日本を代表する中華街のひとつ、南京町は国際都市神戸の象徴。1915年創業の老祥記は、元祖「豚まんじゅう」を1日に1万3000個も販売する繁盛店です。
店主の曹英生さんは、お婆様、お母様、奥様がみな日本人という華僑3代目。外国人船員や水兵向けのバーに囲まれ、無銭飲食の酔客が屋根を走り回る猥雑な地域で育ちました。1977年、老朽化した南京町を再興するために地元商店主たちが南京町商店街振興組合を設立。それを機に曹さんたちが手弁当で始めた春節祭は、今や地域無形文化財として毎年40万人の来客を集めています。
1995年の大震災ではいち早く壊滅状態から復興し、旧正月に炊き出しを実施。「美味しい食事にありつけた自分たちは幸運」と語る被災者たちから、多額の義援金が寄せられた逸話は感動的です。
若者の流出を止めるため、常に新しい試みを欠かさない南京町。「景気は気のもん。できることを惜しまず実行することがマクロ経済を動かす」という曹さんの言葉は、逆境を生き抜く商人の知恵を教えてくれます。神戸の元気は、こんな街場の人々のパワーの集積なのです。