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2011年01月 アーカイブ

2011年01月04日

「死を受け入れてこそ生がある」ゲスト 山折哲雄

宗教学者の山折哲雄さんが提案する一日の過ごし方は、まさに人生の縮小版です。万病を予防するという早朝座禅は、雑念や妄想もOKなのが山折流のいいところ。不本意な仕事は、ゴルゴタの丘を登るイエスの気持ちで。ほろ酔いで床に就くのは涅槃の予行演習。明日の生命力は、死のような眠りからこそ生まれるのです。何気ない言葉には、法話の重みがずっしり。ブッダが息子に「悪魔」と名付けた理由など、豊富な話題からスケールの大きな宗教論が展開されます。


プラスワンでは、私たちの死生観が最大のテーマに。「人生50年」は過去の言葉となり、いつしか死をタブー視している現代日本人。さらに生と死の間に割り込んできた老いと病の問題が、生きることの本質を覆い隠しています。死を思わない生は浅薄と断言する山折さんは、日本人が育んできた素晴らしい死生観を次々に例示。西行が歌に詠んだ通りの死を迎えた理由や、ユニークな般若心経の読解が驚きを誘います。死を受け入れ、今日を生きる美しさ。珠玉のトークをどうぞ。

2011年01月11日

「落語家たちのお正月」ゲスト 五街道雲助

五街道雲助さんを迎え、初席気分でお届けする30分。話題はやはり、落語家特有のお正月の行事から。酒豪で知られた金原亭馬生一門の元日は、コップ酒で乾杯するのがしきたり。その後も挨拶回りで酒を飲み、夕方に上がる初席では珍事が続出します。生粋の江戸っ子である雲助さんを、初めて寄席に連れて行ったのはお母様。話し上手になろうと明大の落研に入り、寄席で惚れ込んだのが馬生師匠でした。意を決して門を叩いた、その結果は? 粋な話のオンパレードです。


プラスワンでは、古典の名手ならではのお話をたっぷりと。朝から美味しそうにコップ酒を飲む馬生さんの横で、おかみさんが気の利いた料理を用意してくれた修業時代の風景。ひょんなことで志ん生さんから「道灌」を学ぶことになった雲助さんは、やるたびに台詞が変わる破天荒さに面食らい、懇切丁寧な馬生さんとの違いに驚かされます。時代を越えた人情を信じる雲助さんですが、実はPCを自作するほどの秋葉系。意外な素顔も覗かせてくれる貴重なトークです。

2011年01月18日

「個性派女優の穏やかな素顔」ゲスト 吉行和子

女優歴55年。吉行和子さんのデビューは偶然の産物でした。裏方として入団した劇団民藝で、風邪をひいた女優に代わって『アンネの日記』の主役に抜擢。名声を得た後も難しい役柄を次々と演じ、舞台や映画に欠かせない存在となりました。番組では、兄の吉行淳之介さんや、103歳になった母の吉行あぐりさんとの家族関係も聴きどころ。「私自身でいるよりも、フィクションの世界で生きている時がのびのびする」。そんな発言に、本物の役者魂を感じる30分です。


プラスワンでは、映画やテレビで見ることのできない吉行さんの素顔に迫ります。極限まで無駄を省いた質素な生活のこと。親友の岸田今日子さんや妹の吉行理恵さんとの別れが与えてくれた「死後も人生は続く」という実感。映画『おくりびと』では、「自分の死に顔が見られるのは女優の特権」と感謝しながら死者を好演しました。棺桶の中で、吉行さんの心に去来したものは? 日々を無欲に生きながら、演技への情熱を忘れない生涯一女優。言葉のひとつひとつが心に響きます。

2011年01月25日

「笑いは最高の抗がん剤」ゲスト 樋口強

 年に一度、アマチュア落語家として高座に上がる樋口強さん。客席にいるのは、がん患者と家族の皆さんです。
 樋口さん自身が肺小細胞がんを患ったのは、働き盛りの43歳のこと。3年生存率5%という現実に打ちのめされながらも過酷な治療で奇跡的に回復し、お世話になった人を呼んで落語会を開いたのが「いのちの落語」のスタートでした。
「辛いときこそ、自分が持っている力を思い出して」。理屈ではなく、笑いにのせて伝えられるメッセージが心を揺さぶります。


 プラスワンでは、樋口さんの壮絶な闘病体験や、落語にかける思いをたっぷりとうかがいます。
 もともと社会人落語では全国大会の優勝歴もある実力派。会社で重責を担い、落語から遠ざかった矢先に病魔が襲いました。
 絶望する病床の夫に落語のテープを届けた妻の思い。かつて自分が演じた落語を聴いた深夜の病室。「生きたい、よりも生きて何をしたいのかを考えよう」。「笑えば増えるNK細胞で、がんを撃退しよう」。そんな樋口さんの言葉こそ、心に効く最高の薬です。

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