「少女マンガから社会を読む」ゲスト 藤本由香里
4歳で『リボンの騎士』に夢中になって以来、マンガを読み続けているという藤本由香里さん。書籍編集者として働くかたわらフェミニズムやセクシュアリティなどを積極的に論じ、今年から明治大学の准教授になりました。代表作の『私の居場所はどこにあるの?』(1998年)は、恋愛、性、家族、仕事などにおける女性たちの考え方を、少女マンガを通じて分析した力作です。
戦後、一番大きく変わったのは女性の意識であり、それに合わせて世の中や男性の意識も変わってきたと語る藤本さん。かつては少女マンガに描かれる職業といえば女優やバレリーナでしたが、男女雇用機会均等法以降はそれも一気に多様化しました。時代の無意識を先取りして「こんな物語が読みたかった」と思わせてくれるのがマンガの魅力。近年の傑作『NANA』も、表面はファッショナブルでありながら、主人公たちは純粋さとひたむきさに溢れています。
妥協をおぼえた大人でも「良いものを信じたい」という気持ちが、マンガを読むことで全開になる。マンガの底力に改めて気づかせてくれる楽しいトークです。