« 2007年11月 | メイン | 2008年01月 »

2007年12月 アーカイブ

2007年12月03日

「喬太郎流・落語らしい落語を目指して」ゲスト 柳家喬太郎

 気鋭の落語家、柳家喬太郎さん。大学時代から新作落語で数々のタイトルを獲得し、2004年から3年連続で国立演芸場花形演芸大賞を受賞するなど、人気・実力とも若手随一の評判をとってきました。
 得意の新作落語はネタ帳に55席を常備しているものの、大学時代には新作落語が嫌いだったという意外な事実も告白。一度はサラリーマンになったものの、三遊亭円丈さんらの新作落語に影響を受けて落語を生業にする決心をしたいきさつを教えてくれます。
 番組が後半に入ると、次第に話が脱線。「コロッケそばには安っぽくて味の無いコロッケがぴったりだ」という妙なこだわりを主張しますが、説明を聞くほどに納得して食べたくなってくるあたりはさすがに噺家。
 新作は自分のスタイルを通す反面、古典ではほとんどオリジナルに手を加えないと決めている喬太郎さん。古典も新作も関係ないニュートラルな状態に戻りたいと、ご自身の落語観を熱っぽく解説します。落語らしい落語を目指し、伝統と革新の間を駆け抜ける噺家の魅力をお楽しみください。

2007年12月10日

「本当の落語らしさを現代に」ゲスト 三遊亭遊雀

 移籍・改名後、すぐに国立演芸場主催「花形演芸大賞」金賞を受賞するなど、何かと話題の三遊亭遊雀さんがゲスト。電車で無邪気な子供に席を譲られ、思わず年寄りのふりをしてしまったという何気ないエピソードをきっかけに、それが噺家に必要な「空気を読む」能力のせいだと持論を展開します。
 その日の客が何を求めているかを敏感に察知して、その場で噺に肉付けしていく即興性が落語という芸能の醍醐味。また、古典に新しい解釈を加えて披露するのも、遊雀さんの得意とするところです。
 大先輩の高座を見て「とてもかなわない」と思いつつ、自分なりのアイデアをいつも探し出す遊雀さん。斬新な役作りで古いファンから反発を買うことがあっても、そんなお客の反応を喜びと感じ、さらなる研究に余念がありません。
 落語に究極の完成はなし。だから進化している途中を見てもらいたいと願う42歳。演ずる者によって、登場人物のキャラクターが異なってくるのもまた落語の楽しみだと教えてくれます。高座では独特の浮遊感でとことん笑わせてくれる噺家の、真摯な一面が垣間見られるひと時です。

2007年12月18日

「わからないことが、宝もの」ゲスト 覚和歌子

 詩人の覚和歌子さんは、流行歌の作詞を数多く手がけながら、絶えず朗読会や音楽活動を通じて詩を発表してきました。「千と千尋の神隠し」の主題歌「いつも何度でも」の作詞者としても知られています。
 言葉と心と身体が一体化することこそ、詩人としての理想であると語る覚さん。まずは2007年に出版された詩集「海のような大人になる」より「こ・こ・から」という詩を朗読してくれます。同じ詩でも、目で文字を追うのと音で聞くのとでは、全く違う作品に感じられるもの。覚さんは、音楽性や身体性も言葉が持つ力の一部であると考え、朗読することを前提にした詩作を心がけています。
 気持ちは、物理的なエネルギーと同じ。溜め込むと澱んでしまう。ケチケチしないで送り出してあげると、そこに運動が生まれて再び自分に戻ってくる。そんな覚さんの世界観は、朗読を聴いていると確かにしっかりと味わえるのです。
 「わかりやすすぎることが氾濫している現代、わからないことって素晴らしい」とは、まさに詩人の言葉。番組のラストでは、再び前述の詩集より覚さんの死生観を詠った「ひとめぐり」を朗読し、スタジオは深い感動に包まれます。

2007年12月23日

「浪曲に人生を捧げる才媛」ゲスト 春野恵子

 若手の浪曲師、春野恵子さんがゲスト。東大を卒業し、出版社に2年勤めた後に芸能界入り。日本テレビ「進ぬ!電波少年」のケイコ先生として有名になりましたが、自分の人生を捧げる道を探し求め、ついに浪曲と出会ったいきさつを教えてくれます。
 2003年、国立文楽劇場の楽屋に春野百合子さんを訪ねて弟子入り志願。「無理だからやめなさい」と断られたものの涙ながらに食い下がり、晴れて入門が叶いました。
 番組の途中で、「番町皿屋敷 お菊と播磨」からの一節をアカペラで披露。「1人ミュージカル」といわれる浪曲の魅力が伝わってきます。恵子さん曰く、浪曲は声の説得力が命。荒唐無稽な話でも、ひとたび節が始まると、その迫力に圧倒されて納得してしまうのだとか。
 浪曲師としての生活は貧しいものの、家電が無いと言ったら炊飯器が2個も3個も集まったという大阪らしいエピソードも。2007年には若手5人のユニット「新宣組」を結成し、クラブやカフェなどで浪曲を演じる機会も増えました。
 浪曲がなければ、この先の人生もない。そんな言葉に、浪花節のパッションを感じる楽しいトークです。

2007年12月26日

「落語作家という生き方」ゲスト 本田久作

 1960年に大阪で生まれた本田久作さんは、2002年以来、毎年新作落語の賞に輝いている気鋭の落語作家です。
 10歳の時に桂米朝一門会の寄席を観て上方落語に魅せられ、中学時代には毎朝友人たちに古典落語を披露していたという本田さん。当時すでに120席もの噺を諳んじることができたというから驚きです。
 中学3年生にして敬愛する桂枝雀さんの門を叩き、目の前で「道具屋」を演じるものの入門は叶わず。その後、伝説的なパンクバンド「変身キリン」を結成してミュージシャンとして活躍しますが、そのかたわらでコツコツと落語のネタを書き留めていたそうです。
 本田さんが理想とするのは「子ほめ」のような、落語の魅力を全て兼ね添えたわかりやすい噺。散歩中などに噺の設定をふいに思いつき、書いているうちに突然オチがわかるという創作秘話も実に興味津々です。
 2008年に博品館劇場で行われる「源氏物語千年祭」のため、源氏物語を題材にした3作を書き上げたばかり。多彩な才能を持つ本田さんの飄々とした語りから、落語作家という興味深いお仕事の一端を知ることができる30分です。

2007年12月27日

「ニュースの真意を読み取る」ゲスト 田中宇

 ニュース読解の達人、国際情勢解説者の田中宇さんがゲスト。アメリカ同時多発テロ事件以降、一般のニュースが偏向していると感じた人々を中心にメルマガ「田中宇の国際ニュース解説」が支持を広げ、今や読者は17万5千人を数えています。
 学生時代に世界を放浪し、全く違う時代感覚を生きる諸外国の人々に接した田中さん。勤務した共同通信社の経済部でも世界のニュースを読みながら、そこに政治的な意志が多分に入っていると気づきました。新聞は必ずしも客観的ではないし、何が中立なのかは測れない。だから多様な報道を読み解いて、背後にある大局を推測する必要があるのです。
 後半は、アメリカの未来についての興味深いお話。イラク戦争に突き進んだアメリカを「意図的に失敗している」と疑う田中さん。アメリカは中国やロシアをわざと怒らせて世界の覇権という荷物を下ろし、世界の多極化を目論んでいるのではないかという推察を展開します。
 ニュースの論調の裏にある、そこには書かれていない世界の読み方を示唆してくれる田中宇さん。知的興奮に満ちた30分です。

About 2007年12月

2007年12月にブログ「ラジオの街で逢いましょう」に投稿されたすべてのエントリーです。過去のものから新しいものへ順番に並んでいます。

前のアーカイブは2007年11月です。

次のアーカイブは2008年01月です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。