武蔵野美術大学で彫刻を教えながら、絵画やイラストや工芸なども手掛け、さらには三味線による弾き語りで自作自演の唄を発表する音曲家として知られる上野茂都さんがスタジオに登場。
その驚くべき多才ぶりを「結局何をやっても売れない乾物屋が、酒を置いてみたり水を置いてみたりしているようなもの」と自嘲気味に語る上野さんは、自分自身を「ジョーカー・タイプ」の芸術家なのだと分析しています。
エースやキングではなくジョーカーを目指す表現者は、自分で勝手にルールを作ってしまう。そんな自分は世捨て人だけど背中は見て欲しい、世を捨てきれない仙人なのだと、三味線をつま弾きながら訥々と話が展開します。
端唄俗曲の流れをほとんど我流で引き継いだ上野さんの音曲は、まさに現代の吟遊詩人と呼ぶに相応しいもの。古事記、御伽草子、日本霊異記などの古典を好んで題材とするのは、言葉が持つ音の良さに魅力を感じるからなのだとか。
番組の後半では、幸田露伴の「五重塔」を講談風に朗々と披露。ライブが身上の表現者、上野茂都さんの魅力をたっぷりとお楽しみください。