お茶の水女子大の名物教授、土屋賢二さんがゲスト。ユーモアあふれるエッセイが大人気の哲学者です。哲学を志したのは東大在学中。ドストエフスキーやハイデッガーと出会い、世間の価値観のすべてを疑うようになりました。
実験や観察では答えることができない問題を、まとめて引き受けるのが哲学という学問。「哲学の問題は、すべて設問自体が間違っている」というユニークな出発点から、やわらかな人間観を指南してくれます。「いかに生きるべきか」「自分とは何か」という問いかけ自体に無理があると考える土屋先生が、重要視するのは「笑い」。不幸な出来事をありのままに見るだけでも笑えるし、訓練次第では自分の不幸も笑えるようになるのが人間の潜在力です。
笑いの深遠さを信じ、わざと愚かなことをすることで窮屈な前提を解体していくのが土屋流の思考術。大仰な「生き甲斐」や「生きる意味」から一歩身を引くと、本当の生の意味が見えてきます。愉快で不謹慎な話をたっぷりと聞きながら、思い込みやこだわりから自由になる30分。哲学はこんなにも自由なのです。