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2008年02月 アーカイブ

2008年02月01日

「日々のご馳走、大阪の家庭料理」ゲスト 土井信子

 大阪市住吉区小浜にある、土井信子さんのキッチン・ハウスからお届けします。
 土井信子さんは、故土井勝さんとの結婚を機に料理学校を開設し、戦後の料理研究家の草分けとして活躍。
 NHKの「きょうの料理」や連続テレビ小説「芋たこなんきん」の監修などを通じて紹介してきたのは、大阪の家庭料理の数々でした。
 いざ料理談義が始まると、大阪ならではの言葉がたくさん飛び交います。海と山の幸が集まり、食の宝庫として知られる大阪は、味覚に関する語彙も実に豊富。よくいう「まったりした味」とはどんな味なのか、また残った食材を手早く「始末」して「ごっつおう」に変える大阪料理の神髄とはなにか。
 番組では、余り物から作ったとは思えないほどに美味しい、大阪のご馳走を選りすぐってご紹介します。土井さん曰く、家庭料理は家族のひとりひとりを気遣って作るもの。手早く、手際よく、丁寧に、安い物を上手に使って美味しく作らなければいけません。
 日本の台所、大阪の街から、日々の料理のヒントを楽しいトークで伝授。聞いているだけでお腹が空いてきて、思わず調理場に立ちたくなるような30分です。

2008年02月02日

『再度復活した「薔薇族」』ゲスト 伊藤文學

 伊藤文學さんは、1971年に日本で初めて同性愛者を対象にした専門誌「薔薇族」を創刊。2度の廃刊を経験しながらもその度に復刊、いまでも編集長を務めています。
 同性愛者が社会的な認知を受けていない時代、「薔薇族」を流通に乗せて全国誌にまで押し上げたのは偉業でした。完全なマイノリティだった人々が、仲間を見つけるのは困難だった当時。創刊号で7人だった文通欄への投稿は、第3号で100人を超えました。
 創刊5年目の1976年、美輪明宏さんの「クラブ巴里」の向かいに、伊藤文學の談話室「祭」をオープン。森鴎外の長女、森茉莉さんの自室に招かれたエピソードなど、各界著名人との交流の様子も楽しく聞かせてくれます。
 同性愛者が格段に解放されたかのように見える現代。しかし今でも田舎で結婚してひっそりと暮らしている50歳以上の読者もいるので、まだまだ「薔薇族」には果たすべき役割があると伊藤さんは語ります。同性愛の男性は年長の姉を持つ末の弟に多く、母親がしっかりしていて、父親がおとなしい家に育ちやすいのだとか。
 昭和7年生まれ、ご自身はノンケの伊藤さん。薔薇族を創刊してよかったのは、様々な人と出会い、豊かな美意識や感性を養ったこと。温かさと強さを感じさせるトークです。

2008年02月09日

「医療の闇に光を当てる」ゲスト 久坂部羊

 医師であり、作家としても活躍する久坂部羊さんがゲスト。外科医として末期がんのターミナルケアに従事した後に、外務医務官として9年間海外で勤務。帰国後は老人医療に従事しながら、2003年に作家としてデビューしたユニークな経歴の持ち主です。
 医療の闇にスポットを当てた、勇気ある著作が人気。2004年『破裂』が10万部を超えるヒットとなり、近作『日本人の死に時』も話題を呼んでいます。人にはちょうどよい死に時があり、それを逃すと後で苦しむことになる。長生きしたいという欲望が、苦しみを増やす根源となっている。そんな現実を久坂部さんは日々目撃しています。
 ご自身も病院には滅多に行かないという52歳の医師。さんざん待たされて、あれこれ心配する暇があったら、美味しいものを食べたり旅を楽しんだりして、満ち足りた心で逝く準備をするほうがいいと主張します。延命治療が進んだ結果、苦しいけれど死ねない状況が多発しているのが現代という時代。医療はもう進みすぎているので、時にはその一部を捨てることも人間の知恵ではないか。
 久坂部さんが説くのは、アンチエイジングの対極にある価値観。老いや死と潔く向き合う、自然な生き方がそこに見えてきます。

2008年02月25日

「写真が示唆する人類のゆくえ」ゲスト 桃井和馬

 紛争地や辺境で撮影した、迫力ある写真作品で知られる桃井和馬さん。かつて1930年代に報道写真がアメリカの大恐慌を救った歴史を知り、学生時代からフォトジャーナリズムの世界に身を投じました。
 フィリピンのゲリラ活動に潜入したのを皮切りに、世界史の現場を踏み続けること約130ヵ国。その過程で、戦争、飢餓、貧困など、あらゆる問題の根幹に環境問題があるという事実に桃井さんは気づきます。人種問題が原因とされるルワンダの大虐殺を取材すると、背後には継続的な環境破壊による貧しさがありました。アマゾンやボルネオの森林伐採も深刻。一度破壊された森が再生するのには数百年、数千年単位の時間が必要になります。
 桃井さんが力説するのは「1日を愛し、1年を憂い、千年に想いを馳せる」という3つの視点。人間は地球以外の場所で生きられず、その地球の資源や自然環境にも限りがある。もう人間同士が憎しみあう余裕も、環境を破壊しながら利潤を追求する余地もないはずなのです。「千年の視点」を訴えるフォトジャーナリストの、熱いメッセージに耳を傾けてください。

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