2012年01月30日

「見限られた身体」ゲスト 三砂ちづる

ゲスト 三砂ちづる
ホスト 平川克美(@hirakawamaru
アシスタント 浜菜みやこ (@hamamii)

三砂ちづるさんは、ロンドン大学衛生熱帯医学院研究員、JICA疫学専門家として活動された経験の持ち主。アマゾンのフィールドワークが目的で暮らしたブラジルでの生活は10年に及ぶ。このブラジルでの生活が、三砂さんに男女の本質的な関係を見直させたようだ。

「男と女の関係は、セックスしかない」と言い切る三砂さん。ブラジルの家族はことのほか楽しく、人間関係はとても信頼できるものであるらしい。その根底には、異性に対するセクシャルなまなざしと熱いコミュニケーションがあるのではないかと三砂さん。

ブラジル人に触発され、女性としての性をまっとうして生きることの大切さを感じて発信した『オニババ化する女たち』は、日本ではフェミニズムの標的となった。そのいきさつや状況を平川氏と分析。見えてきたのは、あまりにも豊かではなくなった身体とそれを推進する社会の有り様だ。

現代を生きる人間のからだをめぐる状況を、三砂さんと平川氏が、着物と下着、介護、排泄、月経、妊娠、出産、育児、性教育などから解き明かす。

番組の後半はこちらでお聴きください(有料です)
http://www.radiodays.jp/item/show/200868


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2012年01月17日

就活のことなら常見さんに聴こう!

ゲスト 常見陽平(@yoheitsunemi
ホスト 平川克美(@hirakawamaru
アシスタント 浜菜みやこ (@hamamii)

国も世界もタイヘンだけど、若者の雇用、つまり「就活」もここ10年ほどタイヘンなことになっているらしい。それはまさに社会の縮図だという。その実体を就活学生のつよーい味方、常見陽平さんにじっくり聴いてみた。
 さて、みなさんは、就職活動の時、どんな形で企業などにアプローチしたでしょうか。今の学生は、まずはプレエントリー、そして正式なエントリーシートを書き…と、いろいろテクニカルな様式、作法があるようです。なんでもプレエントリーを80社にしてみても、1社も受からない場合もあるとか。
 それを常見さんは、「まるで、八重洲の銀の鈴でナンパしているようなもの。八重洲の広場でいい出会いはないでしょう」と。こんなおかしなことになっているのはなぜ!? そこにあるのはやっぱり大人の利害や思惑。こうした事態に対し、就職しなかった平川氏は「企業のエゴに対し、武装する必要があるよ。自分の主義や哲学や美学を持つべきだし、会社に人生を預けない姿勢が必要だね」と言い切る。
 でも、人間追いつめられると、ついつい名前とか派手さとか、お金!とかに惑わされるもの。ですが、冷静に考えると、今ピークの会社って、30年後にも栄えてるでしょうか。それに、最近分かってきたことは、やっぱりちゃんと生き残ってるいい会社はひとつのことを地道に積み重ねてきた会社だということ。
 こういうことは、何も若者にとってだけ大事な視点ではありません。
 日本の企業の99パーセントは実は中小。つまり、日本の経済や国を支えているのは中小企業。若者はそれも分かっていて、中小企業に就職したい者もたくさんいるのに、実際のそれらの企業の情報がないのが実状とか。
 常見さんはそうした現実を若者の存在や生き方の多様性を認め、社会の世代間の隔絶を埋めたいそうです。さまざまな世代の考えや構築してきたものをリレーしていく時期が来たということで、世代の違うふたりの話はガッチリまとまりました。

番組の後半はこちらでお聴きください(有料です)
http://www.radiodays.jp/item/show/

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2012年01月11日

ラジ街版「2011年重大ニュースランキング」

ゲスト 小田嶋隆(@tako_ashi
ホスト 平川克美(@hirakawamaru
アシスタント 浜菜みやこ (@hamamii)

2011年の「ラジ街」は、ふたりのパーソナリティ対談で締めくくりました。アシスタントの浜菜みやこさんとも打ち合わせがあったのか、3人とも帽子をかぶって集合。まずは、帽子談義からスタート。

 平川氏曰く、「帽子は大人のたしなみだよ」。そう、決して裕福とは言えない時代も、大人は外出時に帽子を被り、その姿に子どもは安心したのだそうです。そういえば、かの波平さんも被っておられましたねぇ。

 話は自然と昭和30年から40年代の空き地や土管のある懐かしい風景に移ろって、高度経済成長時代へと進みますが、、、、

大阪市長選、ビン・ラディン、原発事故など2011年重大ニュースは後半に加速!
2人の知性のジャムセッションは圧倒的です。
番組の後半はこちらでお聴きください(有料です)
http://www.radiodays.jp/item_set/show/517

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2011年12月28日

ライムスター宇多丸、小田嶋隆「宇多丸・隆のヰタ・セクスアリス」

ゲスト 宇多丸
ホスト 小田嶋隆(@tako_ashi
アシスタント 浜菜みやこ (@hamamii)

2人は、収録前より、“往復質問状”を交わしていた。こんなマジメな対談はなかなかありません。その中身はというと、「ヒップホップというカルチャーについて、その音楽史の中での位置づけ、そして、ラップという言語について、とことん語り合いましょう」というものでした。

スタッフも、ハイレベルな対談を思い描き、少々緊張気味に臨んだ当日。宇多丸氏も緊張しながら、収録スタジオに入ってこられました。なんでも、小田嶋氏の著作は昔からずっと読んできたという宇多丸氏。そのご本人との対談とあって、中学生のように礼儀正しく席につき、深々とお辞儀をされた。スタッフ一同、固唾を飲んで始まった対談、しかし……。

中身は、どうぞお聴きになってお確かめください。実にくだらない、失礼、いやタイトル通りの主題が音源全体に通底し、ある意味普遍的で、なんとも魅力的なトークです。人間はしょせん、そういう生き物なのだと実感したおふたりのお話、あらすじを少しご紹介しましょう。


宇多丸氏の出身、巣鴨中高。今や開成にキャッチアップしようという進学校が、氏の在学当時はどんなに蔑まれた学校だったか、そして、どんなに女性と遠い青春であったかを吐露。一方小田嶋氏は、小石川高校という名門共学校にいましたが。。。

さて、ふたりは最終、同じ早稲田大学に進まれますが、そこから共学出身か男子校かで、女性へのアプローチや向かって行く馬力に違いがあったと今更に分析。

とにかく、そんな悶々とした青春期に聴いた音楽や“刷り込まれた”映画のことなど、つれづれに語り合う中、激笑のエピソードが飛び出します。本年笑い納めにも、ぜひお聴きください。

なお、この続きのコンテンツについては、関係諸氏の事情により現在配信しておりません。近いうちになんらかの形で配信いたしますので、少々お待ちください。

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2011年12月27日

たかのてるこ×津田大介「人儲けがしたい。だから、旅に出る」

ゲスト たかのてるこ
ホスト 津田大介(@tsuda
アシスタント 浜菜みやこ (@hamamii)

この日は、秋葉原の聖地、「リナカフェなう」で知られたカフェソラーレ閉店を知り、記念に半分公開収録的な収録を行いました。静かとはいえ店内。その中でよく響く大阪弁でたかのさんが旅の魅力を語ってくださいました。

学生時代から現在まで40の国と地域を訪れたたかのさん。旅の魅力は、“自分の価値観をこん棒でなぐられる”ような出来事に出会い、「世界には、自分の知らない価値観がてんこもりやー」とつくづく思うから。小さい頃から、主人公がいろんな経験をして一回り大きくなって帰ってくる、そんな旅物語に憧れていたという、そんなたかのさんに言わせると、旅は、究極の参加型総合エンターテインメント。

宿屋選びの極意から、東南アジアのラオスで“現地の兄ちゃん”と恋に落ちたエピソードなど、笑いとともにたかのさん式旅のおもしろさを語ってくれました。


番組の続きはこちらでお聴き下さい!!(有料です)
http://www.radiodays.jp/item/show/200853

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2011年12月07日

植村八潮×津田大介「電子出版のこれから」

ゲスト 植村八潮(@e_gutenberg
ホスト 津田大介(@tsuda
アシスタント 浜菜みやこ (@hamamii)

今回のラジマチは、電子書籍の推進のために「出版デジタル機構(仮称)」という組織を立ち上げ、日々奔走されている植村八潮さんをゲストにお招きしました。(2011.12.1放送)

ちょうど2週間前のラジマチでは、三島邦弘さん(ミシマ社代表)をお招きして、彼らの目指す「出版業界の未来」についてうかがいましたが、今回は電子出版の話です。三島さん、植村さんのお話をうかがうと、出版不況といわれているのは、もしかしたら「いままで儲けすぎていたある一部」の話であり、彼らの活躍で出版業界の未来は明るいのでは?と思ってしまいます。

当日USTREAMをご覧になった方なら納得でしょうが、とにかく、植村さんはお話が流暢で面白い方でついつい引き込まれてしまいました。いやあ楽しい!

また、僕らは電子出版というと、小説や文芸というイメージが浮かびますが、書籍にはさまざまなジャンルがあり、例えば地図や実用書のように「書籍よりもデジタル化に相応しい内容」の本もあります。「こういったものを電子化してより読者にとってわかりやすい内容にすればいいじゃないか」というように。いずれもごく当たり前の主張です。

「電子辞書の市場って400億だけど、紙の辞書って300億ですよ。」
「スマフォの乗り換え案内だって、あれはもともと時刻表でしょ?」

すでに電子書籍というのは、私たちの身近なものとして活躍しており、市場性も高いことが証明されています。

電子出版はフォーマットやツールばかりが話題になります。どうやらそれはビジネスの話が先行していて、我々読者は蚊帳の外といった雰囲気です。
本が大好きだという植村さんだけに本に対する愛情や、出版業界に若者が参入してほしいという想いから、電子出版と紙の出版の共存する未来が語られています。

また、Ustream内ソーシャルストリームよりの書き込みにも一部お答えしています。
ラジマチUstreamの際にはどしどしご意見をお寄せくださいね。

番組のつづきはこちらでお聴き下さい!!(有料です)
http://www.radiodays.jp/item/show/200836

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2011年11月30日

『「はかるひと」60年の今』ゲスト 岡野眞治

ゲスト 岡野眞治
ホスト 津田大介( @tsuda
アシスタント 浜菜みやこ (@hamamii )

11月24日 津田大介さんとわれわれラジオデイズスタッフが、
岡野先生の御自宅に伺い、Ustreamを行いました。
その配信の一部をぜひお聴き下さい。

※このコンテンツは常にノイズが流れていますが、これは岡野先生のご自宅にあるスペクトルメーターがカウントしている音です。お聞き苦しい点があるかと思いますが、あらかじめご了承ください。

番組のつづきはこちらでお聴き下さい!!(有料です)
http://www.radiodays.jp/item/show/200832

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本音源のUstream配信アーカイブ(一部)は下記よりご覧いただけます

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2011年11月24日

セルジオ越後の「スポーツの底力」 vol.001

今回より配信致しますセルジオ越後の「スポーツの底力」

現在、日光H.C.アイスバックスにて"シニアディレクター"として大活躍されている、セルジオ越後氏をお招きし、ラジオデイズより、Ustream配信をいたします。

ご質問などは、ツイッター@radimachi、若しくはメールで「 i@radimachi.jp 」へどうぞ!

本音源のUstream配信アーカイブは下記よりご覧いただけます

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三島邦弘「出版に未来はある!」

ゲスト 三島邦弘(@mishimakunihiro
ホスト 平川克美 (@hirakawamaru )
アシスタント 浜菜みやこ (@hamamii )

 本屋さんが年10パーセントの割合で姿を消し、かつて時代をリードしてきた雑誌も次々に廃刊されるこの時代。「本はもう売れない」と、既存の出版社は電子書籍の道を模索するなど、生き残りをかけて必死の形相だ。

 そんな中、「原点回帰」をうたう小さな出版社が活躍し、注目を浴びている。ミシマ社。自称「自由が丘のほがらかな出版社」。その代表が三島邦弘さんだ。

 収録早々、話題は社に出没するねずみのはなし。続いて、行きあたりばったりの社員旅行。

 皮膚感覚や野生を大切にしながら、本づくりの感性や仕事する楽しさを追うミシマさんとミシマ社のひとびとが目指す「原点回帰」とはなにか。ぜひお聴きください。

話しの続きはこちらでお聴きください!!
http://www.radiodays.jp/item/show/200830


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本音源のUstアーカイブは一部、下記にてご視聴いただけます。

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小田嶋隆「TPP、オリンパスについて」

ゲスト 小田嶋隆(@tako_ashi
ホスト 平川克美 (@hirakawamaru )
アシスタント 浜菜みやこ (@hamamii )

今回はゲストに小田嶋隆氏をお招きし、番組スポンサーの親会社であるオリンパス問題、TPP問題を。そして続編のプラス1ではオリンパス問題、大阪市長選挙、原発問題(復興構想会議)などを語ります。

今後も番組へのご意見募集中。メールで「i@radimachi」若しくはツイートで「@radimachi」宛へお寄せください。

本音源のUstアーカイブは一部、下記にてご視聴いただけます。

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2011年11月09日

伊藤銀次×平川克美「“ナイアガラー”に捧ぐ、伊藤銀次音楽論プロローグ」

ゲスト 伊藤銀次 (ブログSUNDAY GINJI )
ホスト 平川克美 (@hirakawamaru )
アシスタント 浜菜みやこ (@hamamii )

リニューアルした「ラジオの街で逢いましょう」の第一回目のゲストはミュージシャンの伊藤銀次さんです。

ありとあらゆるジャンルのアーティストとのお仕事で活躍してきた銀次さん。
その生い立ちから学生時代の話、音楽との出会いについて興味深いお話をたくさん頂きました。

そしてあの伝説の番組「平成名物 イカすバンド天国」(イカ天)の審査員時代のお話も必聴!!

さらにサプライズゲストも登場でお話しも大いに盛り上がります!

伊藤さんの理論は秀逸かつ魅力的。そこで、シリーズで音楽講座を開講していただくことになりました。
「伊藤銀次の音楽修士課程」。ご期待ください。

本音源のUstアーカイブは一部、下記にてご視聴いただけます。

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2011年10月30日

津田大介×小田嶋隆×モーリー・ロバートソン×平川克美「2011、秋のラジオデイズ祭り 大感謝祭」

2011年10月17日、渋谷eggmanにて公開収録されたコンテンツ。

出演者は今までのパーソナリティ4名
津田大介
小田嶋隆
モーリー・ロバートソン
平川克美
に加え、「ラジオの街で逢いましょう」へゲスト出演頂いた、
烏賀陽弘道
枡野浩一
の両氏にもご登場頂きました)

アシスタントは浜菜みやこ。オープニングの生演奏は、在日ファンク後関好宏氏がソプラノサックスを、そして、弊社プロデューサーの坂根秀和がキーボードを弾いています。

また、当日、第二部では伊藤銀次氏にもご出演頂きました。※音源は大人の事情でカットさせて頂きました事を予めご了承ください。

2011年11月よりは、装いも新たに毎週木曜日19時よりUst生放送でお送り致します。引き続きどうぞ宜しくお願いいたします!
ゲストへのご質問などは、ツイッター@radimachi、若しくはメールで「 i@radimachi.jp 」へどうぞ!

本音源のUst配信アーカイブ(一部分)は下記よりご覧いただけます。「プラス1」も是非お楽しみください!

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2011年10月28日

麻木久仁子×津田大介「プロはやっぱり、現場で育つ」

ゲスト     麻木久仁子(@kunikoasagi
パーソナリティ 津田大介(@tsuda
アシスタント  浜菜みやこ(@hamamii

津田氏がゲストを迎えた時、必ずお聴きするのがその方のご経歴。と言っても、堅苦しい仕事歴や業績ではなく、意外な前身だったり、その世界に入るきっかけだったりをお聴きすることにしています。たとえば、上杉隆さんはホテルマンだったとか、映画監督の鎌仲さんは探検部出身とか…。さて、麻木さんの答えは、なんだったでしょう…?

テレビやラジオでの麻木さん、頭の回転の速さや博識ぶりが際立つ司会やクイズでの活躍を知らない人はいないでしょうが、その道のりもそろそろ四半世紀とのこと。その間、バブルで世間が浮かれまくっている頃も、厳しくなってからも、変わらず着実に仕事を続けてきた麻木さん。“現場が自分を育ててくれた”と実感する彼女を支えた、さまざまなエピソードを語ってくださいました。

また、引き続き収録した「ラジオの街で逢いましょう プラス1」ではUst配信も行いました。その時の一部アーカイブは下記よりご覧いただけます。

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2011年10月17日

セルジオ越後×平川克美「本当のスポーツ文化を育てる」

ゲスト     セルジオ越後(@sergio_echigo
パーソナリティ 平川克美(@hirakawamaru
アシスタント  浜菜みやこ(@hamamii

 辛口と言われるセルジオ越後さんのサッカー解説には哲学がある。「ほめられるだけでは人間は現状維持しかない。足りないところを指摘されてこそ、成長がある」。多くの有名選手がセルジオさんのアドバイスに耳を傾ける所以だ。

 そのセルジオさんが、今度はアイスホッケーチームのシニア・ディレクターとなり、サポートを始めた。報酬はない。完全なるボランティアだ。そのチームの名は「H.C.栃木日光アイスバックス」。今季(2011年)秋に始まったシーズンは、あの王子製紙を破り、好調な滑り出しでにわかに注目を集めている。各選手の実力、チーム力ともに勝る相手に、アイスバックスはどんな戦いをしたのか。勝利へ導くために、いったいセルジオさんはどんなマジックを使ったのか。そもそもセルジオさんがなぜ日光アイスバックスに関わるようになったのか。その物語をぜひお聴きください。

また、引き続き収録した「ラジオの街で逢いましょう プラス1」ではUst配信も行いました。その時の一部アーカイブは下記よりご覧いただけます。

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2011年10月09日

烏賀陽弘道×モーリーロバートソン「スパイ映画のススメ」

このページは、InterFMでオンエアされた「ラジオの街で逢いましょう」のストリーミング版ページです。
※数日遅れでポッドキャストでも配信。宜しければご登録ください!iTunes内Podcast「ラジオの街で逢いましょう」ページはこのリンクをクリック


ゲスト     烏賀陽弘道(@hirougaya
パーソナリティ モーリー・ロバートソン(@gjmorley
アシスタント  浜菜みやこ(@hamamii


 原発事故で見えて来たこと。そのひとつに、現実としての核の存在があることを真剣に考えている日本人は、果たしてどれほどいるだろう。

 世界において、原子力発電と核爆弾は双子の存在であることは自明だ。ヒロシマ・ナガサキ以降も世界中で核実験は行われ、各国は核を開発してきた。その背景の冷戦構造。象徴はベルリンの壁だった。モーリー氏は「世界の人々はベルリンの壁の向こうの別の世界を見ようとしたけれど、日本人は9条という壁が立った後、壁の向こうの核ある世界を見ようとはしなかった」と論じる。

 65年後の今。核を持つ国の人々は、自分の頭の上に放射能が降ってくる日が来ることを常にイメージし、備えている。どこに、どうやって逃げるのか、詳細な避難地図もあるし、周到なシュミレーションもする。対して、福島の人々はどうだったろうか。

 安全は目指さなくてはならない。が、事故は起こらないという神話、幸せな推定(happy assumption)は悲劇的な結果を産む。

 今すべきこと。それは、考えてはいけないこととして口をつぐんで来たことを、ワイルドに想像してみることかもしれない。そうして初めて、危険や問題が見え、実感できるはず。まずはスパイ小説を読み、スパイ映画を観よう! すべては想像力から始まる。

続編となる「ラジオの街で逢いましょう プラス1」では、『なぜ文学は消えてゆくのか』と題し、さらにディープなコンテンツとなっています。
詳細→http://www.radiodays.jp/item/show/200813

また、引き続き収録した「ラジオの街で逢いましょう プラス1」ではUst配信も行いました。その時の一部アーカイブは下記よりご覧いただけます。

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2011年10月02日

福岡伸一×平川克美「絵解き、謎解き、世界の森へ」

このページは、InterFMでオンエアされた「ラジオの街で逢いましょう」のストリーミング版ページです。
※数日遅れでポッドキャストでも配信。宜しければご登録ください!iTunes内Podcast「ラジオの街で逢いましょう」ページはこのリンクをクリック


ゲスト     福岡伸一
パーソナリティ 平川克美( @hirakawamaru
アシスタント  浜菜みやこ( @hamamii

“虫の虫”。小学生の福岡さんは虫に魅せられた少年だった。中でも蝶。その美しさに心奪われ、ファーブルのように新種の生物に出会いたいと大学の研究室へ。

しかし、そこにはファーブルもドリトル先生もいなかった。かわりに、生物の内部の世界、細胞の森へ福岡さんは旅立つ。

 先頃、フェルメールの絵の謎を解くサスペンスのような著書を出された。世界に宝石のように散らばる37点のフェルメールの絵画。そのうちの34点を訪ねる旅。

それは、画家の時間、彼と交流したかもしれない人々との時間、その舞台となった街の時間、そして福岡さんの自身の来しかたに下りて行く作業となった。

時間とは物語である。なぜフェルメールなのか。魅せられるうちに、画家の企みに気づく観客。そのまなざしこそが、二次元の絵画に物語という次元を立ち上げ、絵にいのちを吹き込む加担者であるのかもしれない。福岡さんのように。

続編となる「ラジオの街で逢いましょう プラス1」では、『なぜ文学は消えてゆくのか』と題し、さらにディープなコンテンツとなっています。
詳細→http://www.radiodays.jp/item/show/200807

また、上記コンテンツではUst配信も行いました。その時の一部アーカイブは下記よりご覧いただけます。

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2011年09月26日

平川克美×モーリー・ロバートソン「今、ジャーナリズムとは何か」

パーソナリティ 平川克美( @hirakawamaru
パーソナリティ モーリー・ロバートソン( @ikebukuro
アシスタント  浜菜みやこ( @hamamii

日本のジャーナリズムは今、岐路に立っている。3月11日以降、おもに原発の情報開示について、偏った発信や発言を指摘する声が高まった。

ジャーナリズムとはいったい何か。それは、自問自答の行為であると、モーリー・ロバートソン氏は説く。

今回の原発について言えば、脱原発のイデオロギーのための発言の道具となってはいけないのだとモーリー氏。また、ネットによるにわかジャーナリズムについても言及。

平川氏は、長いスパンや俯瞰的な視点で歴史や事象を考える必要を説いた。ひとつの解で事足りた世界、予測可能な世界は終焉したのかもしれない。

複雑で、巨悪の横行、邪悪が散見する世界で、それでも人はどう生きるのか、ぜひプラスワンと併せてお聴きください。


続編となる「ラジオの街で逢いましょう プラス1」では、『世界の光と影』と題し、さらに深く広く世界を捉えるコンテンツとなっています。
詳細→http://www.radiodays.jp/item/show/200803

また、上記コンテンツではUst配信も行いました。その時の一部アーカイブは下記よりご覧いただけます。

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2011年09月20日

小田嶋隆×伊藤比呂美「ふたりの出会いが早ければ…」

ゲスト 伊藤比呂美(@itoseisakusho
パーソナリティ 小田嶋隆( @tako_ashi
アシスタント  浜菜みやこ( @hamamii

「声には人の体温があり、物語がある」。その通りのコンテンツとなりました。

言葉が「伝わる」ということは、記号的・意味的情報よりも、声や語りの間、息づかいに感じることではないでしょうか。

伊藤比呂美さんは、極上の朗読で知られる方。「ラジオの街で逢いましょう」では、「般若心経」を伊藤さんのからだとことばでもう一度産みおろした詩としてご披露くださいました。圧巻です。

さて、伊藤さんと小田嶋隆氏。ふたりは実は昭和60年代、すべての運動が終わったアナーキーな時代に、東京の隣同士の都立高校に通っていた同世代。

「放牧状態」と小田嶋氏が表する当時の高校生の精神(高邁とは対局の意味です。また、小田嶋氏は『方丈記』を読んでいたというからその暗さに伊藤さんからハンコをもらっていました)をそれぞれが味わい尽くし、そうそう、また北区、板橋区という、場末でボーダーで人間臭い豊かさのある暮らしに根を持つふたりの会話は、どうしようもなく強く、エネルギッシュで魅力的です。

ふたりがもしその頃に出会っていたら……。40年後のふたり。出会うべき男女の、時計の針のいたずらな逢瀬を覗き見したような収録でした。ぜひお聴きください。

なお、「ラジオの街で逢いましょう プラス1」としてUst配信した一部アーカイブは、こちらよりご覧いただけます。

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2011年09月11日

小田嶋隆×津田大介「ツイッターで、自宅雑踏化計画進行中。それでも、吐瀉し続けるぼくたち 」

パーソナリティ 小田嶋隆( @tako_ashi
パーソナリティ 津田大介( @tsuda
アシスタント  浜菜みやこ( @hamamii

この三人のコンテンツは、とにかく聞いてもらうに限る。
リスナーの心をそそろうと、話の断片を小出しにするのがもったいない。
それほどいい感じの言いたい放題大人の談話室だ。
だから、ぜひお聴きください。
まあ、あえて盛り上がったテーマを述べるとしたら、やっぱりネットの話。
“韓流びいきフジテレビ”と言われるその裏側の陰謀説や、デモについてふたりがそれそれに書いたツイートが炎上。殺人予告までが出されたネットの構造を彼らがどうとらえたか。
以外にも、「おーなるほど」の必聴キーワードが満載されました。

なお、ラジオ放送枠では時間が足りなく「ラジオの街で逢いましょう プラス1」としてUst配信した一部アーカイブは、こちらよりご覧いただけます。

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2011年09月05日

大友良英×津田大介「あの日、ぼくはもういちどフクシマに転校した」

ゲスト     大友良英( @otomojamjam
パーソナリティ 津田大介( @tsuda
アシスタント  浜菜みやこ( @hamamii


 大人になる以前に暮らした街に、愛憎混じった複雑な思いを抱いている人は実は多いと思う。あの頃も「明日にでも出て行きたい」と思ってたし、あれから本当にあまり帰ってない。大友さんにとって、フクシマはそういう街だった。

 だけど、あの地震が起こった。大友さんは心配で、何が起こってるのか、自分に何ができるだろうと考えた。あんなに嫌いで出て来たフクシマに行きたいと思った。たとえ被曝したとしても。

 帰ったフクシマでは、人の心がズタズタになっていた。こんな時に音楽ができることがあるとは思えなかったけど、和合亮一さんの詩に出会って思った。「言葉って無力じゃない。現実がぐちゃぐちゃになった今、文化が何かの希望や指針を示さないと」。えらそうにではなく、目の前の怪我をしている人に「だいじょうぶだから。死なないから!」と必死に伝える、そんな気持ちだった。そうして、プロジロェクトFUKUSHIMA!が始まった……。

 横浜から転校していじめに合い、居場所がなかった小・中時代、ノイズミュージックとの出会い、ジャズ喫茶に通いつめた高校生の頃……。そうして、今、革新的な音楽とジャズと映画やドラマのサントラの作曲と様々な音楽を手がける大友さん。さらにあの地震の日から、音楽をすることと人として当たり前に社会のことを考えて発信することがつながった。それはフクシマで生まれた新しい自分。そして、自分だけでなく、たくさんの人の心の居場所を作り、つなげた場となったかもしれないと思う。そのプロジェクトの最後に、彼が叫んだ言葉をぜひ、放送で聴いてください!!

なお、ラジオ放送枠では時間が足りなく「ラジオの街で逢いましょう プラス1」としてUst配信した一部アーカイブは、こちらよりご覧いただけます。

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2011年08月28日

ヴィーナス・カワムラユキ×モーリー・ロバートソン「メディア、ミディアム、巫女、ヴィーナス」

ゲスト     ヴィーナス・カワムラユキ( @VENUSkawamura
パーソナリティ モーリー・ロバートソン( @ikebukuro
アシスタント  浜菜みやこ( @hamamii


 一瞬、スタジオの中にいい香りが漂った。香水じゃない。ひとの香り。そうだ、ひとの内側から溢れるもののひとつに香りがあったな、と思い出した。ヴィーナスさんは、そんなひとだ。

 渋谷・道玄坂にある「しぶや花魁」のプロデューサー、作詞家、DJ、作家と幅広く活躍されるクリエイター、ヴィーナス・カワムラユキさん。

 収録には故郷・仙台に寄った東北からの帰り道に直接駆けつけてくださった。友人のお店で購入したTシャツやかわいいスニーカーがとてもお似合い。
「私はできるだけ友達のお店で買うことにしてるの。これってある種のプライド。お金の使い方、ごはんの食べ方、音楽の聴き方もね」とヴィーナスさん。すると「自分が買うアパレルが誰を幸せにするか、考えて買いたいね」とモーリーも。

「お金は匿名の交換可能な価値、その使い方は見えないけど、ひとりひとりがもっと尊厳を持って使うべき」という共通見解の発端は、ヴィーナスさんが渋谷「花魁」で募った義援金を石巻の花火大会に寄付したことから始まった。
「賛否両論ありますよ。けれど、まだ瓦礫の残る被災した街で、若い子たちが浴衣を着て、おしゃれして花火を楽しむ。いいじゃない? それに、浴衣を用意し、送り出した親御さんたちの気持ちを思うと……」。

 どんなに苦しくて大変な状況でも、美しいものを求める心を忘れたくない。心から心に伝える、優しい気持ちの循環を大切にしたい。
「今、ひとりひとりがメディアとなって感じたこと・見たことを伝え、行動することが大事」とヴィーナスさん。

「メディア(Media)の語源はミディアム(Medium)、つまり間に入る人という意味で……」というモーリーのレクチャーは目からウロコの説得力あり。

 音楽から原発問題、ソーシャルメディア、社会構造まで、幅広いトピックスをパノラマ化した三人。この語りを可能にしたのは、人間の情緒、温かさを信頼し、熱望する彼女の熱のこもった生き方だ。消費社会、資本主義社会で生きるには、クリエイターとてリターン・リスク・コスト計算かと思いきや、ヴィーナスさんは「いろんな人と夜ごと話し合い、その交わした熱と思いで曲を作るの」と、燃費の悪さを信条にしている。その彼女が作る音楽が今、若者をとらえる。音楽もオーガニックな時代に戻りつつある実感がした。

「ラジオの街で逢いましょう プラス1」ではヴィーナス・カワムラユキさんのUst配信も行いました。その時の一部アーカイブは下記よりご覧いただけます。
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2011年08月22日

古賀茂明×平川克美「官僚制度と闘う現役官僚」

ゲスト     古賀茂明( @kogashigeaki
パーソナリティ 平川克美( @hirakawamaru
アシスタント  浜菜みやこ( @hamamii

公務員改革の旗手として、一躍脚光を浴びている古賀茂明さんとの対話。

ラジオ収録では、現在の経済産業省の中で、古賀氏が何をやろうとし、何が官僚機構の逆鱗に触れたのか、その真相に迫ります。
また、現在の官僚制度というものが、どのような構造的な問題を抱えており、それらを解決するにはどうしたらよいのかについて、じっくりと語ってもらいました。

改革派の急先鋒として、霞ヶ関に激震を与えた人物は、お会いしてみると実におだやかで、冷静な方でした。
経済政策に関しては、意見を異にする平川でしたが、官僚制度の実態や、その問題点に関する古賀氏の指摘は十分納得のいくものでした。

その語り口や、相貌から伺えるのは、官僚としての責務を果たしたいという私心のない志しです。是非、皆さんの耳でお確かめ頂きたいと思います。(平川克美)

「ラジオの街で逢いましょう プラス1」では古賀茂明さんのUst配信も行いました。その時の一部アーカイブは下記よりご覧いただけます。
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2011年08月14日

枡野浩一×小田嶋隆「詠み人知られ”てこそ伝わる実感」

ゲスト     枡野浩一( @toiimasunomo
パーソナリティ 小田嶋 隆( @tako_ashi
アシスタント  浜菜みやこ( @hamamii

歌人・枡野浩一さんと小田嶋氏の出会いはこうだ。
町山智浩さんがまだ「宝島30」の編集者だった頃、小田嶋隆氏はある女性作家について何かを書こうとしていた。

その資料集めをある名物編集者から依頼され、手伝ったのが枡野さん。ちなみにその編集者は枡野さんを“プー”と小田嶋氏に伝えていたことが今回判明。ショックを隠せない枡野さん。

いやしかし、彼はそんなことでくじけるひとではない。なぜなら、枡野浩一は人生に起こるどんな事件もトラブルも作品にしてしまう、不死鳥のような、いや七転び八起きの人だからだ。

そうそう、“くじける”と言えば、『くじけな』は今注目のツイッターで始まった詩集(無理矢理でしたでしょうか、ゴメンナサイ)。以前出した『寂しいのはおまえだけじゃな』と同様、最後の“い”をなくすと、たちまち“じゃな”とつぶやくじじいがひとり浮かび上がる言葉のすごさ再びの詩集。

さて、ラジオでは、短歌と俳句のちがい、枡野短歌のウェットさ、枡野短歌が共感を呼ぶ理由、『ドラえもん短歌』の魅力について、枡野さんのため息まじりの実感吐露と小田嶋氏のコラムニスト的対象への切れ味分析が楽しい。

「ラジオの街で逢いましょう プラス1」では枡野浩一さんのUst配信も行いました。その時の一部は、こちらよりご覧いただけます。Video streaming by Ustream

2011年08月08日

小島慶子×津田大介「聴いてほしいことは誰にもある。その心の扉をみつけるのがパーソナリティの仕事です。」

ゲスト     小島慶子( @account_kkojima
パーソナリティ 津田大介( @tsuda
アシスタント  浜菜みやこ( @hamamii


15年務めたTBS女子アナを辞め、フリーとなった小島さん。長身、スレンダー、色白で大きな瞳。とにかくすべてが揃ったおきれいな方でした。スタジオ内でのトークはアップテンポでリズミカル。まるで子犬が遊ぶような鮮やかな展開に、アンカーな言葉が散りばめられます。「さすが!」と津田さん、思わず「話を引き出すテクニック」を拝聴すると…。

さて、お話はラジオに救われた高校生の頃、TBS採用時のエピソードから女子アナとしての悩みと自分がやりたいことの違いに悩んだ日々…。そして後半は、ラジオというメディアについて三人が語り合いました。

なお、「ラジオの街で逢いましょう プラス1」としてUst配信した一部アーカイブは、こちらよりご覧いただけます。
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2011年08月01日

澤田哲生×モーリー・ロバートソン「原発論議、日本に理屈を閉じ込めないで対話を進めよう」

ゲスト     澤田哲生
パーソナリティ モーリー・ロバートソン( @gjmorley
アシスタント  浜菜みやこ( @hamamii


3.11後、「ラジ街」では多くの方々と原発について語ってきました。
7月は、核をテーマにドキュメンタリーを撮る映画監督の鎌仲ひとみさん、40年間原発に反対しながら研究をされてこられた小出裕章先生にもお話を伺いました。
そして今回は、“推進派”と呼ばれる論をはる澤田哲生先生にお話を伺います。

福島原発の現状、これから考えられるリスク、再稼働の可能性、そして安全上の余裕の度合いを測るストレステストについて、わかりやすく解説くださいました。

澤田先生によれば、40年前に設計された福島原発1号機と現在設計可能な原発は、たとえるとトヨタの初期の車とレクサスほどの違いがあり、安全性・コストの面でかなりインテグレートされているとのこと。さらに、20年後の構想として免震構造の軽水炉の計画があります。

ストレステストは、総電減喪失や冷却機能低下などの具体的な結果状況を想定し、それから臨界までの時間把握などで安全上の余裕を測るもののようです。

こうした原発の新しい動きと再稼働に対し、メガソーラーや自然エネルギーの利用の現実性について、休耕田利用計画やモンゴルゴビ砂漠の計画、夜間電力のリスクや送電ロス、バックアップ電源の必要など、現実化への課題について具体的に話が進みました。

「ラジオの街で逢いましょう プラス1」はUst配信も行いました。その時の一部は、こちらよりご覧いただけます。
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2011年07月25日

堀本裕樹×小田嶋隆「俳句とは、17文字に託すまなざし、人と座す文化」

ゲスト     堀本 裕樹( @horimotoyuki
パーソナリティ 小田嶋 隆( @tako_ashi
アシスタント  浜菜みやこ( @hamamii


俳人とは俳句を作る人。ある時、自分が感じた世界を17文字に凝縮して表現する人のことです。堀本さんは、大学時代から俳句を始め、まだお若いですが、俳句結社の編集長もされてこられました。
さて、俳句の道のオーソドックスは、まずは結社に属し、句会で披露するところから始まるそう。でも、堀本さん曰く「俳句は作ることだけでなく、選ぶ時にも自分のまなざしを認識し、美意識を磨いていく」とのこと。だから、一緒に作る、一緒に選ぶのが大切。職業や年齢を離れ、同じ空気を吸い、座を組む仲間で学んでいくおもしろさが俳句の世界にはあるそうです。
また、「『歳時記』は読み物としてもおもしろい。もしかしたら日本人は、季語とセットに季節を感じるようになっているのでは」と小田嶋氏の視点。「句を詠もうとすると、見えている自然、小さなモノ、コト、日常の風景、世界を構築しているひとつひとつに対する認識が変わってくる」と堀本さん。どの視点からどの角度の光をあて、細部を描き、また大きな視点で眺めるか。うーん、深いです。でも、スタートは小学生の頃の標語でいい。俳句を日々詠んでいれば、新しいじぶんの言葉の世界を育てられるかも、と、堀本さんの穏やかなお話を聴いて、少しワクワク思えました。

同日プラス1(http://www.radiodays.jp/item/show/200783)として収録した部分では、堀本さんが俳句の道に入られたきっかけの人、中上健次さんのエピソードからスタートし、ツイッターで募集した句のスタジオでの選評へ。兼題は「夏の空」。よい句が次々投稿され、スタジオも盛り上がりました。
実は、スタジオ内よりもネットの句のほうがレベルが高かったよう。「ラジ街句会」に集まったのは以下の通りでした。

スタジオ内の句
夏の空 見上げる我は 上の空  
私どう?  女心と 夏の空     
紀の川の 銀の水音 夏の空
 さて、どれが誰の句でしょう?

投稿された句
自転車の 母帰り来る 夏の空
太陽の 光転がす 夏の空
外回り 恨みたくなる 夏の空
恋をして 泣き泣き 夏の空みたことか
朝顔の 青さ映せし 夏の空

選評では、眼目、季重なり、字余り、文語、川柳との違い、写生、解釈のずれやぶれのおもしろさ、吟行、挨拶句の粋、そして辞世の句にいたるまで、俳句のさまざまをご紹介いただきました。
ご興味を持たれたらぜひ、みなさまもリアルな句会にご参加ください。
きっと堀本さんがにこやかに迎えてくださいます。


「ラジオの街で逢いましょう プラス1」はUst配信も行いました。その時の一部は、こちらよりご覧いただけます。

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2011年07月19日

小出裕章×平川克美「原発の話は、小出裕章さんに聞いてみよう」

大阪の南のはずれ、熊取町にある京都大学原子炉実験所には、「熊取六人組」といわれる反原発の立場から警告を発信し続けている学者たちがいる。所謂原発推進の国策を推進する政官財から無視され、あるいは抑圧されながらも原発の危険性、不合理性を警告し続けてきた学者たちである。

この度の震災・津波とそれに続く福島原子力発電所の事故は、まさにかれらが警告していた危険性が単なる空想や杞憂ではなく、いまそこにある危険であったことを証明したかたちになった。原発事故以降、小出裕章さんは一躍脚光を浴びたのだが、小出さんご自身はこんな形で脚光を浴びたくはないと思っているようである。その誠実な人柄のひとことひとことから「人間に何のメリットももたらさない原発からは、どんなデメリットも受けてはならない」という信念を四十年の長きにわたって貫いてきた硬骨の学者魂がうかがえるインタビュー。
そのハイライト部分を聞きながら、スタジオで平川克美が解説するラジ街特別編。

インタビュー全編は今回特別に無料にてダウンロードいただけるよういたしました。
http://www.radiodays.jp/ よりどうぞ。
※入会金・年会費はご不要ですが、ラジオデイズへご入会頂く必要があります。

2011年07月11日

鎌仲ひとみ×津田大介「多くの普通の人のために、嘘をつかずに伝える」

原発や核といったシリアスなテーマでドキュメンタリー映画を撮る鎌仲さん。しかし、そのテイストはどこかユーモラス。お目にかかったご本人も、実におおらかでチャーミングな女性でした。

そのスタートを聞いてみると、「世界のいろんな街や村で、人々はどんなものを食べ、どんな暮らしをしているのかを知りたい」と入った大学の探検部。

そこからどこでどうして映画の世界につながったのか、当時の彼氏やオヤジ社会の映画界、カナダ留学、奨学金が尽きて出稼ぎに出たNY、そこで出会った「メディア・アクティビスト」集団等々、不思議な出会いに彩られた鎌仲さんの辿られた今まで。ユーモラスでストレートな語り口がさらにおもしろさを上乗せして、必聴です!

さて、日本では聞き慣れない「メディア・アクティビスト」。この言葉に津田さんが反応。一言で言えば「メディアでメディアを批判する人」ですが、そもそもアメリカでは、ケーブルテレビなどの環境を通してすべての市民が自分のメディアを持つことができるそうです。

また、作品制作でメディア・リテラシーを学んだり、“権力を監視する”メディアの役割を知ったことなど、プロの鎌仲さんがアマチュアの集団に学んだことは大きかったとのこと。

誰のために作品を作るかという視点ももらって、いよいよイラクに出かけたことが原発や核問題をテーマに作品を撮り続けるきっかとなりました。未知の人々をそのままに、透んだまなざしで映し撮る鎌仲さんの映画。

開かれる上映会にもできる限り全国津々浦々出かけて行ってお話をされる鎌仲さんの思いを、たっぷりお聴きください。

また、プラス1では、揺れる原発問題について触れながら、大学の講義でよく出会う「社会を変えることなどできない」と思っている若者たちの現状、そして、震災前後に火が着き、社会を変える道具となり始めたソーシャル・ネットワークの力について、鎌仲ひとみ・津田大介・浜菜みやこ の三人が語り合いました。
こちらより試聴、及び、お買い求め可能です。 http://www.radiodays.jp/item/show/200775
なお、この模様はUstreamでも配信、現在一部公開中です。

2011年07月04日

「からだのリテラシーを作る」ゲスト ユーコ・スミダ・ジャクソン

パーソナリティ モーリー・ロバートソン
アシスタント 浜菜みやこ

80年代以降、アメリカの音楽シーンのみならず、社会に大きな影響を与えたマイケル・ジャクソンは、1992年に「デンジャラス・ツアー」という世界ツアーをスタートした。その唯一人の女性バックダンサーが日本人だったことをご存知だろうか。

「ダンスで世界中を回る」という夢を叶えたユーコさんの人生のスタートは、ダンス修業に単身向かったNY。そこで、彼女は日本人、東洋人といったカテゴリーから脱出し、初めて自分自身に出会う。

そして、オーディションで勝ち取った、ただひとりの枠。
「どうして選ばれたのか、もう永遠の謎になってしまったけど、あの時、なぜか自信があったんです。不思議な自信が」と語るユーコさん。

当時のアメリカのショー・ビジネスにおいて、東洋人の枠は驚くほど狭かったはず。そのハードルを超えるほど、彼女の解放された喜びや目覚めのほうが格段に輝き、勝っていたのだろう。

そして、今も忘れない、会うたびに感じたマイケルのダイレクトなバイブレーションについても。

後半は、プロとして怪我を克服・予防し、チューニングするために積み上げてきたメソッド「アウェークニング」を紹介。

同日プラスワンとして収録した部分では、モーリー氏が、80年代のアメリカの社会状況を説明しながら、ブレイクダンス、ブラック・ミュージックなど、ブラック・カルチャーがどう花開いていったのかを説明。
ユーコさんも、「身の危険を感じるほど、街には緊張感と対立が渦巻いていた」と言う。火花の散るような黒人同士、また白人との対立が、逆に生きるポテンシャルにつながり、すばらしいダンスが生まれたのでは、とモーリー氏。
それを受けて、ユーコさんが日本で抱いていたコンプレックスを多様な分かが交わるアメリカで「自分らしさ」としてアクセプトし、変容させたプロセスを紹介。

ダンスは言葉以前の時代、古代より途絶えたことのない人間には欠かせない営み。「やっぱり魂が喜ぶことをしなくちゃね」と、話はダイナミックにハイテンションに広がり続けました。

2011年06月28日

「ゆらぎの中、問い続けて生きる」ゲスト 森本あんり

パーソナリティ 小田嶋隆
アシスタント 浜菜みやこ


森本あんりさんと小田嶋氏は、小中高の幼なじみ、しかも親しい友人でした。パーソナリティとしての最初のゲストを打診した時、小田嶋さんからはすぐに森本さんの名前が挙がりました。「逢いたい男がいるんです」と、それもうれしそうに。
そうして、35年の時を超えての再会。この間、小田嶋さんにとって森本さんは「問い続ける男」でした。
中学の時、森本さんが小田嶋さんに投げた問い、それは
「ねぇ、小田嶋、世界に果てはあるのかなぁ?」。
「!?……あるんじゃないの」と小田嶋氏。
「それじゃあ、果ての向こうはどうなってるの?」
「……」。

小田嶋氏と森本さん。かたやコラムニスト、かたやキリスト教者。此岸と彼岸に立つ場所は隔たったようで、しかし、それぞれの人生に問いが生まれるたび、流れる川越しにお互い問いかけを続けてこられたのかもしれません。「あいつなら、どう考えるだろう」と。
さあ、ふたりだけの同窓会、そのテーマは、アルコール依存症、信仰と宗教の違い、震災による多くの人々の死とサバイバーズ・ギルト、今、宗教者のすべきこと…。
まるで人間の真を垣間見るために、井戸の底に向かうように、多様な哲学的な深い語らいとなりました。

プラスワンでは、森本さんがキリスト教者になった経緯、クリスチャンミュージックに表れるような、アメリカの特異なキリスト教の変化とありかたについて、小田嶋さんの鋭いカルチャーへの視点と森本さんの専門知識からくる考察が絶妙にかみあい、知的な文化談義となりました。哲学同窓会、お耳でぜひご同席ください。

当日のUstダイジェストはこちらでご覧いただけます

2011年06月20日

『「カナリア」の役割』ゲスト 山口啓介

社会的な主題からインスパイアされた作品を発表し続ける山口さん。
今回の原発事故以前から、原爆、原子力やプルトニウム、劣化ウラン弾に疑問を持ち、モチーフに取り入れてきました。最近は、関西の田園地帯にアトリエを構え、東京との往復生活を営まれています。緑に囲まれた生活の中で始まったのが、音楽用カセットケースに植物をセットした「カセットプラント」。発想のもとは『ジェラシックパーク』の冒頭、恐竜の首にとまった蚊。
また、山口さんは現在、以前番組に登場くださった画家の岡本信治郎さんや伊坂義夫さんとともに、《地球★爆》共作絵画プロジェクト(アースアタック)という巨大な共同作品を制作中。ひとりで自己表現するのが基本の画家が共同作業をするのは前代未聞、至難の業。それを乗り越えるために、とことん話し合った制作秘話もお話しくださいます。


プラスワンでは、3.11以降、山口さんがしてきたこと・考えたことをお聞きしました。あの日以来、欠かさずノートにネットやラジオから流れる情報を書き連ねてこられました。自分のからだを使うことで情報がからだに入り、隠れていたものが見えてきた、と山口さん。今まで獏とした不安によって描いてきた作品が預言に変わってしまったことで、芸術家はガスを感知する「カナリア」の役割を負っていると強く感じています。岐路にある今、芸術家の役割・文化の使命について、また構築すべき思想について、平川店主とともに語ります。

2011年06月13日

『「原発ブルース」、愛するための嘘がメルトダウンした今…』ゲスト 遠藤ミチロウ

スタジオに現れた遠藤さんはメイクなしの素顔だった。おぉー。でも、昨年還暦を迎えたとは思えない。
パーソナリティのモーリー氏は遠藤さんと久々の再会。実は、遠藤さんとモーリー氏、1990年頃、一緒にロサンゼルスのライブツアーに出かけた仲です。
まずは、スターリン当時の事件なみの驚愕ライブの思い出をモーリー氏が熱く語ります。そのあと、ふたりで訪れたホピ族の村での出来事。それが、ふたりの音楽を大きく転換させました。訪れたホピ族の居住区は、ヒロシマの原爆を作ったウラン採掘地でした。そこで聴いた預言について、遠藤さんが静かに語ります。

遠藤さんは福島県・二本松出身。今、プロジェクトFUKUSHIMAというプロジェクトを立ち上げ、8月15日の終戦記念日に野外ライブをしようと準備を進めています。単なるライブエイドではなく、じぶんたちのこととして原発のことを捉え続け、今やチェルノブイリと同じように語られることになってしまったネガティブなFUKUSHIMAをポジティブなイメージに変えるような長い取り組みにしていきたい。だから、リスクも問題の解決も、プロセス自体もオープンにしていく、と遠藤さん。「8.15にイベントをするのは、まぶしいほどの戦後の豊かな社会の構築の陰に、原発の事故やそれを受け入れざるをえない日本の暗部とも言える社会構造がある。でも、もうそれもメルトダウン。このメルトダウンはひとりひとりの中で起こっている。これはそれぞれの内戦だと思います」。遠藤さんのスタジオでの弾き語りもお聴きいただけます。


プラスワンでは、原発と福島の存在をさらにつきつめて話は続きます。脱原発、反原発といった単純な言葉では語れない福島や原発立地の事情について、モーリー氏のグローバルな視点からの説明…。

関連情報
〓こちらも是非、お立ち寄りくださいDOMMUNE FUKUSHIMA

2011年06月06日

『「クライアントは読者」が通用しない日本メディアの特殊事情』ゲスト 上杉隆

アバクロのTシャツとジーンズでスタジオに現れた上杉 隆( @uesugitakashi )さん。今、最も注目を集めるジャーナリストのひとりだ。
震災・原発事故後の避難区域の設定に異議を申し立て、3月12日に「メルトダウン」と口にしたため、地上波テレビから姿を消した。
しかし、その後ネットの世界に舞台を変え、発信するその影響力は増す一方。閉じた日本的「記者クラブ」に対し、報道の公開性・多様性を追求するために「自由報道協会」という「場」も設定した。
その軽快かつ柔軟な取材力、行動力と視点はどこから生まれるのか。
番組では、いったいこの「上杉 隆」はどんなふうに生まれたのかを探ります。ゴルフ好きが嵩じてゴルフ場付きホテルのバーテンダーに。そこで多くの政治家と知り合い、H代議士の秘書となった頃のエピソード。さらに「ニューヨータイムズ」で触れた世界標準のジャーナリズム・マインドなど、“上杉隆のyouthful days”を公開!

プラスワンでは、今東北で、福島で、そして日本で何が起きているのか、現状と病根、そして、展望を津田大介氏と分析し、語り合います。パニックを回避するにはどんな情報開示と報道が必要なのかという視点から、ツイッターなどネットの情報の意味が浮かび上がります。一言で言えば、それは「情報の多様性」。「自分が流した情報の間違いはすぐに訂正できるし、批判は受けても、正確な情報も教えられるから、勉強になる。そこが大手メディアで発言していた頃との違い」と上杉さん。また、先頃公表された海産物の放射能汚染値にも触れます。軽妙なトークだからこそ伝わってくる「現在の危機」、そして「本当のメディアの役割」。ぜひお聴きください!

上杉 隆 公式サイト http://uesugitakashi.com/
自由報道協会 公式サイト http://fpaj.jp/

2011年05月30日

「永遠の芸術に魅せられた魂の切なさ 」ゲスト 熊川哲也

『ロミオとジュリエット』という演目を携え、全国ツアー中の熊川さん。
主役、演出、振り付け、芸術監督、そしてバレエ団のプレイングマネージャーと、五役をこなす多忙な毎日。
そのスケジュールの合間を縫って、二度めの出演をお願いしました。

熊川さん、驚くほど柔らかい人。からだだけじゃない。
少年のようなまなざしで話に耳を傾け、ユーモアを加えながら真摯に言葉を紡ぐ。
誰もが感じるクールな印象、圧倒的に輝くオーラの向こうに、繊細で温かい彼の本質が見えたがします。

さて、上演中の『ロミオとジュリエット』は、かのシェイクスピアの戯曲にプロコフィエフが作曲を手がけた、まさにそびえ立つ芸術作品。
ふたりの偉大さに寄り添いながら演じる幸せ、ロマンを感じると言う。
「端役でしたが、ロイヤルバレエの初舞台がこの作品。
あれからずっとこの作品に出演してきた。ぼくの成長が刻まれた作品です」。
その作品の振り付け・演出も手がけるようになった今、熊川さんは39歳というバレエダンサーとしての肉体的なポイントを迎えている。
そんな彼が抱く“バレエの切なさ”とは何か。
「もっと熱くなりたい」とつぶやく心の奥に灯る火とは……。

プラスワンでは、バレエ団を率いる経営者としての熊川哲也にも迫ります。
また、震災を経て抱いた覚悟とは何なのでしょう。
ぜひお聴きください。

2011年05月23日

『「それって、おかしいだろう」をつぶやき続けたい。ツィッター・エバンジェリスト、 @tsuda の魅力』ゲスト 津田大介

その金髪アイコンだけでもタイムライン独占インパクトの @tsuda こと、メディアジャーナリストの津田大介さん。今や17万人のフォロワーを抱える。

震災以降、情報発信の“ハブ”として、ますます精力的なツイートを展開。 


さて、津田さんが自らメディアを作る原点となったのは、ラジオ。受験勉強の傍ら聴いた深夜番組が好きだった。
ラジオはテクストに表れない発信者のパーソナリティが感じられ、親しみを覚えたと言う。


2003年、ネットラジオを始めた。
チャットでリスナーの反応を見ながら放送し、双方向発信の楽しさを覚えた。
そしてツイッター。実は、このふたつのメディアには共通の魅力があると言う。
リアルタイムにその場その場でつぶやくからこそ、迂闊な発言もあるけど、それだけ人間性が出る。
「ぼくは、いくつものアカウントを持とうとは思わない。 
被災地の情報を拾うのも、政策に関してコメントするのも、下ネタ話すのも、まるごとで “自分”だから」。

クールでホット、@tsudaの魅力が垣間見える30分。お聴きください。

プラスワンでは、赴いた被災地のこと、
「原発は本当に経済効率がいいのか」論議、マスメディア報道とこれからのウェブメディアについて、平川店主と濃密に語り合いました。
ぜひ、こちらも!

「今、伝える詩のことば」ゲスト 小池昌代

5月15日のゲストは、詩人の小池昌代さん。

3.11以後、日々の生活に緊張感が漂います。
時にはボーっとする時間、状況にただ呆然とする時間があってもよいのかもしれません。
「不安から生まれる詩もあります。その不安を違うかたちで握り返す。詩の言葉によって。そうすると、感情が心に定着する気がします」と小池さん。
重く大きな現実が起こり、私たちの内にも大きな変化が渦巻きのように起こっています。何をするにも、以前と違う感覚を覚える。
文学作品も詩も、以前読んでいたのとは違う光が当っている気がします。
それでも、あの日を境にしてもなお変わらないものがあるはず、それを確認したい、そんな思いから、朗読会のような放送が実現しました。

最初に、小池さんがインド・コルカタで出会った家族と過ごした、ある停電の夜に生まれた詩。
「そういえば、昭和の頃にはよく停電があった。家族でろうそくを囲んだよ」と会話がはずみます。
続いて、中原中也の詩、平川克美が伊藤静雄の詩を朗読。
確かに違う時間が流れました。
ぜひお聴ください。

2011年05月09日

「からだという自然に沿い、“今、ここ”を生きる」ゲスト 甲野善紀

パーソナリティ平川克美が満を持してお迎えした、武術家の甲野善紀さん。
震災後、甲野さんが何をみつめ、感じてこられたかをお聴きしました。
その前に、何が甲野さんを探求の道にいざなったのか、そのあたりのご事情から。
そして話は、震災と原発へ。
何より今回、甲野さんがショックを受けたのは、事故後に誰かが命がけで現場に向かうことが許されなかった現実。
「人間にとって最も大事な“志”をまっとうすることができないほど人の命はもはや国家に完全に管理されていると感じた」というくだり、静かな語り口の甲野さんから、激情が溢れました。

さらに、プラスワンでは、こんな衝撃的な話が。
「今、時代は大きな転換点にさしかっている。
それも、明治維新以上の変化と出来事がこれから次々と起こるだろう」。
研ぎ澄まされた武術家の感覚でしょうか。
そんな時代に、私たちはどんな風に生きればよいのでしょう。
以前から「人が生きるということ、生活をするということに、もっと重きを置く生き方を」と伝えてこられた甲野さん。
たしかに、人間はいつしか脳の快楽を第一とし、からだをどこかに置き去りにしてきたのかもしれません。
また、「私にとって武術の訓練は、楽しい以外のなにものでもなく、辛さ苦しさの克服ではない」と。
そんな甲野さんに導かれると、多くのスポーツ選手、武術家、音楽家が、知らなかった自分のからだの機能や不思議を知る楽しさに驚かれるそうです。
“からだ”、その声を聞き、手がかりにして、生きる意味を探求してこられた甲野さんの確かな感覚。
そこから溢れるお話の数々をぜひお聴きください。

2011年05月02日

「震災の向こうに見える、オルタナティブな世界」ゲスト 森 摂

 森さんが編集長を勤める環境とCSRと志のビジネス情報誌http://www.alterna.co.jp/。誌面で伝えたい「オルタナ」のミッションは、新しいビジネスの価値観で動く企業を積極的に報道し、こうした企業と連携してコミュニティをつくり、相互交流を図ることだそうです。

 確かに、私たちの社会にもそうした新しいビジネスの価値観が少しずつ育ってきたように思います。“オルタナティブ”(alternative)とは「もう一つの」「伝統的ではない」という意味。私たちが、「もうひとつの、つまり別のモノサシ」を探すことで、世界は変わるかもしれないと、森さんは言います。では、なぜ世界は変わる必要があるのか。

「パタゴニアの創業者、イヴォン・シュイナードは『死んだ地球からビジネスは生まれない』と言いました。ノーベル経済学賞を受賞したミルトン・フリードマンが述べた“企業の社会的責任である利潤の増大”にとっても、社会的貢献という視点からの経営者・企業の評価が重要な要素となっていると思う。つまり、今やCSRは競争力なのです」と、森さんは言いました。そんな思いから、大手メディアを退社して始められた活動の経緯も紹介。

 そうして、話は今回の震災・原発の話に進みます。4月のはじめに東北へ支援物資を届けながら赴かれた森さん。「本来ならば、それぞれの町の色があるはずなのに、どこも同じ色、つまり土砂の色だった」という言葉が印象的でした。さらに続いた現地の報告とともに、これからの東北、日本、原発のこれからについてのお話、ぜひお聴きください。

2011年04月26日

「粟根まこと解体白書」ゲスト 粟根まこと

劇団☆新感線といえば、チケット入手が困難なほどの人気劇団。
ヘビメタのような照明、派手な衣装で歌って踊って、さらに激しい殺陣を全編繰り広げる。
人気作品『髑髏城の7人』の主役を切望し、主演をはった市川染五郎にして
「初めて観た時、歌舞伎よりも“かぶいている”劇団だと、正直悔しかった」
と言わしめたステージを展開する。
その劇団も、大阪で旗揚げした小劇場時代から数えて35年を経過。
ところが、新しい劇団員はもう10年近く入っていないという。
「一番若い劇団員は35歳なんです。ぼくが40代半ば。
演出のいのうえはじめ、初期のメンバーは50をとっくに越えています」。
意外な平均年齢。で、あの激しさを持続するのはなかなかの苦労と思える。
「そうです。とにかく、怪我をしない。それがいちばん大事」
と神妙に答える粟根氏は、劇団☆新感線のメガネの人であり、
知的でありながらどこか抜けたキャラクターで多くのファンを持つ怪優。
他劇団の客演も多い。
その経歴もまたユニークだ。
大阪大学工学部で発酵化学の博士を目指しながら、いつのまにかの俳優人生。
しかし、持ち前の分析脳と生真面目さは変らないのだろう。
劇団の内情、100パーセント外食主義の理由、
オタクな趣味の数々、
キャスター椅子でスーツと移動するマイルーム状況から、
はては通帳の残高に数字が並ぶようになった日のことなど、
あらいざらい告白してくれました。
粟根まこと、じっくり解剖の30分。
新感線ファンの方、また、「いったい役者ってどんな生活してるの?」と常々気になってた方、
ぜひお聴きください!!

2011年04月19日

「異能のジャパニーズアメリカンが見た原発」ゲスト Morley Robertson(モーリー・ロバートソン)

ゲストのモーリーは、二十五年ほど前に平川のオフィスを訪れている。まだ、二十代前半のモーリーは白皙の美青年、天才青年現るといった風情を醸し出していたのを平川は記憶している。そのモーリーが今は、インターネットを駆使して、音楽、社会問題、政治・経済などの情報を発信する人気者になっている。

本収録は、原発事故が危機的な状態に陥り、予断を許さない状況の中で行われたものである。広島での原爆投下後に、アメリカが設置した原爆傷害調査委員会(ABCC)で働く医師を父に持つだけに、原子力および原発に関する関心は高く、この折テレビに出ている原子力関係の学者とはこれまでにもディスカッションをしてきたという。

そのモーリーが、独自の情報源と感覚から語る、「原発の現在」は定型的な原発論議に聞き飽きた視聴者必聴の一本であろう。

2011年04月12日

「ニッポンの「女ぎらい」を読み解く」ゲスト 上野千鶴子

「ミソジニー」という言葉をご存じでしょうか? 空気のように蔓延しているミソジニーつまり「女ぎらい」は近代社会の隠された仕組みなのです。今回のゲストは、ジェンダー研究の第一人者として切れ味鋭い社会・文化批評で定評ある上野千鶴子さん。「男が男であることに胸をなでおろし、女は女であることを呪う」ミソジニーを分析ツールに使えば、あーら、男と女の関係にとどまらず、様々な社会現象や事件の真相が目からウロコが落ちるように見えてきます。

プラスワンでは、「ミソジニー」の秘密にさらに迫ります。上野さんは、男社会に参入する「名誉男性戦略」や女から降りてみせる「林真理子戦略」など女性のミソジニー脱出戦略を紹介しながら、90年代の東電OL事件の核心に近づきます。そして、ミソジニーの対概念である「ホモソーシャル」に目をやれば、今度は女を嫌い、差別する男たちの奇妙なキズナが見えてきます。会社に忠誠を誓うサラリーマンも戦争に反対できない米国議会も、実は「男らしさ」に翻弄された愚かしさである! 上野ジェンダー社会学の真骨頂が垣間見える痛快な30分。

2011年04月11日

「就活の現在」ゲスト 高柳寛樹

学生時代に企業して、独特の社風のIT企業を作ってきた若き経営者、高柳寛樹さんは、社会学的な見地をいつも考えながら会社を運営しているという。

『就活の時代』に、積極的中退者採用を宣言したのもそのあらわれのひ とつだろう。

立教大学で教壇に立ち、いつも若い学生に接しており学生目線と経営者 目線の両方を備えているからこその戦略 だろう。

高柳さんの物静かな語り口の背後には、日本のベンチャー企業とその文 化を作り出し、支えてゆこうという強い 意志が感じられる。
就 活の現在、学生のメンタリティ、メディア論など、現場に近いところから情報を発信していただいた。

ラジオデイズのコンテンツ「ラジオで逢いましょう プラス1」では、この度の震災で、新しい情報インフラとして大きな注目を集めたツイッターについて、その可能性、その功罪を、お互いの体験を通して意見を交換している。お互いにツイッターユーザであり、経営者でもあるふたりによる注目のツイッター社会論をお楽しみ下さい。

2011年03月29日

「大震災後のメディアの言説について」ゲスト 小田嶋隆

大震災後、日経ビジネスオンラインで、鋭いコラムを書いた小田嶋隆さん。
このような大きな悲劇を前にして、言葉は何を語れるのか。
どのような言葉が人々に届き、どのような言葉が信用をとりつけることができるのか。
視聴者の共感をよぶ枝野官房長官のスピーチと、空疎だと批判を浴びた菅首相のスピーチの違いはどのあたりにあったのか。推進派と反対派は何故かくも乖離してしまったのか。あるいは、専門家の発言のあやうさはどこにあるのか。
原子力の分野に関して、十年ほど前より勉強してきたという小田嶋隆が、危機における政治家、専門家の言語について独自の視点から解説している。聴くほどに小田嶋隆というひとの言語感覚の鋭さに感嘆することになるだろう。
未だ解決策の見えない原発をめぐる言説について、もやもやしたものを感じざるを得ない今、ひとりでも多くの人々にお聞き願いたい。
(文責:平川克美)

2011年03月22日

「未来を変える社会的商品」ゲスト 熊野英介

一切の無駄がないはずの生態系で、なぜ人間だけが無駄を生み出すのか。熊野英介さんは、非鉄金属の問屋から森の再生まで、持続可能な社会を目指す事業を続けてきました。個々人の表層的な欲望によって断片化した社会を、どのようにして再びひとつにまとめるのか。誰にでもある漠然とした利他心を、どう確実なものへとドライブするのか。縮みゆく経済の中で、新しい価値観をビジネス化する秘策とは。「人間はコストではなく資本」と語る社会起業家の哲学が心に響きます。

プラスワンでは、熊野英介さんの深い洞察を手がかりに、未来の社会を展望します。私たちは、衣食住が足りていながらも不幸だと感じている人類最初の世代。終身雇用が崩れた孤独と不安の中から「共感」という確かな欲求が再び意識され始めました。シンパシーではなくエンパシー。密やかな人々の思いを集め、温かな未来への一歩を踏み出す「商品」の創出を熊野さんは目論んでいます。理想を現実に着地させるのが実業家たる使命。歴史、経済、科学、哲学がクロスオーバーする至言の連続です。

2011年03月17日

「BUTOHに学ぶ表現力」ゲスト 加賀谷早苗

経営者としてアートマネージメントとウェブデザインを手がける加賀谷早苗さんのライフワークは「BUTOH」(舞踏)。十代で出会い、その身体表現の奥深さに魅了されました。華やかさはなくとも、シンプルな動きが俳句にも似た雄弁さを持つという舞踏の表現。オペラや文楽などとのコラボレーションも活発です。スタジオでは、初対面の相手の心をつかむ表情の習得を楽しく指南。日本オリジナルの舞台芸術は、実生活に活かせるヒントに溢れています。

プラスワンでは、舞踏の方法論をさらに深くご紹介。まずは加賀谷早苗さんが、梃の原理を応用した上半身と下半身の統合法を教えてくれます。風通しの良い身体を作り、力の抜き方の達人になることが舞踏の基本姿勢。そこには周囲の環境と一体化して生きる身体知が凝縮されているのです。非言語的なイメージを即興で共有し、ジャズや武術との近似性もある舞踏は、その楽しみ方も無限大。誰もが表情豊かな人物になれるトレーニングなど、聴きどころも満載です。

2011年03月08日

「さまよえる学者とパゾリーニ」ゲスト 四方田犬彦

謎の死から35年以上が経った、異能の映画監督ピエル・パオロ・パゾリーニ。彼が遺した2400ページに及ぶ詩集を、四方田犬彦さんは十年以上の歳月を経て訳出しました。歴史のただ中に生きる不幸と幸福をラジカルに描いたパゾリーニは、旅と論争に生き、ファシストと新左翼の双方から憎まれても自らを恥じることがなかった八面六臂の表現者。投獄前日に書かれた「母への願い」の一節を、四方田さんが原文のイタリア語と自身の和訳で情感たっぷりに朗読してくれます。

プラスワンは、四方田犬彦さんがたっぷりと映画を語る30分です。パレスチナでブルース・リーに扮し、マルクス兄弟を追ってパリの小劇場に通い、ジャカルタやバンコクでホラー映画を観続けた日々。平壌の映画館に漂う熱気や、黒澤明をめぐるキューバの思い出。日本映画のあっと驚くような裏話も聴きどころです。映画の魅力とは、すなわち「差別や同性愛などのタブーを、誰もが映画を通じて自由に語れること」。映画史とは、観客の心の歴史に他ならないのです。

2011年03月01日

「日本の近代を問い直す」ゲスト 関川夏央

 多彩な著作を重ねる関川夏央さんの、本質的なテーマはひとつ。すべては「日本の近代とは何か」という大きな問いに向かう試みなのです。その創作の原動力となるのは、戦後の正論に対する違和感。安易に過去を裁かない、歴史に対する謙虚さこそが関川さんの身上です。カフェを仕事場にする理由、早熟の作家に対する憐憫、書評家や文学賞選考委員に求められる読書法など興味深い内容が続々。快活な批判精神とユーモアに溢れた作家の魅力を存分にお楽しみください。

 プラスワンは、司馬遼太郎さんの『坂の上の雲』を軸に展開。軍事、外交、経済、政治を盛り込んだ長大な全体小説に託された、作者の意図を読み解く眼力には脱帽です。追いつくときには元気の良い日本人が、先頭に立つと急に自信を失うのはなぜか。我々が名を惜しむことを軽んじ、往生際が悪くなった原因は。ひと昔前の作家たちが短命だった本当の理由とは。乱暴だった梶原一騎さんの逸話、農業政策への提言など、笑いもたっぷりと交えた聞きどころ満載の雑談です。

2011年02月22日

「老前整理のすすめ」ゲスト 坂岡洋子

 住居や家電のデザインを手がけてきた坂岡洋子さんが提唱する「老前整理」とは、老後20年を前向きに考えるためのアクションです。在宅介護の現場で目にするのは、バリアフリーを阻害し、必要なときにも見つけだせないモノの山。ストレス解消のためにモノを買い、モノから新しいストレスを受け取る悪循環が老後を住みにくくします。坂岡さんが指南する整理の秘訣には、目からウロコの連続。自らが決断することで真の目的を見いだし、人生を豊かにするヒントが満載の30分です。

 プラスワンでは、老前整理の具体的な進め方を大公開。「思い出の品」「まだ使える」「高かった」「もったいない」などの、“捨てられない理由”に対抗する思考法とは? 客観的な視点を持ち、一番大切なものが何かを知ればモノへの執着は減るはず。いつでも友達を呼べる家に住むことは、無縁社会の解決策にもなると坂岡さんは説きます。とりわけ一人暮らしの老人には、風通しのいい家が必要不可欠。人生の節目に行う老前整理で、余生はきっと豊かなものになるのです。

2011年02月15日

「虚実皮膜の演劇人生」ゲスト 唐十郎

聞き手:菊地史彦
アシスタント:浜菜みやこ

 伝説を作り続ける演劇界のカリスマ、唐十郎さんを迎えたエキサイティングなトーク。独創的な取材や演出の手法から、多義性に富む演劇世界の秘密を自ら開帳してくれます。舞台の裏話、テント小屋のルーツなど、ファン必聴の内容が目白押し。大風で倒壊しそうなテントを客が支えつつ強行したボタ山興行など、驚くべき実話のオンパレードです。若かりし実母を登場させた近作『風のほこり』や、4月の唐組公演『ひやりん児』に関する秘話もお聴き逃しなく。

 プラスワンでは、1967年の『腰巻お仙』で本格的に始まった破天荒な演劇人生をつぶさに回想します。芝居にコンプレックスを感じていたという意外な若手時代や、唐十郎という筆名の由来。世界の紛争地で次々に公演を敢行した理由。グロテスクな衛生博覧会、ヒロポン中毒者、紙芝居屋、男娼たちなど、下町のデカダンスが唐さんの原風景。「芝居とは、暗がりで頭を上げ、光を見つけて彷徨うこと」。一座という組織にこだわり、芝居に命を捧げる男の人生はまさに劇的です。

2011年02月08日

「走ることは、生きること」ゲスト 金哲彦

大学駅伝やマラソンのランナーとして活躍し、現在はプロからアマまで幅広くランニングとウォーキングを指導する金哲彦さん。42歳で大腸がんを経験したのを契機に、走る喜びを人々に伝えることが自分の天命と悟りました。頭の働きが良くなり、感受性が鋭くなるランニングは、心身を健康に保つ格好の習慣。最近は婚活ならぬラン活も密かなブームなのだとか。箱根駅伝5区の思い出や、リクルート陸上部を創部したいきさつも聞きどころ。走ることを哲学する30分です。

プラスワンは、人生を豊かにするランニングのヒントが満載です。身体が温まって免疫力が高まり、思考が明晰になり、健康な食習慣も身につくのがランナーの特権。三日坊主にならないコツは、「数値による目標を設定しないこと」。走り続けるプロならではの言葉に重みがあります。ボルダーでの武者修行や、有森裕子さんを支えたバルセロナ五輪の逸話も必聴。がん治療以後もフルマラソンを年7回は走る47歳。心にも身体にも効く、素敵なトークをお楽しみください。

2011年02月01日

「芸術は霊感への奉納」ゲスト 横尾忠則

横尾忠則さんのアトリエを訪ね、お話をうかがう濃密な30分。その深遠な芸術世界を、作家自身の言葉で解き明かしていただきます。ミステリアスな表現の根底にあるのは、見えるものと見えないものを等価に扱う視点。未完の状態で生まれ、完成に向かって歩みながらも未完のまま死んでいく人間の豊かさを、横尾さんは熱く語りかけます。「当初の目的地ではなくとも、風に流されて辿り着いた港こそが真の目的地」。インスピレーション豊かな言葉の数々に圧倒される喜びを。

プラスワンでは、精神世界への旅をさらに続行。生死を主題とする横尾芸術の条件を探ります。物質としての肉体が触れられない宇宙への回路のひとつが、夢想にあると考える横尾さん。枯渇しない創造力は、インファンテリズム(幼稚性)の賜物。そして創作は霊感の源泉に対する奉納。運命とは、それを打ち破る自由意思とは何か? ラスコーリニコフの殺人はどこまでが意思なのか? 三島由紀夫や寺山修司らとの交流秘話など、聞き逃せない話の連続です。

2011年01月25日

「笑いは最高の抗がん剤」ゲスト 樋口強

 年に一度、アマチュア落語家として高座に上がる樋口強さん。客席にいるのは、がん患者と家族の皆さんです。
 樋口さん自身が肺小細胞がんを患ったのは、働き盛りの43歳のこと。3年生存率5%という現実に打ちのめされながらも過酷な治療で奇跡的に回復し、お世話になった人を呼んで落語会を開いたのが「いのちの落語」のスタートでした。
「辛いときこそ、自分が持っている力を思い出して」。理屈ではなく、笑いにのせて伝えられるメッセージが心を揺さぶります。

 プラスワンでは、樋口さんの壮絶な闘病体験や、落語にかける思いをたっぷりとうかがいます。
 もともと社会人落語では全国大会の優勝歴もある実力派。会社で重責を担い、落語から遠ざかった矢先に病魔が襲いました。
 絶望する病床の夫に落語のテープを届けた妻の思い。かつて自分が演じた落語を聴いた深夜の病室。「生きたい、よりも生きて何をしたいのかを考えよう」。「笑えば増えるNK細胞で、がんを撃退しよう」。そんな樋口さんの言葉こそ、心に効く最高の薬です。

2011年01月18日

「個性派女優の穏やかな素顔」ゲスト 吉行和子

女優歴55年。吉行和子さんのデビューは偶然の産物でした。裏方として入団した劇団民藝で、風邪をひいた女優に代わって『アンネの日記』の主役に抜擢。名声を得た後も難しい役柄を次々と演じ、舞台や映画に欠かせない存在となりました。番組では、兄の吉行淳之介さんや、103歳になった母の吉行あぐりさんとの家族関係も聴きどころ。「私自身でいるよりも、フィクションの世界で生きている時がのびのびする」。そんな発言に、本物の役者魂を感じる30分です。

プラスワンでは、映画やテレビで見ることのできない吉行さんの素顔に迫ります。極限まで無駄を省いた質素な生活のこと。親友の岸田今日子さんや妹の吉行理恵さんとの別れが与えてくれた「死後も人生は続く」という実感。映画『おくりびと』では、「自分の死に顔が見られるのは女優の特権」と感謝しながら死者を好演しました。棺桶の中で、吉行さんの心に去来したものは? 日々を無欲に生きながら、演技への情熱を忘れない生涯一女優。言葉のひとつひとつが心に響きます。

2011年01月11日

「落語家たちのお正月」ゲスト 五街道雲助

五街道雲助さんを迎え、初席気分でお届けする30分。話題はやはり、落語家特有のお正月の行事から。酒豪で知られた金原亭馬生一門の元日は、コップ酒で乾杯するのがしきたり。その後も挨拶回りで酒を飲み、夕方に上がる初席では珍事が続出します。生粋の江戸っ子である雲助さんを、初めて寄席に連れて行ったのはお母様。話し上手になろうと明大の落研に入り、寄席で惚れ込んだのが馬生師匠でした。意を決して門を叩いた、その結果は? 粋な話のオンパレードです。

プラスワンでは、古典の名手ならではのお話をたっぷりと。朝から美味しそうにコップ酒を飲む馬生さんの横で、おかみさんが気の利いた料理を用意してくれた修業時代の風景。ひょんなことで志ん生さんから「道灌」を学ぶことになった雲助さんは、やるたびに台詞が変わる破天荒さに面食らい、懇切丁寧な馬生さんとの違いに驚かされます。時代を越えた人情を信じる雲助さんですが、実はPCを自作するほどの秋葉系。意外な素顔も覗かせてくれる貴重なトークです。

2011年01月04日

「死を受け入れてこそ生がある」ゲスト 山折哲雄

宗教学者の山折哲雄さんが提案する一日の過ごし方は、まさに人生の縮小版です。万病を予防するという早朝座禅は、雑念や妄想もOKなのが山折流のいいところ。不本意な仕事は、ゴルゴタの丘を登るイエスの気持ちで。ほろ酔いで床に就くのは涅槃の予行演習。明日の生命力は、死のような眠りからこそ生まれるのです。何気ない言葉には、法話の重みがずっしり。ブッダが息子に「悪魔」と名付けた理由など、豊富な話題からスケールの大きな宗教論が展開されます。

プラスワンでは、私たちの死生観が最大のテーマに。「人生50年」は過去の言葉となり、いつしか死をタブー視している現代日本人。さらに生と死の間に割り込んできた老いと病の問題が、生きることの本質を覆い隠しています。死を思わない生は浅薄と断言する山折さんは、日本人が育んできた素晴らしい死生観を次々に例示。西行が歌に詠んだ通りの死を迎えた理由や、ユニークな般若心経の読解が驚きを誘います。死を受け入れ、今日を生きる美しさ。珠玉のトークをどうぞ。

2010年12月28日

「ガラクタ整理で、自分の人生を取り戻す」ゲスト 竹内清文

「持ち物の8割を捨てれば人生が変わる」と熱く訴えるのは、ガラクタ整理師の竹内清文さん。2年間使っていないもの、ずっと未整理のものが、人生を停滞させる存在であると警告します。竹内さんが初めて所持品の95%を捨てた体験談はインスピレーションの宝庫。自分らしい生き方を取り戻すのがガラクタ整理の本質であり、「着るかもしない服」や「読むかもしない本」は、押し付けられた価値観の権化なのです。スペースを空ければ、変化が訪れる。刮目の30分です。

プラスワンでは、電子コンテンツと日本文化の未来を語る壮大なトークへ突入。誰もが世界とコミュニケーションを持てる時代、ひときわ注目されるのは漫画、アニメ、ゲームなどの非言語コンテンツです。高い日本のポテンシャルに期待している高木さん。ブロガーや携帯小説から新しい文学が生まれ、携帯小説の著者だった女子高生が国語の教師になるという実際のケースも。グーテンベルク以来500年ぶりの出版革命は、文化の裾野を広げるチャンスでもあるのです。

2010年12月21日

「電子出版で日本はどう変わる?」ゲスト 高木利弘

MAC専門誌の創刊者としても知られる高木利弘さんは、2003年より電子書籍ビジネスの調査を続けてきたマルチメディアのご意見番。電子書籍元年と呼ばれる2010年以降、世の中がどう変化していくのかを詳細に予測します。アマゾンに遅れをとりつつ、ようやく大企業が市場に乗り出してくることで日本の出版流通も激変は不可避。パブリッシャーはいつの時代も革命を後押しすべきだと語る高木さんですが、気になる書店の運命は? 聞き逃せない内容が満載です。

プラスワンでは、電子コンテンツと日本文化の未来を語る壮大なトークへ突入。誰もが世界とコミュニケーションを持てる時代、ひときわ注目されるのは漫画、アニメ、ゲームなどの非言語コンテンツです。高い日本のポテンシャルに期待している高木さん。ブロガーや携帯小説から新しい文学が生まれ、携帯小説の著者だった女子高生が国語の教師になるという実際のケースも。グーテンベルク以来500年ぶりの出版革命は、文化の裾野を広げるチャンスでもあるのです。

2010年12月14日

「上方落語の華やぎ」ゲスト 笑福亭松喬

小学生時代にラジオで聞いた江戸落語と、神戸の新開地劇場で見た上方落語が原体験だと語る笑福亭松喬さん。漫才が花形の関西で、あえて落語を志したのには訳がありました。寄席を「聞きにいく」のが江戸ならば、寄席を「見にいく」のが上方文化。定評の高いマクラは、せっかちな大阪の客を帰さないよう身につけた自衛策なのだとか。仁鶴さん、鶴瓶さんら兄弟弟子の秘話もたっぷり。テンポのいい話しぶりが、高座さながらの楽しさに溢れたトークです。

プラスワンでは、上方と江戸の違いを浮き彫りにしながら、興味深い落語文化論が展開されます。江戸落語は、その半分以上が上方落語の改作。人情噺の舞台である船場の言葉を、松喬さんは大切にしています。落語の祖とされる僧侶、安楽庵策伝の説法が高座のルーツ。木戸銭が後払いだったことから、関西では客を引き止める滑稽話が発達しました。笑いを交えながら松喬さんが語る師匠への思慕、弟子への愛情にはスタジオもほろり。上方落語の魅力にどっぷりと浸かる30分です。

2010年12月07日

「天才バレエダンサーの真実」ゲスト 熊川哲也

 日本を代表するバレエダンサー、熊川哲也さんの素顔に迫る貴重なトーク。10歳でバレエを始め、自らの意思で渡英したのは15歳のとき。失敗を恐れない強心臓で、数々の大舞台を踏んできた経歴は周知の通りです。ロイヤル・バレエ団を退団後、帰国して27歳でKバレエカンパニーを設立。以来十余年、指導者兼舞台監督として現代バレエの新境地を開拓してきました。あらゆる質問に、直球の回答を返してくれる熊川さん。ピュアで気さくな人柄が何よりも印象的です。

 プラスワンでは、表現者としての熊川さんの現在にクローズアップ。かつての天才少年も今や30代後半。軽やかな跳躍や回転は健在でも、精神の衰えがもたらす危機を知っています。怪我から回復する過程でわかった身体の神秘。新鮮な動機を与えてくれる若いダンサーたちとの会話。復帰作にベートーベンの第九を選ぶなど、その旺盛なチャレンジ精神は変わりません。練習中に亡き大芸術家たちの降臨を感じる不思議な体験も。真の表現者らしい至言が満載のトークです。

2010年11月30日

「日本をブルース大国に」ゲスト 大澤正典

 京大を卒業し、エンジニアリング関連企業の取締役を務める57歳。ビジネスマンとして世界を駆ける大澤正典さんには、知る人ぞ知る「夜の顔」があるのです。ブルースハープを手に「Jump Sister Bessie」を歌えば、スタジオはどっぷりとミシシッピー沿岸のムード。大学時代より「ええ感じ」で続けてきたというブルース魂は本物です。世界中どこでも、相手との距離を一気に縮めてしまう魔法の音楽。ユニークな生き方を、変わらぬブルースへの愛が支えています。

 プラスワンは、ギタリストのスパイダー・テツさんもトークに合流し、ロバート・ジョンソンのナンバーで幕を開けます。二人が出会ったのは、ライブハウスが主催するセッションナイト。プロとして活動中のスパイダーさんも、実は保育園の副園長だというからブルース界は多彩です。年齢も、性別も、職業も、人種も関係ないのが音楽の素晴しさ。いつか日本を世界のセッション大国にしようと、大澤さんは夢を描いています。ピュアでファンキーな大人たちの世界に乾杯。

2010年11月22日

「新しい詩のかたち」ゲスト 新井高子

 詩人の新井高子さんが、詩を書き始めたのは小学5年生のとき。担任の先生が用意してくれた創作ノートに毎日鉛筆を走らせ、2年間でノート20冊分もの詩を書き溜めました。朗読してくれる当時の詩からは、詩作に没頭する少女の瑞々しい感性と、彼女を励ます教師の温かな眼差しが感じられます。後半は詩集『タマシイ・ダンス』から「アオダイショウ」の朗読でスタート。桐生の原風景を描いた「川の色」も深く清冽な言葉の連続。そのユニークな詩の世界をご堪能ください。

 プラスワンでは、新井高子さんが行うさまざまな活動を紹介。自らが創刊した月刊誌「ミて」はもう112号に到達し、発行150部ながら意外な著名人からもハガキが届くのだとか。留学生に日本語を教えたり、方言を使用したりしながら言葉への意識を研ぎすませている新井さん。「Wheels」の朗読は、番組のハイライトです。家族にもいた桐生の女工の記憶。唐十郎さんや大野一雄さんへの思慕。人類最古の文学形体である詩の魅力を、再確認させてくれるトークです。

★新井高子が編集人を務めるWeb詩誌『ミて・プレス』
http://www.mi-te-press.net/

2010年11月16日

「『悪と戦う』の衝撃と反響」ゲスト 高橋源一郎

 最近はTwitterの熱心なユーザーでもある作家の高橋源一郎さん。3万人超のフォロワーが広げるつぶやきは、こだまとなって新しい読者を獲得しています。デビューから30年。衝撃の最新作『悪と戦う』の秘話は驚きの連続です。元々は短編のエッセイだったこと。処女作『さようならギャングたち』で書き残したエンディングを盛り込んだこと。実生活を大きく反映している登場人物たち。熱心な読者からの指摘で気づいた他作品との関連。ファン必聴の内容です。

 プラスワンでは、電子書籍への分析を発端に独自の日本文学論を展開。エマニュエル・トッドの理論を援用し、80年代に戦後文学が終焉したのは家族の崩壊が原因であると断定します。強い父がいなくなり、反抗の動機を失った若者たち。家族のしがらみから脱出した結果、核家族の生きづらさに直面する人々。新しい共同体はどこに生まれるのか? 資本主義経済に駆逐された、純粋贈与経済の逆襲が始まっているのか? 白熱した議論は留まるところを知りません。

2010年11月09日

「サッカーで子どもを育てる」ゲスト 池上正

 少年サッカーのコーチとして、延べ40万人の子どもたちを指導してきた池上正さん。古い慣習を一新し、子どもたちが自分で考え、お互いから学び合う環境を作ることに力を注いでいます。大人が定めた「地区大会優勝」などの目標よりも「サッカーがしたい」「今日の試合に勝ちたい」という子どもたちの自発的な意欲を引き出すことが重要。親は子どものサッカーを見て声援を送るより、黙って聞き手に徹すべし。目からウロコの子育て術が満載のトークです。

 プラスワンでは、サッカー指導者の視点で現代の子育て論を展開。サッカーの上達が早いのは、アイデアをたくさん持ち、新しいことをすぐに試し、勝負にこだわる子どもたち。サッカーを通して社会を学ばせる欧州に対し、体力作りで満足している日本の現状を変えるのが池上さんの使命。「チームの勝利」に対する理解が少ない日本の子どもたちのために用意した特別メニューとは? 共に働いたオシム監督の思い出や、日本サッカーへの提言も聞き逃せません。

2010年11月02日

「前向きに生きる力」ゲスト 清水透

 ラテンアメリカ先住民を専門とする歴史学者の清水透さん。征服者の文献による歴史学に限界を感じ、1979年よりメキシコでフィールドワークを始めました。欧米中心史観の私たちに必要なのは、まず彼らとの「遠さ」を自覚すること。4世代に渡ってひとつの家族と交際し、貨幣経済に翻弄されるインディオ社会を今でも見つめています。砂漠の向こうの米国を目指し、行方不明となった村人は5千人。ショッキングな現実もラテンアメリカの歴史そのものなのです。

 プラスワンでは、アクティブに活動する清水さんの現在をご紹介します。蓼科の山小屋生活で磨いた木こりの腕前。さりげない自然の美をカメラに収め、写真展も開催します。愛娘との別れから教わった、命をめぐる様々なこと。自転車による四国巡礼の完走劇。生きる意味を再発見することで、仕事への視線も生まれ変わりました。還暦を過ぎてスキー2級検定に合格し、今年は1級を目指すという67歳。溌剌とした清水さんの周りには、いつも楽しい仲間が集まってきます。

2010年10月26日

「伝わる英語を話すには」ゲスト 原賀真紀子

 「伝わる英語」の習得を提案する原賀真紀子さんに、有効な英語学習のヒントをうかがう30分。有名企業が英語公用語化を推進して英語ブームが再来している日本ですが、本当に今の学び方で話せるようになるのでしょうか? 世界言語としての英語は、とにかく相手に伝わることが大切。完璧にやろうという真面目さや、受験英語の感覚が弊害にもなりかねません。おすすめの学習法は、趣味の分野に関する英文を多読すること。理想の英語学習が、今すぐに始められそうです。

 プラスワンでは、原賀さんのさまざまな体験をもとに、日本人の英語学習を検証します。ビジネス英語は上手でも、雑談が苦手なのが日本の会社員。英語以前に、人柄や度胸がモノをいうことは多いもの。うまく話せないのなら世話を焼くなど、交流のための地道な努力も海外では必要です。貢献すれば援助が得られるアメリカと、努力しない人にも手を差し伸べる日本。英語コンプレックスが強いのに、英語話者への敬意が少ない日本の不思議。四方山話は刺激的な文化論へと発展します。

2010年10月19日

「働く女性は美しい」ゲスト 坂東眞理子

 ベストセラー『女性の品格』でおなじみの坂東眞理子さん。総務省での勤務からブリスベン総領事などの要職を経て、現在は教育者として活躍しています。大卒女性の就職が困難な時代から仕事と子育てを両立し、自分自身が成長する手応えや、人を助けて社会に貢献する喜びを実感してきました。現在、昭和女子大では、子育てが一段落した女性たちの再就労を支援する講座が大人気。その前向きな誠実さに、錆びない生き方のヒントがたっぷりと詰まっています。

 プラスワンでは、仕事と子育ての両立を坂東さんが徹底指南。人生は仕事と家庭の二者択一にあらず。時間のなさは、自分の集中力を高めるチャンスでもあります。女性の自立を促す一方で、絆のない社会を危惧する坂東さん。他人を助けられる力を持つことと同様に、他人に助けを求めることも大切です。ひとつの欠点で他人を切り捨てると、損をするのは自分自身。成功の秘訣は、与えられた場でベストを尽くすこと。やわらかで力強い金言が次々に飛び出します。

2010年10月12日

「館長室へようこそ」ゲスト 酒井忠康

 2004年より世田谷美術館の館長を務める酒井忠康さんがゲスト。近現代の日本美術の話題を軸に、芸術と文化を壮大なスケールで語る30分です。僧侶や作家に憧れながらも、美術史の研究者となった若き日。ウェットな言葉でしか語れない日本美術の魅力を、ドライな論理で伝える美術評論の難しさは今も変わりません。開かれた世田谷美術館の象徴である館長室はいつもオープン。アポイントメントなしでやってくる突然の来訪者が、美術館に楽しい珍事を巻き起こします。

 プラスワンでは、酒井さんの幅広い交友関係から美術界の舞台裏を探ります。三宅一生、横尾忠則、鶴見俊輔、仲代達矢、木下恵介、麻生三郎といった錚々たる文化人との交流秘話は必聴の内容。とりわけ梅原龍三郎が描いた「高峰秀子像」のエピソードが傑作です。画伯と女優が軽井沢で出会った意外なきっかけ。さらには世田谷美術館に寄贈された絵を見るため、お忍びで来館した大女優の逸話にスタジオは大興奮。館長室をめぐる人間模様は、驚きと笑いの連続です。

2010年10月05日

「社会運動としての生協」ゲスト 唐笠一雄

 70年代前半に牛乳の共同購入運動を始めて以来、唐笠一雄さんは生協の幹部として様々な問題提起を行ってきました。農薬や食品添加物の削減を早くから訴えた生協は、今や年間売上1850億円の大組織に。多重債務者やホームレスへの支援、雇用創出、フェアトレード、反核、環境保全など、社会問題を先頭で騒ぎ立てる「炭坑のカナリヤ」としての役割も重要度を増しています。生協の目的は人と人との助け合い。市民の自発的な行動を促す、唐笠さんの提言が力強く響きます。

 プラスワンでは、唐笠さんが理想の近未来社会をより具体的に展望します。かつては交代制だった集金も今ではすべて振込となり、生協内部でもコミュニケーション不足が問題に。それでも「事業を優先にすると、ただの物売りになる」という自戒が、唐笠さんの挑戦を後押ししています。食物の3割を捨てている日本の現状を変えるには、在庫を持たない生協が模範となるべき。より成熟した社会を実現するため、約2千万世帯いる組合員の役割が鍵となります。

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2010年09月28日

「全員参加型社会を目指して」ゲスト 湯浅誠

 日本の貧困問題に取り組む湯浅誠さんがゲスト。リーマン・ショックから2年、失業者の3分の1にあたる118万人が長期失業者となり、支えきれない家族が悲鳴を上げています。失業者が列をなすハローワークの窓口では、非正規雇用の職員が対応するという笑えない現状。家族を解体して個人が自由に生きられる社会を作ってきた日本人にとって、貧困は自ら招いた必然なのでしょうか。湯浅さんが提唱する「全員参加型社会」に、目指すべき未来のヒントがあります。

 プラスワンは、所在不明老人の問題でスタート。親の年金を命綱とする人々を叩くだけのマスコミに、湯浅さんは違和感を覚えています。「半年で3割就労」などと就労支援活動に圧力をかける厚労省。報酬を減らしてGDPを上げようとする経済界の矛盾。リーマン・ショックの教訓から政権交代したはずの日本に、まだ変化の兆しは見えません。支援する代わりに、言い訳を許さない厳しさもあるのが全員参加型社会。日本社会は成熟できるのか。湯浅さんの格闘はまだまだ続きます。

2010年09月21日

「文明を知らない日本人」ゲスト 橋爪大三郎

 日本を代表する宗教社会学者の橋爪大三郎さんが、驚くべき明晰さで日本社会の本質を論じる必聴トーク。麦と大河が育てた世界文明と異なり、恵まれた自然のおかげで「努力は必ず報われる」という価値観を育んだ日本人。政治に期待せず、宗教への依存度が低いのが大きな特徴です。日本人が西洋的な合理性に最も接近したのは戦国時代。最も海外で尊敬されたのは明治時代。戦後に共産党と創価学会が躍進した理由とは? 圧倒的な知見と論理に、目からウロコの連続です。

 プラスワンでは、日本人の稀有な宗教観についてさらに刮目のトークが展開。子どもに命の大切さを説くのは大間違い。「命よりも大事なもの」を教えなければ、命を守れないのが宗教の常識です。議論を避ける「世間」の意思決定が、停滞と過ちを生む日本社会。学びによって世間を突破し、一人きりになっても議論することが本物の哲学を育てます。公開講座で市民や子どもたちと真摯に語り合う橋爪さん。学びへの欲求を、力強く駆動してくれる珠玉のトークです。

2010年09月14日

「ウィーン経由、異色の三味線奏者」ゲスト 松本優子

 ウィーン国立音楽大学でミュージカルを学び、現在は落語芸術協会に所属する三味線奏者。松本優子さんの音楽遍歴は極めてユニークです。東京学芸大在学中に国費留学のチャンスをつかみ、ドイツ語で歌と踊りに没頭した2年間。その反動から帰国後は邦楽に傾倒し、素晴らしい師匠と出会って三味線の「弾きこもり」生活に入りました。番組で披露してくれる生演奏は「相撲甚句」。艶やかな三味線と歌声はもちろん、超自然体な生き方が松本優子さんの魅力です。

 プラスワンでは、落語の出囃子の奥深さを松本さんが解説します。落語芸術協会で出囃子を弾くには、長唄、清元節、常磐津などの邦楽はもちろん、クラシック、ジャズ、ビートルズなど広範なレパートリーが必要。スタジオで演奏してくれるのは、志ん朝の「老松」、志ん生の「一丁入り」という伝説の出囃子です。子育てをしながら、好きな仕事やお稽古ができる幸せを生き生きと語る松本さん。寄席に行ったら、下座から聞こえる粋な三味線に耳を傾けてください。

2010年09月07日

「絵画『東京大空襲』を解剖する」ゲスト 岡本信治郎

聞き手:平川克美
アシスタント:五十川藍子

 昭和8年生まれの岡本信治郎さんが、終戦を迎えたのは12歳の夏。約50km離れた疎開先から見た東京大空襲が忘れられず、このたび60年越しで描いた大作『東京大空襲』が来夏の公開を待っています。画家を志したのは18歳。印象派、ソール・スタインバーグ、パウル・クレー、ジョルジュ・スーラらの影響からユニークな線画や不思議な明るさを持つ作風を確立し、911のショックで戦争を描く決意をしました。画業の全貌を自ら振り返る、貴重なトークをお楽しみください。

 プラスワンでは、岡本さんの絵画的再出発となる新作『東京大空襲』を徹底解剖します。画面の中央には靖国神社に参拝する小泉純一郎元首相。空を飛ぶB-29はヤマタノオロチとなり、八百万の神を一神教化した大日本帝国の正体も暴こうとしています。まさに意味の洪水が画面に渦巻く叙事詩的な「読む絵画」。そこには、戦争と平和はひとつの連続した概念だと考える画伯の歴史観が塗り込められています。神なき宗教画を解くヒント満載のトーク。来年の公開が待ちきれません。

2010年08月31日

「動物たちのピュアな想念」ゲスト 優李阿

聞き手:伊藤 博
アシスタント:浜菜みやこ

 著書『本当にある猫たちの恩返し』で話題の優李阿さんは、人間や動物の想念を透視する特殊な能力の持ち主。飼い主が経験する不思議な出来事を題材に、動物たちの感謝の心を代弁します。初めて野良猫と会話したのは、病弱だった13歳の頃。以来、多の生物の命を軽視するする人間中心主義を憂いてきました。マハトマ・ガンジー曰く「その国の偉大さと道徳観のレベルは、人々の動物の扱い方を見ればわかる」。優李阿さんの言葉に、忘れかけた大きな倫理を思い出します。

 プラスワンでは、さらに深く優李阿さんの精神世界を紹介します。もともとは黄砂などの農業気象を研究する農学博士。交通事故をきっかけに霊的能力が進化し、現在はペットロスで苦しむ人々に、動物たちとの前世での繋がりや、死後も飼い主に寄り添う動物たちの優しさを伝えています。著書を出版したのは、幸せの再定義をしたかったから。想念と行動が一致しない生き物は人間だけだと語る優李阿さん。邪心のない動物たちから、私たちが学べる叡智は多いのです。

2010年08月24日

4名の聞き手(ラジオデイズ、プロデューサー)による特別版

毎回、各方面で活躍中の素晴らしい方々をゲストにおむかえして人生観や思想、時代への提言などをお聞きしているRadioDaysですが、8月15日放送のこの回は、ちょっと趣向を変えてお送りしました。

何なのかと申しますと、番組のインタビュアーであり案内役の4人が一堂に会して討論会を決行?!ということなのですが…。
メンバーはご存知の平川克美、菊池史彦、大森美知子、伊藤博の四人。

この番組もう200人ぐらいのゲストが来たよね。(平川)
永遠のマイ・ディーバ石川セリさんにお会いしたのが印象深いな。(菊池)
立松和平さんはこのRadioDaysがオフィシャルの語りとしては最後ではなかったですか?(伊藤)
私は山本一力さんと姜尚中さんの声にうっとりさせられました。(大森)

今回は反省会と聞いていましたが、良かったこととか自慢ばかりお話されていたような…。(ディレクター)
…まあ、お盆休みですし、どうぞごゆるりと。

2010年08月17日

「病気を作らない医療」ゲスト 阿保義久

 元々は血管外科が専門の阿保義久さんは、日帰り手術などのサービスで医療界の常識を破るカリスマドクター。病気を見つけてから治療するのではなく、病気を作らないことに注力するアンチエイジングの発想が多くの人に支持されています。心筋梗塞や脳梗塞は予防できる疾患。がん治療の成否は発見時のステージがすべて。食事、運動、睡眠、趣味などに気を配ることで、ほとんどの病気が回避できると断言する阿保さん。予防医療の最先端がわかる30分です。

 プラスワンでは、阿保さんのユニークな治療法を紹介しながら、その医療哲学に迫ります。平均寿命は世界一でも、実は寝たきりで寿命を延ばす人の割合が高い日本。元気で天寿を全うする本当の長寿は、どうすれば実現できるのでしょうか。今や2人に1人が発症するがんを、早期発見するために必要な行動とは? 脳梗塞を予防する頭の使い方とは? ライフスタイルに気を配ることが、自然に若々しく生きる秘訣。健康を根本から問い直すヒントが満載です。

2010年08月10日

「占星術はなぜ当たるのか」ゲスト 鏡リュウジ

 人はなぜ占いに惹かれるのか。なぜ占いは当たるのか。十代半ばで占星術に魅せられた鏡リュウジさんは、ユングの研究と出会いながら、占いとは何かを問い続けてきました。占いが当たると感じるのは「バーナム効果」という心理学の現象。それでもなお、人々を思い込みから解放し、潜在的な可能性に気づかせてくれる占いの力を鏡さんは信じています。スリリングな論理で解剖される、私たちと占いの関係。占い好きも、関心の無い人も、目からウロコが落ちる30分です。

 プラスワンでは、占星術の背景にある驚くべき西洋文化について、鏡さんがじっくりと解説します。ヨーロッパの魔術のルーツを探ると、辿り着くのはキリスト教に弾圧された古代ケルトの宗教。強国ローマと勇敢に戦ったケルト民族の記憶は、アーサー王の聖杯伝説などを通して私たちの無意識に刻まれています。書かれざる歴史が、魔術や占星術の中で生き続けることの不思議。天文暦を紐解けば、そんな時空を飛び越えた壮大なロマンも垣間見えるのです。

2010年08月03日

「お宝音源で楽しむ名人たちの話芸」ゲスト 小坂眞吾

 小学館のCD付きマガジン『落語 昭和の名人 決定版』の編集長を務める小坂眞吾さんが、落語音源の愉楽を語る30分。『ビーパル』や『サライ』などの人気雑誌を手がけた小坂さんは、今や小学館の落語編集室を代表して様々な事業に乗り出しています。世紀の名演が手軽に聴けるCD付きマガジンと、実力派を揃えた落語会「らくだ亭」は、通と初心者の双方が満足できる内容。肩肘張らない、ゆるくてディープな落語の楽しみ方を指南してくれます。

 様々な音源を聴き込んできた小坂眞吾さんが、お気に入りの名演を紹介します。病み付きなのは、とぼけた与太郎噺が魅力の4代目春風亭柳好。さらには志ん生、志ん朝、馬生といった名人を親子で聴き比べ、その芸の深みを再発見するのも録音ならではの贅沢。CD収録の苦労話や、落語音源に詳しい草柳俊一さんの博識ぶり、音源のややこしい権利問題、さらには落語を題材にした漫画の制作秘話など、落語がいっそう楽しくなる裏話が目白押しです。

2010年07月27日

「コラージュ芸術のリリシズム」ゲスト 伊坂義夫

 切手のコラージュによる独自の表現で知られるアーティストの伊坂義夫さん。近年の連作では、アンリ・ルソーの『ジュニエ爺さんの馬車』をモチーフに用いています。奥様はバレエの振付師、息子さんもバレエダンサーという芸術一家。十代から作品制作を続けている伊坂さんの飄々としたマイペースぶりが印象的です。なぜコラージュなのか、なぜ切手なのか、なぜアンリ・ルソーなのか。ダダイズムやシュールレアリスムへのユニークな解釈が、作品の謎を解く鍵になります。

 プラスワンでは、伊坂さんのダダ的な生き方を通して、その一筋縄ではいかない芸術観に迫ります。コラージュの本質とは、あらゆる事象を記号として捉える抽象化の視点。その記号のメタファーから時間や空間の広がりを読み取れば、そこに宇宙的なリリシズムが宿っていることがわかるはず。叡智のデータバンク「アカシックレコード」に思いをはせたポエトリーも感動的です。自作については滅多に語ることがないという伊坂さんの、貴重なアート談義をお楽しみください。

2010年07月20日

「心はいつも嘘をつく」ゲスト 名越康文

 著作やテレビでおなじみの名越康文さんが、心と幸福の問題を軽妙に論じる30分。精神科医の立場から、言葉とは裏腹の「心の実態」をわかりやすく解き明かしていきます。「死にたい」は「生きたい」の意。「仕事やめたい」は「仕事に依存している」という証拠。心を病んでいる人がいても、その感情に寄り添ってはいけません。「心の最大の機能は、本当の気持ちを隠すこと」という名越さんの定義にスタジオはため息。心の本質に気づかされる刮目のトークです。

 プラスワンでは、疲れた心を軽くするための知恵を名越さんがご紹介します。「今、ここ」を見ずに、過去や未来に思い悩んで千々に乱れるのが心というもの。とりわけ怒りは精神のエネルギーを浪費させる諸悪の根源です。心に一瞬で活力を与えるユニークな瞑想法や、ブッダが説いた怒りの鎮め方。2週間で性格を改造する、とっておきの方法も必聴の内容。感情から離れることで自分の心を正視できれば、誰でも今日から幸せなマインドで生きることができるのです。

2010年07月13日

「大ヒット作『もしドラ』の誕生秘話」ゲスト 岩崎夏海

 初めての著書『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』が大ヒットを続けている岩崎夏海さん。ドラッカーの経営学をヒントに、自分自身を乗り越えて成長する少年たちを描いた快作は、岩崎さん自身の甲子園への憧れや、ずっと抱き続けてきた問題意識が原動力となって生まれました。ギリシア悲劇やシェークスピアなどを読み込んで発見した物語の法則。「何が面白いのか」を解明する、真摯な姿勢がユニークな地平を開いています。

 プラスワンは、師である秋元康さんの驚くべき逸話でスタート。岩崎さん独自のエンターテインメント理論がスリリングに展開します。あらゆる面白さのエッセンスが詰まった愛読書『ドンキホーテ』の分析から、すべてのエンターテインメントの核が「矛盾」にあると断定する岩崎さん。相反する概念がぶつかる地点こそ、ストーリー誕生の場なのです。映画界への進出もにらみ、最後の目標はエンターテインメント理論の執筆。その活動からは一時も目が離せません。

2010年07月06日

「現代を語る講談師」ゲスト 神田陽司

 講談師の神田陽司さんは、タウン情報誌の元副編集長という変り種。芝居に憧れて上京し、編集者時代に二代目神田山陽さんと出会って入門を決めました。その後は、実体験を元にした『阪神大震災』を皮切りに、ユニークな新作講談を量産。各地を放浪して、博学に磨きをかけました。相対性理論から株取引まで、ネタの引き出しは無尽蔵。世間の出来事が講談の基本と考え、有名事件の裁判も熱心に傍聴します。明治維新とグローバリズムを並べて語る時代感覚が陽司さんの真骨頂です。

 プラスワンでは、即興で演じる「お題講談」をスタジオで敢行。「勝海舟」「梅干し」「六本木ヒルズ」という3つのキーワードから、見事な10分間の講談を披露します。豊富な知識を駆使しつつ、ニュース性を講談に加えるのが陽司さんのジャーナリズム魂。ネットサーフィンで培う博識ぶりには舌を巻くばかり。ビル・ゲイツ、野村克也、スティーブ・ジョブズらの評伝から、無数の「泣ける話」を作り上げてきた才人。現代を語る講談の魅力をたっぷりと感じてください。

2010年06月29日

「ガラパゴス的日本の近未来」ゲスト 茂木健一郎

 初登場の茂木健一郎さんが、日本社会を分析する怒涛の30分です。婚活ブームの裏にあるのは、旧来の不自由な家族制度。「結婚=幸福」という価値観を押し付ける「うるせえ社会」が、さらなる少子化を促進します。社会に不満を言いながら、決定権はいつもお上に預ける日本人。リスクを負えないので成長できず、再チャレンジの機会も奪われた若者たちの悲哀。茂木さんが超多忙な毎日を乗り切る秘訣も聞きどころ。テレビとは違う、歯に衣を着せない語り口が痛快です。

 プラスワンでは、人間の潜在力について至言の連続。一流の人たちの共通点は? 老いや死を前に希望を持つ方法は? 少子高齢化社会の楽しみは? 数々の難問に対し、茂木さんが絶妙な回答を提示します。IT革命で生まれる新しいコミュニティには自発的な個人の連帯があり、本物の言葉だけが残る淘汰圧があると予言する茂木さん。根深い日本の精神的鎖国は、いつになったら変化を見るのか。ハードランディングの可能性も指摘しながら、刺激的に未来を見通します。

2010年06月22日

「アートで人をつなぐ」ゲスト 谷澤邦彦

 谷澤邦彦さんは、空間演出のプロとして活躍した後に絵画を描き始めたアーティスト。この10年、アートによるコミュニケーションを様々な形で実践してきました。企業からの依頼で制作する「ビジョンアート」もそのひとつ。「これぞまさに私の心を表した絵」と依頼者が驚くオーダーメイド絵画を生み出す秘密が聞き逃せません。
 正解もなく、優劣もなく、自分で答えを作り出すのがアートの本質。近作「天の点シリーズ」にも、自由で深遠な宇宙観が込められています。

 プラスワンでは、谷澤さんが日本のアート界の現状を鋭く分析します。中学時代に透明水彩が肌に合わず、絵の具を直接指で描いたことが美術への目覚めとなった谷澤さん。美大を志望するものの、受験のための描き方があることを知って幻滅。30代で画家になった後も、絵を売るだけの生計の立て方に疑問を感じ、会社を設立して独自の活動を展開してきました。21世紀の美術教育への提言も新鮮。人はなぜ絵を描くのか、その条件を楽しく問い直すトークです。

2010年06月15日

「よみがえる母のメッセージ」ゲスト 姜尚中

 姜尚中さんの最新作『母〜オモニ』は、実母の生涯を描いた小説仕立てのノンフィクション。在日一世として様々な不運に翻弄されながら、その運命を受け入れていく力強い生き様が心を打ちます。15歳で故郷を離れて東京で結婚。愛息を失いながらも熊本まで戦火を逃れ、突然の終戦で始まったどん底の夫婦生活。姜尚中さん本人の朗読による、オモニの熊本弁が聴きどころです。文字を書けない母が、息子に宛ててカセットテープに吹き込んだメッセージに涙。

 プラスワンでは、父母が生きた激動の時代を振り返りながら、現代社会に失われつつある絆について姜尚中さんが問いかけます。貧しくとも「金は使わなければ増えない」と信じ、他者に与え続けた母。縁ある人々と苦しみや喜びを分かち合う雑音だらけの生活は、損得のみを気にする現代のゼロサムゲームにない温かさがありました。年間3万人の自殺者を救うために必要なものは何か。この国が持ち得る希望について、姜尚中さんが静かに、熱くその思いを語ります。

2010年06月08日

「古典文学の恋愛事情」ゲスト 林望

 英国関連のエッセーでも知られる林望さんの本業は、純然たる国文学者。小説、歌曲の作詞、能評論なども手がけるマルチな文筆家です。最近は、古事記などのエロチックな側面を解説した『古典文学の秘密』や、現代小説のように楽しく読める『謹訳源氏物語』が話題に。その源氏物語から、光源氏が六条御息所に別れを言う名場面をバリトンの美声で朗読してくれます。千年前の他人事とは思えない恋愛模様に、日本の古典文学の魅力が再発見できることうけあい。

 プラスワンでは、恋愛という万人の関心事を軸に、古典文学を読み解いていきます。千年前の日本でも、草食系男子はモテモテ。筆まめな男がモテるのも同様で、「後朝(きぬぎぬ)の文」は、デート後の携帯メールそのものです。そして重要なのは、性愛が外せない要素であること。不埒な遊び人の視点から男女関係を描いた『源氏物語』の奥深さや、『枕草子』に描かれた赤裸々な女心など、ちょっとエッチな古典の楽しみ方を林さんが惜しみなく伝授してくれます。

※テキストが異なっておりましたので修正いたしました。大変失礼致しました(2010.07.18)

2010年06月01日

「共に悩む、等身大の仏教」ゲスト 寺前浄因

 僧侶として多彩な活動をおこなう寺前浄因さんがゲスト。学問に迷い、就職も断り、悩んだ挙げ句に飛び込んだ禅宗の寺が仏教への入り口でした。苛酷な小僧時代を乗り越え、いまだに続く修行の日々。つのだひろさんがソウルフルに歌う「般若心経」(作曲:ベートーベン)を制作するなど、日常生活でおこなえる「行」を発案して、より手軽な仏教との接し方を提案しています。執着を捨てにくる場所がお寺だと言い切る寺前さん。共に悩んで生きる、等身大のトークが魅力です。

 プラスワンでは仏教徒の立場から、寺前さんが大胆な持論を次々に展開。コンビニ並みにたくさんのお寺がある日本ですが、葬式以外には縁がないのも現実です。家の宗派に縛られるのは、かつてキリスト教排除のために江戸幕府が作った寺請制度のなごり。誰もが様々な宗派にアクセスできる社会を、寺前さんは望んでいます。夢は「愛の説教部屋」を開講すること。愛は執着(=煩悩)。幸福の鍵は小欲知足。この世は無常だからこそ、別れの後に出会いもあるのです。

2010年05月25日

「サリンジャーの謎、翻訳家の条件」ゲスト 柴田元幸

 満91歳で亡くなったJ・D・サリンジャーの文学を、柴田元幸さんと読み解く30分。『ライ麦畑でつかまえて』(1951年)は、反抗的な若者という視点だけでは説明しきれない謎に満ちています。主人公ホールデンの妹フィービーと、村上春樹作品に登場する少女との共通点とは? 60年代半ば以降、サリンジャーが完全に沈黙した理由は? 「読後にますます人生がわからなくなるような小説が好き」と語る柴田さん。サリンジャーを追いながら、アメリカ文学の本質をスリリングに論じます。

プラスワンでは、翻訳家のみならず、エッセイスト、編集者、大学教授として活躍する柴田さんの素顔に迫ります。常に自分を疑い、作者の意図を想像したり、自説を振り回したりしないよう心がけるのが翻訳家の条件。想定している読者のひとりが、10代の自分自身であるというお話もリアルです。世界的作家たちとの素晴らしい交流。東大「現代文芸論研究室」で始めた、世界文学へのまったく新しいアプローチ。文学ファン必聴の話題を満載でお届けします。

2010年05月18日

「内田るん的ユートピア」ゲスト 内田るん

 ライブ企画などで若手ミュージシャンを応援している内田るんさんが、自らの半生を語る30分。ショックだった両親の離婚と、父と二人で神戸に暮らした11年間の思い出。「るんちゃんのお父さん」だった樹さんが有名になり、今や自分が「有名人の娘」として扱われるようになった不遇。自称フェミニストながら、あくまで家制度を堅持し、数世帯で洗濯機を共有する社会を望むるんさん。父の思想に多大な影響を与えているという噂は真実? その素顔を知る貴重なトークをお楽しみください。

2010年05月11日

「宮司が語る日本的世界観」ゲスト 中川久公

 京都の恵美須神社で宮司を務める中川久公さん。私たちが意外に知らない神事の常識を紐解きながら、日本古来の世界観を鮮やかに描き出します。
 8万3千軒以上の神社があり、約2万人の神主さんがいる日本。先祖代々、年中無休でお務めを続けている宮司さんの日常にも興味津々です。仏教と神道は完全に別個のものと思われがちですが、実はそうでもありません。恵美須神社と縁の深い栄西禅師も、元々は神主の一族。京都ならではの逸話が、次々に飛び出します。

 プラスワンでは、中川さんが豊富な知識で日本人の宗教観を深く掘り下げます。
 「おみやげ」の語源はアイヌの神事にあること。「いただきます」や「もったいない」の本当の意味。人間の生の営みは、大宇宙のほんの小さな一事象。他の生命の犠牲なしでは生きられないという謙虚な自己認識が、日本人的な世界観の基盤でした。花鳥風月と共存する生き方は、環境ブーム以前に確立されていた私たちの理想。人間万能主義をたしなめる、叡智の言葉に溢れたトークです。

2010年05月04日

「古本と貧乏の楽しみ方」ゲスト 岡崎武志

 猛烈な読書家であり、ユーモア溢れる著作が人気の岡崎武志さん。文士たちの逸話を踏まえた、貧乏雑学が笑いを誘います。「落とし紙を焙って醤油で食べると美味い」とは稲垣足穂の弁。男娼以外なら何でもしたという金子光晴の貧乏旅行。借りた下宿代を酒と女に散財する石川啄木が歌った「はたらけど……」の矛盾。鶏小屋に住むほどの苦学生だった岡崎さんも、新刊本が買えないので古本屋に通って知の鉱脈と出会いました。持たざることの豊かさは、計り知れないのです。

 プラスワンでは、本なしで生きられない岡崎さんの生活に密着。お風呂でもベッドでもトイレでもページを繰り、常に十数冊を同時に読み進める読書術を紹介します。小学生で本に没頭する喜びを知り、中学生で文庫収集に目覚めた岡崎さん。現在の蔵書量は推定2万冊というから、すぐに古本屋が開業できるほどです。1冊買うたび、芋ヅル式に新発見があるのが古本の面白さ。探していた本の隣の本にも意外な出会いが。読書の達人による古本談義は、楽しい脱線の連続です。

2010年04月27日

「近未来社会の仕掛人」ゲスト 坂井直樹

聞き手:菊地史彦
アシスタント:浜菜みやこ

 デザイン、商品開発、マーケティングなどを通じて、常に新しい時代のスタンダードを世に送り続けてきた坂井直樹さん。87年の大ヒット作「Be-1」(日産自動車)は、丸みを帯びたカーデザインの先駆けでした。
 人と世界の関係を変革するのがライフワーク。目下考案中なのは、盲導犬の代わりになるデジタル杖なのだとか。あらゆるツールが通信デバイスを備え、自動車もひとつの端末となる時代は目前。ユビキタス・コンピューティングや、iPadに関する鋭い洞察も聞き逃せません。

 プラスワンでは、坂井さんが思い描く数歩先の未来について、さらに詳しくうかがいます。新しいイノベーションのあり方を象徴するのは、iPadの購入者たちが3日以内にアプリや電子書籍を購入している事実。産業モデルも、ガソリン車のように純正機器満載の「垂直統合型」から、電気自動車の「水平分散型」へと移行します。
 プレゼンテーション能力をひしひしと感じさせる語り口は圧巻。「生態系」というキーワードを用いながら、刮目の近未来を明示してくれます。

2010年04月20日

「ミステリアスな落語界の内幕」ゲスト 大友浩

落語界の名案内人として知られる大友浩さんにお話をうかがいます。
 部外者にはややわかりくい落語界のしくみを理解する鍵は、前座修行、寄席定席、そして協会の3つだと語り始める大友さん。徒弟制度は、芸を譲り受けるのではなく、修行を通して噺家が生まれ直すプロセス。寄席は噺家が芸を育む道場なので、いつでも驚くほど安価に大御所の高座が聞けること。寄席と独演会の違い、お葬式の流儀など、落語がいっそう楽しくなる知識が嬉しい30分です。

プラスワンでは、落語ファンが気になっている三遊亭円生襲名問題を徹底解説。一度は「止め名」としたこの名跡を、故5代目円楽さんが弟子の鳳楽さんに継がせようと動いて一連の騒動が始まりました。円丈さんと鳳楽さんが競演する「円生争奪杯」の行方は? 背景となったあの落語協会分裂騒動の顛末は? そもそも名跡を継ぐメリットは? 古今亭志ん生の襲名はあるの? 無名ながらも大友さんが高く評価する落語家の紹介など、聞き逃せないお話の連続です。

2010年04月13日

「空気を読まず、自分自身を生きる」ゲスト 鎌田實

現代人の生き方にさまざまな提言を行う医師、鎌田實さんにお話をうかがいます。不遇な生い立ちと、養父から受けた影響。読書で世界を広げ、医学を志した若き日の決意。4億円の負債を抱える諏訪中央病院に務めた理由。新刊『空気は読まない』は、一度だけの人生を自分らしく生きようというメッセージに溢れています。
他人の顔色など気にせず、空気を変えよう。末期ガンの料理人や、反骨のチェリストをめぐる逸話も圧巻。優しさが心の底から湧いてくるトークです。

プラスワンは、余命わずかな患者たちが、家族のために起こした奇跡のエピソード集。命は長さではない。死は病ではない。人生は限りあるからこそ美しい。大切な誰かのために生きる人は、死など恐れる必要がないのです。絶望を乗り越え、いつも笑い声が響く病棟。番組後半には、鎌田さんの死生観を謳った詩の朗読も。「死を待つのみの人にも、素晴らしい幸せが訪れる。人生はうまくできています」——そんな言葉のひとつひとつに、力強い希望が宿っています。

2010年04月06日

「すべての価値をかき乱す男」ゲスト 村西とおる

 アダルト界のカリスマ、村西とおる監督の人物像をはっきりと知る人は少ないはず。62歳にして現役を貫く、その希有な人生に迫ります。裏本の帝王と呼ばれ、指名手配された30代。羽田空港での逮捕劇の真相。警官にもらったお褒めの言葉。50億円という巨額の負債や、取り立て屋との闘いにもめげない精神力の秘密とは。前科7犯、獄中にあっても「他人を楽しませて捕まっている」という自負だけは失わなかった村西さん。あらゆるタブーに挑戦し続ける男は健在です。

 プラスワンでは、村西とおるさんという希有な表現者の真実に迫ります。貧しかった両親のこと。優秀なセールスマンを経て、裏本の世界に身を投じたいきさつ。やがて心に芽生えた、エロ事師としての道義心。ロマンポルノの限界と、AVが果たした役割への見解。数々の爆笑エピソードには、神谷美恵子に心酔したという弱者への優しさが通底しています。「人生は喜ばせごっこ」というフレーズにはノックアウト。もちろん、ラジオでは到底放送できない話のオンパレードです。

「アートの未来を占う見本市」ゲスト 辛美沙

 辛美沙さんは、1日1万人以上の観客を集める美術品見本市「アートフェア東京」の中心人物。これまでも森美術館や横浜トリエンナーレの運営を中枢で支えながら、日本のアート市場を育てる活動に尽力してきました。「アートは敷居が高い」という先入観をなくす方策は? 資金難の日本美術界に熱い視線を注ぐ意外な人たちとは? 私たちに必要なのは、アートが工芸ではなく哲学であると理解すること。裏話が満載の本音トークで、アートの現在がよくわかる30分です。

 プラスワンは、辛さんの原点でもあるニューヨークの話題から。世界的なアートの街となった背景には、見習うべき社会制度や精神風土がありました。美術品収集を始める動機は不純でも結構。日本の歴史を振り返れば、茶の湯も究極の見せびらかし文化なのです。
 若手の作品なら数千円で入手可能であることを教えてくれる辛さん。日本をアート大国にするには、市民が作品を購入するのが近道。現代アートの世界がぐっと身近に感じられる話題がいっぱいです。

2010年03月23日

「文化を創造するライブカフェ」ゲスト 石川茂樹

 武蔵小山のライブカフェ「アゲイン」は、意外な有名音楽家や落語家が出演する文化の発信地。店主の石川茂樹さんが、地元色あふれるエピソードを楽しく披露してくれます。
 数年前に蓄音機を入手したことが契機となり、SP音源の復刻に力を注いでいる石川さん。古川ロッパが歌う幻のオリンピック・ソングや、余興のつもりが大ヒットを飛ばしてしまったバートン・クレーンの逸話など、戦前の日本ポピュラー音楽史にまつわる驚愕の事実をお聴き逃しなく。

 プラスワンは、石川さんが師と仰ぐ大瀧詠一さんの話題で幕を開けます。大好きだったラジオ番組「GO! GO! NIAGARA」のレア音源は、今でもカフェで配布中。密やかなオマージュとして始めたウェブサイトに、大瀧さん本人からメールが届いて夢のような交流が始まりました。
 プロアマ問わず、様々な表現者が集うライブカフェの日々。「本物の表現とは……」と徐々に熱気を帯びてくる石川さんの言葉が、スタジオをカフェ営業中の雰囲気に染めていきます。

2010年03月16日

「仏教をヒントに楽しく生きる」ゲスト 釈徹宗

 著作を通じ、宗教をやさしく解説してくれる釈徹宗さん。ジョン・レノン「イマジン」に般若心経の精神を見出してスタジオを驚かせます。
 「自己決定の時代」とは某政治家の弁ですが、自我の肥大化はほどほどに。苦しまずに生きるため、信仰はなくとも仏教の知恵だけ活用しようと釈さんは提案します。「川を渡ったら筏は不要」とはブッダ本人の弁。教えさえも捨てよという教えは、仏教以外にありえません。視界が爽やかに開け、心の荷が軽くなること請け合いのトークです。

 プラスワンでは、古民家に認知症患者を集めたグループホーム「むつみ庵」の活動を紹介します。認知症の人たちから「愚知」を学び、苦しみから解放されたと語る釈さん。理不尽な障壁に対処する、圧倒的なやわらかさが印象的です。
 京都の町家に作ったケアホームでは、人工呼吸器を拒否する住人を巡って大論争が展開中。生きさせようとする周囲の人々と、自然な生を全うしたい本人、それぞれに語った釈さんの言葉とは? 笑い話を交えた雑談。内容は第一級の法話です。

2010年03月15日

「書道の常識を変える」ゲスト 武田双雲

 ドラマや商品の題字にひっぱりだこの武田双雲さんが、意外なデビュー秘話を明かしてくれます。
 3歳で母に書の手ほどきを受けたものの、情報科学を学んでNTT東日本に勤務。そこで達筆を見込まれて書いた名刺用の題字を褒められ、嬉しさのあまり会社を辞めてしまいました。街角で書のパフォーマンスを始めると、いつしか時の人に。本人曰く「行き当たりバッチリ」な無計画人生は、「言葉を学んで、生き方を学ぶ」という書道の哲学にぴたりと寄り添っています。

 プラスワンでは、双雲さん独特の人生論が展開します。進歩を妨げる難敵は義務感。「自由人とは、命令されない立場の人ではなく、命令されたことさえも自分が望んだこととして楽しめる人」とは至言です。書道教室では「リレー書道」や「下手字大会」などのアイデアが大人気。手本の模倣ではなく、自分の美意識に沿った字を書くことがゴールなのです。上達のコツは「腹筋1日1回以上」といった低いハードル。朗らかな自然体の中に、本物の求道心が宿っています。

2010年03月02日

「哲学の巫女、池田晶子の思い出」ゲスト 中嶋廣

ユニークな人文書の出版で知られるトランスビュー。社長兼編集者の中嶋廣さんに、哲学エッセイの名手だった池田晶子さんの思い出をうかがいます。
 初めて執筆を依頼した89年秋、待ち合わせ場所に現れた池田さんの美しいオーラ。中嶋さんの個人的な要望に応えたという名著『14歳からの哲学』の誕生秘話。生きることの本質を平易な言葉で綴った池田さん。没後3年が経った今も、著作は着実に読み継がれています。他では聞けない貴重な逸話の数々をお楽しみください。

プラスワンでは、編集者の視点から見た池田晶子さんの人間像に迫ります。養老孟司さんとの意外な共通点。飲むほどに明晰さを増すという酒豪伝説。「死の原因は、生まれたこと」という言葉どおりの生きざま。晩年には元来の抽象力や詩情に構想力と生活感が加わり、神話のような作品を書く予感があったと中嶋さんは証言します。番組後半では、良質な人文書を出版し続けるトランスビューの経営術を披露。返品率5%という驚くべき実績の理由など、聞き逃せない話が満載です。

2010年02月23日

「ベルリンの壁が崩れた日」ゲスト 徳山喜雄

 カメラマンとして多くの重大な取材に関わり、現在は朝日新聞ジャーナリスト学校で主任研究員を務める徳山喜雄さん。専門誌の発行や授業などを通じ、報道が抱えるさまざまな問題に向き合っています。
 政治家と親しい記者が公平性を保てるのかという疑念や、朝日新聞は変わったという厳しい指摘にも正面から回答。日本社会が報道全般に対して批判的な現在、もう一度ジャーナリズムの底力を信じてみようと思わせてくれる真摯な言葉が心を打ちます。

 プラスワンでは、徳山さんの原点である東欧革命にスポット。ハイライトは、ベルリンの壁崩壊の舞台裏です。
 西側に脱出する東ドイツ国民の動きを追うため、ウィーンに降り立った徳山さん。ビザの発給を待ち、ようやく到着した東ベルリンで報道官の発表に耳を疑いました。国境解放の真偽を確かめようと、検問所を取り囲む市民数万人。怒号に屈した職員が門を開け、壁の向こう側に走り出す群衆。歴史的な現場を回想する、徳山さんの言葉は鮮烈そのものです。

2010年02月16日

「落語の素朴な疑問に答える」ゲスト 桂平治

 文化庁芸術祭新人賞を受賞し、今もっとも旬な噺家の一人である桂平治さん。桂文治師匠の思い出話に始まり、落語に関する素朴な疑問に答えてくれます。師匠から口移しでネタを学ぶ方法。学んだ噺をいったん封印して、再び血肉化する「お蔵入り」のプロセス。流派が異なる師匠からも無償で学べる落語界の伝承システム。落語の「噺(はなし)」は口編に新。古典にも、新しい切り口が欠かせません。今すぐ寄席に出掛けたくなる、落語の魅力がたっぷり詰まった30分です。

 プラスワンでは、平治さんの遍歴や私生活に迫ります。テレビを録音して覚えた「転失気」を、親類の前で演じた早熟な小学生時代。地元に来た憧れの桂文治さんに入門を志願し、高校3年生の夏休みに東京での修行を実現させて内弟子となりました。生来のおしゃべりで、いつも楽屋が賑やかな平治さん。外出時はいつも和服で、俳句や絵手紙をたしなみます。カブトムシの飼育もプロ級。「焦らず、怠けず」をモットーに我が道を行く、気取らない魅力をお楽しみください。

2010年02月09日

「しがみつかずに生きてみよう」ゲスト 香山リカ

 精神科医の立場から、現代人の心の問題を見つめている香山リカさん。科学者を志望しながらも文学や哲学に傾倒した医学生時代の逸話が新鮮です。
 医師となって25年、患者とはいつも真剣勝負。人間に備わった生来の回復力を信じながら、心の病との闘いは続きます。近所や親戚との付き合いもなく、悩みを相談できずに孤立する人たちにとって、精神科は「よろず相談所」のような場所。「うつ病」と「ただの悩み」の見分け方など、聞き逃せない内容が盛りだくさんです。

 プラスワンでは、香山さんの持論である「しがみつかない生き方」をわかりやすく解説します。他人に認められよう、自分らしく生きようと思うあまり、疲れ果ててしまう人々。自分が持っている資質を否定して、遠い理想を追う努力の不毛さ。自らが置いたハードルで転ぶのはもうやめよう。背水の陣をしかずに生きてみよう。成長ばかりに執着せず、立ち止まったり振り返ったりしてみよう。ストレス社会で働く、大人の生き方へのヒントが心に響きます。

2010年02月02日

「時代に媚びない生き方」ゲスト 佐山一郎

 元スタジオ・ボイス編集長の佐山一郎さんは、無類のサッカーファン。南アフリカで開催されるW杯では、65年以来の再戦となる北朝鮮VSポルトガル戦を楽しみにしています。ユニークなこだわりは、W杯のラジオ観戦。言葉がプレーについていけないもどかしさを受け入れ、今大回もこの荒行を敢行するのだとか。日本サッカーへの提言は、尽きることを知らず。南アの高地対策にはバイアグラが効くといった珍説も。時代に媚びない発言が、佐山さんの魅力です。

 プラスワンは、佐山さんの昔話からジェネレーション談義へ。全共闘世代の背中を見て育った53年生まれで、同世代にはYMOの3人や大貫妙子さん、村上龍さんらがいます。高校時代から機動隊と対決する無鉄砲さの裏には、深い知的コンプレックスもありました。テレックスの時代より、村上春樹さんの奇抜なポートレートなどで革新的な雑誌編集を展開。「発信しないと情報は入らない」という信念は今も健在です。安直に老成しない、ダンディーな反骨精神が光ります。

2010年01月26日

「日本一きな臭い写真家」ゲスト 宮嶋茂樹

 通称「不肖・宮嶋」。報道カメラマンの宮嶋茂樹さんは、ロバート・キャパの写真作品より、その破天荒な生き様に憧れていました。モスクワで娼婦を撮影した、爆笑のデビュー秘話。ベトナム戦争の取材経験を吹聴する先輩に追いつこうとルーマニアに潜入し、迫り来る戦車を見て「間に合った」と安堵した若き日。信者に通報された、捨て身のオウム取材。水も出ない安宿で、戦闘に巻き込まれるのを待ったアフガン。危険を笑い飛ばす、宮嶋さんのパワーが全開です。

 プラスワンでは、報道カメラマンという生き方に迫ります。取材の度に書き換える遺書には、「救助するな」「俺の遺体は現地で焼け」といった希望が。硝煙の臭いが好きなのは男の性(さが)。戦争は決してなくならないというリアリティが、宮嶋さんを次の現場へと駆り立てます。メディアの低能を糾弾し、指導者たちの無教養やエコロジー原理主義の狂気を罵倒する宮嶋節は痛快そのもの。インターネットだから許される、危険な発言のオンパレードをお楽しみください。

2010年01月19日

「常識は真実にあらず」ゲスト 和田秀樹

 医療、教育、文化などの多分野で活躍する和田秀樹さんが、知的興奮に溢れたトークをお届け。精神科医の立場から鬱病の問題を論じ、自殺率低下に向けて行う本質的な提言が聞き逃せません。
 40代で初めてメガホンを取った映画作品『受験のシンデレラ』は、いきなりモナコ国際映画祭で最優秀作品賞、主演女優賞、主演男優賞の三冠という快挙。「理由を考えたら動けない。だからまずは動き出そう」。失敗に学び、着実に進歩するためのアドバイスは驚きに満ちています。


 プラスワンでは、和田さんの世界観をさらに掘り下げます。テレビの断定的な言説を鵜呑みにする愚かしさ。我に正義ありと信じる人は変われないという事実。若者が苦しみ、お年寄りも不幸なこの日本社会を好転させる秘策。誰も教えない受験の必勝法や、子どもを勉強好きにする方法も必聴です。
 悪玉であるはずの内臓脂肪も、疫学調査では長生きの傾向が。科学や哲学を横断しながら、刮目の持論を連発する和田さん。常識を覆す、知的快感が止まりません。

2010年01月12日

「新作と古典の円熟」ゲスト 昔昔亭桃太郎

 昔昔亭桃太郎さんの晴れやかなトークで、不況の憂さを吹き飛ばします。
 ホテルに入社したものの終身雇用制度が信じられず、老いても働ける落語家を目指したという桃太郎さん。飄々とした気風は生来のもので、弟子にも身の回りの世話はさせない放任主義を貫いています。ユニークな新作落語で人気を博した後、味わい深い古典落語でも高い評価を確立。照れ屋なので、人情噺や廓噺が苦手なのだという意外な一面も。自然体で円熟を極める、話芸の魅力に迫ります。

 プラスワンは、桃太郎さんの自分史と私生活にクローズアップ。親が購読していた「文藝春秋」や「婦人公論」を読み、テレビよりもラジオに親しんだ早熟な少年時代。若手の高座を聞いて古典のレパートリーを増やしているという告白には驚かされますが、未熟達者から学ぶのは「風姿花伝」でも説かれた正しい芸の道なのだとか。
 大好きな石原裕次郎や長嶋茂雄のお話、夫婦円満の秘訣、政治談議、ブログのこぼれ話など、楽しい話題は尽きることがありません。

2010年01月05日

『世界を動かす原始の「詩」』ゲスト 小池昌代

 小説『転生回遊女』を発表したばかりの小池昌代さん。最近は舞台や朗読会でも多彩な活動をこなしています。
 小池さんが幼少時から信じてきたのは、表現としての詩作ではなく、この世界に作用している原始の「詩」の力。それは音楽や絵画の中に宿り、誰かにかけられた平凡な言葉にもしっかりと息づいているものです。
 近頃編纂した『通勤電車で読む詩集』から、自作の詩も朗読。親にも秘密だったという詩への思慕の深さが、ひしひしと伝わってくるトークです。

 プラスワンでは、詩集を積み上げて楽しい朗読会。最近のお気に入りは萩原朔太郎だと語る小池さんが、その魅力を改めて解明します。言葉に寄り添われ、別の世界に突破できるのが詩の力。当たり前のものを再発見すると、人はまだまだ生きていけると実感できるのです。
 インドで見た、貧しくも美しい生の営み。呼びかけたくなるほど身近に感じてきた死というもの。中本道代さんの詩に描かれた、幻想的な不在。気取りのない言葉の中に、詩人の真実が溢れています。

2009年12月29日

「時代を創るカリスマ編集長」ゲスト 小黒一三

雑誌ブルータスの黄金時代を築き、現在はソトコト編集長として活躍する小黒一三さん。スローフード、LOHASといった流行語の仕掛人としても知られ、出版界に多大な影響を与えてきました。
 エコを先駆的に取り上げた雑誌ソトコトも、今ではすっかりメジャー誌。3年前から北京版を出版するなど、未来への舵取りも万全です。ケニアのマサイマラで経営するリゾートホテルも創設20年が目前。雑誌編集のダイナミズムを生きる、刺激的なトークをお楽しみください。

 プラスワンでは、カリスマ編集長の素顔に肉迫。古典的な文芸派ながら、雑誌作りでこだわったのはページを繰る時に快感をもたらす意外さの演出でした。食べることが最大の快楽という江戸っ子で、ケチは嫌い。それでも高価な食事には興味なし。一歩家を出たら帰宅の予定は知れずという旅好きで、アフリカのテレビ局で相撲を放送するという破天荒な夢を持っています。義理と人情で培った人脈がもたらす土壇場の強運。執着のない生き方が、新しいページを作るのです。

2009年12月22日

「ブルーグラス浪曲で世界を歌う」ゲスト 国本武春

 浪曲師の国本武春さんが、三味線を弾きながら新しい浪曲の魅力をたっぷりと伝えてくれるトーク。
 浪曲師の両親を持ちながら洋楽に傾倒した武春さんは、ギターの感覚を活かした独自の奏法で浪曲の世界観を広げました。渡米して「アパラチアン三味線」なるスタイルを確立し、バンジョーと三味線が同根であると証明。また「浪曲師の数だけ浪曲がある」とは至言。とことん自由な表現力に脱帽です。

 プラスワンでは、そのユニークな芸の秘密に迫ります。
 新人が激減する浪曲界不毛の世代を背負う武春さんは、洋楽バラードを七五調に乗せたり、ロック調のオリジナル浪曲を演じたりしながら独特の表現を磨いてきました。ブルーグラスを取り入れた浪曲『バンジョーサム』など、ボーダーレスな世界は今や老若男女に人気を博しています。ゴキゲンな『堪忍ブギ』のグルーブに、スタジオも大興奮でした(歌唱部分は未収録です。予めご了承ください)。

2009年12月15日

「楽しい無計画人生のゆくえ」ゲスト 南伸坊

 マルチな才人、南伸坊さんは糸井重里さんとの共著『黄昏』を出版したばかり。旅をしながら交わした雑談を収録したその内容は、馬鹿馬鹿しいほど呑気で贅沢。お互いを信頼しきった悪ふざけや阿吽の呼吸が、うらやましい限りです。
 還暦を過ぎても老境に入れず、老いのモデルが見つけられないと語る伸坊さん。飄々と人生を切り開いてきた団塊世代の申し子は、まだまだ漂い続けます。好奇心を失わない少年のような感性に、ほのぼのとさせられるトークです。

 プラスワンでは、昔話からスタート。69年に出会った師匠、赤瀬川原平さんとのエピソードは尽きることがありません。名編集者・松田哲夫さんとの馴れ初めや、青林堂の長井勝一社長の下で「ガロ」編集長を務めた時代の思い出にも爆笑の逸話が満載。チキンラーメンのCMでテレビに登場して以来、有名人の顔真似や扮装に邁進するなど、本気と冗談の区別がありません。「流れに身を任せていたらこうなった」。そんな無計画人生が、とことん爽やかです。

2009年12月04日

「よくわかる能の楽しみ方」ゲスト 辰巳満次郎

 3歳で父に手ほどきを受けて以来、能ひとすじに約半世紀を生きてきた辰巳満次郎さん。演劇との相違などを足がかりに、能の魅力をユーモアたっぷりに解説してくれます。
 微妙な所作から、演者の内面に充満する感情を想像するのが能の醍醐味。稽古した曲を演じるのが数十年後ということは珍しくなく、本番は一回限りであるのも歌舞伎などと異なるところ。「邯鄲」の一節を演じる辰巳さんの美声にスタジオはうっとり。幽玄の世界が身近に感じられる楽しいトークです。

 プラスワンでは、能の鑑賞法をさらに手ほどき。「能を見て寝るのは日本人だけ」という事実が語るように、無理にわかろうとせず、自然体で向き合うのが理想的な楽しみ方であると辰巳さんは説きます。能舞台の構造や衣装の美しさ。茶、華、書にも通じる「序破急」の神髄。傾けるだけで表情を変える能面の不思議。シェークスピアも演目となる懐の深さ。神への捧げものとして始まった能は、いつしか人間も観賞する芸能に。その深遠さは、決して難解なものではないのです。

2009年12月01日

「書道を空間に解き放つ」ゲスト 中塚翠涛

 中塚翠涛さんは「空間カリグラフィーデザイン」を実践する美貌の書道家。周囲の環境に相応しい文字表現を考え、生活を彩る新しい書のスタイルを提示しています。
 幼少時から文字を書くことが大好きで、本格的な書道の素養を身につけながらも幅広いジャンルで活動。お店のインテリア、商品のラベルなどを独創的な文字で彩り、書の表現力に改めて気づかせてくれました。楽しい書道教室の様子や、ペン字練習に関するアドバイスなどもお聞き逃しなく。

 プラスワンでは、創作の秘密にクローズアップ。先日のデザインイベントでは、空海の言葉をボディに書き付けた人形作品を発表して話題になったばかりです。文房四宝を携行するという海外旅行のお話も聴きどころ。イタリアでは食べ歩きや美術館めぐりを創作の糧にし、モルジブでは現地のディビヒ語を書いた後に不思議な体験が待っていました。国境を越える書道の魅力を信じ、自然体で文字の可能性を追い求める中塚さんの発言が新鮮です。

2009年11月24日

「大人を巻き込むコロプラの魅」ゲスト 馬場功淳

 馬場功淳さんが語る、コロプラファン必聴の裏話が満載。「ランダムの世界には神様が住む」と語る馬場さんは、いたずら者の「コロわらし」や隕石といった厄介な存在を織り交ぜながら仮想世界に深みを加えています。ゴールのないゲームにそれぞれの意義を見出し、成熟した社会を自発的に作り上げるユーザーたち。遊びながらライフログで記憶する日々の思い出。各地の隠れた名店と提携するビジネスの拡大。その世界観は、未来社会の理想像をはっきりと示しているのです。

 プラスワンでは、コロプラファン必聴の裏話が満載。「ランダムの世界には神様が住む」と語る馬場さんは、いたずら者の「コロわらし」や隕石といった厄介な存在を織り交ぜながら仮想世界に深みを加えています。ゴールのないゲームにそれぞれの意義を見出し、成熟した社会を自発的に作り上げるユーザーたち。遊びながらライフログで記憶する日々の思い出。各地の隠れた名店と提携するビジネスの拡大。その世界観は、未来社会の理想像をはっきりと示しているのです。

2009年11月17日

「出版界のカリスマは口説きの達人」ゲスト 櫻井秀勲

 櫻井秀勲さんは、松本清張さんらの名作を世に出し、人気雑誌「女性自身」の一時代を築いた出版界の重鎮。その著作は20年で160冊以上を数え、78歳となる現在も朝5時まで働くバイタリティを失いません。「女学の神様」と呼ばれるほど女性を研究し、その実力はあの三島由紀夫さんに女性の描写について意見を求められるほど。女子社員を「OL」と呼び始めたのは櫻井さんでした。8人の女性を囲って情報収集をするなど、往事の型破りな仕事術も驚きの一言です。

 プラスワンでは、ご専門である「女学」を詳細に解説。女性を口説けない男は、同僚の心も動かせず、お客様も逃してしまう。そのような考えの根底には、思いやりと気配りを欠かさない櫻井さんの生き方が見えます。古い経験則は無用とし、今や女性の結婚適齢期は38歳であると断言。また占い研究家としての信条は「吉凶は動より生ずる」というもの。不幸も幸福も一時のことなのだから、愚直に生き、常に行動を起こせという骨太のメッセージが勇気を与えてくれます。

2009年11月10日

「釣りの先に見える世界」ゲスト 児島玲子

 タレント業を通じて釣りと出会い、今ではプロの釣り師となった児島玲子さん。初めての渓流釣りで特大の岩魚を釣り上げて以来、あらゆるタイプの釣りを国内外で体験してきました。中でも丸2日かけて行ったモザンビークでの体験談は、まるで『老人と海』のような世界。手漕ぎの丸太舟で竿も持たずにカジキを釣り上げるという地元の漁師や、沖合まで泳いでくる素潜りの達人、海上のリーフを歩いて貝を拾う人々。釣りが与えてくれた出会いの物語に心が洗われます。

 プラスワンでは、さらにディープな釣り談義へ。釣り人に必要なのは、いつも試行錯誤を続ける忍耐強さ。自然を愛し、時折見せる苛烈な表情も受け入れる態度が欠かせません。最近は子どもを対象に釣り教室も開催している児島さん。釣りのノウハウはもちろん、自然の豊かさを直に知ってもらうことが目的です。風の音、土や生き物の匂い。海水の冷たさ。プライベートではGT(ロウニンアジ)に首ったけという児島さんの、ピュアな言葉が心に響くトークです。

2009年11月03日

「反骨と笑いの映画評論」ゲスト 町山智浩

 人気コラムニストとして知られる町山智浩さんは、97年より米国に住み、ラジオや出版物で日米の興味深い文化や事象を解説しています。
 パンタらのロック音楽に憧れ、宝島の編集者になったのは大学在学中の時。その宝島社を退社し、渡米を決意した理由は意外なものでした。映画やサブカルに関する事情通ぶりは驚くべきもの。とっておきのトリビアを縦横無尽に繰り出しながら世相を鋭く斬る町山さんの、知的アウトサイダーぶりをお楽しみください。

 プラスワンは、映画評論家としての気骨ある活躍にクローズアップ。映画界の内情を知る町山さんは、配給が見送られた名画を日本で公開させる功労者となって映画ファンを喜ばせました。
 番組終盤はスリリングな映画談義に。『燃えよドラゴン』が世界中で愛された本当の理由。『ロッキー』のエンディングが撮り直されていた驚愕の事実。『ジョーズ』に潜むアメリカ社会の縮図。自らが監督した映画の撮影秘話も爆笑もの。その豊かな見識と批評精神に脱帽です。

2009年10月30日

「テレビ番組の舞台裏」ゲスト 小堺正記

 「クローズアップ現代」のプロデューサーとして活躍する小堺正記さんは、NHKに入局以来、20年に渡って情報番組の制作に携わってきました。小さなアイデアを発端に作り上げられる番組制作の面白さを教えていただきます。地道な取材を重ねても、大半が割愛されることはテレビの常。しかし視聴者からの反響で、別の番組に発展することもあります。
 「番組制作は瓦版屋のようなもの」とは小堺さんの弁。事実を声高に伝えるだけでなく、背景を検証する距離感も持ち、視聴者が自ら考えて行動できるような良質な情報を今日も発信しています。

 プラスワンでは、小堺さんが幾度となく題材とし、大反響の末に書籍まで刊行したうつ病の問題に焦点を当てます。
 日本のうつ病患者は100万人を超え、周囲の人に病状を明かせない状況が患者を苦しめています。治療も短時間の面談と投薬で終わり、その薬がさらに容態を悪化させることも。投薬の前に、臨床心理士などのカウンセリングが有効だと訴える小堺さん。うつ病治療の誤解を解くために続ける取材は、画面に映らない真摯なジャーナリズムを支えているのです。

2009年10月26日

『生命、それは「流れ」そのもの』ゲスト 福岡伸一

 エッセイの名手としても知られる青山学院大学教授の福岡伸一さんは、長年に渡ってミクロの世界を見つめてきましたが、遺伝子の実態を知るほど生命の謎は深まるばかりです。近刊『世界は分けてもわからない』は、顕微鏡を覗き込む時の視野の狭まりを指摘しながら、自戒の念を込めて書いた傑作エッセイ。番組でもそのハイライトを披露してくれます。
 私たちの常識を覆す細胞のふるまいや、その集合体である生命の不思議。知的興奮に溢れたトークが止まりません。

 プラスワンは、生命の正体に迫る壮大な内容。地球上で38億年も営々と存在している生命現象の秘密は、破綻する前に自らが分解して作り直す「ゆるゆるのシステム」にありました。すべての生命体は、情報、物質、エネルギーの大きな流れの中にあり、個体が死を迎えてもその身体の分子は他の生命体に受け渡されて全体の生態系が保たれます。
 極めて平易な言葉で、驚くべき世界観を描き出す福岡さん。聴き終えた後、周囲の風景が変わって見えること請け合いです。

2009年10月19日

「あの名曲の原風景」ゲスト 山上路夫

 喘息で寝たきりの思春期を過ごし、21歳で作詞家になることを決意した山上路夫さんは、これまでに数えきれないほどの流行歌やCMソングを手がけてきました。その言葉の世界が、私たちの心にここまで深く染み込んでいるのはなぜでしょう。
 「瀬戸の花嫁」を聴いた誰もが見たこともない段々畑をありありと思い浮かべ、「私鉄沿線」を聴いた誰もが、その舞台を身近な街になぞらえる不思議。番組では懐かしい山本コウタローの名曲「岬めぐり」をオンエアー。山上さんの言葉を通して、日本人は美しい原風景を共有してきたのです。

 プラスワンでは、名曲の創作秘話を次々に公開。モデルの店はここだという諸説が全国各地にある「学生街の喫茶店」。ロードムービー的情景が美しい「岬めぐり」。「翼をください」は、ヒットが終わった後も学生たちに歌い継がれています。あの「瀬戸の花嫁」が、経済成長で失われた日本の情景を歌うプロテスト・ソングだったという山上さんの告白にスタジオは驚愕します。
 時代を抱いた流行歌やCMソングに、身近で心を打つユートピアを描いてきた半生。山上さんの優しい詩情が、しみじみと伝わるトークをお楽しみください。

2009年10月07日

「どこにでもある真理」ゲスト 立松和平

文筆30年の立松和平さんが最新の小説で描いているのは、認知症と向き合う夫婦の姿。これから老年期に入る同世代に「今をしっかり生きないと、たちまち時は過ぎ去ってしまう」と語りかける言葉が切実です。
 同じく近刊のエッセイ『禅語に生きる』は、自伝的なエピソードを織り込んだ禅語集。若き日の悪戯や失敗談、初めて見た海の忘れられない印象、仏教との縁を得たというインド旅行の様子など、心に沁み入るような逸話が番組でもしみじみと語られます。

プラスワンでは、仏教を軸に話題が展開。日常に寄り添う“スローな宗教心”を理想とする立松さんは、身を清めて神仏に出会うことを目的とする日本古来の登山を実践中です。
 道元禅師が伝え聞いた金言を引きながら、どんな世俗の場所でも修行ができると説く立松さん。11年前に建立した知床の毘沙門堂には、宗教や宗派を越えた聖職者たちが訪ねてきます。執筆中の小説に関する予告も聴きどころ。恥多き人生を肯定する、自然体の言葉に勇気づけられます。

2009年09月29日

「ユニークに深化する古典落語」ゲスト 橘家文左衛門

古典落語の名手である橘家文左衛門さんの原風景は、少年時代から慣れ親しんだ盛り場にあるようです。手品や曲芸を見ようと寄席に通い、「サーカスにさらわれたい」と期待して歩いた浅草界隈。中学卒業後に落語家を志すも家族に反対され、家出して職を転々とします。橘家文蔵さんを尾行して自宅を突き止め、いきなり弟子入り志願。
高座では無頼なイメージの文左衛門さんですが、噺家であることの喜びを細やかに感じさせてくれる、ファン必聴のトークです。

プラスワンでは、文左衛門さんの私生活に迫ります。寿司屋のアルバイトで培った料理の腕はプロ級。楽しいお酒のエピソードにも事欠きません。他の噺家の落語をよく聞き、日常をじっくり見つめる習慣が、定評ある役作りの秘密。古典は噺の“ヘソ”だけ決めて一度壊してしまうという流儀で、新しい魂を注入します。
 現在は好きな山本周五郎の原作から噺を作ろうと思案中なのだとか。現代に通用する古典を追求する真摯な心が、懐の深い話芸を支えています。

2009年09月22日

「百年後にも読まれる本を」ゲスト 山口昭男

山口昭男さんが、雑誌『世界』の編集長を務めたのは激動の8年間。天安門事件、東西ドイツ統一、ソ連崩壊が続けざまに起こり、昭和の総括を敢行した号の発売前日に天皇が崩御するというドラマも経験しました。大胆な政策提言の後では、右派と左派の双方に叩かれることも度々。『諸君!』や『現代』の廃刊で、論争相手を失った寂しさも感じています。
文学少年だった山口さんが、これまでに会った作家は1万人以上。大作家たちとの貴重なエピソードに花が咲きます。

プラスワンでは、書物の未来について山口さんが熱弁。教養人への近道は、様々な古典に触れて名文の滋養を得ること。好きなジャンルで読書に親しみ、青春時代のちょっとした背伸びが人生を豊かにします。
1913年の創業以来、岩波書店は約3万点に及ぶ書籍を出版。文庫や新書も、岩波が草分けでした。山口さんが世に遺したいのは、未来の古典となる良書。読み捨てる情報ならネットで充分。2千年前の作者と対話できるメディアは書物だけ。読書好きの心に響く言葉が満載です。

2009年09月15日

「二胡で奏でる壮大な叙事詩」ゲスト ウェイウェイ・ウー (Wei Wei Wuu)

 二胡奏者のウェイウェイ・ウーさんが、素晴らしい演奏とトークをお届けします。中央アジアで発祥した二胡は、蛇革のボディと2本の弦が奏でる豊かな音色が特長。カタルーニャ民謡「鳥の歌」と、メンデルスゾーンの主題による「ティアーズ」の演奏にスタジオは恍惚となります。
 上海の音楽一家に生まれ、バイオリンの英才教育を受けたウェイウェイさんが、二胡を弾き始めたのは中学生の時。2002年にソロデビューするまでの半生には、驚きの逸話が満載です。

 プラスワンでは、ウェイウェイさんの思い出話でスタート。ボディに涙の跡が滲むほどバイオリンを練習した少女時代。二胡との出会いは、音楽人生に無限の広がりを与えてくれました。夢で聞いたメロディーから作るオリジナル作品や、ジャズ作品への取り組みも自然体。佐渡や奥入瀬の土産話には、日本への愛着もしみじみと。
 スタジオでの演奏は「アヴェ・マリア」(カッチーニ)。二胡は自分の分身と語る天才奏者の、ひたむきな芸術観を余すところなくお届けします。

2009年09月08日

「宇宙を語る落語家」ゲスト 柳家小ゑん

  落語家の柳家小ゑんさんは、小惑星の名付け親となるほどの天文ファン。知識とユーモアを交えた、星空にまつわる新作落語で異彩を放っています。
 今年の話題といえば、やはり皆既日食。ふたつの天体がぴたりと重なり、世界が変容する奇跡の時間を、臨場感たっぷりに活写してくれます。
 年に一度しか会えない織り姫と彦星の悲恋も、両人の寿命(百億年)を考えればまるで別の物語に。壮大な宇宙の摂理と下町感覚が出会う、小ゑんワールドをお楽しみあれ。

 プラスワンでは、小ゑんさんの尋常ならざるオタクぶりが明らかになります。実家が電器屋だったことから、ハンダ付けなど朝飯前の子供に。無線、オーディオ、カメラなどを自作し、最近は浅草の古道具屋で入手した蓄音機で、SP盤を楽しんでいるのだとか。お気に入りのペットは、イソギンチャク。マイナーな事物を愛し、深く探求する喜びが、小ゑんさんの話芸にただならぬ知性の輝きを与えています。

2009年09月01日

「真善美に目覚める世界経済」ゲスト 紺野登

 知識イノベーションの普及に努める紺野登さんが、世界経済の行方を示す刮目のトーク。グローバル資本主義の時代が終わり、やがて到来する「創造経済」の時代について大胆に自説を展開します。
 途上国のGDPが世界の半分に届きそうな現代。インドの小型車「NANO」のように、貧しい市民の視点から生まれる製品が、市場に革新をもたらしています。供給者の都合よりも社会のニーズ。サイエンスよりもアート。創造経営を行う企業は、もう身近に存在するのです。

 プラスワンでは、創造経営の思想をより詳細に解説します。日本を含む先進国では、自分が働く企業の社会貢献度を気にする若者が増加中。インターネットの普及で、贈与経済的な結びつきを持つ共同体が生まれている事実も見逃せません。
 市場経済だけが経済活動にあらず。企業の歴史もわずか100年程度であり、まだまだ成長段階なのです。「社会貢献はコストがかかる」という常識は逆転し、真善美こそが成長の必須条件に。紺野さんの世界観が、力強く響きます。

2009年08月25日

「金融腐敗から市民を守れ」ゲスト 広瀬隆

 綿密な政財界の調査で知られる作家の広瀬隆さん。最新作「資本主義崩壊の首謀者たち」では、米国の金融腐敗を解説しています。製造業を軽視し、他人が働いて手にした貯蓄を運用する強欲な投資家が崩壊させた資本主義。この人災を「百年に一度の金融危機」などと看做すエコノミストや政治家の無能。本当の経済崩壊が始まった米国で、オバマ政権は手をこまねくだけの無策ぶり。世界の経済危機を導いた、マスコミが報じない衝撃の事実を広瀬さんが次々と明かします。

 プラスワンでは、広瀬隆さんがウォール街の黒幕を名指しで糾弾。傲慢、腐敗、強欲にまみれた彼らは、破綻した金融企業に税金を誘導し続けています。政府がドル札を増刷し、FRBが米国債を買うという壮大な詐欺。日本国民の財産である巨額の銀行預金はすでに持ち逃げされ、なけなしの300兆円をウォール街に差し出す郵政民営化も目前です。物作りを基盤にした自立経済を目指し、農業を復興して若者の職場を作れ。ますます熱を帯びた広瀬さんの正論は、切迫感に満ちています。

2009年08月18日

「今日を生きるスローライフ」ゲスト 玉村豊男

 長野でワイナリーを営む玉村豊男さんに、人生の楽しみ方をご教授いただきます。
 奨学金を手にパリへ渡り、貧乏旅行に明け暮れた学生時代。20代で人気エッセイストとなり軽井沢に転居するも、不摂生がたたって2年間の闘病生活。それを機に、画家としても出発しました。還暦目前、多額の借金をして作り始めたワインは洞爺湖サミットで各国首脳に供されるものの、不見識な福田首相に腹立たしい思いも。
 笑いを交えた数々の逸話で、波瀾万丈の半生を語ります。

 プラスワンは、玉村豊男さんの幸福論が全開。現実から目を背けて遠い夢を見るのではなく、そろそろ成熟した大人の世界を生きようと明るく語りかけます。
 未来を案ずる心は不幸。「今日よりいい明日はない」と考え、目の前の食事を楽しむ幸せ。あらゆることに自分で手をかけるスローライフの本質が、過程を楽しむ点にあることを都会人は知りません。「ワインと女性は古いほどいい」「健康は病気の有無ではない」など、真に豊かな人生へのヒントが心を満たします。

2009年08月11日

「下町の気品を演じる名人」ゲスト 三遊亭円窓

 三遊亭円窓さんは、深川生まれの江戸っ子。膨大なレパートリーを誇る古典はもとより、独創的な現代落語の世界も開拓してきました。
 曰く「ベートーベンの新曲が出ないなら、それに比肩するものを作らなきゃ」。その試みが単なる実験に終わらないのは、円窓さんの厳しい審美眼の賜物です。漱石の「坊ちゃん」は、女中のお清さんを主人公にした人情噺に。近年始めた、ピアノ演奏と落語のコラボも大好評。溌剌とした落語への情熱は、変わることがありません。

 プラスワンは、三遊亭円窓さんの類い稀な創作意欲にズームイン。最晩年の春風亭柳枝さんに師事した美しい思い出。兄弟子の稽古を聞きながら噺を覚えた前座時代。500の噺を演じるという壮大な目標を立て、達成したのは2001年のことでした。
 近年は、アマチュアの裾野を広げるべく学校で落語の授業を開始。おかげで日本には落語ができる国語教師も増えています。
 グロは嫌いだという信条に基づいた「寿限無」の自作オチを披露するなど、聴きどころ満載。

「プラス1」シリーズはこちら(http://www.radiodays.jp/genre/index/17)よりご試聴、及び、ご購入できます
※ご購入時は、ラジオデイズ(http://www.radiodays.jp/)へのご入会が必要となります (入会金・月会費は不用です!)

2009年08月04日

「平明な言葉で真理を語る」ゲスト 八木幹夫

 中学校の教諭をしながら詩作を進めてきた八木幹夫さんは、ひらすら平明な言葉を用いた表現で幅広く支持され、難解な戦後の現代詩とは一線を画してきました。
 番組では、「声に出して意味が通らない詩は欠陥がある」と語る八木さん自身が、代表作「野菜畑のソクラテス」と最新刊「夜が来るので」から選りすぐりの詩を朗読。団塊世代の悲哀を描いた「のどが渇いた」が圧巻です。
 言葉のひとつひとつに宿る優しさや、時代への静かなメッセージが心に響くトークです。

 プラスワンでは、八木幹夫さんが著した「日本語で読むお経」の世界を詳しく紹介。原典のサンスクリット語にまで立ち返り、音韻性も上手く活かしながらあくまで平易に訳した仏典の言葉が新鮮です。
 かつて欧州で