落語作家・演芸評論家として著名な小佐田定雄さんに、上方落語の魅力を伺います。
戦前には絶滅の危機に瀕した上方落語。米朝、松鶴、春團治、文枝ら四天王と、後継の仁鶴、三枝、可朝ら三羽烏が復興の立役者でした。最初は深夜放送で人気の仁鶴さん目当てで寄席を訪れた小佐田さん。1977年、自作落語を演ずる枝雀さんの「ネタ切れ」に気づき、初めての台本「幽霊の辻」を面識もない枝雀さん本人に送りつけました。当時はまだサラリーマン。枝雀さんからの電話、喫茶店での対面は感動の逸話です。
以来、書いた新作落語は200以上。古典の復活、改作、江戸落語の上方化なども推進してきました。江戸落語が装飾をそぎ落としていくのに対し、あくまでわかりやすく客に呼びかけるのが上方落語。文楽の会場でも、メモを取る熱心な東京の客に対し、おばちゃんが泣きながら観ているのが大阪の土地柄です。
近年は落語と狂言を融合させた「落言」を制作している小佐田さん。落語の途中で、狂言師が割って入る――こんなコラボで軽々と垣根を越えるのも、大阪ならではの楽しみなのです。