破天荒な夢を持っています。義理と人情で培った人脈がもたらす土壇場の強運。執着のない生き方が、新しいページを作るのです。
小説『転生回遊女』を発表したばかりの小池昌代さん。最近は舞台や朗読会でも多彩な活動をこなしています。
小池さんが幼少時から信じてきたのは、表現としての詩作ではなく、この世界に作用している原始の「詩」の力。それは音楽や絵画の中に宿り、誰かにかけられた平凡な言葉にもしっかりと息づいているものです。
近頃編纂した『通勤電車で読む詩集』から、自作の詩も朗読。親にも秘密だったという詩への思慕の深さが、ひしひしと伝わってくるトークです。
昔昔亭桃太郎さんの晴れやかなトークで、不況の憂さを吹き飛ばします。
ホテルに入社したものの終身雇用制度が信じられず、老いても働ける落語家を目指したという桃太郎さん。飄々とした気風は生来のもので、弟子にも身の回りの世話はさせない放任主義を貫いています。ユニークな新作落語で人気を博した後、味わい深い古典落語でも高い評価を確立。照れ屋なので、人情噺や廓噺が苦手なのだという意外な一面も。自然体で円熟を極める、話芸の魅力に迫ります。
医療、教育、文化などの多分野で活躍する和田秀樹さんが、知的興奮に溢れたトークをお届け。精神科医の立場から鬱病の問題を論じ、自殺率低下に向けて行う本質的な提言が聞き逃せません。
40代で初めてメガホンを取った映画作品『受験のシンデレラ』は、いきなりモナコ国際映画祭で最優秀作品賞、主演女優賞、主演男優賞の三冠という快挙。「理由を考えたら動けない。だからまずは動き出そう」。失敗に学び、着実に進歩するためのアドバイスは驚きに満ちています。
通称「不肖・宮嶋」。報道カメラマンの宮嶋茂樹さんは、ロバート・キャパの写真作品より、その破天荒な生き様に憧れていました。モスクワで娼婦を撮影した、爆笑のデビュー秘話。ベトナム戦争の取材経験を吹聴する先輩に追いつこうとルーマニアに潜入し、迫り来る戦車を見て「間に合った」と安堵した若き日。信者に通報された、捨て身のオウム取材。水も出ない安宿で、戦闘に巻き込まれるのを待ったアフガン。危険を笑い飛ばす、宮嶋さんのパワーが全開です。
プラスワンでは、報道カメラマンという生き方に迫ります。取材の度に書き換える遺書には、「救助するな」「俺の遺体は現地で焼け」といった希望が。硝煙の臭いが好きなのは男の性(さが)。戦争は決してなくならないというリアリティが、宮嶋さんを次の現場へと駆り立てます。メディアの低能を糾弾し、指導者たちの無教養やエコロジー原理主義の狂気を罵倒する宮嶋節は痛快そのもの。インターネットだから許される、危険な発言のオンパレードをお楽しみください。
元スタジオ・ボイス編集長の佐山一郎さんは、無類のサッカーファン。南アフリカで開催されるW杯では、65年以来の再戦となる北朝鮮VSポルトガル戦を楽しみにしています。ユニークなこだわりは、W杯のラジオ観戦。言葉がプレーについていけないもどかしさを受け入れ、今大回もこの荒行を敢行するのだとか。日本サッカーへの提言は、尽きることを知らず。南アの高地対策にはバイアグラが効くといった珍説も。時代に媚びない発言が、佐山さんの魅力です。
プラスワンは、佐山さんの昔話からジェネレーション談義へ。全共闘世代の背中を見て育った53年生まれで、同世代にはYMOの3人や大貫妙子さん、村上龍さんらがいます。高校時代から機動隊と対決する無鉄砲さの裏には、深い知的コンプレックスもありました。テレックスの時代より、村上春樹さんの奇抜なポートレートなどで革新的な雑誌編集を展開。「発信しないと情報は入らない」という信念は今も健在です。安直に老成しない、ダンディーな反骨精神が光ります。
精神科医の立場から、現代人の心の問題を見つめている香山リカさん。科学者を志望しながらも文学や哲学に傾倒した医学生時代の逸話が新鮮です。
医師となって25年、患者とはいつも真剣勝負。人間に備わった生来の回復力を信じながら、心の病との闘いは続きます。近所や親戚との付き合いもなく、悩みを相談できずに孤立する人たちにとって、精神科は「よろず相談所」のような場所。「うつ病」と「ただの悩み」の見分け方など、聞き逃せない内容が盛りだくさんです。
プラスワンでは、香山さんの持論である「しがみつかない生き方」をわかりやすく解説します。他人に認められよう、自分らしく生きようと思うあまり、疲れ果ててしまう人々。自分が持っている資質を否定して、遠い理想を追う努力の不毛さ。自らが置いたハードルで転ぶのはもうやめよう。背水の陣をしかずに生きてみよう。成長ばかりに執着せず、立ち止まったり振り返ったりしてみよう。ストレス社会で働く、大人の生き方へのヒントが心に響きます。
文化庁芸術祭新人賞を受賞し、今もっとも旬な噺家の一人である桂平治さん。桂文治師匠の思い出話に始まり、落語に関する素朴な疑問に答えてくれます。師匠から口移しでネタを学ぶ方法。学んだ噺をいったん封印して、再び血肉化する「お蔵入り」のプロセス。流派が異なる師匠からも無償で学べる落語界の伝承システム。落語の「噺(はなし)」は口編に新。古典にも、新しい切り口が欠かせません。今すぐ寄席に出掛けたくなる、落語の魅力がたっぷり詰まった30分です。
カメラマンとして多くの重大な取材に関わり、現在は朝日新聞ジャーナリスト学校で主任研究員を務める徳山喜雄さん。専門誌の発行や授業などを通じ、報道が抱えるさまざまな問題に向き合っています。
政治家と親しい記者が公平性を保てるのかという疑念や、朝日新聞は変わったという厳しい指摘にも正面から回答。日本社会が報道全般に対して批判的な現在、もう一度ジャーナリズムの底力を信じてみようと思わせてくれる真摯な言葉が心を打ちます。
ユニークな人文書の出版で知られるトランスビュー。社長兼編集者の中嶋廣さんに、哲学エッセイの名手だった池田晶子さんの思い出をうかがいます。
初めて執筆を依頼した89年秋、待ち合わせ場所に現れた池田さんの美しいオーラ。中嶋さんの個人的な要望に応えたという名著『14歳からの哲学』の誕生秘話。生きることの本質を平易な言葉で綴った池田さん。没後3年が経った今も、著作は着実に読み継がれています。他では聞けない貴重な逸話の数々をお楽しみください。
ドラマや商品の題字にひっぱりだこの武田双雲さんが、意外なデビュー秘話を明かしてくれます。
3歳で母に書の手ほどきを受けたものの、情報科学を学んでNTT東日本に勤務。そこで達筆を見込まれて書いた名刺用の題字を褒められ、嬉しさのあまり会社を辞めてしまいました。街角で書のパフォーマンスを始めると、いつしか時の人に。本人曰く「行き当たりバッチリ」な無計画人生は、「言葉を学んで、生き方を学ぶ」という書道の哲学にぴたりと寄り添っています。
著作を通じ、宗教をやさしく解説してくれる釈徹宗さん。ジョン・レノン「イマジン」に般若心経の精神を見出してスタジオを驚かせます。
「自己決定の時代」とは某政治家の弁ですが、自我の肥大化はほどほどに。苦しまずに生きるため、信仰はなくとも仏教の知恵だけ活用しようと釈さんは提案します。「川を渡ったら筏は不要」とはブッダ本人の弁。教えさえも捨てよという教えは、仏教以外にありえません。視界が爽やかに開け、心の荷が軽くなること請け合いのトークです。
武蔵小山のライブカフェ「アゲイン」は、意外な有名音楽家や落語家が出演する文化の発信地。店主の石川茂樹さんが、地元色あふれるエピソードを楽しく披露してくれます。
数年前に蓄音機を入手したことが契機となり、SP音源の復刻に力を注いでいる石川さん。古川ロッパが歌う幻のオリンピック・ソングや、余興のつもりが大ヒットを飛ばしてしまったバートン・クレーンの逸話など、戦前の日本ポピュラー音楽史にまつわる驚愕の事実をお聴き逃しなく。
辛美沙さんは、1日1万人以上の観客を集める美術品見本市「アートフェア東京」の中心人物。これまでも森美術館や横浜トリエンナーレの運営を中枢で支えながら、日本のアート市場を育てる活動に尽力してきました。「アートは敷居が高い」という先入観をなくす方策は? 資金難の日本美術界に熱い視線を注ぐ意外な人たちとは? 私たちに必要なのは、アートが工芸ではなく哲学であると理解すること。裏話が満載の本音トークで、アートの現在がよくわかる30分です。
アダルト界のカリスマ、村西とおる監督の人物像をはっきりと知る人は少ないはず。62歳にして現役を貫く、その希有な人生に迫ります。裏本の帝王と呼ばれ、指名手配された30代。羽田空港での逮捕劇の真相。警官にもらったお褒めの言葉。50億円という巨額の負債や、取り立て屋との闘いにもめげない精神力の秘密とは。前科7犯、獄中にあっても「他人を楽しませて捕まっている」という自負だけは失わなかった村西さん。あらゆるタブーに挑戦し続ける男は健在です。
現代人の生き方にさまざまな提言を行う医師、鎌田實さんにお話をうかがいます。不遇な生い立ちと、養父から受けた影響。読書で世界を広げ、医学を志した若き日の決意。4億円の負債を抱える諏訪中央病院に務めた理由。新刊『空気は読まない』は、一度だけの人生を自分らしく生きようというメッセージに溢れています。
他人の顔色など気にせず、空気を変えよう。末期ガンの料理人や、反骨のチェリストをめぐる逸話も圧巻。優しさが心の底から湧いてくるトークです。
落語界の名案内人として知られる大友浩さんにお話をうかがいます。
部外者にはややわかりくい落語界のしくみを理解する鍵は、前座修行、寄席定席、そして協会の3つだと語り始める大友さん。徒弟制度は、芸を譲り受けるのではなく、修行を通して噺家が生まれ直すプロセス。寄席は噺家が芸を育む道場なので、いつでも驚くほど安価に大御所の高座が聞けること。寄席と独演会の違い、お葬式の流儀など、落語がいっそう楽しくなる知識が嬉しい30分です。
聞き手:菊地史彦
アシスタント:浜菜みやこ
デザイン、商品開発、マーケティングなどを通じて、常に新しい時代のスタンダードを世に送り続けてきた坂井直樹さん。87年の大ヒット作「Be-1」(日産自動車)は、丸みを帯びたカーデザインの先駆けでした。
人と世界の関係を変革するのがライフワーク。目下考案中なのは、盲導犬の代わりになるデジタル杖なのだとか。あらゆるツールが通信デバイスを備え、自動車もひとつの端末となる時代は目前。ユビキタス・コンピューティングや、iPadに関する鋭い洞察も聞き逃せません。
猛烈な読書家であり、ユーモア溢れる著作が人気の岡崎武志さん。文士たちの逸話を踏まえた、貧乏雑学が笑いを誘います。「落とし紙を焙って醤油で食べると美味い」とは稲垣足穂の弁。男娼以外なら何でもしたという金子光晴の貧乏旅行。借りた下宿代を酒と女に散財する石川啄木が歌った「はたらけど……」の矛盾。鶏小屋に住むほどの苦学生だった岡崎さんも、新刊本が買えないので古本屋に通って知の鉱脈と出会いました。持たざることの豊かさは、計り知れないのです。
京都の恵美須神社で宮司を務める中川久公さん。私たちが意外に知らない神事の常識を紐解きながら、日本古来の世界観を鮮やかに描き出します。
8万3千軒以上の神社があり、約2万人の神主さんがいる日本。先祖代々、年中無休でお務めを続けている宮司さんの日常にも興味津々です。仏教と神道は完全に別個のものと思われがちですが、実はそうでもありません。恵美須神社と縁の深い栄西禅師も、元々は神主の一族。京都ならではの逸話が、次々に飛び出します。
ライブ企画などで若手ミュージシャンを応援している内田るんさんが、自らの半生を語る30分。ショックだった両親の離婚と、父と二人で神戸に暮らした11年間の思い出。「るんちゃんのお父さん」だった樹さんが有名になり、今や自分が「有名人の娘」として扱われるようになった不遇。自称フェミニストながら、あくまで家制度を堅持し、数世帯で洗濯機を共有する社会を望むるんさん。父の思想に多大な影響を与えているという噂は真実? その素顔を知る貴重なトークをお楽しみください。
満91歳で亡くなったJ・D・サリンジャーの文学を、柴田元幸さんと読み解く30分。『ライ麦畑でつかまえて』(1951年)は、反抗的な若者という視点だけでは説明しきれない謎に満ちています。主人公ホールデンの妹フィービーと、村上春樹作品に登場する少女との共通点とは? 60年代半ば以降、サリンジャーが完全に沈黙した理由は? 「読後にますます人生がわからなくなるような小説が好き」と語る柴田さん。サリンジャーを追いながら、アメリカ文学の本質をスリリングに論じます。
僧侶として多彩な活動をおこなう寺前浄因さんがゲスト。学問に迷い、就職も断り、悩んだ挙げ句に飛び込んだ禅宗の寺が仏教への入り口でした。苛酷な小僧時代を乗り越え、いまだに続く修行の日々。つのだひろさんがソウルフルに歌う「般若心経」(作曲:ベートーベン)を制作するなど、日常生活でおこなえる「行」を発案して、より手軽な仏教との接し方を提案しています。執着を捨てにくる場所がお寺だと言い切る寺前さん。共に悩んで生きる、等身大のトークが魅力です。
英国関連のエッセーでも知られる林望さんの本業は、純然たる国文学者。小説、歌曲の作詞、能評論なども手がけるマルチな文筆家です。最近は、古事記などのエロチックな側面を解説した『古典文学の秘密』や、現代小説のように楽しく読める『謹訳源氏物語』が話題に。その源氏物語から、光源氏が六条御息所に別れを言う名場面をバリトンの美声で朗読してくれます。千年前の他人事とは思えない恋愛模様に、日本の古典文学の魅力が再発見できることうけあい。
※テキストが異なっておりましたので修正いたしました。大変失礼致しました(2010.07.18)
姜尚中さんの最新作『母〜オモニ』は、実母の生涯を描いた小説仕立てのノンフィクション。在日一世として様々な不運に翻弄されながら、その運命を受け入れていく力強い生き様が心を打ちます。15歳で故郷を離れて東京で結婚。愛息を失いながらも熊本まで戦火を逃れ、突然の終戦で始まったどん底の夫婦生活。姜尚中さん本人の朗読による、オモニの熊本弁が聴きどころです。文字を書けない母が、息子に宛ててカセットテープに吹き込んだメッセージに涙。
谷澤邦彦さんは、空間演出のプロとして活躍した後に絵画を描き始めたアーティスト。この10年、アートによるコミュニケーションを様々な形で実践してきました。企業からの依頼で制作する「ビジョンアート」もそのひとつ。「これぞまさに私の心を表した絵」と依頼者が驚くオーダーメイド絵画を生み出す秘密が聞き逃せません。
正解もなく、優劣もなく、自分で答えを作り出すのがアートの本質。近作「天の点シリーズ」にも、自由で深遠な宇宙観が込められています。
初登場の茂木健一郎さんが、日本社会を分析する怒涛の30分です。婚活ブームの裏にあるのは、旧来の不自由な家族制度。「結婚=幸福」という価値観を押し付ける「うるせえ社会」が、さらなる少子化を促進します。社会に不満を言いながら、決定権はいつもお上に預ける日本人。リスクを負えないので成長できず、再チャレンジの機会も奪われた若者たちの悲哀。茂木さんが超多忙な毎日を乗り切る秘訣も聞きどころ。テレビとは違う、歯に衣を着せない語り口が痛快です。
講談師の神田陽司さんは、タウン情報誌の元副編集長という変り種。芝居に憧れて上京し、編集者時代に二代目神田山陽さんと出会って入門を決めました。その後は、実体験を元にした『阪神大震災』を皮切りに、ユニークな新作講談を量産。各地を放浪して、博学に磨きをかけました。相対性理論から株取引まで、ネタの引き出しは無尽蔵。世間の出来事が講談の基本と考え、有名事件の裁判も熱心に傍聴します。明治維新とグローバリズムを並べて語る時代感覚が陽司さんの真骨頂です。
初めての著書『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』が大ヒットを続けている岩崎夏海さん。ドラッカーの経営学をヒントに、自分自身を乗り越えて成長する少年たちを描いた快作は、岩崎さん自身の甲子園への憧れや、ずっと抱き続けてきた問題意識が原動力となって生まれました。ギリシア悲劇やシェークスピアなどを読み込んで発見した物語の法則。「何が面白いのか」を解明する、真摯な姿勢がユニークな地平を開いています。
著作やテレビでおなじみの名越康文さんが、心と幸福の問題を軽妙に論じる30分。精神科医の立場から、言葉とは裏腹の「心の実態」をわかりやすく解き明かしていきます。「死にたい」は「生きたい」の意。「仕事やめたい」は「仕事に依存している」という証拠。心を病んでいる人がいても、その感情に寄り添ってはいけません。「心の最大の機能は、本当の気持ちを隠すこと」という名越さんの定義にスタジオはため息。心の本質に気づかされる刮目のトークです。
切手のコラージュによる独自の表現で知られるアーティストの伊坂義夫さん。近年の連作では、アンリ・ルソーの『ジュニエ爺さんの馬車』をモチーフに用いています。奥様はバレエの振付師、息子さんもバレエダンサーという芸術一家。十代から作品制作を続けている伊坂さんの飄々としたマイペースぶりが印象的です。なぜコラージュなのか、なぜ切手なのか、なぜアンリ・ルソーなのか。ダダイズムやシュールレアリスムへのユニークな解釈が、作品の謎を解く鍵になります。
小学館のCD付きマガジン『落語 昭和の名人 決定版』の編集長を務める小坂眞吾さんが、落語音源の愉楽を語る30分。『ビーパル』や『サライ』などの人気雑誌を手がけた小坂さんは、今や小学館の落語編集室を代表して様々な事業に乗り出しています。世紀の名演が手軽に聴けるCD付きマガジンと、実力派を揃えた落語会「らくだ亭」は、通と初心者の双方が満足できる内容。肩肘張らない、ゆるくてディープな落語の楽しみ方を指南してくれます。
人はなぜ占いに惹かれるのか。なぜ占いは当たるのか。十代半ばで占星術に魅せられた鏡リュウジさんは、ユングの研究と出会いながら、占いとは何かを問い続けてきました。占いが当たると感じるのは「バーナム効果」という心理学の現象。それでもなお、人々を思い込みから解放し、潜在的な可能性に気づかせてくれる占いの力を鏡さんは信じています。スリリングな論理で解剖される、私たちと占いの関係。占い好きも、関心の無い人も、目からウロコが落ちる30分です。
元々は血管外科が専門の阿保義久さんは、日帰り手術などのサービスで医療界の常識を破るカリスマドクター。病気を見つけてから治療するのではなく、病気を作らないことに注力するアンチエイジングの発想が多くの人に支持されています。心筋梗塞や脳梗塞は予防できる疾患。がん治療の成否は発見時のステージがすべて。食事、運動、睡眠、趣味などに気を配ることで、ほとんどの病気が回避できると断言する阿保さん。予防医療の最先端がわかる30分です。
毎回、各方面で活躍中の素晴らしい方々をゲストにおむかえして人生観や思想、時代への提言などをお聞きしているRadioDaysですが、8月15日放送のこの回は、ちょっと趣向を変えてお送りしました。
何なのかと申しますと、番組のインタビュアーであり案内役の4人が一堂に会して討論会を決行?!ということなのですが…。
メンバーはご存知の平川克美、菊池史彦、大森美知子、伊藤博の四人。
この番組もう200人ぐらいのゲストが来たよね。(平川)
永遠のマイ・ディーバ石川セリさんにお会いしたのが印象深いな。(菊池)
立松和平さんはこのRadioDaysがオフィシャルの語りとしては最後ではなかったですか?(伊藤)
私は山本一力さんと姜尚中さんの声にうっとりさせられました。(大森)
今回は反省会と聞いていましたが、良かったこととか自慢ばかりお話されていたような…。(ディレクター)
…まあ、お盆休みですし、どうぞごゆるりと。
聞き手:伊藤 博
アシスタント:浜菜みやこ
著書『本当にある猫たちの恩返し』で話題の優李阿さんは、人間や動物の想念を透視する特殊な能力の持ち主。飼い主が経験する不思議な出来事を題材に、動物たちの感謝の心を代弁します。初めて野良猫と会話したのは、病弱だった13歳の頃。以来、多の生物の命を軽視するする人間中心主義を憂いてきました。マハトマ・ガンジー曰く「その国の偉大さと道徳観のレベルは、人々の動物の扱い方を見ればわかる」。優李阿さんの言葉に、忘れかけた大きな倫理を思い出します。
聞き手:平川克美
アシスタント:五十川藍子
昭和8年生まれの岡本信治郎さんが、終戦を迎えたのは12歳の夏。約50km離れた疎開先から見た東京大空襲が忘れられず、このたび60年越しで描いた大作『東京大空襲』が来夏の公開を待っています。画家を志したのは18歳。印象派、ソール・スタインバーグ、パウル・クレー、ジョルジュ・スーラらの影響からユニークな線画や不思議な明るさを持つ作風を確立し、911のショックで戦争を描く決意をしました。画業の全貌を自ら振り返る、貴重なトークをお楽しみください。
ウィーン国立音楽大学でミュージカルを学び、現在は落語芸術協会に所属する三味線奏者。松本優子さんの音楽遍歴は極めてユニークです。東京学芸大在学中に国費留学のチャンスをつかみ、ドイツ語で歌と踊りに没頭した2年間。その反動から帰国後は邦楽に傾倒し、素晴らしい師匠と出会って三味線の「弾きこもり」生活に入りました。番組で披露してくれる生演奏は「相撲甚句」。艶やかな三味線と歌声はもちろん、超自然体な生き方が松本優子さんの魅力です。
日本を代表する宗教社会学者の橋爪大三郎さんが、驚くべき明晰さで日本社会の本質を論じる必聴トーク。麦と大河が育てた世界文明と異なり、恵まれた自然のおかげで「努力は必ず報われる」という価値観を育んだ日本人。政治に期待せず、宗教への依存度が低いのが大きな特徴です。日本人が西洋的な合理性に最も接近したのは戦国時代。最も海外で尊敬されたのは明治時代。戦後に共産党と創価学会が躍進した理由とは? 圧倒的な知見と論理に、目からウロコの連続です。
日本の貧困問題に取り組む湯浅誠さんがゲスト。リーマン・ショックから2年、失業者の3分の1にあたる118万人が長期失業者となり、支えきれない家族が悲鳴を上げています。失業者が列をなすハローワークの窓口では、非正規雇用の職員が対応するという笑えない現状。家族を解体して個人が自由に生きられる社会を作ってきた日本人にとって、貧困は自ら招いた必然なのでしょうか。湯浅さんが提唱する「全員参加型社会」に、目指すべき未来のヒントがあります。
70年代前半に牛乳の共同購入運動を始めて以来、唐笠一雄さんは生協の幹部として様々な問題提起を行ってきました。農薬や食品添加物の削減を早くから訴えた生協は、今や年間売上1850億円の大組織に。多重債務者やホームレスへの支援、雇用創出、フェアトレード、反核、環境保全など、社会問題を先頭で騒ぎ立てる「炭坑のカナリヤ」としての役割も重要度を増しています。生協の目的は人と人との助け合い。市民の自発的な行動を促す、唐笠さんの提言が力強く響きます。
2004年より世田谷美術館の館長を務める酒井忠康さんがゲスト。近現代の日本美術の話題を軸に、芸術と文化を壮大なスケールで語る30分です。僧侶や作家に憧れながらも、美術史の研究者となった若き日。ウェットな言葉でしか語れない日本美術の魅力を、ドライな論理で伝える美術評論の難しさは今も変わりません。開かれた世田谷美術館の象徴である館長室はいつもオープン。アポイントメントなしでやってくる突然の来訪者が、美術館に楽しい珍事を巻き起こします。
ベストセラー『女性の品格』でおなじみの坂東眞理子さん。総務省での勤務からブリスベン総領事などの要職を経て、現在は教育者として活躍しています。大卒女性の就職が困難な時代から仕事と子育てを両立し、自分自身が成長する手応えや、人を助けて社会に貢献する喜びを実感してきました。現在、昭和女子大では、子育てが一段落した女性たちの再就労を支援する講座が大人気。その前向きな誠実さに、錆びない生き方のヒントがたっぷりと詰まっています。
「伝わる英語」の習得を提案する原賀真紀子さんに、有効な英語学習のヒントをうかがう30分。有名企業が英語公用語化を推進して英語ブームが再来している日本ですが、本当に今の学び方で話せるようになるのでしょうか? 世界言語としての英語は、とにかく相手に伝わることが大切。完璧にやろうという真面目さや、受験英語の感覚が弊害にもなりかねません。おすすめの学習法は、趣味の分野に関する英文を多読すること。理想の英語学習が、今すぐに始められそうです。
ラテンアメリカ先住民を専門とする歴史学者の清水透さん。征服者の文献による歴史学に限界を感じ、1979年よりメキシコでフィールドワークを始めました。欧米中心史観の私たちに必要なのは、まず彼らとの「遠さ」を自覚すること。4世代に渡ってひとつの家族と交際し、貨幣経済に翻弄されるインディオ社会を今でも見つめています。砂漠の向こうの米国を目指し、行方不明となった村人は5千人。ショッキングな現実もラテンアメリカの歴史そのものなのです。
少年サッカーのコーチとして、延べ40万人の子どもたちを指導してきた池上正さん。古い慣習を一新し、子どもたちが自分で考え、お互いから学び合う環境を作ることに力を注いでいます。大人が定めた「地区大会優勝」などの目標よりも「サッカーがしたい」「今日の試合に勝ちたい」という子どもたちの自発的な意欲を引き出すことが重要。親は子どものサッカーを見て声援を送るより、黙って聞き手に徹すべし。目からウロコの子育て術が満載のトークです。
最近はTwitterの熱心なユーザーでもある作家の高橋源一郎さん。3万人超のフォロワーが広げるつぶやきは、こだまとなって新しい読者を獲得しています。デビューから30年。衝撃の最新作『悪と戦う』の秘話は驚きの連続です。元々は短編のエッセイだったこと。処女作『さようならギャングたち』で書き残したエンディングを盛り込んだこと。実生活を大きく反映している登場人物たち。熱心な読者からの指摘で気づいた他作品との関連。ファン必聴の内容です。
詩人の新井高子さんが、詩を書き始めたのは小学5年生のとき。担任の先生が用意してくれた創作ノートに毎日鉛筆を走らせ、2年間でノート20冊分もの詩を書き溜めました。朗読してくれる当時の詩からは、詩作に没頭する少女の瑞々しい感性と、彼女を励ます教師の温かな眼差しが感じられます。後半は詩集『タマシイ・ダンス』から「アオダイショウ」の朗読でスタート。桐生の原風景を描いた「川の色」も深く清冽な言葉の連続。そのユニークな詩の世界をご堪能ください。
★新井高子が編集人を務めるWeb詩誌『ミて・プレス』
http://www.mi-te-press.net/
京大を卒業し、エンジニアリング関連企業の取締役を務める57歳。ビジネスマンとして世界を駆ける大澤正典さんには、知る人ぞ知る「夜の顔」があるのです。ブルースハープを手に「Jump Sister Bessie」を歌えば、スタジオはどっぷりとミシシッピー沿岸のムード。大学時代より「ええ感じ」で続けてきたというブルース魂は本物です。世界中どこでも、相手との距離を一気に縮めてしまう魔法の音楽。ユニークな生き方を、変わらぬブルースへの愛が支えています。
日本を代表するバレエダンサー、熊川哲也さんの素顔に迫る貴重なトーク。10歳でバレエを始め、自らの意思で渡英したのは15歳のとき。失敗を恐れない強心臓で、数々の大舞台を踏んできた経歴は周知の通りです。ロイヤル・バレエ団を退団後、帰国して27歳でKバレエカンパニーを設立。以来十余年、指導者兼舞台監督として現代バレエの新境地を開拓してきました。あらゆる質問に、直球の回答を返してくれる熊川さん。ピュアで気さくな人柄が何よりも印象的です。
小学生時代にラジオで聞いた江戸落語と、神戸の新開地劇場で見た上方落語が原体験だと語る笑福亭松喬さん。漫才が花形の関西で、あえて落語を志したのには訳がありました。寄席を「聞きにいく」のが江戸ならば、寄席を「見にいく」のが上方文化。定評の高いマクラは、せっかちな大阪の客を帰さないよう身につけた自衛策なのだとか。仁鶴さん、鶴瓶さんら兄弟弟子の秘話もたっぷり。テンポのいい話しぶりが、高座さながらの楽しさに溢れたトークです。
MAC専門誌の創刊者としても知られる高木利弘さんは、2003年より電子書籍ビジネスの調査を続けてきたマルチメディアのご意見番。電子書籍元年と呼ばれる2010年以降、世の中がどう変化していくのかを詳細に予測します。アマゾンに遅れをとりつつ、ようやく大企業が市場に乗り出してくることで日本の出版流通も激変は不可避。パブリッシャーはいつの時代も革命を後押しすべきだと語る高木さんですが、気になる書店の運命は? 聞き逃せない内容が満載です。
「持ち物の8割を捨てれば人生が変わる」と熱く訴えるのは、ガラクタ整理師の竹内清文さん。2年間使っていないもの、ずっと未整理のものが、人生を停滞させる存在であると警告します。竹内さんが初めて所持品の95%を捨てた体験談はインスピレーションの宝庫。自分らしい生き方を取り戻すのがガラクタ整理の本質であり、「着るかもしない服」や「読むかもしない本」は、押し付けられた価値観の権化なのです。スペースを空ければ、変化が訪れる。刮目の30分です。
宗教学者の山折哲雄さんが提案する一日の過ごし方は、まさに人生の縮小版です。万病を予防するという早朝座禅は、雑念や妄想もOKなのが山折流のいいところ。不本意な仕事は、ゴルゴタの丘を登るイエスの気持ちで。ほろ酔いで床に就くのは涅槃の予行演習。明日の生命力は、死のような眠りからこそ生まれるのです。何気ない言葉には、法話の重みがずっしり。ブッダが息子に「悪魔」と名付けた理由など、豊富な話題からスケールの大きな宗教論が展開されます。
五街道雲助さんを迎え、初席気分でお届けする30分。話題はやはり、落語家特有のお正月の行事から。酒豪で知られた金原亭馬生一門の元日は、コップ酒で乾杯するのがしきたり。その後も挨拶回りで酒を飲み、夕方に上がる初席では珍事が続出します。生粋の江戸っ子である雲助さんを、初めて寄席に連れて行ったのはお母様。話し上手になろうと明大の落研に入り、寄席で惚れ込んだのが馬生師匠でした。意を決して門を叩いた、その結果は? 粋な話のオンパレードです。
女優歴55年。吉行和子さんのデビューは偶然の産物でした。裏方として入団した劇団民藝で、風邪をひいた女優に代わって『アンネの日記』の主役に抜擢。名声を得た後も難しい役柄を次々と演じ、舞台や映画に欠かせない存在となりました。番組では、兄の吉行淳之介さんや、103歳になった母の吉行あぐりさんとの家族関係も聴きどころ。「私自身でいるよりも、フィクションの世界で生きている時がのびのびする」。そんな発言に、本物の役者魂を感じる30分です。
年に一度、アマチュア落語家として高座に上がる樋口強さん。客席にいるのは、がん患者と家族の皆さんです。
樋口さん自身が肺小細胞がんを患ったのは、働き盛りの43歳のこと。3年生存率5%という現実に打ちのめされながらも過酷な治療で奇跡的に回復し、お世話になった人を呼んで落語会を開いたのが「いのちの落語」のスタートでした。
「辛いときこそ、自分が持っている力を思い出して」。理屈ではなく、笑いにのせて伝えられるメッセージが心を揺さぶります。
横尾忠則さんのアトリエを訪ね、お話をうかがう濃密な30分。その深遠な芸術世界を、作家自身の言葉で解き明かしていただきます。ミステリアスな表現の根底にあるのは、見えるものと見えないものを等価に扱う視点。未完の状態で生まれ、完成に向かって歩みながらも未完のまま死んでいく人間の豊かさを、横尾さんは熱く語りかけます。「当初の目的地ではなくとも、風に流されて辿り着いた港こそが真の目的地」。インスピレーション豊かな言葉の数々に圧倒される喜びを。
大学駅伝やマラソンのランナーとして活躍し、現在はプロからアマまで幅広くランニングとウォーキングを指導する金哲彦さん。42歳で大腸がんを経験したのを契機に、走る喜びを人々に伝えることが自分の天命と悟りました。頭の働きが良くなり、感受性が鋭くなるランニングは、心身を健康に保つ格好の習慣。最近は婚活ならぬラン活も密かなブームなのだとか。箱根駅伝5区の思い出や、リクルート陸上部を創部したいきさつも聞きどころ。走ることを哲学する30分です。
聞き手:菊地史彦
アシスタント:浜菜みやこ
伝説を作り続ける演劇界のカリスマ、唐十郎さんを迎えたエキサイティングなトーク。独創的な取材や演出の手法から、多義性に富む演劇世界の秘密を自ら開帳してくれます。舞台の裏話、テント小屋のルーツなど、ファン必聴の内容が目白押し。大風で倒壊しそうなテントを客が支えつつ強行したボタ山興行など、驚くべき実話のオンパレードです。若かりし実母を登場させた近作『風のほこり』や、4月の唐組公演『ひやりん児』に関する秘話もお聴き逃しなく。
住居や家電のデザインを手がけてきた坂岡洋子さんが提唱する「老前整理」とは、老後20年を前向きに考えるためのアクションです。在宅介護の現場で目にするのは、バリアフリーを阻害し、必要なときにも見つけだせないモノの山。ストレス解消のためにモノを買い、モノから新しいストレスを受け取る悪循環が老後を住みにくくします。坂岡さんが指南する整理の秘訣には、目からウロコの連続。自らが決断することで真の目的を見いだし、人生を豊かにするヒントが満載の30分です。
多彩な著作を重ねる関川夏央さんの、本質的なテーマはひとつ。すべては「日本の近代とは何か」という大きな問いに向かう試みなのです。その創作の原動力となるのは、戦後の正論に対する違和感。安易に過去を裁かない、歴史に対する謙虚さこそが関川さんの身上です。カフェを仕事場にする理由、早熟の作家に対する憐憫、書評家や文学賞選考委員に求められる読書法など興味深い内容が続々。快活な批判精神とユーモアに溢れた作家の魅力を存分にお楽しみください。
謎の死から35年以上が経った、異能の映画監督ピエル・パオロ・パゾリーニ。彼が遺した2400ページに及ぶ詩集を、四方田犬彦さんは十年以上の歳月を経て訳出しました。歴史のただ中に生きる不幸と幸福をラジカルに描いたパゾリーニは、旅と論争に生き、ファシストと新左翼の双方から憎まれても自らを恥じることがなかった八面六臂の表現者。投獄前日に書かれた「母への願い」の一節を、四方田さんが原文のイタリア語と自身の和訳で情感たっぷりに朗読してくれます。
経営者としてアートマネージメントとウェブデザインを手がける加賀谷早苗さんのライフワークは「BUTOH」(舞踏)。十代で出会い、その身体表現の奥深さに魅了されました。華やかさはなくとも、シンプルな動きが俳句にも似た雄弁さを持つという舞踏の表現。オペラや文楽などとのコラボレーションも活発です。スタジオでは、初対面の相手の心をつかむ表情の習得を楽しく指南。日本オリジナルの舞台芸術は、実生活に活かせるヒントに溢れています。
一切の無駄がないはずの生態系で、なぜ人間だけが無駄を生み出すのか。熊野英介さんは、非鉄金属の問屋から森の再生まで、持続可能な社会を目指す事業を続けてきました。個々人の表層的な欲望によって断片化した社会を、どのようにして再びひとつにまとめるのか。誰にでもある漠然とした利他心を、どう確実なものへとドライブするのか。縮みゆく経済の中で、新しい価値観をビジネス化する秘策とは。「人間はコストではなく資本」と語る社会起業家の哲学が心に響きます。
大震災後、日経ビジネスオンラインで、鋭いコラムを書いた小田嶋隆さん。
このような大きな悲劇を前にして、言葉は何を語れるのか。
どのような言葉が人々に届き、どのような言葉が信用をとりつけることができるのか。
視聴者の共感をよぶ枝野官房長官のスピーチと、空疎だと批判を浴びた菅首相のスピーチの違いはどのあたりにあったのか。推進派と反対派は何故かくも乖離してしまったのか。あるいは、専門家の発言のあやうさはどこにあるのか。
原子力の分野に関して、十年ほど前より勉強してきたという小田嶋隆が、危機における政治家、専門家の言語について独自の視点から解説している。聴くほどに小田嶋隆というひとの言語感覚の鋭さに感嘆することになるだろう。
未だ解決策の見えない原発をめぐる言説について、もやもやしたものを感じざるを得ない今、ひとりでも多くの人々にお聞き願いたい。
(文責:平川克美)
学生時代に企業して、独特の社風のIT企業を作ってきた若き経営者、高柳寛樹さんは、社会学的な見地をいつも考えながら会社を運営しているという。
『就活の時代』に、積極的中退者採用を宣言したのもそのあらわれのひ とつだろう。
立教大学で教壇に立ち、いつも若い学生に接しており学生目線と経営者 目線の両方を備えているからこその戦略 だろう。
高柳さんの物静かな語り口の背後には、日本のベンチャー企業とその文 化を作り出し、支えてゆこうという強い 意志が感じられる。
就 活の現在、学生のメンタリティ、メディア論など、現場に近いところから情報を発信していただいた。
ラジオデイズのコンテンツ「ラジオで逢いましょう プラス1」では、この度の震災で、新しい情報インフラとして大きな注目を集めたツイッターについて、その可能性、その功罪を、お互いの体験を通して意見を交換している。お互いにツイッターユーザであり、経営者でもあるふたりによる注目のツイッター社会論をお楽しみ下さい。
「ミソジニー」という言葉をご存じでしょうか? 空気のように蔓延しているミソジニーつまり「女ぎらい」は近代社会の隠された仕組みなのです。今回のゲストは、ジェンダー研究の第一人者として切れ味鋭い社会・文化批評で定評ある上野千鶴子さん。「男が男であることに胸をなでおろし、女は女であることを呪う」ミソジニーを分析ツールに使えば、あーら、男と女の関係にとどまらず、様々な社会現象や事件の真相が目からウロコが落ちるように見えてきます。
ゲストのモーリーは、二十五年ほど前に平川のオフィスを訪れている。まだ、二十代前半のモーリーは白皙の美青年、天才青年現るといった風情を醸し出していたのを平川は記憶している。そのモーリーが今は、インターネットを駆使して、音楽、社会問題、政治・経済などの情報を発信する人気者になっている。
本収録は、原発事故が危機的な状態に陥り、予断を許さない状況の中で行われたものである。広島での原爆投下後に、アメリカが設置した原爆傷害調査委員会(ABCC)で働く医師を父に持つだけに、原子力および原発に関する関心は高く、この折テレビに出ている原子力関係の学者とはこれまでにもディスカッションをしてきたという。
そのモーリーが、独自の情報源と感覚から語る、「原発の現在」は定型的な原発論議に聞き飽きた視聴者必聴の一本であろう。
劇団☆新感線といえば、チケット入手が困難なほどの人気劇団。
ヘビメタのような照明、派手な衣装で歌って踊って、さらに激しい殺陣を全編繰り広げる。
人気作品『髑髏城の7人』の主役を切望し、主演をはった市川染五郎にして
「初めて観た時、歌舞伎よりも“かぶいている”劇団だと、正直悔しかった」
と言わしめたステージを展開する。
その劇団も、大阪で旗揚げした小劇場時代から数えて35年を経過。
ところが、新しい劇団員はもう10年近く入っていないという。
「一番若い劇団員は35歳なんです。ぼくが40代半ば。
演出のいのうえはじめ、初期のメンバーは50をとっくに越えています」。
意外な平均年齢。で、あの激しさを持続するのはなかなかの苦労と思える。
「そうです。とにかく、怪我をしない。それがいちばん大事」
と神妙に答える粟根氏は、劇団☆新感線のメガネの人であり、
知的でありながらどこか抜けたキャラクターで多くのファンを持つ怪優。
他劇団の客演も多い。
その経歴もまたユニークだ。
大阪大学工学部で発酵化学の博士を目指しながら、いつのまにかの俳優人生。
しかし、持ち前の分析脳と生真面目さは変らないのだろう。
劇団の内情、100パーセント外食主義の理由、
オタクな趣味の数々、
キャスター椅子でスーツと移動するマイルーム状況から、
はては通帳の残高に数字が並ぶようになった日のことなど、
あらいざらい告白してくれました。
粟根まこと、じっくり解剖の30分。
新感線ファンの方、また、「いったい役者ってどんな生活してるの?」と常々気になってた方、
ぜひお聴きください!!
森さんが編集長を勤める環境とCSRと志のビジネス情報誌http://www.alterna.co.jp/。誌面で伝えたい「オルタナ」のミッションは、新しいビジネスの価値観で動く企業を積極的に報道し、こうした企業と連携してコミュニティをつくり、相互交流を図ることだそうです。
確かに、私たちの社会にもそうした新しいビジネスの価値観が少しずつ育ってきたように思います。“オルタナティブ”(alternative)とは「もう一つの」「伝統的ではない」という意味。私たちが、「もうひとつの、つまり別のモノサシ」を探すことで、世界は変わるかもしれないと、森さんは言います。では、なぜ世界は変わる必要があるのか。
「パタゴニアの創業者、イヴォン・シュイナードは『死んだ地球からビジネスは生まれない』と言いました。ノーベル経済学賞を受賞したミルトン・フリードマンが述べた“企業の社会的責任である利潤の増大”にとっても、社会的貢献という視点からの経営者・企業の評価が重要な要素となっていると思う。つまり、今やCSRは競争力なのです」と、森さんは言いました。そんな思いから、大手メディアを退社して始められた活動の経緯も紹介。
そうして、話は今回の震災・原発の話に進みます。4月のはじめに東北へ支援物資を届けながら赴かれた森さん。「本来ならば、それぞれの町の色があるはずなのに、どこも同じ色、つまり土砂の色だった」という言葉が印象的でした。さらに続いた現地の報告とともに、これからの東北、日本、原発のこれからについてのお話、ぜひお聴きください。
パーソナリティ平川克美が満を持してお迎えした、武術家の甲野善紀さん。
震災後、甲野さんが何をみつめ、感じてこられたかをお聴きしました。
その前に、何が甲野さんを探求の道にいざなったのか、そのあたりのご事情から。
そして話は、震災と原発へ。
何より今回、甲野さんがショックを受けたのは、事故後に誰かが命がけで現場に向かうことが許されなかった現実。
「人間にとって最も大事な“志”をまっとうすることができないほど人の命はもはや国家に完全に管理されていると感じた」というくだり、静かな語り口の甲野さんから、激情が溢れました。
さらに、プラスワンでは、こんな衝撃的な話が。
「今、時代は大きな転換点にさしかっている。
それも、明治維新以上の変化と出来事がこれから次々と起こるだろう」。
研ぎ澄まされた武術家の感覚でしょうか。
そんな時代に、私たちはどんな風に生きればよいのでしょう。
以前から「人が生きるということ、生活をするということに、もっと重きを置く生き方を」と伝えてこられた甲野さん。
たしかに、人間はいつしか脳の快楽を第一とし、からだをどこかに置き去りにしてきたのかもしれません。
また、「私にとって武術の訓練は、楽しい以外のなにものでもなく、辛さ苦しさの克服ではない」と。
そんな甲野さんに導かれると、多くのスポーツ選手、武術家、音楽家が、知らなかった自分のからだの機能や不思議を知る楽しさに驚かれるそうです。
“からだ”、その声を聞き、手がかりにして、生きる意味を探求してこられた甲野さんの確かな感覚。
そこから溢れるお話の数々をぜひお聴きください。
5月15日のゲストは、詩人の小池昌代さん。
3.11以後、日々の生活に緊張感が漂います。
時にはボーっとする時間、状況にただ呆然とする時間があってもよいのかもしれません。
「不安から生まれる詩もあります。その不安を違うかたちで握り返す。詩の言葉によって。そうすると、感情が心に定着する気がします」と小池さん。
重く大きな現実が起こり、私たちの内にも大きな変化が渦巻きのように起こっています。何をするにも、以前と違う感覚を覚える。
文学作品も詩も、以前読んでいたのとは違う光が当っている気がします。
それでも、あの日を境にしてもなお変わらないものがあるはず、それを確認したい、そんな思いから、朗読会のような放送が実現しました。
最初に、小池さんがインド・コルカタで出会った家族と過ごした、ある停電の夜に生まれた詩。
「そういえば、昭和の頃にはよく停電があった。家族でろうそくを囲んだよ」と会話がはずみます。
続いて、中原中也の詩、平川克美が伊藤静雄の詩を朗読。
確かに違う時間が流れました。
ぜひお聴ください。
その金髪アイコンだけでもタイムライン独占インパクトの @tsuda こと、メディアジャーナリストの津田大介さん。今や17万人のフォロワーを抱える。
震災以降、情報発信の“ハブ”として、ますます精力的なツイートを展開。
さて、津田さんが自らメディアを作る原点となったのは、ラジオ。受験勉強の傍ら聴いた深夜番組が好きだった。
ラジオはテクストに表れない発信者のパーソナリティが感じられ、親しみを覚えたと言う。
2003年、ネットラジオを始めた。
チャットでリスナーの反応を見ながら放送し、双方向発信の楽しさを覚えた。
そしてツイッター。実は、このふたつのメディアには共通の魅力があると言う。
リアルタイムにその場その場でつぶやくからこそ、迂闊な発言もあるけど、それだけ人間性が出る。
「ぼくは、いくつものアカウントを持とうとは思わない。
被災地の情報を拾うのも、政策に関してコメントするのも、下ネタ話すのも、まるごとで “自分”だから」。
クールでホット、@tsudaの魅力が垣間見える30分。お聴きください。
プラスワンでは、赴いた被災地のこと、
「原発は本当に経済効率がいいのか」論議、マスメディア報道とこれからのウェブメディアについて、平川店主と濃密に語り合いました。
ぜひ、こちらも!
『ロミオとジュリエット』という演目を携え、全国ツアー中の熊川さん。
主役、演出、振り付け、芸術監督、そしてバレエ団のプレイングマネージャーと、五役をこなす多忙な毎日。
そのスケジュールの合間を縫って、二度めの出演をお願いしました。
熊川さん、驚くほど柔らかい人。からだだけじゃない。
少年のようなまなざしで話に耳を傾け、ユーモアを加えながら真摯に言葉を紡ぐ。
誰もが感じるクールな印象、圧倒的に輝くオーラの向こうに、繊細で温かい彼の本質が見えたがします。
さて、上演中の『ロミオとジュリエット』は、かのシェイクスピアの戯曲にプロコフィエフが作曲を手がけた、まさにそびえ立つ芸術作品。
ふたりの偉大さに寄り添いながら演じる幸せ、ロマンを感じると言う。
「端役でしたが、ロイヤルバレエの初舞台がこの作品。
あれからずっとこの作品に出演してきた。ぼくの成長が刻まれた作品です」。
その作品の振り付け・演出も手がけるようになった今、熊川さんは39歳というバレエダンサーとしての肉体的なポイントを迎えている。
そんな彼が抱く“バレエの切なさ”とは何か。
「もっと熱くなりたい」とつぶやく心の奥に灯る火とは……。
プラスワンでは、バレエ団を率いる経営者としての熊川哲也にも迫ります。
また、震災を経て抱いた覚悟とは何なのでしょう。
ぜひお聴きください。
アバクロのTシャツとジーンズでスタジオに現れた上杉 隆( @uesugitakashi )さん。今、最も注目を集めるジャーナリストのひとりだ。
震災・原発事故後の避難区域の設定に異議を申し立て、3月12日に「メルトダウン」と口にしたため、地上波テレビから姿を消した。
しかし、その後ネットの世界に舞台を変え、発信するその影響力は増す一方。閉じた日本的「記者クラブ」に対し、報道の公開性・多様性を追求するために「自由報道協会」という「場」も設定した。
その軽快かつ柔軟な取材力、行動力と視点はどこから生まれるのか。
番組では、いったいこの「上杉 隆」はどんなふうに生まれたのかを探ります。ゴルフ好きが嵩じてゴルフ場付きホテルのバーテンダーに。そこで多くの政治家と知り合い、H代議士の秘書となった頃のエピソード。さらに「ニューヨータイムズ」で触れた世界標準のジャーナリズム・マインドなど、“上杉隆のyouthful days”を公開!
プラスワンでは、今東北で、福島で、そして日本で何が起きているのか、現状と病根、そして、展望を津田大介氏と分析し、語り合います。パニックを回避するにはどんな情報開示と報道が必要なのかという視点から、ツイッターなどネットの情報の意味が浮かび上がります。一言で言えば、それは「情報の多様性」。「自分が流した情報の間違いはすぐに訂正できるし、批判は受けても、正確な情報も教えられるから、勉強になる。そこが大手メディアで発言していた頃との違い」と上杉さん。また、先頃公表された海産物の放射能汚染値にも触れます。軽妙なトークだからこそ伝わってくる「現在の危機」、そして「本当のメディアの役割」。ぜひお聴きください!
上杉 隆 公式サイト http://uesugitakashi.com/
自由報道協会 公式サイト http://fpaj.jp/
スタジオに現れた遠藤さんはメイクなしの素顔だった。おぉー。でも、昨年還暦を迎えたとは思えない。
パーソナリティのモーリー氏は遠藤さんと久々の再会。実は、遠藤さんとモーリー氏、1990年頃、一緒にロサンゼルスのライブツアーに出かけた仲です。
まずは、スターリン当時の事件なみの驚愕ライブの思い出をモーリー氏が熱く語ります。そのあと、ふたりで訪れたホピ族の村での出来事。それが、ふたりの音楽を大きく転換させました。訪れたホピ族の居住区は、ヒロシマの原爆を作ったウラン採掘地でした。そこで聴いた預言について、遠藤さんが静かに語ります。
遠藤さんは福島県・二本松出身。今、プロジェクトFUKUSHIMAというプロジェクトを立ち上げ、8月15日の終戦記念日に野外ライブをしようと準備を進めています。単なるライブエイドではなく、じぶんたちのこととして原発のことを捉え続け、今やチェルノブイリと同じように語られることになってしまったネガティブなFUKUSHIMAをポジティブなイメージに変えるような長い取り組みにしていきたい。だから、リスクも問題の解決も、プロセス自体もオープンにしていく、と遠藤さん。「8.15にイベントをするのは、まぶしいほどの戦後の豊かな社会の構築の陰に、原発の事故やそれを受け入れざるをえない日本の暗部とも言える社会構造がある。でも、もうそれもメルトダウン。このメルトダウンはひとりひとりの中で起こっている。これはそれぞれの内戦だと思います」。遠藤さんのスタジオでの弾き語りもお聴きいただけます。
プラスワンでは、原発と福島の存在をさらにつきつめて話は続きます。脱原発、反原発といった単純な言葉では語れない福島や原発立地の事情について、モーリー氏のグローバルな視点からの説明…。
関連情報
〓こちらも是非、お立ち寄りくださいDOMMUNE FUKUSHIMA〓
社会的な主題からインスパイアされた作品を発表し続ける山口さん。
今回の原発事故以前から、原爆、原子力やプルトニウム、劣化ウラン弾に疑問を持ち、モチーフに取り入れてきました。最近は、関西の田園地帯にアトリエを構え、東京との往復生活を営まれています。緑に囲まれた生活の中で始まったのが、音楽用カセットケースに植物をセットした「カセットプラント」。発想のもとは『ジェラシックパーク』の冒頭、恐竜の首にとまった蚊。
また、山口さんは現在、以前番組に登場くださった画家の岡本信治郎さんや伊坂義夫さんとともに、《地球★爆》共作絵画プロジェクト(アースアタック)という巨大な共同作品を制作中。ひとりで自己表現するのが基本の画家が共同作業をするのは前代未聞、至難の業。それを乗り越えるために、とことん話し合った制作秘話もお話しくださいます。
プラスワンでは、3.11以降、山口さんがしてきたこと・考えたことをお聞きしました。あの日以来、欠かさずノートにネットやラジオから流れる情報を書き連ねてこられました。自分のからだを使うことで情報がからだに入り、隠れていたものが見えてきた、と山口さん。今まで獏とした不安によって描いてきた作品が預言に変わってしまったことで、芸術家はガスを感知する「カナリア」の役割を負っていると強く感じています。岐路にある今、芸術家の役割・文化の使命について、また構築すべき思想について、平川店主とともに語ります。
パーソナリティ 小田嶋隆
アシスタント 浜菜みやこ
森本あんりさんと小田嶋氏は、小中高の幼なじみ、しかも親しい友人でした。パーソナリティとしての最初のゲストを打診した時、小田嶋さんからはすぐに森本さんの名前が挙がりました。「逢いたい男がいるんです」と、それもうれしそうに。
そうして、35年の時を超えての再会。この間、小田嶋さんにとって森本さんは「問い続ける男」でした。
中学の時、森本さんが小田嶋さんに投げた問い、それは
「ねぇ、小田嶋、世界に果てはあるのかなぁ?」。
「!?……あるんじゃないの」と小田嶋氏。
「それじゃあ、果ての向こうはどうなってるの?」
「……」。
小田嶋氏と森本さん。かたやコラムニスト、かたやキリスト教者。此岸と彼岸に立つ場所は隔たったようで、しかし、それぞれの人生に問いが生まれるたび、流れる川越しにお互い問いかけを続けてこられたのかもしれません。「あいつなら、どう考えるだろう」と。
さあ、ふたりだけの同窓会、そのテーマは、アルコール依存症、信仰と宗教の違い、震災による多くの人々の死とサバイバーズ・ギルト、今、宗教者のすべきこと…。
まるで人間の真を垣間見るために、井戸の底に向かうように、多様な哲学的な深い語らいとなりました。
プラスワンでは、森本さんがキリスト教者になった経緯、クリスチャンミュージックに表れるような、アメリカの特異なキリスト教の変化とありかたについて、小田嶋さんの鋭いカルチャーへの視点と森本さんの専門知識からくる考察が絶妙にかみあい、知的な文化談義となりました。哲学同窓会、お耳でぜひご同席ください。
パーソナリティ モーリー・ロバートソン
アシスタント 浜菜みやこ
80年代以降、アメリカの音楽シーンのみならず、社会に大きな影響を与えたマイケル・ジャクソンは、1992年に「デンジャラス・ツアー」という世界ツアーをスタートした。その唯一人の女性バックダンサーが日本人だったことをご存知だろうか。
「ダンスで世界中を回る」という夢を叶えたユーコさんの人生のスタートは、ダンス修業に単身向かったNY。そこで、彼女は日本人、東洋人といったカテゴリーから脱出し、初めて自分自身に出会う。
そして、オーディションで勝ち取った、ただひとりの枠。
「どうして選ばれたのか、もう永遠の謎になってしまったけど、あの時、なぜか自信があったんです。不思議な自信が」と語るユーコさん。
当時のアメリカのショー・ビジネスにおいて、東洋人の枠は驚くほど狭かったはず。そのハードルを超えるほど、彼女の解放された喜びや目覚めのほうが格段に輝き、勝っていたのだろう。
そして、今も忘れない、会うたびに感じたマイケルのダイレクトなバイブレーションについても。
後半は、プロとして怪我を克服・予防し、チューニングするために積み上げてきたメソッド「アウェークニング」を紹介。
同日プラスワンとして収録した部分では、モーリー氏が、80年代のアメリカの社会状況を説明しながら、ブレイクダンス、ブラック・ミュージックなど、ブラック・カルチャーがどう花開いていったのかを説明。
ユーコさんも、「身の危険を感じるほど、街には緊張感と対立が渦巻いていた」と言う。火花の散るような黒人同士、また白人との対立が、逆に生きるポテンシャルにつながり、すばらしいダンスが生まれたのでは、とモーリー氏。
それを受けて、ユーコさんが日本で抱いていたコンプレックスを多様な分かが交わるアメリカで「自分らしさ」としてアクセプトし、変容させたプロセスを紹介。
ダンスは言葉以前の時代、古代より途絶えたことのない人間には欠かせない営み。「やっぱり魂が喜ぶことをしなくちゃね」と、話はダイナミックにハイテンションに広がり続けました。
原発や核といったシリアスなテーマでドキュメンタリー映画を撮る鎌仲さん。しかし、そのテイストはどこかユーモラス。お目にかかったご本人も、実におおらかでチャーミングな女性でした。
そのスタートを聞いてみると、「世界のいろんな街や村で、人々はどんなものを食べ、どんな暮らしをしているのかを知りたい」と入った大学の探検部。
そこからどこでどうして映画の世界につながったのか、当時の彼氏やオヤジ社会の映画界、カナダ留学、奨学金が尽きて出稼ぎに出たNY、そこで出会った「メディア・アクティビスト」集団等々、不思議な出会いに彩られた鎌仲さんの辿られた今まで。ユーモラスでストレートな語り口がさらにおもしろさを上乗せして、必聴です!
さて、日本では聞き慣れない「メディア・アクティビスト」。この言葉に津田さんが反応。一言で言えば「メディアでメディアを批判する人」ですが、そもそもアメリカでは、ケーブルテレビなどの環境を通してすべての市民が自分のメディアを持つことができるそうです。
また、作品制作でメディア・リテラシーを学んだり、“権力を監視する”メディアの役割を知ったことなど、プロの鎌仲さんがアマチュアの集団に学んだことは大きかったとのこと。
誰のために作品を作るかという視点ももらって、いよいよイラクに出かけたことが原発や核問題をテーマに作品を撮り続けるきっかとなりました。未知の人々をそのままに、透んだまなざしで映し撮る鎌仲さんの映画。
開かれる上映会にもできる限り全国津々浦々出かけて行ってお話をされる鎌仲さんの思いを、たっぷりお聴きください。
大阪の南のはずれ、熊取町にある京都大学原子炉実験所には、「熊取六人組」といわれる反原発の立場から警告を発信し続けている学者たちがいる。所謂原発推進の国策を推進する政官財から無視され、あるいは抑圧されながらも原発の危険性、不合理性を警告し続けてきた学者たちである。
この度の震災・津波とそれに続く福島原子力発電所の事故は、まさにかれらが警告していた危険性が単なる空想や杞憂ではなく、いまそこにある危険であったことを証明したかたちになった。原発事故以降、小出裕章さんは一躍脚光を浴びたのだが、小出さんご自身はこんな形で脚光を浴びたくはないと思っているようである。その誠実な人柄のひとことひとことから「人間に何のメリットももたらさない原発からは、どんなデメリットも受けてはならない」という信念を四十年の長きにわたって貫いてきた硬骨の学者魂がうかがえるインタビュー。
そのハイライト部分を聞きながら、スタジオで平川克美が解説するラジ街特別編。
インタビュー全編は今回特別に無料にてダウンロードいただけるよういたしました。
http://www.radiodays.jp/ よりどうぞ。
※入会金・年会費はご不要ですが、ラジオデイズへご入会頂く必要があります。
ゲスト 堀本 裕樹( @horimotoyuki )
パーソナリティ 小田嶋 隆( @tako_ashi )
アシスタント 浜菜みやこ( @hamamii )
俳人とは俳句を作る人。ある時、自分が感じた世界を17文字に凝縮して表現する人のことです。堀本さんは、大学時代から俳句を始め、まだお若いですが、俳句結社の編集長もされてこられました。
さて、俳句の道のオーソドックスは、まずは結社に属し、句会で披露するところから始まるそう。でも、堀本さん曰く「俳句は作ることだけでなく、選ぶ時にも自分のまなざしを認識し、美意識を磨いていく」とのこと。だから、一緒に作る、一緒に選ぶのが大切。職業や年齢を離れ、同じ空気を吸い、座を組む仲間で学んでいくおもしろさが俳句の世界にはあるそうです。
また、「『歳時記』は読み物としてもおもしろい。もしかしたら日本人は、季語とセットに季節を感じるようになっているのでは」と小田嶋氏の視点。「句を詠もうとすると、見えている自然、小さなモノ、コト、日常の風景、世界を構築しているひとつひとつに対する認識が変わってくる」と堀本さん。どの視点からどの角度の光をあて、細部を描き、また大きな視点で眺めるか。うーん、深いです。でも、スタートは小学生の頃の標語でいい。俳句を日々詠んでいれば、新しいじぶんの言葉の世界を育てられるかも、と、堀本さんの穏やかなお話を聴いて、少しワクワク思えました。
同日プラス1(http://www.radiodays.jp/item/show/200783)として収録した部分では、堀本さんが俳句の道に入られたきっかけの人、中上健次さんのエピソードからスタートし、ツイッターで募集した句のスタジオでの選評へ。兼題は「夏の空」。よい句が次々投稿され、スタジオも盛り上がりました。
実は、スタジオ内よりもネットの句のほうがレベルが高かったよう。「ラジ街句会」に集まったのは以下の通りでした。
スタジオ内の句
夏の空 見上げる我は 上の空
私どう? 女心と 夏の空
紀の川の 銀の水音 夏の空
さて、どれが誰の句でしょう?
投稿された句
自転車の 母帰り来る 夏の空
太陽の 光転がす 夏の空
外回り 恨みたくなる 夏の空
恋をして 泣き泣き 夏の空みたことか
朝顔の 青さ映せし 夏の空
選評では、眼目、季重なり、字余り、文語、川柳との違い、写生、解釈のずれやぶれのおもしろさ、吟行、挨拶句の粋、そして辞世の句にいたるまで、俳句のさまざまをご紹介いただきました。
ご興味を持たれたらぜひ、みなさまもリアルな句会にご参加ください。
きっと堀本さんがにこやかに迎えてくださいます。
「ラジオの街で逢いましょう プラス1」はUst配信も行いました。その時の一部は、こちらよりご覧いただけます。
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ゲスト 澤田哲生
パーソナリティ モーリー・ロバートソン( @gjmorley )
アシスタント 浜菜みやこ( @hamamii )
3.11後、「ラジ街」では多くの方々と原発について語ってきました。
7月は、核をテーマにドキュメンタリーを撮る映画監督の鎌仲ひとみさん、40年間原発に反対しながら研究をされてこられた小出裕章先生にもお話を伺いました。
そして今回は、“推進派”と呼ばれる論をはる澤田哲生先生にお話を伺います。
福島原発の現状、これから考えられるリスク、再稼働の可能性、そして安全上の余裕の度合いを測るストレステストについて、わかりやすく解説くださいました。
澤田先生によれば、40年前に設計された福島原発1号機と現在設計可能な原発は、たとえるとトヨタの初期の車とレクサスほどの違いがあり、安全性・コストの面でかなりインテグレートされているとのこと。さらに、20年後の構想として免震構造の軽水炉の計画があります。
ストレステストは、総電減喪失や冷却機能低下などの具体的な結果状況を想定し、それから臨界までの時間把握などで安全上の余裕を測るもののようです。
こうした原発の新しい動きと再稼働に対し、メガソーラーや自然エネルギーの利用の現実性について、休耕田利用計画やモンゴルゴビ砂漠の計画、夜間電力のリスクや送電ロス、バックアップ電源の必要など、現実化への課題について具体的に話が進みました。
「ラジオの街で逢いましょう プラス1」はUst配信も行いました。その時の一部は、こちらよりご覧いただけます。Video streaming by Ustream
ゲスト 小島慶子( @account_kkojima )
パーソナリティ 津田大介( @tsuda )
アシスタント 浜菜みやこ( @hamamii )
15年務めたTBS女子アナを辞め、フリーとなった小島さん。長身、スレンダー、色白で大きな瞳。とにかくすべてが揃ったおきれいな方でした。スタジオ内でのトークはアップテンポでリズミカル。まるで子犬が遊ぶような鮮やかな展開に、アンカーな言葉が散りばめられます。「さすが!」と津田さん、思わず「話を引き出すテクニック」を拝聴すると…。
さて、お話はラジオに救われた高校生の頃、TBS採用時のエピソードから女子アナとしての悩みと自分がやりたいことの違いに悩んだ日々…。そして後半は、ラジオというメディアについて三人が語り合いました。
なお、「ラジオの街で逢いましょう プラス1」としてUst配信した一部アーカイブは、こちらよりご覧いただけます。
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ゲスト 枡野浩一( @toiimasunomo )
パーソナリティ 小田嶋 隆( @tako_ashi )
アシスタント 浜菜みやこ( @hamamii )
歌人・枡野浩一さんと小田嶋氏の出会いはこうだ。
町山智浩さんがまだ「宝島30」の編集者だった頃、小田嶋隆氏はある女性作家について何かを書こうとしていた。
その資料集めをある名物編集者から依頼され、手伝ったのが枡野さん。ちなみにその編集者は枡野さんを“プー”と小田嶋氏に伝えていたことが今回判明。ショックを隠せない枡野さん。
いやしかし、彼はそんなことでくじけるひとではない。なぜなら、枡野浩一は人生に起こるどんな事件もトラブルも作品にしてしまう、不死鳥のような、いや七転び八起きの人だからだ。
そうそう、“くじける”と言えば、『くじけな』は今注目のツイッターで始まった詩集(無理矢理でしたでしょうか、ゴメンナサイ)。以前出した『寂しいのはおまえだけじゃな』と同様、最後の“い”をなくすと、たちまち“じゃな”とつぶやくじじいがひとり浮かび上がる言葉のすごさ再びの詩集。
さて、ラジオでは、短歌と俳句のちがい、枡野短歌のウェットさ、枡野短歌が共感を呼ぶ理由、『ドラえもん短歌』の魅力について、枡野さんのため息まじりの実感吐露と小田嶋氏のコラムニスト的対象への切れ味分析が楽しい。
「ラジオの街で逢いましょう プラス1」では枡野浩一さんのUst配信も行いました。その時の一部は、こちらよりご覧いただけます。Video streaming by Ustream
ゲスト 古賀茂明( @kogashigeaki )
パーソナリティ 平川克美( @hirakawamaru )
アシスタント 浜菜みやこ( @hamamii )
公務員改革の旗手として、一躍脚光を浴びている古賀茂明さんとの対話。
ラジオ収録では、現在の経済産業省の中で、古賀氏が何をやろうとし、何が官僚機構の逆鱗に触れたのか、その真相に迫ります。
また、現在の官僚制度というものが、どのような構造的な問題を抱えており、それらを解決するにはどうしたらよいのかについて、じっくりと語ってもらいました。
改革派の急先鋒として、霞ヶ関に激震を与えた人物は、お会いしてみると実におだやかで、冷静な方でした。
経済政策に関しては、意見を異にする平川でしたが、官僚制度の実態や、その問題点に関する古賀氏の指摘は十分納得のいくものでした。
その語り口や、相貌から伺えるのは、官僚としての責務を果たしたいという私心のない志しです。是非、皆さんの耳でお確かめ頂きたいと思います。(平川克美)
「ラジオの街で逢いましょう プラス1」では古賀茂明さんのUst配信も行いました。その時の一部アーカイブは下記よりご覧いただけます。
Video streaming by Ustream
ゲスト ヴィーナス・カワムラユキ( @VENUSkawamura )
パーソナリティ モーリー・ロバートソン( @ikebukuro )
アシスタント 浜菜みやこ( @hamamii )
一瞬、スタジオの中にいい香りが漂った。香水じゃない。ひとの香り。そうだ、ひとの内側から溢れるもののひとつに香りがあったな、と思い出した。ヴィーナスさんは、そんなひとだ。
渋谷・道玄坂にある「しぶや花魁」のプロデューサー、作詞家、DJ、作家と幅広く活躍されるクリエイター、ヴィーナス・カワムラユキさん。
収録には故郷・仙台に寄った東北からの帰り道に直接駆けつけてくださった。友人のお店で購入したTシャツやかわいいスニーカーがとてもお似合い。
「私はできるだけ友達のお店で買うことにしてるの。これってある種のプライド。お金の使い方、ごはんの食べ方、音楽の聴き方もね」とヴィーナスさん。すると「自分が買うアパレルが誰を幸せにするか、考えて買いたいね」とモーリーも。
「お金は匿名の交換可能な価値、その使い方は見えないけど、ひとりひとりがもっと尊厳を持って使うべき」という共通見解の発端は、ヴィーナスさんが渋谷「花魁」で募った義援金を石巻の花火大会に寄付したことから始まった。
「賛否両論ありますよ。けれど、まだ瓦礫の残る被災した街で、若い子たちが浴衣を着て、おしゃれして花火を楽しむ。いいじゃない? それに、浴衣を用意し、送り出した親御さんたちの気持ちを思うと……」。
どんなに苦しくて大変な状況でも、美しいものを求める心を忘れたくない。心から心に伝える、優しい気持ちの循環を大切にしたい。
「今、ひとりひとりがメディアとなって感じたこと・見たことを伝え、行動することが大事」とヴィーナスさん。
「メディア(Media)の語源はミディアム(Medium)、つまり間に入る人という意味で……」というモーリーのレクチャーは目からウロコの説得力あり。
音楽から原発問題、ソーシャルメディア、社会構造まで、幅広いトピックスをパノラマ化した三人。この語りを可能にしたのは、人間の情緒、温かさを信頼し、熱望する彼女の熱のこもった生き方だ。消費社会、資本主義社会で生きるには、クリエイターとてリターン・リスク・コスト計算かと思いきや、ヴィーナスさんは「いろんな人と夜ごと話し合い、その交わした熱と思いで曲を作るの」と、燃費の悪さを信条にしている。その彼女が作る音楽が今、若者をとらえる。音楽もオーガニックな時代に戻りつつある実感がした。
「ラジオの街で逢いましょう プラス1」ではヴィーナス・カワムラユキさんのUst配信も行いました。その時の一部アーカイブは下記よりご覧いただけます。
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ゲスト 大友良英( @otomojamjam )
パーソナリティ 津田大介( @tsuda )
アシスタント 浜菜みやこ( @hamamii )
大人になる以前に暮らした街に、愛憎混じった複雑な思いを抱いている人は実は多いと思う。あの頃も「明日にでも出て行きたい」と思ってたし、あれから本当にあまり帰ってない。大友さんにとって、フクシマはそういう街だった。
だけど、あの地震が起こった。大友さんは心配で、何が起こってるのか、自分に何ができるだろうと考えた。あんなに嫌いで出て来たフクシマに行きたいと思った。たとえ被曝したとしても。
帰ったフクシマでは、人の心がズタズタになっていた。こんな時に音楽ができることがあるとは思えなかったけど、和合亮一さんの詩に出会って思った。「言葉って無力じゃない。現実がぐちゃぐちゃになった今、文化が何かの希望や指針を示さないと」。えらそうにではなく、目の前の怪我をしている人に「だいじょうぶだから。死なないから!」と必死に伝える、そんな気持ちだった。そうして、プロジロェクトFUKUSHIMA!が始まった……。
横浜から転校していじめに合い、居場所がなかった小・中時代、ノイズミュージックとの出会い、ジャズ喫茶に通いつめた高校生の頃……。そうして、今、革新的な音楽とジャズと映画やドラマのサントラの作曲と様々な音楽を手がける大友さん。さらにあの地震の日から、音楽をすることと人として当たり前に社会のことを考えて発信することがつながった。それはフクシマで生まれた新しい自分。そして、自分だけでなく、たくさんの人の心の居場所を作り、つなげた場となったかもしれないと思う。そのプロジェクトの最後に、彼が叫んだ言葉をぜひ、放送で聴いてください!!
なお、ラジオ放送枠では時間が足りなく「ラジオの街で逢いましょう プラス1」としてUst配信した一部アーカイブは、こちらよりご覧いただけます。
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パーソナリティ 小田嶋隆( @tako_ashi )
パーソナリティ 津田大介( @tsuda )
アシスタント 浜菜みやこ( @hamamii )
この三人のコンテンツは、とにかく聞いてもらうに限る。
リスナーの心をそそろうと、話の断片を小出しにするのがもったいない。
それほどいい感じの言いたい放題大人の談話室だ。
だから、ぜひお聴きください。
まあ、あえて盛り上がったテーマを述べるとしたら、やっぱりネットの話。
“韓流びいきフジテレビ”と言われるその裏側の陰謀説や、デモについてふたりがそれそれに書いたツイートが炎上。殺人予告までが出されたネットの構造を彼らがどうとらえたか。
以外にも、「おーなるほど」の必聴キーワードが満載されました。
なお、ラジオ放送枠では時間が足りなく「ラジオの街で逢いましょう プラス1」としてUst配信した一部アーカイブは、こちらよりご覧いただけます。
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ゲスト 伊藤比呂美(@itoseisakusho )
パーソナリティ 小田嶋隆( @tako_ashi )
アシスタント 浜菜みやこ( @hamamii )
「声には人の体温があり、物語がある」。その通りのコンテンツとなりました。
言葉が「伝わる」ということは、記号的・意味的情報よりも、声や語りの間、息づかいに感じることではないでしょうか。
伊藤比呂美さんは、極上の朗読で知られる方。「ラジオの街で逢いましょう」では、「般若心経」を伊藤さんのからだとことばでもう一度産みおろした詩としてご披露くださいました。圧巻です。
さて、伊藤さんと小田嶋隆氏。ふたりは実は昭和60年代、すべての運動が終わったアナーキーな時代に、東京の隣同士の都立高校に通っていた同世代。
「放牧状態」と小田嶋氏が表する当時の高校生の精神(高邁とは対局の意味です。また、小田嶋氏は『方丈記』を読んでいたというからその暗さに伊藤さんからハンコをもらっていました)をそれぞれが味わい尽くし、そうそう、また北区、板橋区という、場末でボーダーで人間臭い豊かさのある暮らしに根を持つふたりの会話は、どうしようもなく強く、エネルギッシュで魅力的です。
ふたりがもしその頃に出会っていたら……。40年後のふたり。出会うべき男女の、時計の針のいたずらな逢瀬を覗き見したような収録でした。ぜひお聴きください。
なお、「ラジオの街で逢いましょう プラス1」としてUst配信した一部アーカイブは、こちらよりご覧いただけます。
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パーソナリティ 平川克美( @hirakawamaru )
パーソナリティ モーリー・ロバートソン( @ikebukuro )
アシスタント 浜菜みやこ( @hamamii )
日本のジャーナリズムは今、岐路に立っている。3月11日以降、おもに原発の情報開示について、偏った発信や発言を指摘する声が高まった。
ジャーナリズムとはいったい何か。それは、自問自答の行為であると、モーリー・ロバートソン氏は説く。
今回の原発について言えば、脱原発のイデオロギーのための発言の道具となってはいけないのだとモーリー氏。また、ネットによるにわかジャーナリズムについても言及。
平川氏は、長いスパンや俯瞰的な視点で歴史や事象を考える必要を説いた。ひとつの解で事足りた世界、予測可能な世界は終焉したのかもしれない。
複雑で、巨悪の横行、邪悪が散見する世界で、それでも人はどう生きるのか、ぜひプラスワンと併せてお聴きください。
続編となる「ラジオの街で逢いましょう プラス1」では、『世界の光と影』と題し、さらに深く広く世界を捉えるコンテンツとなっています。
詳細→http://www.radiodays.jp/item/show/200803
また、上記コンテンツではUst配信も行いました。その時の一部アーカイブは下記よりご覧いただけます。
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このページは、InterFMでオンエアされた「ラジオの街で逢いましょう」のストリーミング版ページです。
※数日遅れでポッドキャストでも配信。宜しければご登録ください!iTunes内Podcast「ラジオの街で逢いましょう」ページはこのリンクをクリック
“虫の虫”。小学生の福岡さんは虫に魅せられた少年だった。中でも蝶。その美しさに心奪われ、ファーブルのように新種の生物に出会いたいと大学の研究室へ。
しかし、そこにはファーブルもドリトル先生もいなかった。かわりに、生物の内部の世界、細胞の森へ福岡さんは旅立つ。
先頃、フェルメールの絵の謎を解くサスペンスのような著書を出された。世界に宝石のように散らばる37点のフェルメールの絵画。そのうちの34点を訪ねる旅。
それは、画家の時間、彼と交流したかもしれない人々との時間、その舞台となった街の時間、そして福岡さんの自身の来しかたに下りて行く作業となった。
時間とは物語である。なぜフェルメールなのか。魅せられるうちに、画家の企みに気づく観客。そのまなざしこそが、二次元の絵画に物語という次元を立ち上げ、絵にいのちを吹き込む加担者であるのかもしれない。福岡さんのように。
続編となる「ラジオの街で逢いましょう プラス1」では、『なぜ文学は消えてゆくのか』と題し、さらにディープなコンテンツとなっています。
詳細→http://www.radiodays.jp/item/show/200807
また、上記コンテンツではUst配信も行いました。その時の一部アーカイブは下記よりご覧いただけます。
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このページは、InterFMでオンエアされた「ラジオの街で逢いましょう」のストリーミング版ページです。
※数日遅れでポッドキャストでも配信。宜しければご登録ください!iTunes内Podcast「ラジオの街で逢いましょう」ページはこのリンクをクリック
原発事故で見えて来たこと。そのひとつに、現実としての核の存在があることを真剣に考えている日本人は、果たしてどれほどいるだろう。
世界において、原子力発電と核爆弾は双子の存在であることは自明だ。ヒロシマ・ナガサキ以降も世界中で核実験は行われ、各国は核を開発してきた。その背景の冷戦構造。象徴はベルリンの壁だった。モーリー氏は「世界の人々はベルリンの壁の向こうの別の世界を見ようとしたけれど、日本人は9条という壁が立った後、壁の向こうの核ある世界を見ようとはしなかった」と論じる。
65年後の今。核を持つ国の人々は、自分の頭の上に放射能が降ってくる日が来ることを常にイメージし、備えている。どこに、どうやって逃げるのか、詳細な避難地図もあるし、周到なシュミレーションもする。対して、福島の人々はどうだったろうか。
安全は目指さなくてはならない。が、事故は起こらないという神話、幸せな推定(happy assumption)は悲劇的な結果を産む。
今すべきこと。それは、考えてはいけないこととして口をつぐんで来たことを、ワイルドに想像してみることかもしれない。そうして初めて、危険や問題が見え、実感できるはず。まずはスパイ小説を読み、スパイ映画を観よう! すべては想像力から始まる。
続編となる「ラジオの街で逢いましょう プラス1」では、『なぜ文学は消えてゆくのか』と題し、さらにディープなコンテンツとなっています。
詳細→http://www.radiodays.jp/item/show/200813
また、引き続き収録した「ラジオの街で逢いましょう プラス1」ではUst配信も行いました。その時の一部アーカイブは下記よりご覧いただけます。
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ゲスト セルジオ越後(@sergio_echigo)
パーソナリティ 平川克美(@hirakawamaru)
アシスタント 浜菜みやこ(@hamamii)
辛口と言われるセルジオ越後さんのサッカー解説には哲学がある。「ほめられるだけでは人間は現状維持しかない。足りないところを指摘されてこそ、成長がある」。多くの有名選手がセルジオさんのアドバイスに耳を傾ける所以だ。
そのセルジオさんが、今度はアイスホッケーチームのシニア・ディレクターとなり、サポートを始めた。報酬はない。完全なるボランティアだ。そのチームの名は「H.C.栃木日光アイスバックス」。今季(2011年)秋に始まったシーズンは、あの王子製紙を破り、好調な滑り出しでにわかに注目を集めている。各選手の実力、チーム力ともに勝る相手に、アイスバックスはどんな戦いをしたのか。勝利へ導くために、いったいセルジオさんはどんなマジックを使ったのか。そもそもセルジオさんがなぜ日光アイスバックスに関わるようになったのか。その物語をぜひお聴きください。
また、引き続き収録した「ラジオの街で逢いましょう プラス1」ではUst配信も行いました。その時の一部アーカイブは下記よりご覧いただけます。
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ゲスト 麻木久仁子(@kunikoasagi)
パーソナリティ 津田大介(@tsuda)
アシスタント 浜菜みやこ(@hamamii)
津田氏がゲストを迎えた時、必ずお聴きするのがその方のご経歴。と言っても、堅苦しい仕事歴や業績ではなく、意外な前身だったり、その世界に入るきっかけだったりをお聴きすることにしています。たとえば、上杉隆さんはホテルマンだったとか、映画監督の鎌仲さんは探検部出身とか…。さて、麻木さんの答えは、なんだったでしょう…?
テレビやラジオでの麻木さん、頭の回転の速さや博識ぶりが際立つ司会やクイズでの活躍を知らない人はいないでしょうが、その道のりもそろそろ四半世紀とのこと。その間、バブルで世間が浮かれまくっている頃も、厳しくなってからも、変わらず着実に仕事を続けてきた麻木さん。“現場が自分を育ててくれた”と実感する彼女を支えた、さまざまなエピソードを語ってくださいました。
また、引き続き収録した「ラジオの街で逢いましょう プラス1」ではUst配信も行いました。その時の一部アーカイブは下記よりご覧いただけます。
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2011年10月17日、渋谷eggmanにて公開収録されたコンテンツ。
出演者は今までのパーソナリティ4名
津田大介氏
小田嶋隆氏
モーリー・ロバートソン氏
平川克美氏
に加え、「ラジオの街で逢いましょう」へゲスト出演頂いた、
烏賀陽弘道氏
枡野浩一氏
の両氏にもご登場頂きました)
アシスタントは浜菜みやこ。オープニングの生演奏は、在日ファンクの後関好宏氏がソプラノサックスを、そして、弊社プロデューサーの坂根秀和がキーボードを弾いています。
また、当日、第二部では伊藤銀次氏にもご出演頂きました。※音源は大人の事情でカットさせて頂きました事を予めご了承ください。
2011年11月よりは、装いも新たに毎週木曜日19時よりUst生放送でお送り致します。引き続きどうぞ宜しくお願いいたします!
ゲストへのご質問などは、ツイッター@radimachi、若しくはメールで「 i@radimachi.jp 」へどうぞ!
本音源のUst配信アーカイブ(一部分)は下記よりご覧いただけます。「プラス1」も是非お楽しみください!
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ゲスト 伊藤銀次 (ブログSUNDAY GINJI )
ホスト 平川克美 (@hirakawamaru )
アシスタント 浜菜みやこ (@hamamii )
リニューアルした「ラジオの街で逢いましょう」の第一回目のゲストはミュージシャンの伊藤銀次さんです。
ありとあらゆるジャンルのアーティストとのお仕事で活躍してきた銀次さん。
その生い立ちから学生時代の話、音楽との出会いについて興味深いお話をたくさん頂きました。
そしてあの伝説の番組「平成名物 イカすバンド天国」(イカ天)の審査員時代のお話も必聴!!
さらにサプライズゲストも登場でお話しも大いに盛り上がります!
伊藤さんの理論は秀逸かつ魅力的。そこで、シリーズで音楽講座を開講していただくことになりました。
「伊藤銀次の音楽修士課程」。ご期待ください。
本音源のUstアーカイブは一部、下記にてご視聴いただけます。
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ゲスト 小田嶋隆(@tako_ashi)
ホスト 平川克美 (@hirakawamaru )
アシスタント 浜菜みやこ (@hamamii )
今回はゲストに小田嶋隆氏をお招きし、番組スポンサーの親会社であるオリンパス問題、TPP問題を。そして続編のプラス1ではオリンパス問題、大阪市長選挙、原発問題(復興構想会議)などを語ります。
今後も番組へのご意見募集中。メールで「i@radimachi」若しくはツイートで「@radimachi」宛へお寄せください。
本音源のUstアーカイブは一部、下記にてご視聴いただけます。
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ゲスト 三島邦弘(@mishimakunihiro)
ホスト 平川克美 (@hirakawamaru )
アシスタント 浜菜みやこ (@hamamii )
本屋さんが年10パーセントの割合で姿を消し、かつて時代をリードしてきた雑誌も次々に廃刊されるこの時代。「本はもう売れない」と、既存の出版社は電子書籍の道を模索するなど、生き残りをかけて必死の形相だ。
そんな中、「原点回帰」をうたう小さな出版社が活躍し、注目を浴びている。ミシマ社。自称「自由が丘のほがらかな出版社」。その代表が三島邦弘さんだ。
収録早々、話題は社に出没するねずみのはなし。続いて、行きあたりばったりの社員旅行。
皮膚感覚や野生を大切にしながら、本づくりの感性や仕事する楽しさを追うミシマさんとミシマ社のひとびとが目指す「原点回帰」とはなにか。ぜひお聴きください。
話しの続きはこちらでお聴きください!!
http://www.radiodays.jp/item/show/200830
今後も番組へのご意見募集中。メールで「i@radimachi」若しくはツイートで「@radimachi」宛へお寄せください。
本音源のUstアーカイブは一部、下記にてご視聴いただけます。
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ゲスト 岡野眞治
ホスト 津田大介( @tsuda )
アシスタント 浜菜みやこ (@hamamii )
11月24日 津田大介さんとわれわれラジオデイズスタッフが、
岡野先生の御自宅に伺い、Ustreamを行いました。
その配信の一部をぜひお聴き下さい。
※このコンテンツは常にノイズが流れていますが、これは岡野先生のご自宅にあるスペクトルメーターがカウントしている音です。お聞き苦しい点があるかと思いますが、あらかじめご了承ください。
番組のつづきはこちらでお聴き下さい!!(有料です)
http://www.radiodays.jp/item/show/200832
今後も番組へのご意見募集中。メールで「i@radimachi」若しくはツイートで「@radimachi」宛へお寄せください。
本音源のUstream配信アーカイブ(一部)は下記よりご覧いただけます
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ゲスト 植村八潮(@e_gutenberg)
ホスト 津田大介(@tsuda)
アシスタント 浜菜みやこ (@hamamii)
今回のラジマチは、電子書籍の推進のために「出版デジタル機構(仮称)」という組織を立ち上げ、日々奔走されている植村八潮さんをゲストにお招きしました。(2011.12.1放送)
ちょうど2週間前のラジマチでは、三島邦弘さん(ミシマ社代表)をお招きして、彼らの目指す「出版業界の未来」についてうかがいましたが、今回は電子出版の話です。三島さん、植村さんのお話をうかがうと、出版不況といわれているのは、もしかしたら「いままで儲けすぎていたある一部」の話であり、彼らの活躍で出版業界の未来は明るいのでは?と思ってしまいます。
当日USTREAMをご覧になった方なら納得でしょうが、とにかく、植村さんはお話が流暢で面白い方でついつい引き込まれてしまいました。いやあ楽しい!
また、僕らは電子出版というと、小説や文芸というイメージが浮かびますが、書籍にはさまざまなジャンルがあり、例えば地図や実用書のように「書籍よりもデジタル化に相応しい内容」の本もあります。「こういったものを電子化してより読者にとってわかりやすい内容にすればいいじゃないか」というように。いずれもごく当たり前の主張です。
「電子辞書の市場って400億だけど、紙の辞書って300億ですよ。」
「スマフォの乗り換え案内だって、あれはもともと時刻表でしょ?」
すでに電子書籍というのは、私たちの身近なものとして活躍しており、市場性も高いことが証明されています。
電子出版はフォーマットやツールばかりが話題になります。どうやらそれはビジネスの話が先行していて、我々読者は蚊帳の外といった雰囲気です。
本が大好きだという植村さんだけに本に対する愛情や、出版業界に若者が参入してほしいという想いから、電子出版と紙の出版の共存する未来が語られています。
また、Ustream内ソーシャルストリームよりの書き込みにも一部お答えしています。
ラジマチUstreamの際にはどしどしご意見をお寄せくださいね。
番組のつづきはこちらでお聴き下さい!!(有料です)
http://www.radiodays.jp/item/show/200836
今後も番組へのご意見募集中。メールで「i@radimachi」若しくはツイートで「@radimachi」宛へお寄せください。
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ゲスト たかのてるこ
ホスト 津田大介(@tsuda)
アシスタント 浜菜みやこ (@hamamii)
この日は、秋葉原の聖地、「リナカフェなう」で知られたカフェソラーレ閉店を知り、記念に半分公開収録的な収録を行いました。静かとはいえ店内。その中でよく響く大阪弁でたかのさんが旅の魅力を語ってくださいました。
学生時代から現在まで40の国と地域を訪れたたかのさん。旅の魅力は、“自分の価値観をこん棒でなぐられる”ような出来事に出会い、「世界には、自分の知らない価値観がてんこもりやー」とつくづく思うから。小さい頃から、主人公がいろんな経験をして一回り大きくなって帰ってくる、そんな旅物語に憧れていたという、そんなたかのさんに言わせると、旅は、究極の参加型総合エンターテインメント。
宿屋選びの極意から、東南アジアのラオスで“現地の兄ちゃん”と恋に落ちたエピソードなど、笑いとともにたかのさん式旅のおもしろさを語ってくれました。
番組の続きはこちらでお聴き下さい!!(有料です)
http://www.radiodays.jp/item/show/200853
今後も番組へのご意見募集中。メールで「i@radimachi.jp」若しくはツイートで「@radimachi」宛へお寄せください。
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ゲスト 宇多丸
ホスト 小田嶋隆(@tako_ashi)
アシスタント 浜菜みやこ (@hamamii)
2人は、収録前より、“往復質問状”を交わしていた。こんなマジメな対談はなかなかありません。その中身はというと、「ヒップホップというカルチャーについて、その音楽史の中での位置づけ、そして、ラップという言語について、とことん語り合いましょう」というものでした。
スタッフも、ハイレベルな対談を思い描き、少々緊張気味に臨んだ当日。宇多丸氏も緊張しながら、収録スタジオに入ってこられました。なんでも、小田嶋氏の著作は昔からずっと読んできたという宇多丸氏。そのご本人との対談とあって、中学生のように礼儀正しく席につき、深々とお辞儀をされた。スタッフ一同、固唾を飲んで始まった対談、しかし……。
中身は、どうぞお聴きになってお確かめください。実にくだらない、失礼、いやタイトル通りの主題が音源全体に通底し、ある意味普遍的で、なんとも魅力的なトークです。人間はしょせん、そういう生き物なのだと実感したおふたりのお話、あらすじを少しご紹介しましょう。
宇多丸氏の出身、巣鴨中高。今や開成にキャッチアップしようという進学校が、氏の在学当時はどんなに蔑まれた学校だったか、そして、どんなに女性と遠い青春であったかを吐露。一方小田嶋氏は、小石川高校という名門共学校にいましたが。。。
さて、ふたりは最終、同じ早稲田大学に進まれますが、そこから共学出身か男子校かで、女性へのアプローチや向かって行く馬力に違いがあったと今更に分析。
とにかく、そんな悶々とした青春期に聴いた音楽や“刷り込まれた”映画のことなど、つれづれに語り合う中、激笑のエピソードが飛び出します。本年笑い納めにも、ぜひお聴きください。
なお、この続きのコンテンツについては、関係諸氏の事情により現在配信しておりません。近いうちになんらかの形で配信いたしますので、少々お待ちください。
今後も番組へのご意見募集中。メールで「i@radimachi.jp」若しくはツイートで「@radimachi」宛へお寄せください。
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ゲスト 小田嶋隆(@tako_ashi)
ホスト 平川克美(@hirakawamaru)
アシスタント 浜菜みやこ (@hamamii)
2011年の「ラジ街」は、ふたりのパーソナリティ対談で締めくくりました。アシスタントの浜菜みやこさんとも打ち合わせがあったのか、3人とも帽子をかぶって集合。まずは、帽子談義からスタート。
平川氏曰く、「帽子は大人のたしなみだよ」。そう、決して裕福とは言えない時代も、大人は外出時に帽子を被り、その姿に子どもは安心したのだそうです。そういえば、かの波平さんも被っておられましたねぇ。
話は自然と昭和30年から40年代の空き地や土管のある懐かしい風景に移ろって、高度経済成長時代へと進みますが、、、、
大阪市長選、ビン・ラディン、原発事故など2011年重大ニュースは後半に加速!
2人の知性のジャムセッションは圧倒的です。
番組の後半はこちらでお聴きください(有料です)
http://www.radiodays.jp/item_set/show/517
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ゲスト 常見陽平(@yoheitsunemi)
ホスト 平川克美(@hirakawamaru)
アシスタント 浜菜みやこ (@hamamii)
国も世界もタイヘンだけど、若者の雇用、つまり「就活」もここ10年ほどタイヘンなことになっているらしい。それはまさに社会の縮図だという。その実体を就活学生のつよーい味方、常見陽平さんにじっくり聴いてみた。
さて、みなさんは、就職活動の時、どんな形で企業などにアプローチしたでしょうか。今の学生は、まずはプレエントリー、そして正式なエントリーシートを書き…と、いろいろテクニカルな様式、作法があるようです。なんでもプレエントリーを80社にしてみても、1社も受からない場合もあるとか。
それを常見さんは、「まるで、八重洲の銀の鈴でナンパしているようなもの。八重洲の広場でいい出会いはないでしょう」と。こんなおかしなことになっているのはなぜ!? そこにあるのはやっぱり大人の利害や思惑。こうした事態に対し、就職しなかった平川氏は「企業のエゴに対し、武装する必要があるよ。自分の主義や哲学や美学を持つべきだし、会社に人生を預けない姿勢が必要だね」と言い切る。
でも、人間追いつめられると、ついつい名前とか派手さとか、お金!とかに惑わされるもの。ですが、冷静に考えると、今ピークの会社って、30年後にも栄えてるでしょうか。それに、最近分かってきたことは、やっぱりちゃんと生き残ってるいい会社はひとつのことを地道に積み重ねてきた会社だということ。
こういうことは、何も若者にとってだけ大事な視点ではありません。
日本の企業の99パーセントは実は中小。つまり、日本の経済や国を支えているのは中小企業。若者はそれも分かっていて、中小企業に就職したい者もたくさんいるのに、実際のそれらの企業の情報がないのが実状とか。
常見さんはそうした現実を若者の存在や生き方の多様性を認め、社会の世代間の隔絶を埋めたいそうです。さまざまな世代の考えや構築してきたものをリレーしていく時期が来たということで、世代の違うふたりの話はガッチリまとまりました。
番組の後半はこちらでお聴きください(有料です)
http://www.radiodays.jp/item/show/
今後も番組へのご意見募集中。メールで「i@radimachi.jp」若しくはツイートで「@radimachi」宛へお寄せください。
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ゲスト 三砂ちづる
ホスト 平川克美(@hirakawamaru)
アシスタント 浜菜みやこ (@hamamii)
三砂ちづるさんは、ロンドン大学衛生熱帯医学院研究員、JICA疫学専門家として活動された経験の持ち主。アマゾンのフィールドワークが目的で暮らしたブラジルでの生活は10年に及ぶ。このブラジルでの生活が、三砂さんに男女の本質的な関係を見直させたようだ。
「男と女の関係は、セックスしかない」と言い切る三砂さん。ブラジルの家族はことのほか楽しく、人間関係はとても信頼できるものであるらしい。その根底には、異性に対するセクシャルなまなざしと熱いコミュニケーションがあるのではないかと三砂さん。
ブラジル人に触発され、女性としての性をまっとうして生きることの大切さを感じて発信した『オニババ化する女たち』は、日本ではフェミニズムの標的となった。そのいきさつや状況を平川氏と分析。見えてきたのは、あまりにも豊かではなくなった身体とそれを推進する社会の有り様だ。
現代を生きる人間のからだをめぐる状況を、三砂さんと平川氏が、着物と下着、介護、排泄、月経、妊娠、出産、育児、性教育などから解き明かす。
番組の後半はこちらでお聴きください(有料です)
http://www.radiodays.jp/item/show/200868
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出演 小田嶋隆( @tako_ashi )
出演 津田大介( @tsuda )
アシスタント 浜菜みやこ( @hamamii )
チーム北区とは、小田嶋氏と津田氏のラジオデイズ内ユニットである。
ふたりが東京都北区出身であり、地域の都立高校出身であり、また、その話題でいつも盛り上がることからチーム結成に至ったとは、なんとも安易な成り行きですが...。
さて、今回のコンテンツ。北区と言っても、小田嶋氏は赤羽、津田氏は滝野川。坂の下と坂の上に位置するふたつの町は、その出自の違いから、実は近くて遠いそれぞれの世界なのだという話。
津田氏の高校の後輩の「ひろゆき」さんは、小田嶋氏と同じ赤羽出身である、さらに都立高校生の気質分析までがなされる。
北区の話はさておき、本題の入り口は、津田氏の新刊『情報の呼吸法』の小田嶋書評。イベントでのマルチタスク、まるでOSのような見事な司会ぶりは、そもそも情報を処理などしないことから生まれたのだとこの本を読んで理解した小田嶋氏。
その後、ツイッターのフォロー、ネットの言葉遣いについての話が続く。
本ポッドキャストの高音質版、および、番組の後半はこちらでお聴きください(有料です)
http://www.radiodays.jp/item_set/show/520
〓〓〓 Ust配信の一部アーカイブです 〓〓〓
また、Ust配信した一部アーカイブは、こちらよりご覧いただけます。
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ゲスト 石原壮一郎(@otonaryoku)
ホスト 小田嶋隆(@tako_ashi)
アシスタント 浜菜みやこ(@hamamii)
コラムニストの石原壮一郎さんは、小田嶋氏のかつての担当編集者。ゆえに、今回のトーク、どこか著者と編集者の関係がほの見える微妙な空気が流れる収録となりました。
では、実際に、編集者と著者にはどんな関係があるのでしょう。ウソや締め切り、本音やお酒などにまつわるさまざまなエピソードから、両者の複雑な人間関係とハードな心理ゲームの存在が明らかに。
さて、石原さん。編集者としての観察眼・洞察力、気遣いが結実してか、「大人力」なるものを提唱して20年。
しかし、石原さんが『大人力検定』という本を書いた当時、大人はマイナスイメージの固まりでした。日本全国の大人たちが、大人にならずに少年の心を持ち、自分らしい自分をみつけようとしていた時代、石原さんはチマチマした大人の気遣いや心配りの大切さを、どんなスタンスで広めて行ったのか。
本ポッドキャストの高音質版、および、番組の後半はこちらでお聴きください(有料です)
http://www.radiodays.jp/item_set/show/520
〓〓〓 Ust配信の一部アーカイブです 〓〓〓
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ゲスト 浜野謙太
ホスト 小田嶋隆(@tako_ashi)
アシスタント 浜菜みやこ(@hamamii)
大きな楽器ケースを背負い、めがねをかけた可愛い大学生がスタジオに迷いこんだと思ったら、浜野謙太さんでした。
ライブで歌う印象とあまりに違うので、しばし驚き隠せず。しかし、外見だけでなく、物腰、お話、素顔ともに浜野さんはなんとも好青年。その中に、アーティスト
らしい感性が光る方でした。
さて迎える小田嶋氏は、その浜野さんを昨年からご存知で、ツイートしたり、CDを聴いたり、「爆弾こわい」の歌詞まで憶えたり、とにかく絶賛中なのです。
なぜなら浜野さん、小田嶋氏の大好きなあのJBを彷彿させる存在なのです。あの踊り、セクシーさ、あぶなさ。「日本にJBがいる」と日本のミュージックシーンを半分バカにしていた小田嶋氏が「謝りたい」というほどの素晴らしさ。いつにも増して饒舌な小田嶋氏は緊張からか興奮からかわかりませんが、とにかく最初から全開で氏独特の「在日ファンク論」を展開。
ブラック・ミュージック、JBの不思議な足つきの踊り、ブルースブラザース、トロンボーン…と、小田嶋氏の音楽へのこだわりと博識と批評眼が、恒例の英語歌詞つき、てんこもりの本編です。
〓〓〓当日のUst配信の一部模様です〓〓〓
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ゲスト 西部 邁
ホスト 平川克美(@hirakawamaru)
アシスタント 浜菜みやこ(@hamamii)
まるで仙人の会話である。日本という島々、地球という球を宇宙船ならぬ觔斗雲より眺めながら、世界のありようを微細かつぴたりと的確な言葉で評す。まさに、近代に始まった世界の迷走、大衆社会の行き詰まりといった、いわば「文明の逆説」を徹底的に言葉に拘り、本質より語る対談です。
ホイジンガーの「文化的小児病」と「大人の不在」というお題から始まる本編は、伝統や終身雇用など、よく出来上がった微細な日本文化を何処にか置き忘れ、「新しいものはいいものだ」と手放しで受け入れた大衆社会、相対主義に走った戦後日本の問題点を炙り出す。
〓〓 2012年2月16日、Ust配信時のアーカイブ(一部分)です 〓〓
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ゲスト 鷲田清一
ホスト 平川克美(@hirakawamaru)
アシスタント 浜菜みやこ(@hamamii)
鷲田さんと平川さんはひとつ違い。いわゆる団塊最後に連なる世代である。長く理論に携わったふたりが共に感ずるこの頃の実感は、ロジックの明快さに宿る浅薄さ、語る正体や宛先不明な言葉の気持ち悪さであるという。
鷲田さんの近著『「ぐずぐす」の理由』は、オノマトペと呼ばれる擬態語、「ぼちぼち」「ぎりぎり」といった言葉に宿る、人間の身体や存在に関わる感覚を探った著作である。他の本も、人間の営みが一筋縄ではゆかぬ、いきつもどりつのものであるなど、著者の実感よりこぼれ落ちたタイトルの趣である。
平川さんの近著『小商いのすすめ』もまさに、「ビジネス」という人間のスケールを越えたものから、「商い」という規模への縮小による、人間の確かな感覚を取り戻すきっかけを唱った著作である。ふたりの思索のシンクロは、今、何を意味するのか。
京都人である鷲田さんの柔らかく平明な語り口、両氏の語りの間合いにも、温もりを帯びた言葉による味わいを感じる一編である。
前半では、大阪の市民文化とは相容れぬはずのリーダー待望論、身体や生命感覚を呼び覚ますような三木成夫さんの魅力的な講義について語りながら、「折り合い」「落としどころ」といった身体感覚溢れる言葉の真っ当さについて語る。
今後も番組へのご意見募集中です。メールで「i@radimachi.jp」若しくはツイートで「@radimachi」宛へお寄せください。
〓〓 2012年2月20日、Ust配信時のアーカイブ(一部分)です 〓〓
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ゲスト 麻生潤( @junaso )
ホスト 津田大介( @tsuda )
アシスタント 浜菜みやこ( @hamamii )
今回のUSTREAM配信中にもそんなツイートが見受けられたが、全く同感である。
麻生さんは20代のフリーターだった頃からイベント「SYNCHRONICITY」を立ち上げ、高い評価を得て、音楽業界の援助や大企業のバックアップなしに、数千人規模のイベントをたった3人のスタッフで企画運営しているという。
これは過日のミシマ社の話にも似ている。30代の若者たちが、自分たちで場を作っている。
「インディペンデント」というのは格好良いが、これはすなわち平川克美さんのいう「小商い」である。
また、彼が目指す未来は「小商いのまま世界を目指す」ということらしい。
前半では、まず麻生潤という人間がどういう人間で、何をやっているかについてこの日が初対面の津田大介さんがわかりやすく聞いている。
音楽業界の資本や慣例、タイアップなどなしに100人規模のイベントから数千人規模のイベントへと発展していった経緯や、3.11の後に開催された「SYNCHRONICITY '11」における岩上安身さん、松田美由紀さんとのトークイベントの話も興味深い。
2012年3月18日(日)開催の「SYNCHRONICITY '12」のプロモーション映像。
これまでのステージの映像をまとめている。音楽は世武裕子(せぶ ひろこ)さんによる「Good Morning World!」(GoogleのTVCMでもおなじみ)
また、Ust配信した一部アーカイブは、こちらよりご覧いただけます。
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西田善夫×小田嶋隆「スポーツ実況のコトバ」
「名スポーツアナウンサー、懐かしき戦後スポーツを語る」
出演:
西田善夫(スポーツ評論家)
小田嶋隆(コラムニスト)
とにかく、お話を聞けば聞くほど、目を丸くするほどたくさんの内外の選手の名前が飛び出して、そのレコードタイムはコンマ◯◯までの正確さだったり、細かな記録が記憶の片隅からすらすら引き出されるその様にスタジオは驚くばかり。加えて、まるで昨日のことのように、往年のエピソードが次から次へと飛び出します。戦後スポーツの生き字引のような西田善夫さんの「スポーツアーカイブ・アワー」です。
そのお話がさらに魅力的に聞こえるのは、西田さんのスポーツ実況の歴史が、まさに戦後スポーツ、昭和という時代の成長期とピタリと重なっているからかもしれません。
日本人の実に98.7パーセントが見たという東京オリンピックでデビューした西田さん。そもそもスポーツアナになろうと思われたきっかけは、アイスホッケー。ですから新人時代の配属先は室蘭を志望し、その16年後、1980年のレイクプラシッド冬季オリンピックでは歴史に残る米ソ戦の実況を担当されたのが西田さんです。
本編では、その新人時代と、果たして実況の言葉はあらかじめ作っているのかというアナウンサーの仕事秘話から、東京オリンピックへ。
また、Ust配信した一部アーカイブは、こちらよりご覧いただけます。
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枡野浩一×小田嶋隆『最新歌集「歌」を小田嶋と語る』
さよならをあなたの声で聞きたくてあなたと出会う必要がある
枡野さんの最新歌集『歌』の一首です。さて、出版界的に、短歌集はなかなか出せないものらしい。あれこれとデビューから13年も経ってしまったと枡野さん。
でも、この13年の間に枡野さんは、いろんな短歌を詠み、詩を書き、小説も書いて、短歌の指導で後輩のプロデュースまでして、その人たちを結構有名にした。まあ、いろいろあっても、枡野さんは短歌を詠み続ける。表現し続ける。詳しくはプロフィールに紹介しているので、参考にしてください。
昨年は、「ラジ街」に出演するために乗ったタクシーの中だかわからないのだけど、とにかくお財布を失くした。枡野さん自身、そしてスタッフの期待と予想を裏切り、財布はとうとう出てこなかった。そして、失くしたお財布にあった額と同じくらい、お金が足りない感じの生活が今も続いているという。
そんな枡野さんに、小田嶋氏は説く。「その喪失・欠乏が枡野さんの人生の価値ですよ」と。説法は甚だあやしいが、確かにその後、枡野さんはその事件を再現ドラマとして自主映画にし(You Tubeで見れます)、そして13年ぶりの短歌集が出版され、今年、出演した映画が公開されるといった、ある意味とんとん拍子が続いている。
さて、ふたりの話題はそのまま財布の話へ。「長財布を持つと金持ちになる」とか「おばあちゃんの墓参りに行くと、大学にストレートに受かる」とか、そういった類いの話です。そこから、経歴詐称は是か非か、と言いながらふたりの経歴詐称エピソード、出版業界の意外な狭さ、そして、有名作家や歌人は人間としてどうなのか、といったどうでもいいような話題に、社会や人間の真実を分析するふたりの会話はだからおもしろいです。
2012年3月16日、Ust配信した際の一部アーカイブです
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町山智浩×津田大介『「宝島」ゴールデンエイジを語ろうか』
町山さん、1962年生まれ。津田さん、1974年生まれ。
ひと回り違うふたりのトーク・テーマは「ザ・宝島」。
実は、「宝島」を読み、音楽やマンガ、ゲームやパソコンに目醒めた津田さん。その仕掛け張本人だった町山さんが繰り出す仰天エピソードの連射に狂喜の70分となりました。
マンガ、アニメ、ゲームにパンクなど、サブカル文化が花咲いた80年代。その「ハブ」でもあった宝島社に入社した町山さん曰く「その頃は、毎日どこかで事件が起きていた」と。自身、右翼の取材でボコボコにされたり、襲撃されたり、そりゃもう、体張っての疾走の日々が語られます。
その他、岩上安身さんとの取材エピソード、ガチなオタク右翼の方との親交、都市伝説の意外な真相、そして、先駆的クリエーターのヒット商品裏話などなど、ウソかホントか、いや、これだけオモシロかったらウソでも許せるほどオモシロ過ぎる爆笑ネタ満載です。(ご本人がプラスワン後半に「ねつ造みたいでしょ、でしょ!」と叫んでます!!)
しかし実は、話は始まったばかり。宝島社を辞めたそれからの町山さんは、また別の機会となりました。続きもぜひぜひお楽しみに…。
当日、Ust配信した際の一部アーカイブです。
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川口有美子×平川克美 「介護システムを問う」
川口有美子さんのお母様がALS(筋萎縮性側索硬化症)を発病したのは、1995年。その後12年に及ぶ介護の記録を綴った『逝かない身体 ALS的日常を生きる』はALSという病気の存在と患者の営みを知る話題の書となった。また川口さんは、お母様がご存命の時より介護会社を設立し、NPOも立ち上げて、おもにALSの患者さんとその家族をサポートするシステムを積極的に運営しておられる。
このコンテンツは、そうした川口さんの介護の現場と、川口さんがサポートするALSの患者さんなどの病気との日々、家族との関わりをお話しいただくものである。
話はまず、“母親を介護した娘”と“父親を介護した息子”のそれぞれの告白から。
そもそも、ALSとはどんな病気なのか。日本での患者数や介護の状態、そして、皺一本から患者さんの意志を読み取る方法や呼吸器についてなど、川口さんが具体的に説明。その後、平川氏が実際にお父様の介護で行った「摘便」を告白。すると「なんてダイナミックな男の介護!!」と川口さん。具体的な介護の風景が語られるうちに、医療福祉システムの問題点が浮かび上がってくる。
2012年3月29日、Ust配信した際の一部アーカイブです
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大野更紗×小田嶋隆 「困ってるひとと困ったひと」
対談前から大野さんは「おじさんが好きです」と言った。そして、「小田嶋さんのファンです」と告白していた。小田嶋氏は、大野さんにとって「かっこいい」おじさんの代表だった。
一方、小田嶋氏は、ブログで始まった『困ってるひと』の連載に早い段階から注目していた。その筆力、観察力、分析力、ユーモア。「タダものではない!」感を強くしていた。
お互い特別な存在だったふたりの初トークである。出だしは、大野さんのバックボーン。福島の自然豊かな田舎で育った大野さん。学校や図書館で出会う書物や哲学・思想の本は、本当に厳選されていた。というより、福島の文字文化は大河のようにゆったりと流れており、当時図書館にあった『ゴダール全集』を読破した大野さんは、「東京には、カルチェラタンのような哲学や文化を語る学生街が存在する」と本気で思っていたという。
つまり、東京から地理的にも時間的にも遠く離れた福島という地で、大野さんは思想がまだ骨太な時代の書物や古典に出会い、じぶんの思索を深め、思考の背骨をじっくりと育てあげたらしいのだ。
その大野さんが 強烈に“じぶん”というものを発見したきっかけは、高校時代、東京に遊びに来た時に訪れたBunkamuraの「ミレー展」だった。東京への“違和感”や郷里にいる頃から感じていた“居場所のなさ”は、展覧会で出会ったある名画の前に突然立ち現れ、以後、大学時代に大きく膨らんで、とうとうミャンマーへの旅立ちへと展開する。
2012年4月6日、Ust配信した際の一部アーカイブです
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かたや1950年生まれ団塊、かたやベトナム戦争終結の75年生まれ。このふたりが四半世紀の年の差を越え、戦後最大の思想家と呼ばれる吉本隆明を語り合う。
吉本の思想は世代を越え、思想家のみならず多くの人々に影響を与え、かつ精神の根本に存在し続けている。
吉本の魅力はどこにあるのか。思想の深さと重厚さは何によるものなのか。『最後の親鸞』『カール・マルクス』などの著作を通し吉本の思想のルーツを探るうちに、日本の90年代から今にいたる社会像が浮かび上がる。
阪神大震災とオウム事件が起こった95年、20歳を迎えた中島氏は吉本の講演会に出かける。中島氏の質問に答えた吉本のエピソードが興味深い。はたして親鸞を語る吉本は、麻原彰晃について何と述べたのか…。
2012年4月18日、Ust配信した際の一部アーカイブです
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『「フクシマ論」-原子力ムラはなぜ生まれたのか』は、開沼さんが東大大学院修士課程修了時に書いた学術論文である。その論文が多くの読者を得ているのは、決してタイムリーな著書だからではない。開沼さんの緻密なフィールドワークと単純な分析を許さない、フクシマの40年を深く遠く見据えた視点があったからである。
原発は「貧しい過疎地に悪い政治家が無理やり押し付けたもの」なのか。確かにそういう側面もあるが、必ずしもそうではない。立地町を回りながら聞く言葉はそんな「単純な理解」を吹き飛ばす、と開沼さんは言う。
「原発ができるまでは狭い田畑と格闘し、仕事も無く、食べて行く手段に困り、一年の半分以上を家族の誰かが出稼ぎに出るという暮らしから、原発のおかげで家族みんなで過ごせる幸せを得た」という民の声を否定することはできない。
そうした、震災以後多くの人々が「負」と忌み嫌うものがもたらした幸福と安定と未来。
そうした歴史のパラドックスと私たちは向き合わなければならない。
なぜかっこつきの「フクシマ」なのか。福島はもはや「フクシマ」と呼ばれるほど世界的な存在感を持っている。私たちは、その「フクシマ」にある原発を“使って”、この社会を理解し、どういう社会に変えていくのかを考えなくてはならない、と開沼さんは言う。そう、その時こそ「フクシマ」が福島に戻る時なのかもしれない。
福島に何度も足を運んでいる津田氏も、積極的に福島再生のプランを語る。開沼氏が語る「今がチャンス」と言う東北のビジネスとは何か。
ハードなテーマながら、やはり若いふたりの現実との向きあいかた、未来の描きかたが新鮮である。濃密なトークをぜひお聴きください。
2012年4月20日、Ust配信した際の一部アーカイブです
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